★平成195月に議員バッチを頂きましたが、こちらの委員会が生まれて

はじめての「質問」でした。大勢の方を前に、非常に緊張致しました。

平成19年  商工労働常任委員会 - 0625日−01

平成19年  商工労働常任委員会

◎《委員会記録-平成196-20070625-000001-商工労働常任委員会》

1 開  会

2 正副委員長就任あいさつ

3 記録署名委員(内田・鈴木()の両委員)の決定

4 県政記者の写真撮影許可

5 担当書記の紹介

6 当局幹部職員の紹介

7 口頭陳情の許否について決定

  陳情第13号についての口頭陳情 許可

8 報告事項(商工労働部長)

  「総合計画の策定について」

  「行政システム改革の推進について」

  「最近の経済動向及び雇用情勢について」                  

  「平成19年度中小企業支援・雇用対策の取組について」             

  「「かながわ産業活性化指針」の改定について」                

  「産業競争力強化戦略(仮称)について」

  「かながわ産業集積促進方策(インベスト神奈川)について」  

  「TOKYO BAYツーリズムの推進について」         

  「かながわツーリズム推進指針について」 

  「神奈川R&Dネットワーク構想の取組状況について」             

  「平成18年度神奈川県中小企業制度融資の実績について」        

  「「シニア・ジョブスタイル・かながわ」の利用状況について」

 (午前1158分 休憩  午後1時15分 再開)

9 事務概要の説明

(1) 商工労働部関係(商工労働部長)

(2) 労働委員会関係(労働委員会事務局長)

10 日程第1を議題

11 提案説明(商工労働部長)

12 経営状況説明(商工労働部長)

  「()神奈川中小企業センター」

13 質疑(日程第1及び所管事項並びに報告事項も併せて)

 

内田委員

 まず、雇用関係について、質疑していきたいと思います。

 今定例会の本会議における自民党の桐生議員の代表質問に絡んで、障害者の方の雇用の推進についてお伺いいたします。

 企業の社会的責任の取組もようやく始まり、促進されていますが、いまだ県内企業全体においても、平成1812月に発表された数値で、本社所在地による集計で1.41%、事業所所在地による集計で1.6%となっており、どちらの集計でも障害者雇用率1.8%を達成していない状況だと思います。障害者雇用は非常に厳しい状況にあると考えますが、本県における障害者雇用の企業の社会的責任、取組について、これからお伺いしていきたいと思います。

 まず、昨年12月に公表された障害者の雇用状況において、初めて事業所所在地による集計値も公表されたと聞いておりますが、それまでの集計値とどのように異なるのかお伺いしたいと思います。

雇用産業人材課長

 本日の商工労働部報告資料その3の6ページに、本県における障害者雇用の状況を記載してございます。御指摘がありましたように、平成18年6月時点での障害者雇用率1.41%というものがございます。さらに6ページの表の右の欄ですが、参考値といたしまして1.6%というものが記載してございます。

 まず、1.41%という数字でございますが、これは県内に本社がございます事業所の雇用率を都道府県別に集計したものでございます。それが1.41%という値でございまして、例えば県内に事業所がありまして、障害者を雇用している場合でありましても、本社が他県にある場合、これは他県において、雇用率として集計されてしまうというような状況でございます。今回初めて参考値として発表されました1.6%という値、これは本社の所在地にかかわらず、県内の事業所が障害者を雇用した場合、都道府県別に集計したものでございまして、地域における障害者の雇用の実態としましては、参考値ではございますが、この事業所所在地による集計値、1.6%が実態に近いものだと理解してございます。

内田委員

 それでは、近年における障害者雇用率の推移というのはどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。

雇用産業人材課長

 6ページの表にもございますが、全国的には大体この10年くらいの間、1.4%台後半ぐらいで上がったり下がったりという状況で推移してございまして、本県の状況は、6ページには1.5%という値が記載してございますが、平成9年には1.6%という値でございました。これが景気の動向とか障害者をめぐる厳しい状況もありまして、じりじりと下がってまいりまして、平成17年6月の段階では、1.37%ということで全国最下位ということでございました。平成18年6月には0.04ポイント上がりまして、最下位は脱出したわけですが、都道府県別では46番目という大変厳しい状況ということでございます。

内田委員

 今の御答弁によりますと、だんだん下がってきたということですが、その理由は主にどんなところにあるのでしょうか。

雇用産業人材課長

 まず、本県の状況としては、先ほど申し上げましたように景気の動向、あるいは求人をめぐる動向が大変厳しいということと、あと相対的に他県のランクが上がったということもございます。それから、全般としまして、本県は大変厳しい状況ではございますが、例えば東京都もかなり低い値でございます。それから、愛知県だとか福岡県も低い値でございます。恐らくではございますが、障害者の方が通勤のために満員電車などに乗って行かざるを得ない状況にあり、例えば車が使えて、勤め先に駐車場があるような比較的ローカルな場所ですと、雇用しやすいという関係もございます。全般としまして、下がった状況としては、近年の景気の動向というのが大きな要因であると考えられます。

内田委員

 それでは、今、障害者雇用率は、業種によっても異なると思いますが、その辺りはどのようになっているのでしょうか。

雇用産業人材課長

 業種別に値が公表されております。例えば高い業種といたしましては製造業1.58%、それから金融・保険業1.54%、それから医療・福祉の分野1.53%ということで、比較的高くなってございます。それから、低い業種でございますが、不動産業0.58%、それから教育学習支援業0.78%、それから飲食、宿泊業1.01%でございます。

 この業種によって差異が生ずる原因でございますが、当然、業務の内容、それから職場の環境整備の状況というものが大きく起因しているのではないかと思います。製造業という形になりますと、ある程度職場環境の整備がしやすい。逆に、例えば教育学習支援業ですとか飲食、宿泊業というのはかなり対人的な問題、サービスの問題もありますので、そういった業務の内容がやはり影響しているのではないかと考えます。

内田委員

 それでは、神奈川力構想・実施計画()の方で、お聞きしたいのですが、数値目標とともに具体的にはどのような施策、事業に取り組むこととしているのでしょうか。

雇用産業人材課長

 実施計画()におきましては、主に2箇所、具体的な記載がございます。

 実施計画()22ページでは、これは主要施策ということでございますが、136億円ということで障害者への多様な就業支援ということで位置付けております。

 さらに、戦略プロジェクトということで、主要な、重点的、優先的に取り組む施策をまとめてございますが、戦略プロジェクトの7番で、就業支援の充実と産業人材育成というところでは、具体的に年度ごとで障害者の雇用率の目標数値を定めておりまして、2006年の1.6%、先ほど申し上げました事業所ベースですが、これを2010年には1.92%にすることとしております。

 具体的には、175ページにも記載がございますが、県が取り組んでおります障害者しごとサポート事業ですとか、知的障害者を多数雇用する中小企業に対して指導員の方を配置する補助等々の事業に具体的に取り組んでおりますし、先ほど全国最下位という、平成17年度の後、平成18年3月に消費者団体、労働者団体、それから国・県で神奈川県障害者雇用推進連絡会というのを設けてございまして、この5月にこの連絡会においても、2009年に1.8%という目標を設定しております。こういった目標を踏まえまして、連絡会の取組とも緊密な連携をとりながら、2010年の1.92%という目標達成に向けて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

