平成23年度本会議質問

2012年2月24日

(2)「食」を支える「農」の取組みについて
【内田みほこ質問】
「食」を支える「農」の取組みについて伺います。
来年度予算で医食同源に「農」を加え「医食農同源」が新規事業となっています。これは「いのち輝く神奈川」を具現化するため医と食と農が一体となって「いのち」そのものに向き合っていくという、知事の基本的なスタンスと考えます。
私の父は肺がん末期でも最後まで果敢に闘い続けましたが、私もできる限り食べさせることに腐心し、最期は食べさせて少しでも栄養を摂ることが命そのものをつなぐことだと確信しました。人間にとって「食」と「排泄」はもっとも基本的な生命維持に関わるのだと思ったものです。
今後、ニーズがさらに高まる「介護食」をはじめ、「食」は大切な「命」の根源であり、素材のおいしさを知って普段の食事に生かすことが、食の本当の豊かさでないかと考えます。
医食農同源を進めていくには、県民の「食」に関するさらなる意識の醸成も不可欠であり、地産地消をすすめる県として、「食」を支える「農」の今後のアプローチが大変重要です。県ではこれまで県内産農産物を提供するために大型直売センターの整備支援を行ってきたことは承知しています。
そこで、知事に伺います。県民の食を豊かにするため、新鮮で顔のみえる質のよい県内産農産物を求める家庭や飲食店、食品事業者のニーズに応える取組みを今後どのようにすすめていくのかお伺いします。

【黒岩知事答弁】
 まず家庭のニーズですが、県が行った調査では、8割を超える県民から、「地元で取れた新鮮な野菜や魚が食べたい」、「値段や見た目にかかわらず、安全な農産物が食べたい」などの声がありました。
 そこで、県はこうしたニーズに応えるとともに、経営規模が零細で、市場(しじょう)に出荷できない農家のために、県民と農家を直接結びつける、大型直売センターの整備に対し助成してまいりました。今後は直売する農産物の品揃えを充実するなど、農家がより一層県民ニーズに対応できるよう支援してまいります。
 一方、飲食店や食品事業者についても、地産地消のニーズ調査を行ったところ、「県内産農産物の取扱いを増やしたい」、「農家と直接取引したい」などの意見が数多く寄せられました。そこで、今年度、農家と飲食店や食品事業者等を直接結びつける取組として、「マッチング商談会」を県が試行的に開催したところ、ホテルと養豚農家の連携が実現しました。具体的には、飼育環境や餌(えさ)にこだわる農家が出荷した豚肉を、レストランで「しゃぶしゃぶ」として提供する、地産地消フェアが川崎のホテルで現在開催されております。
 こうした成果を受け、来年度は、マッチング商談会を本格的に実施する予定であります。
また、連携の成功事例を、農家と農業団体、飲食店と食品事業者双方に情報提供してまいります。このようにして飲食店等のニーズに応える連携が、より一層普及・拡大するよう支援したいと考えております。