(1)がん検診の受診率向上について
【内田みほこ質問】
「がん検診の受診率向上について」伺います。
私は選挙中も父の6回にわたる抗がん剤治療の容態を見ながら、改めて、末期がんの進行の速さ、「命と健康」について真剣に向き合うこととなった一年でした。
がんを克服する最大のポイントは何といっても「早期発見、早期治療」です。神奈川県の最新の2010年がん検診の受診率は、胃がん30%、大腸がん23%、肺がん21%、子宮がん26%、乳がん26%と、全国平均とさほど変わらない受診率です。    
がんによる死亡者を減らすためには、生活習慣の改善など、がんを防ぐ取組みや、県立がんセンターの機能強化など高度ながん医療を提供する体制の整備も大切ですが「がん検診」を本人が受診することが有効な手段となります。本人が意識してがん検診を受けることで、手遅れにならずに済むこともあるということを、常に知らせていく必要があるかと思います。
知事は「いのち輝く神奈川」を強く推し進めていこうとしていますが、厚労省が二十三年末に目指していた受診率五十%は未だ2、3割にとどまっているという現状を鑑み、せめて受診率が半数に近づくよう、県でも市町村と組んで何らかの手立てが必要ではないかと考えます。
そこで、知事に伺います。県はがん検診受診率向上のために、今後どのような取組みを進めていくのかお伺いします。

【黒岩知事答弁】
 内田議員のご質問に順次お答えしてまいります。
 「いのち輝くマグネット神奈川」の実現に向けた取組みについて、何点かお尋ねがありました。
 まず、がん検診の受診率向上についてであります。
 県は「がんへの挑戦・1 0か年戦略」の柱の一つに「がんの早期発見」を位置づけ、胃がんなど5つのがんについて、検診受診率50%の達成をめざしております。しかしながら、それぞれの受診率は、全国と同様未だ2割から3割程度に留まっております。
こうした中、県は、がん検診の実施主体である市町村に対して、その取組みを支援しております。具体的には、胃・肺など複数のがん検診を同日に実施することや、検診対象者へ個別に検診を呼びかけるなど、効果的な受診促進を行っている自治体の実例を市町村に情報提供しております。
今年度からは、神奈川県/予防医学協会などの協力を得て、700社を超える企業の担当者に対し、がん体験者からがん検診の重要性について直接語っていただくなど、従業員に受診を促すための研修を開催しております。
また、女性特有の乳がんや子宮頚がんが増加する中、昨年9月に開催した、乳がんの早期発見・早期治療のための「ピンクリボンかながわ」に私も参加し、がん検診の重要性について直接訴えてまいりました。
さらに、今後、美容師の皆さんに、がん検診の重要性を理解していただき、来店した女性に対して、身近な立場から受診促進の働きかけを行っていただくなど、女性への取組みを進めてまいります。
引き続き、市町村をはじめ、民間企業、医療保険者などの関係機関と連携を図りながら、受診率向上に向け、やれることはすべてやっていく、粘り強く取り組んでまいりたいと思います。

【内田みほこ】
 知事におかれましては、やれることはすべてやっていく、という心強いご答弁ありがとうございました。

平成23年度本会議質問

2012年2月24日