内田委員

 障害者雇用については、以上で質疑を終わらせていただきますが、要望を申し上げます。

 今、全国最下位だったこともあるということで、神奈川力構想・実施計画()の中でも障害者雇用に関して、特別に2010年までに1.92%の目標に向け最大限取り組んでいただくとともに、また今おっしゃっていただきました神奈川力構想・実施計画()に位置付けた施策、事業を積極的に推進していただきたいと思います。また、関係機関との緊密な連携を図ることなどによって、本県全体で障害者の雇用、促進が図られるように取組の充実と強化をよろしくお願いいたします。

 続きまして、高年齢者の雇用関係について質疑してまいりたいと思います。

 いわゆる団塊の世代が今年から退職される問題で、次の仕事や働き方への迷いや悩みを抱えていると思います。そうした中、御報告にて、県においては総合相談窓口を持つシニア・ジョブスタイル・かながわを今年の1月30日にオープンし、さらに、4月からは()神奈川県雇用開発協会との共同運営により、機能を強化したと御説明がございました。この件に関して何点かお伺いしたいと思います。

 まず、本県における団塊世代の就業状況について、お聞きをしておきたいと思います。

雇用産業人材課団塊世代支援対策室長

 本県の団塊世代の就業者でございますが、平成17年の国勢調査の結果によりますと、約32万人で、これは県内の就業者の約430万人の7.4%に当たります。また、この32万人の数字でございますが、東京都、大阪府に次ぎまして全国で3番目に多い数字になっております。

内田委員

 全国で3番目というお話でしたが、今後、大阪府の政令市と比べると、今度は横浜市の方もかなり人数が増えてくるということになると思いますが、今後の状況というのは今の時点ではお分かりでしょうか。

雇用産業人材課団塊世代支援対策室長

 とにかくその3年間で32万人という数字のみを今つかんでいるというところでございまして、申し訳ございません。

内田委員

 それでは、次の質問にまいりたいと思います。

 その団塊世代を中心とした高年齢者に対して、シニア・ジョブスタイル・かながわを開設したと思いますが、なぜ御報告にあったような事業を行うこととしたのか、その経緯、理由についてお伺いしたいと思います。

雇用産業人材課団塊世代支援対策室長

 まず、2007年問題、団塊世代の大量退職というふうに言われますが、団塊世代の就業者が2007年から定年を迎えてまいりまして、今後、産業ですとか経済に大きな影響が生じるというふうに予想されました。本県でも、先ほど申し上げましたように32万人という人数がおりますので、産業・労働の分野に関しては影響が大きいだろうということで、やはり喫緊の課題といたしまして、高年齢者の雇用の確保とミスマッチの解消ですとか、高年齢者の専門能力の活用、その他にものづくり技術、技能継承もあり、そういう喫緊の課題があると受け止めました。

 そこで、昨年の9月でございますが、中高年齢者の働き方に関する調査を実施いたしました。やはりその中で団塊世代の9割近くの方が、60歳を過ぎてからも仕事を持ち続けたいと希望しておりまして、就業意欲は非常に高く、また、その方たちも正社員で働きたいという方が大体6割、アルバイト、短期間で働きたいという方が3割強でございました。また、働き方も現在の仕事の継続のほかに、転職、起業、NPO、ボランティア活動などの希望等、ニーズが多様化しているということが確認できました。

 そこで、この多様な働き方を、具体的には仕事がしたい、短期間で働きたい、職業能力を向上させたい、事業を始めたい、地域活動がしたいなどという六つに方向付けをいたしまして、その要望にきめ細かくこたえるための総合相談窓口を設置することといたしました。また、この総合相談がより効果的になるように、就職情報の提供など七つのサービスの提供を行うということと、さらに、必要に応じてシニア・ジョブスタイル・かながわと連携している機関を紹介するという事業を始めました。

内田委員

 今、ニーズが多様化したということで、六つに方向付け、また七つのサービスということですが、こうした先ほどの利用者数や、またアンケート結果の御報告などについてどのように考えて評価をしているのでしょうか。

雇用産業人材課団塊世代支援対策室長

 まず、利用者数でございますが、先ほど報告にもございましたように、開所から5月末日まででほぼ4箇月間でございますが、2,526人の方に御利用いただきました。そのサービスの中心となります総合相談でございますが、1,213人の方に御利用いただきました。このシニア・ジョブスタイル・かながわの総合相談でございますが、1日に大体12人から16人程度を迎えられるという相談体制をとっておりますので、4箇月で約1,200人の利用者数というのは想定した範囲ではあるのですが、まだゆとりがあるというふうに考えております。

 また、サービスの質ということの面で見ますと、利用者の98%が参考になった、大変参考になったというふうに答えていただいておりまして、特に4月以降は大変参考になったというお声が70%を超えました。そうしたことから、質的には御評価いただけているのかなと考えております。こうしたことは様々な関係機関と連携をして実施している専門相談や総合相談におけるきちっとした、かつ丁寧な支援機関の紹介のたまものではないかなと考えておりますが、今後はこのサービス水準を維持しつつ、利用者を増やしていくことが大切だと評価しております。

内田委員

 その評価の中にサービスの向上というふうにありましたが、先ほど表にございましたが、平日と土曜日しか開いていないという状況がありまして、日曜日も開けてほしいといった声も、もしかしたらあるのではないかと思います。また、その中身ですが、専門相談には、どういった相談がどのくらいあったのでしょうか。また、必要に応じて連携している支援機関を紹介しているとのことですが、どこの機関をどのくらい紹介しているのか、主なものだけお伺いしたいと思います。

雇用産業人材課団塊世代支援対策室長

 専門相談の方は月曜日から金曜日まで、異なるメニューでそれぞれの専門家がアドバイスをしております。5月末の実績でございますが、月曜日のシルバー人材センターに関する相談は18人、火曜日の年金・税金が29人、それから水曜日のNPO、ボランティア活動の相談は35人、それから木曜日の起業創業相談が36人、金曜日の職業訓練、これは平成19年4月から始めましたが、5月末日までに21人、合計で160人でございました。また、連携している国や県の支援機関の紹介状況でございますが、同じビル内の1階でございますが、ハローワークプラザよこはまをはじめとしましたハローワークに171件、それからOB人材マッチング事業を実施しております商工会議所、ここに116件、それから国の関係機関でもあります神奈川人材銀行に91件、シルバー人材センターに47件、NPO、ボランティア活動を支援しますかながわ県民活動サポートセンターに45件といった状況でございます。

 これらは、ただ機関をお教えするというだけではなくて、相談員が相手先の担当者に連絡をとって御紹介させていただいております。

内田委員

 4月からは()神奈川県雇用開発協会の運営する神奈川高齢期雇用就業支援センターと協働運営を行っているとのことですが、こちらの方はどんな事業を行っているのか。また、その協働運営をしていくメリットとは何か、お伺いしたいと思います。

雇用産業人材課団塊世代支援対策室長

 神奈川高齢期雇用就業支援センターでございますが、これは国の関係機関である独立行政法人高齢障害者雇用支援機構から委託を受けました()神奈川県雇用開発協会が、その内部組織として設置しているものでございまして、事業は主に在職者を中心とした中高年齢者に対しまして、高齢期における職業生活を充実させるための支援に取り組んでいるものでございます。そのため、シニア・ジョブスタイル・かながわの支援対象者と重なる部分がありますので、相互にこれを生かしていくことが退職後の仕事に悩んだり迷っている方にとりまして、より効果的な支援につながるものと考えまして、シニア・ジョブスタイル・かながわの隣接フロアーへの移転と、それから協働運営を神奈川労働局に提案いたしまして、合意に至ったものでございます。

 この協働運営による県民へのメリットでございますが、具体的には高齢期雇用就業支援センターは在職者中心の生活設計セミナーですとか、あとセカンド起業セミナーをシニア・ジョブスタイル・かながわ内のセミナールームで行いまして、県の方は多様な働き方の総合相談や専門相談を行うことで、利用者には1箇所で両方のサービスを効果的、効率的に利用していただけるという大きいメリットが生まれたと考えております。

内田委員

 お話を伺いまして、より良い県民サービスを提供しようという試みにより非常に良い施設になっているということを感じましたが、今までは広く県民には宣伝していないのではないかという懸念がございます。これからそういった意味で、県民に対してどのような周知とか広報をしていくつもりであるのか、教えていただきたいと思います。

雇用産業人材課団塊世代支援対策室長

 県民に向けての広報でございますが、今までにこのシニア・ジョブスタイル・かながわの主な取組内容と団塊世代対策の説明を含めた観音開きのパンフレットを6万部ほど作成し、また、施設のサービスを中心に説明した三つ折りのリーフレットを2万部作成しまして、ハローワークですとか県の機関、県民利用施設、市町村施設などに配布いたしました。また、ポスターですとか各種チラシ、それからティッシュ、これは街頭相談のときに配布いたしました。

 また、在職者にも十分周知を図らなければいけないと思いまして、企業の関係者へのパンフレットの送付ですとか、企業の方々の集まるところに行きましてPR、あるいはパンフレットを配布させていただいたところでございます。あとはホームページとか県のたよりですとか、県民の窓だとか、できるだけ広報に努めております。あと6月16日がグランドオープンということで、「団塊世代」という言葉の生みの親の堺屋太一さんをお呼びしまして、講演会を開催いたしました。これらは新聞にも取り上げられましたので、少しはPRになったのかなと考えております。

内田委員

 高年齢者の雇用については、以上で質疑を終わらせていただきます。団塊の世代など高年齢者の多くは、これまでの様々な経験や実績も積んできた方々だと思いますが、働きたいという意欲をお持ちの方が大勢いらっしゃるということが分かりました。また、この方々の気持ちを引き出して、具体的な行動を起こすためのきっかけや啓発を行うことは、将来、神奈川においてきっと直面してくるであろう高年齢者の雇用問題、これにも対応できると思います。また、シニア・ジョブスタイル・かながわにおきましても、高年齢者の方々の多様なニーズにこたえられるように関係団体と連携をして、メリットを十分生かして運営を行うとともに、今でも行っていると思いますが、しっかりとした広報を行っていただき、更に企業に協力をいただいたりして、広く啓発されることを要望いたします。

 また、もう一方では、年金だけでは食べていけないような高年齢者の方もきっと出てくると想定しておりますが、県では将来、どんなふうに対応していくのかということとか、また、高年齢者の雇用に対して、特に団塊の世代の多くが退職する時期の数年後をにらんで、神奈川県としては、暮らし、生活、雇用といったものについて、何か大きなテーマ性を持って県民に打ち出していくべきだと考えております。実際に高年齢者や退職者雇用につながっていくようにシニア・ジョブスタイル・かながわを更に突き詰めて、更に良いものにして、高齢者雇用対策に強い神奈川県を是非目指し、努力していただきたいと要望いたします。

 引き続きまして、もう一つの雇用の問題として、若年者雇用の関係について質疑に入っていきたいと思います。

 最近の若年者をめぐる雇用状況に関しては、景気の回復や団塊世代の退職等の背景により、新規学卒者などの雇用が改善傾向を示しております。しかし、20代のみならず30代のフリーターと呼ばれる若者もいまだ多く、若年者の失業率もなお高い数字になるなど、依然として苦しい状況が続いています。

 かながわ若者就職支援センターでは、多くのところがキャリアカウンセリングやセミナーなどの就職活動支援を利用しているとのことですが、若年者雇用の現在の状況と県における取組について、何点かお伺いしていきたいと思います。

 まず、若者の雇用を取り巻く状況として、大学生また高校生の就職率の状況や失業率の状況について御説明をしていただきたいと思います。

雇用産業人材課長

 まず、高校生の平成19年3月の卒業者の就職内定率でございます。県内の値でございますが、98.1%ということで、昨年が97.3%でしたので、0.8ポイント改善してございます。これは全国ベースの値では高校生が96.7%でございますので、県内の値が若干高くなってございます。

 それから、大学生でございます。この大学生の値は厚生労働省と文部科学省の方で各大学のサンプリング調査をしておりますので、全国の値しか公表されておりませんが、この値でいきますと、3月の卒業予定者の就職内定率は、3月末時点で96.3%であり、前年の同時期の値が95.3%でしたので1.0ポイント、やはりこれも改善してございます。

 それから、若年者の完全失業率の関係でございますが、平成18年の15歳から24歳までの失業率は、県内の値が6.6%でございます。これは全体の値が3.7%でございますので、かなり高くなってございます。この値ですが、全国ベースでは15歳から24歳までが8.0%でございますので、全国はもう少し悪いというようなことでございます。したがいまして、新卒者の就職状況は徐々にというか、かなり改善の傾向にありますが、全体の若者の失業率の状況というのは改善されていなくて、かなり厳しい状況が続いているという状況だと思います。

内田委員

 それでは、かながわ若者就職支援センターにおける平成18年度の利用状況についてお伺いしたいと思います。また、これを平成17年度の実績と比べるとどのようになっているのでしょうか。

雇用産業人材課長

 かながわ若者就職支援センターですが、平成16年4月にオープンしてございます。この3年間で3月末現在ですが、これまで延べで、3万5,000人余りの利用をいただきました。これは平成17年度と平成18年度を比べてみますと、平成18年度の利用者は、年間で1万1,888人、1日平均としましては、48.5人となってございます。平成17年度の利用者は、1日平均では55.2人でございましたので、1割ちょっと減ってはおりますが、1日平均50人前後の利用となってございます。

 このうち御利用いただいた全体の話ではなくて、カウンセリングを利用された方、これが平成18年度は延べ9,801人となってございまして、1日平均で40人、平成17年度はこの1日平均の利用者が44.8人でございましたので、これもやはり約1割減となってございます。ただ、状況としましては、1日50人ぐらい来所されて、40人ぐらいの方がカウンセリングを受けられているわけでございますので、8割ぐらいの方がカウンセリングを受けられている状況かと思います。

 先ほど申し上げましたように、全体の状況としましては、若年者の雇用状況は改善傾向ではございますが、年間に直しますと、毎年やはり1万人を超える方がセンターを御利用いただくということで、多くの若者がまだ様々な就職に関する悩みをお持ちであるというふうに理解してございます。

内田委員

 かながわ若者就職支援センターでは企業や、また教育機関などと連携して、様々な就業意識を高める取組も実施しているとお聞きしておりますが、平成18年度ではどのような取組を行ってきたのかお伺いしたいと思います。

雇用産業人材課長

 若い方々がどうしてもフリーターに流れるというか、この数年、フリーターの数が増えてきているわけですが、やはりその早い段階で就業の意識というのでしょうか、働く意識を醸成することが重要であると考えてございます。こうしたことを踏まえて、地域の企業、それから学校などと連携、協力しながら取組を進めておりまして、二、三御紹介申し上げますと、まず一つは、企業人による高校などへの出前授業ということで、企業の経営者ですとか実務担当者、あるいはOBの方が高校の方に出向いて、自分の経験に基づいて、社会で働くということがどういうことなのかということを直接働き掛けるような取組を進めてございます。平成18年度は210のクラス、延べ7,761人の高校生に働き掛けてございます。

 それから、高校生がじかに県内の事業所、職場を見学する職場見学会ということにも取り組んでございます。これは平成18年度で16事業所に対して642人の参加をいただいております。さらに、若い人に働いていただくということについて、やはり保護者の方にもいろいろと理解いただくということで、保護者セミナーということもやっておりまして、それは11回実施して505人の参加をいただいております。こういう地域連携事業ということで取り組んでございますが、この関係では、いろいろな事業に取り組んでございまして、トータルでいきますと1万2,000人余りの御参加をいただいております。その結果、平成17年度と比べて2割以上の増ということでございます。

内田委員

 今、答弁がありましたように、早い段階で意識して、教育現場や企業の方も取り組んでいらっしゃるということで、保護者セミナーなどへの大勢の参加、また1年にして2割以上の増員ということで、非常に努力していると思いますが、今後、かながわ若者就職支援センターについては、どのような取組というか、力を入れていこうとしているのかをお伺いしたいと思います。

雇用産業人材課長

 若者の就職支援の取組ということで、今申し上げましたように、働き掛けとしましては若年者の方、さらに今度は雇っていただく企業側との双方に対する働き掛けというのが大事だと考えておるところでございます。それで、今年度新規事業といたしまして、「フリーター・中小企業等マッチング支援事業」に新たに取り組むことになってございます。県内の中小企業では、逆に若い方を採用したいという中小企業の方に対して、どういった若年者の雇用に対するニーズがあるのかという意識調査を実施いたします。さらに、企業向けの意識啓発セミナーですとか、啓発する冊子なども配布して、企業への若年者の正社員としての就職というのでしょうか、そういうものを支援してまいりたいと思っております。

 さらに、今度は若年者への取組ということで、先ほどるる申し上げましたような、新たにフリーターになる方の増加を防ぐような取組として、高校への出前授業ですとか職場見学会、あるいは保護者セミナー、こういった取組についても充実して取り組んでまいりたいと考えてございます。

内田委員

 それでは、要望させていただきたいと思います。

 時代の流れからアルバイトの情報誌などもはん濫しておりまして、私たち30代、また40代などの世代の働き方も非常に多様化しているのが現実です。また、年長フリーターの問題は将来、その方が年を重ねていくときに何の保障や年金もなく、生活に困窮してしまう方というのが恐らく出てくるであろうと私は想定します。学校教育の一場面でも、先ほどもおっしゃっていただきましたが、社会的な企業に対しても、学校現場に対しても、そういった保障の問題や、また就職か否かという大事な選択のことをもっと周知していただくために、パンフレットもお作りになったということですが、更にそれを広めていっていただきたいと要望いたします。

 また、先ほどのお話にございましたが、毎年1万人を超える多くの若者がかながわ若者就職支援センターを御利用なさっているということですが、それは就職を希望しながら、なかなか思うように就職できず、今後フリーターで中年の域になってしまったり、また、仕事に思うように就けなかったり、また就職してもすぐやめてしまう。こういった方も多いと思いますが、そういった状況は本人のみならず社会全体の問題であり、こうした観点から若者が一人でも多く社会人として活躍できるように、神奈川県としては是非とも支援していただきたいと願っております。

 また、若者を採用する側である企業に対しても、機会あるごとに働き掛けていっていただくことも大切だと思いますので、今後とも関係機関と連携しながら、さらなる努力を積み重ねていただき、将来の神奈川県の若い人材を是非とも生かせるようにしていただきたいと要望いたします。

 それでは、今まで雇用の問題についていろいろ質疑を行ってまいりましたが、今度は商業の活性化についてお伺いしていきたいと思います。

 景気は回復基調にあると言われていますが、商店街に関しては、私の地元を見ても、そうした実感からはほど遠い地域の商店街が幾つもあります。それらが実情でございます。しかしながら、商店街は私たちの日々の暮らしを支える上で必要であり、また、今後、超高齢化社会を迎えたときに、高齢者の方々が住み良いまちづくりをしていくための拠点となるべき場所でもあることから、その活性化は大変重要な課題であり、まちづくりの活性化にもつながると考えます。

 そこで、このような商店街活性化に向けた県の取組に関連して、何点かお伺いしていきたいと思います。

 まず、神奈川県内の商店街の現状について、御説明をお願いしたいと思います。

商業観光流通課長

 まず、県内にある商店街の数の推移につきまして、神奈川県商店街連合会に加盟しております商店街数の状況によりまして、お答えをさせていただきたいと思います。

 県商店街連合会の加盟商店街数でございますが、平成2年がピークでございまして、その時点における商店街数で1,048でございまして、商店の数では5万1,070店という状況でございました。そのまま現在まで一貫して減少傾向が続いておりまして、平成18年の春の調査時点では、商店街数は812、商店数は3万4,710店となってございます。この結果を平成2年と比較させていただきますと、商店街数で22.5%の減、商店数で32%の減という状況でございます。

 また、商店街空洞化の象徴としてしばしば取り上げられます空き店舗の状況を見ますと、県商店街連合会の平成18年度の実態調査によりますと、空き店舗のある商店街数の率は65.2%、前年より若干は減少に転じておりますが、ただ、空き店舗のある商店街のうち5店舗以上の空き店舗を抱えている商店街が30%以上あるということで、やはり依然として厳しい状況が続いているというような現状でございます。

内田委員

 今のように空き店舗が5店舗もある商店街が30%ということで、非常に高い数値だと思います。この説明をお聞きして、データ的にも県内の商店街は押しなべて厳しい状況にあるということが認識できましたが、商店街がそのように衰退してしまった原因というのはどの辺りにあるのでしょうか、お伺いしたいと思います。

商業観光流通課長

 衰退の原因でございますが、大きく二つの側面があるのではないかと考えてございます。

 まず、一つ目には社会的な要因が挙げられると思います。やはり消費者ニーズが変化しまして、また車社会が進み、またまちの郊外への拡散が起こったということ、また、国の大規模店舗立地政策の見直しと、それに伴いまして大規模資本による大型店立地とそれとの競合などのもろもろのことでございます。このような時代的、社会的な大きな流れの中で、商店街でありますとか個別商業者を取り巻く環境は、非常に厳しいものになっているという点がございます。

 それから、二つ目には商店街自らの要因でございますが、これらの社会環境の様々な変化に対しまして、商店街の対応や努力、例えばこれまでの商売のやり方を見直して、顧客ニーズに沿ったサービスを行うことでありますとか、また、経営の体質改善を図るようなこと、このようなことは必ずしも十分に行われてこなかったのではないかという御指摘もございます。

 さらには、この2点に加えまして、商業者の高齢化でありますとか後継者不足の問題、また空き店舗の活用に対しまして、所有者や地権者との合意形成がなかなか難しいというような課題も衰退要因として見過ごすことのできない点ではないかと考えてございます。

内田委員

 今のように社会環境の変化や、またニーズに対する体質改善ができていないこと、また高齢化社会になってしまったために後継者がいないといったいろいろな要因があると思いますが、まずお聞きしたいのは、大型店との競争も衰退の原因の一因であるとのことですが、それに関連して平成12年に大型店の規制について、いわゆる商業調整を目的とする旧大型店法から、現在は周辺住民の生活環境保全目的の大規模小売店舗立地法に大きく法律が変わったと聞いておりますが、その内容について確認していきたいと思います。

 また、大型店の出店状況についても、併せて教えていただきたいと思います。

商業観光流通課長

 平成12年に大きな変更があったわけでございますが、旧大店法といいますのは、商業調整、いわゆる開店日ですとか開店の時刻、休業日などにつきまして、地元の小売業者の状況を勘案しながら調整を行うということで、いわゆる中小小売業者保護を目的とした法律でございました。しかし、平成12年に施行されました大規模小売店舗立地法でございますが、これは商業調整の観点ではなくて、大型店の出店に際しまして、周辺地域の生活環境の保持の観点から配慮を求めるものというようになってございます。

 その内容につきましては、国が指針で定めておりまして、主に交通の関係と騒音の関係が主なものでございます。具体的に申し上げますと、例えば、車の関係ですと、周辺の道路交通への影響を考えまして、例えば休日に来店を見込まれる車の台数を上回る容量の駐車場を確保しなくてはいけないとか、また、午後11時以降、夜間の時間帯に店舗で発生する騒音最大値が騒音規制法の基準を下回ることなどを求めているところでございます。

 次に法律の運用主体でございますが、これは基本的には都道府県になりますが、政令市の区域につきましては、政令市が担うという役割分担になってございます。県や政令市は地元市町村ですとか地域の住民の方々の意見を聞きまして、周辺地域の生活環境の保持の観点から、設置者に対し必要に応じて意見を述べ、また必要に応じて勧告等を行うことができるというような制度になってございます。

 次に、立地の状況でございますが、店舗面積が1,000平方メートルを超える店舗が大型店舗と定義されてございます。平成12年6月に大規模小売店舗立地法が施行されましてから、今年の3月末までの県域全体で新設の届出店舗でございますが、全部で152店舗となってございまして、県所管が81店舗、横浜市が57店舗、川崎市が14店舗というような状況になってございます。新設店舗数を年度別に見ますと、最初の年は6月に法施行なので9店舗ということで少ないのですが、それ以降の各年度は20件台というようなことで、平成18年度は24件になってございます。大規模小売店舗立地法施行前の旧大店法当時の1,000平方メートルを超える店舗の新設届で、これは毎年度30件台で推移したということでございまして、必ずしも施行後に増えている状況にはないということでございます。

 また、これは全国的に見てどうかということでございますが、今の新設の届出の合計で152店舗と申し上げましたが、これは全国で第8位でございます。ちなみに第1位は埼玉県が249店舗、また東京都が224店舗、千葉県が202店舗というような大店舗の立地の状況でございます。

内田委員

 そういったわけで大型店のための法律といったような感じもしないわけではないんですが、いろいろ御説明したように、県内の商店街は非常に厳しい状況と言えます。そこで、県内の商店街に対し、どのような支援施策に取り組んでいるのかを御説明していただきたいと思います。

商業観光流通課長

 主な支援策について御説明させていただきます。

 まず、商店街の施設整備におけるハード面での支援でございますが、商店街によりますアーケード設置ですとかカラー舗装、また防犯カメラ、そういったような施設整備に関しまして、市町村と協調して補助を行っております。

 次に、空き店舗の活用支援でございます。これはシャッター通りという言葉に象徴されますように、空き店舗の存在が活性化のネックとなっているという認識に立ちまして、商店街の空き店舗の活用に対しまして、その市町村と協調して補助を行うものでございます。これは補助の対象は初年度の改装費と、それから2年ないし3年の賃借料、こういうものは補助が多少出るところでございます。

 また、三つ目にはソフト事業に対する支援策がございます。これは商店街等が行う、例えば高齢者対応の事業でございますとか、環境リサイクル事業、それから商品開発等の特色あるソフト事業に対しまして補助を行っているものでございます。このような補助制度のほかにアドバイザー派遣制度を設けまして、商店街等の申込みを受けまして、中小企業診断士ですとか建築士ですとか、そういった専門家の方たちを派遣させていただいております。

内田委員

 今御説明にありましたように、空き店舗のための方策、またソフト、人材的なことの補助ということで力を入れているということです。また、これが2006年からコミュニティビジネス創出支援事業をスタートさせていて、各地でイベントなどが行われていて、それも商店の活性化やまちづくりに非常に役立っているということも聞いております。また、商店街へのアンケートでも商店街全体に客を呼び起こしたいという商店が、まだこの県内にたくさんあります。今まで御説明いただいたように、様々な施策を推進する上で、前提となる県の商業振興、商店活性化に関する基本的な考え方と、今後の取組方法についてお伺いしたいと思います。

商業観光流通課長

 県としての商店街振興施策等の基本的な考え方ということでございますが、やはりまずは、当初は地域経済を活性化して、地域住民の消費生活に潤いをもたらすということを目的としまして、第一には、環境の変化に対して果敢に挑戦し、また魅力ある商店づくりに努力する商業者を支援するというのが1点でございます。

 それから、第2点目には地域住民ですとか各地域組織、地元行政等と連携をとりながら、活力あるまちづくりやにぎわいのある商店街づくりに努めている商店街団体等を支援するというのが二つ目でございます。この2点を基本に置いて支援策を実施しております。

 言いかえれば、商店街の成り立ちですとか立地状況、また周辺のマーケットなどその状況は様々でありまして、また商店街の数も非常に多いということから、地域の特性に応じて自ら工夫を凝らし、積極的に活性化に取り組もうという商業者や商店街に対しての支援を行うことを基本としているということでございます。

 今後の取組の方向でございますが、少子高齢化の進む中で、商店街の担う公益的機能でありますとか、地域におけるコミュニティー機能はますます重要になってまいります。

 そこでこのような商店街の公益性という特徴をクローズアップさせまして、大型店や新たな商業施設とは違う、商店街ならではの取組を金銭的に支援していくことを基本に置きまして、市町村や地域の商店街団体との連携を更に密にしながら取り組んでまいりたいと考えてございます。

内田委員

 今のお話にありましたように、コミュニティー機能や公益性ということを大切にしていくということでございましたが、先の2月定例会において我が自民党の土井りゅうすけ議員が質問したいわゆる商店会への加入促進条例の制定に関連して、2点ほどお尋ねしたいと思います。

 まず、全国の都道府県や市町村における加入促進条例の制定状況についてお伺いしたいと思います。

商業観光流通課長

 全国の都道府県や市町村における加入促進条例の制定状況でございますが、平成15年の12月に東京都の世田谷区が当時の産業振興基本条例の改正という形で、商店会への加入促進に対する規定を盛り込んだというのが最初でございまして、その後、東京都の特別区を中心に条例制定が進み、現時点で私どもが把握している範囲でございますが、全国40の自治体で商店会への加入に関する条例が制定されている状況でございます。そのほとんどは特別区か市レベルでの制定でございますが、昨年12月に都道府県レベルでは初めて大分県が条例を制定しています。また、県内では相模原市がこの4月に条例を制定してございます。

 これらの自治体の条例の内容でございますが、いずれの場合も商店会への加入でありますとか、さらには商店会活動への協力、またそれに伴う応分の負担などについて努力規定という形ではございますが、盛り込まれてございます。

内田委員

 今のお話によりますと、まだ努力規定ということで、まだまだこれからだと思いますが、そうした状況の中で県として商店会への加入促進については、どのように取り組んでいかれるのでしょうか、お伺いしたいと思います。

商業観光流通課長

 今後の取組でございますが、現在の商店会の県内の状況でございますが、例えば横浜市では商店街まちづくり共同宣言という取組で、また、川崎市は商店会と大型店が参画した協議会でいろいろと今協議が行われています。また、相模原市は独自に条例を制定されたところでございます。それぞれの地域の状況に応じた取組が今展開されているところでございます。これらの加入促進の取組につきましては、商店会の置かれている状況でありますとか、地域の事情により様々でございます。また、この問題に対する地域の商店街連合会内部の取組も、地域によって温度差があるというのが実情でございます。

 そのため、県といたしましては、商店会への加入促進の取組に対する支援につきましては、まずは地域の実情に詳しい市町村に受け止めていただき、対応していただくことが最も望ましいのではないかと考えているところでございます。こうした考えをもとに、県といたしましては市町村の主体的な取組に対しまして、広域的な立場から情報を収集し提供するとともに、また様々な取組に対応するなど支援に努めてまいりたいと考えております。

佐藤委員

 今、商業観光流通課長からるる御説明がありましたが、自民党としては全く反対の考え方で、やはり神奈川県880万人の県民の中で、横浜市もあれば小田原市みたいなところもあるし、箱根町のようなところもある。これをすべて全部市町村に商店会加入を任せていいものなのか。相模原市は、それなりの大きな都市だが、そういった正に今商店会が、衰退している市町村が自主的にやっていけるのかということに、かなり私は疑問があるのです。市町村で条例をつくっても、商業観光流通課長がおっしゃるとおり、これは努力規定ですから、何の縛りもないです。そこに対して、やはり神奈川県全体でこういう方向で進んでいるのだといった方がほかの市町村も動きやすいし、この商店会で活躍している人たちも動きやすいのではないかなと思いますが、どうでしょうか。

商業観光流通課長

 私どもの今の考え方ということで、先ほど述べさせていただいたとおりでございますが、今委員御指摘のとおり、例えば市によってはそのようなことに取り組みたいのだけれども、そこの市だけでそういうことを決めて、大型店の例えば本部に行っても、いや、それはあなたの市だけでしょうと。ほかのところは違いますので、うちは全国展開していますので、なかなかそういうふうにはいきませんというような答えも返ってくると。そのようなことから、県としても何とか取り組んでいただけないかというような要望をいただいている市町村も確かにございます。ただ、この問題につきましては、県が商店会加入の問題に対して一律に、やはり努力規定とは言えそういう形で加入すべきであるということを条例で定めるということは、なかなか現時点では難しい部分があろうというのが実情でございます。

 ですから、私どもといたしましては、やはり商店会の加入状況がどうなのかというものについて、実情みたいなものをきちっと実態調査をし、把握をいたしまして、また県内の市町村の状況でありますとか、都道府県、また全国の状況、そういう加入促進に向けました取組状況を情報収集しまして、また商店街団体の意向もございますので、そういう意向も伺いながら、県がどのような役割を果たしていったらいいのか、引き続き検討させていただきたいと考えてございます。

佐藤委員

 先ほど課長が言った商店会の支援、カラーコーンを設置するとか防犯カメラを設置するとか、ややもすると商店会に加入していない大型量販店とか大型の居酒屋に来るお客さんたちがまちにあふれて、やむを得ず商店会に防犯カメラを設置しなくてはいけないという事例もあると思います。その中でこういった大型量販店が商店会に加入しなくていいですよという今の状況はちょっと健全ではない。それなりの責任を取ってもらっても私はいいと思っているし、もちろん受け入れる側の商店会もしっかりとそういった大型量販店が入ってくることに対して、了解もとってもらわなければいけないし、正にこれができてからいろいろなコミュニケーションができると思います。大型量販店も入ってきて、今現在ある商店会の人たちも一緒にコミュニケーションをとってまちづくりしましょう。それができてこそ先ほど商業観光流通課長がおっしゃった公益性というのが、そこから生まれてくるのかなと我々は思っておりますので、今後もそういった議論を是非お願いします。

内田委員

 この件に関する質疑の方はこれで終わりにしますが、要望を申し上げます。

 お話にございましたように、平成2年度から現在において、商店街の数も、そして商店の数も非常に減少してきている。22%も減少してきているというお話でしたが、自然とうたというのももちろんございますが、これから現存する商店街を活性化させていくのか、それとも大規模開発をしていくのか、また、大型店の問題などもございますが、めり張りのある商店街活性化施策を提案した方が良いと私自身は考えます。

 ただ、新しい商店街を目指すのではなくて、まちづくり活性化は高齢化社会を見据えて考えていかなければならないのと同時に、高齢者の方が暮らしやすく、住みよくなるような商店街づくりや、また雇用の促進にもつながるような施策及び高齢化社会にフィットしていけるような店舗の選択についても、県では検討していっていただきたいと思っております。

 商店街活性化について幅広く質問させていただきましたが、以上申し上げましたように、商店街がそれぞれの地域で果たす役割に十分目を向けていただき、引き続き商店街活性化の支援に力を入れて取組をお願いしたいと思います。

 また、先般申し上げました大型店舗やチェーン店の商店会の加入促進を促す条例の制定は、我が会派としても非常に重要と考えておりますので、引き続き検討していただくことを要望させていただきたいと思います。

 引き続き質疑をさせていただきます。

 それでは、今期の目玉であるインベスト神奈川について伺いたいと思います。

 去る6月19日、本会議場において松沢知事による所信表明が行われ、明るい神奈川の未来に向けた数々の施策について伺いました。また、我が会派の桐生議員の質問をはじめ各会派の代表質問の中でも、この商工労働常任委員会の所管の中の今期の目玉の政策であるインベスト神奈川について、それぞれの視点から重要案件として上がっておりました。

 そこで当委員会におきましては、切り口を変えて更に掘り下げ精査し、調査をして、より良い政策にしていくように考えていかなければならない喫緊の課題として私はとらえております。どうぞ皆様、御協力のほどよろしくお願いいたします。

 インベスト神奈川については、着々と実行に移され、大企業における研究所の誘致、また助成、そしてこのインベストの語源である投資の意味で、将来の神奈川県全体の経済的波及効果をにらんだ県独自の施策を展開してきたということです。

 しかしながら、大企業偏重だったことが余儀なくされ、このたび第2ステージとしては見直し案として中小企業に軸足を変えると発表なさいました。助成の限度額を引き下げ、企業の社会的な責任、いわゆるCSRへの取組度合いで助成率に差をつけるとのことです。

 以上のような第2ステージへの展開に向けて、特に中小企業支援の観点から、これまでの経済的波及効果と見直しやその中小企業への効果について、桐生議員の質問また知事答弁を踏まえて具体的に質問してまいりたいと思います。

 まず、確認の意味でお伺いしますが、これまでの神奈川県内の経済への波及効果をどのように確認して、今まで検証してこられたのかをお伺いしたいと思います。

産業活性課企業誘致室長

 県内経済波及効果の確認でございますが、助成申請企業の投資による波及効果の確認につきましては、幾つかの方法で行っております。

 一つは、県内経済に明るいシンクタンクでございます、()浜銀総合研究所に委託をいたしまして、制度の策定時である平成1610月に、その段階で想定される投資見込みに基づいて推計をいたしました。また、その後、制度をスタートしてほぼ1年を経過しまして、平成1710月末時点で申請がございました案件につきまして、投資実績を踏まえまして再集計しております。

 さらに、今回、インベスト神奈川のいわば第1ステージの総括という意味を込めまして、平成19年3月末までに助成制度に申請のございました48社、50件の効果について推計を実施しております。また、実際に県内企業への波及効果、あるいは税収への効果などの面でどういった効果が出ているかといった観点から、現在までに申請がございます48社、50件の投資による税収効果について、税務当局による試算を行いますとともに、助成申請企業による県内企業の活用状況、あるいは雇用状況の調査、さらには大企業が立地した地域での従業員の消費の効果、そういったように多面的に調査をいたしまして、これまで県内経済への波及効果を把握しているところでございます。

内田委員

 いろいろな効果について調査をしているということでしたが、そういった結果について、県としてはどのように受け止めていらっしゃるのか、お伺いいたします。

産業活性課企業誘致室長

 まず、()浜銀総合研究所の経済波及効果の推計でございますが、今回、48社、50件の推計をいたしましたところ、10年間の経済波及効果として約16兆円ということで、とにかく策定時に推計いたしました6兆2,000億円をはるかに上回る推計結果となっております。これは日本を代表する企業による大規模な投資が非常に多かったということでございまして、その大規模な投資が大きな波及効果を持つことを改めて確認できたのかなということでございます。

 また、この50件に関する、先ほど申し上げました税務当局の税収の試算におきましても、これは単年度でございますが、県税で約146億円、それから市町村税で約87億円のプラスの税収効果が見込まれるという結果が出ておりまして、税収効果の面でも制度のねらいに沿った形で効果が期待できるということが、一定程度確認できたのではないかというふうに考えております。

 さらに、具体的な経済波及効果につきましても、県内企業の発注額につきまして、助成申請企業を対象に実施したアンケート調査の結果によりますと、施設の建設段階で発注総額の約54%に当たる718億円が県内企業に発注されております。また、施設の操業段階におきましても、発注総額の約32%に当たる480億円が県内企業に発注されております。こういった形で県内産業への波及効果という面で、インベスト神奈川の施策の効果が、着実に現れ始めていると感じております。

内田委員

 今の御説明の中にございましたアンケート調査の中で、建設段階の約54%、また操業段階では約32%ということで、発注率としてはやや低いのではないかと思いますが、県の方ではどのように考えていますか。

産業活性課企業誘致室長

 建設段階での約54%でございますが、これは県が発注しております公共工事の県内の企業への受注率というのは、おおむね50%から60%程度になっております。また、今回4850件の中には大企業の研究所が非常に多いわけでございますが、研究所の場合はより純度の高いクリーンルームですとか、あるいは特殊な機器を入れるということもありまして、県内企業では対応できないケースなどもございます。そういったことを考えますと、今回約54%の受注となっているのは、一定程度の評価ができるのではないかと考えております。

 また、操業段階での発注率約32%でございますが、これにつきましては、一時的な取引である建設工事とは異なりまして、県外を含めて複数の事業所の再編などで県内に事業所を新設するというようなケースがございます。そういうケースでは従来の取引先との取引関係というものを引きずってくるというケースが多いわけでございまして、県内に立地した企業の県内の発注がある程度増えるには、少し時間がかかるのではないかと考えております。

 また、助成申請企業から聞いたところによりますと、今後、操業が本格化することに伴いまして、県内企業への試作品ですとか、あるいは部品、材料などの発注も増加する見込みであるというお話もいただいておりますので、操業が本格化してくるにつれて、この県内発注率も徐々に改善されていくのではないかと考えております。

内田委員

 今、再編などのケースによって、また従来の取引先を引きずって来るといった関係もあって、こういった操業段階で約32%という低い発注率だという説明がございましたが、やはり今後は企業の投資の波及効果を地域経済に広げていくためには、県としても申請企業に対して、県内中小企業の活用について強力に働き掛けていく必要があると考えます。その面で、これまで具体的にどのような対応をしてきたのか、お伺いいたします。

産業活性課企業誘致室長

 これまでの県内企業の活用に関する対応でございますが、具体的に申し上げますと、まず、企業から立地に対する御相談があった段階で、助成申請の前提として県内企業を活用していただくようお願いしております。また、実際に助成申請がございますと、助成申請書の中に様式がございまして、「地元中小企業等に対する波及に関する事項」という項目を設けておりまして、地元経済への貢献等について、今後の計画等を記載していただくということになっております。

 それと同時に、この取組状況につきましては、企業が操業を開始して10年間にわたって助成金を支払うわけでございます。その間、毎年企業から報告があるということで、特に大企業に対しましては、商工労働部長をはじめとして県の幹部職員が事務所の責任者に直接面談し、あるいは文書により県内企業の活用について要請を強めていくということでございます。

内田委員

 今お話にございましたように、これまでも企業に対しては県内企業の活用を要請してきたということですが、ただ要請するだけでは限界があると思いますので、本会議における桐生議員の県内中小企業への発注等による地域経済への貢献もある一定程度義務付けていくことが必要ではないかという質問に対して、松沢知事が助成金交付要綱の中で努力義務として明示するとお答えいただいたことは、非常に評価いたしますが、具体的にはどのような内容を考えていらっしゃるのでしょうか。また、その規定の実効性を具体的にどのように担保していくのか、併せてお伺いしたいと思います。

産業活性課企業誘致室長

 松沢知事が答弁いたしました要綱の中での具体的な記載内容でございますが、例えば「助成申請企業は施設の建設、操業段階において、可能な限り県内企業の活用に努めなければならない」といった形が明示されています。さらに、「県が行う県内企業の活用状況の調査等に協力をしなければならない」といった形で、今、要綱に明示することを検討しております。

 また、どのようにその実効性を担保していくのかということでございますが、これにつきましては、先ほど申し上げました毎年の事業計画、事業報告書などによりまして、県内企業への発注状況等をきちんと把握して、その結果を踏まえて定期的な現地調査を行うなど改めて要請をしていくことにより、県内中小企業への波及をより確実なものにしてまいりたいと考えるところです。

内田委員

 要綱に明示していただくということですが、やはりある一定程度義務付けていくことということを考えていっていただきたいと思いますが、今までの説明の中にありましたように、インベスト神奈川を利用した企業はソニー()とか武田薬品工業()など大企業15社と中小企業30社ということで、将来、県が負担する約700億円の助成額のうち、実に94%は大企業向けで、やはり大企業偏重の批判が出たのは確かなことでした。これからの中小企業に向けた第2ステージのインベスト神奈川を推進するに当たって、その中小企業への助成の見直しについて、これから幾つか質問をさせていただきます。

 今回、中小企業の制度利用を促進するために、施設整備等助成制度は最低投資額要件が3億円から2億円に引き下げられ、対象業種の要件も見直されすそ野が広がり非常に好ましいと思います。しかしながら、まだまだある程度安定した企業への投資が主流だと私は認識しております。

 さて、最低投資額を3億円から2億円に引き下げた結果、今後どの程度、中小企業の利用のすそ野が拡大すると見込んでいるのか、お伺いしたいと思います。

産業活性課企業誘致室長

 最低限度額を引き下げることによりまして、中小企業の利用がどの程度増加するかという御質問でございますが、なかなか企業の投資動向は不確定な要素もございまして、定量的に申し上げるのは難しいわけでございますが、一つの参考として申し上げますと、平成17年に業績が非常に良くて、投資の可能性の高い県内中小企業96社に対しまして、投資を行う場合にどの程度の金額を考えているかというヒアリングを行いました。それによりますと、96社中、これまでの3億円以上と回答した企業は75%でございましたが、2億円以上3億円未満と回答した企業も20%ございまして、2億円に下げることによりまして、過去に投資を考えている企業のほぼ95%が対象になるということでございます。こうしたことから今回の引下げによって、かなり中小企業の小規模な投資も救えると考えております。

内田委員

 投資を考えている企業のほぼ95%が対象になるということで、すそ野が拡大するという見込みでこの話を伺いましたが、そういった対象業種を今までの製造業全般ではなくて、これからは高度先端産業を支えるものづくり分野としたのは、どのような考え方に基づくのでしょうか。また、それにより助成対象企業がどの程度増えると考えていらっしゃいますでしょうか、お伺いしたいと思います。

産業活性課企業誘致室長

 インベスト神奈川の政策、あるいは県内の他の自治体の企業誘致策によりまして、大企業の県内への大型投資も来たわけでございます。それを受けまして、中小企業の投資の申請も増加傾向にございます。今後ますます県内中小企業への発注増ということも期待される中で、中小企業の設備投資が活発化してくることが期待されておりますので、今度こういった機会をとらえて、県内中小企業の更なる高度化、活性化を図っていくことが本県の産業競争力を強化するといったことにつながろうかと考えております。

 また、ものづくりを支える中小企業の支援の一層の充実ということにつきまして、県内の経済団体等から、現在いろいろ多くの御意見もいただいております。こういったことを踏まえまして、今回のインベストの見直しでは、ものづくり分野の県内中小企業の投資を重点的に支援することによりまして、これまで以上に促進していくよう取り組んでいるところであります。

 また、こうした業種拡大の効果でございますが、これも先ほどの最低投資額で指摘したことと同様、定量的に把握するというのはなかなか難しいわけでございますが、今回、新たに26分野の追加を行いますが、それには製造業の中のメッキ、あるいは金属プレス、あるいはプラスチック成形加工といったものづくりを支える業種の多くが含まれておりまして、かなり広範囲にカバーできるのではないかと考えております。また、これまでもいろいろ相談をお受けする中で、業種の面で助成要件に合わないというケースがかなりございます。そういったことを考えますと、今後、業種要件の緩和によりまして、相当程度すそ野が広がると考えております。

内田委員

 今の答弁に関連して少しお伺いしたいのは、これからの農政を担うバイオテクノロジー産業、そしてIT企業、それからもう一つは先端医療分野、こういったものに関して非常に県でも力を入れるということが先ほどの御説明の中に少し入っていましたが、そういった状況について、県としてはどのような方向性を持って考えていらっしゃいますでしょうか、お伺いしたいと思います。

産業活性課企業誘致室長

 インベスト神奈川の施策の中では、もともと高度先端産業に焦点を当てておりますが、その中にはIT分野、それからバイオテクノロジー分野、それから、もう一つ、新製造業技術分野が入っており、これまでも誘致活動をしてきていたわけでございます。今後、神奈川の産業のポテンシャルを踏まえますと、そういった面についても引き続き誘致活動を進めていきたいと考えております。

産業活性課長

 ITというお話でございますが、先ほど商工労働部長から報告事項ということでただいま御説明いたしました産業競争力強化戦略(仮称)というのを作成いたしております。その中で重点分野といたしまして、三つの分野を設定しておりまして、一つはIT、エレトクロニクス、一つはバイオ、一つは自動車分野ということで取り組むこととしております。こういった中でも重点的に取り組むという視点を持っております。

内田委員

 分かりました。次に、これまでの実績は48社、50件への助成見込額700億円のうち、大企業が660億円と、実に94%を占めております。本会議で知事は今回の見直しにより、予算規模は200億円程度になると答弁していらっしゃいますが、大企業と中小企業の助成金の比率がどのように変わると見込んでいるのでしょうか、お伺いしたいと思います。

産業活性課企業誘致室長

 今回、これまでの助成上限額50億円、80億円という額を、本社工場につきましては50億円を10億円に、研究所については80億円を20億円に大幅に引き下げたわけでございまして、それによりまして、今後の申請見込みの割合といたしましては、大企業が約7割、中小企業が約3割程度となるのではないかと見込んでいるところでございます。

内田委員

 それでは、中小企業の制度利用を促進する観点からは、このインベスト神奈川の第2ステージをできるだけ速やかにスタートさせるべきだと思っておりますが、具体的にはいつから助成制度の適用を開始するつもりでしょうか、お伺いしたいと思います。

産業活性課企業誘致室長

 今回御報告させていただきました見直しの内容につきましては、6月定例会での御議論を踏まえまして、今後できるだけ速やかに、この実施を図っていきたいと考えておりますが、特に今回、中小企業に支援の対象を広げましたので、中小企業に対しても極力、切れ目のない支援、継続的な支援を行う必要があると考えておりまして、6月定例会終了後できるだけ速やかに、可能であれば8月ころから受付を開始したいと考えております。

内田委員

 今回、議会における議論を十分に踏まえて、中小企業の投資を重点的に支援するという視点で見直したのは評価できることですが、問題は今後の波及効果も含めて、本当に中小企業活性化につながるのかどうかというところが一番大切だと思います。

 そこで、インベスト神奈川の第2ステージでは、中小企業活性化の観点からどのように取り組んでいくつもりなのか、現時点でのお考えをお伺いしたいと思います。

商工労働部長

 この第2ステージの中での一番のポイントは、御質問にありましたように、中小企業の活性化にどこまで取り組んでいけるのかということでございまして、その視点から、まずは制度の見直しをしてございます。そんな中で言えば、まずは制度をつくりましたので、中小企業の方にこの制度を活用していただくというようなことが、まず第1点となってまいります。そのためには、まずは民間の中小企業の方と意見交換したりでありますとか、商工会などにきちんとこの制度の趣旨を御説明するというようなことがスタートになろうかなと思っております。

 2点目でございますが、中小企業活性化ということになれば、やはりこのインベスト神奈川の経済的な波及効果で産業全体が元気になるということで、その中ではものづくりの支援が必要とされている中小企業、そこにまで波及効果がいくように取組を進めてきているわけでございます。私どもがきちっとインベストの企業にお願いに上がって、きちっと県内産業の活用を、前向きにとらえていただくというようなことをお願いしてまいりたいと思っております。

 あともう1点は、やはり中小企業にとって技術向上、あるいはビジネスチャンスが広がるということも大事であります。その中ではR&Dネットワーク構想に取り組んでいきます。こういう一つのインベストの制度を、次の施策にまで持ち上げたというのは、他県にはないもので神奈川の特徴だと思っていますが、インベストの投資をしていただいた企業の力を、県内中小企業の技術の向上とかビジネスチャンスにつなげるように、今取り組んでおります技術展フォーラム、あるいは中小企業が持っているオンリーワン技術の活用というようなことで、オンリーワン技術の展示会がございます。こういうようなことをきちっと中小企業へ周知していきますとともに、大企業には大企業としての新しい取組をしていただくようにお願いしていきたいと思っております。

 こういう大きな三つの視点から、第2ステージは中小企業の支援という点で取り組み、またより広くインベストの効果が神奈川県内の経済につながるように取り組んでいこうというように考えております。

堀江委員

 関連で聞きたいのですが、今、商工労働部長からのお話で三つのこのインベスト神奈川についての取組を、第2ステージにやられていくということの説明をいただいたのですが、このインベスト神奈川は、正に神奈川の企業の発展と経済効果を更に活性化していくという大きな経済効果に期待をするわけです。しかしながら、融資制度や誘致制度に加え産学公といった共同で取組を進める仕組みはできているのですが、実際にはオール県庁で、やはりこの問題を考えていかなければいけないと思っているのです。そういう面で今年度と来年度で、調整区域と市街化区域の線引きの見直しもある。また、都市計画の見直しもある。こういう中で、神奈川県に立地したいのだが場所がないといった声も非常に今聞くわけですが、そういった面で申し上げた線引きの見直しや都市計画の見直し等もある中で、今どういう形の中でオール県庁として取組をされて、あるいは第2ステージに向けて、どう取り組んでおられるのか。その辺のところの状況等を含めて、お話が聞ければ大変有り難いと思います。

産業活性課企業誘致室長

 インベスト神奈川、これまでの取組の三つの柱といたしまして、一つは経済的整備、もう一つは産業活性化ためのインフラ整備、あともう一つが誘致体制の強化でございまして、やはり産業活性化のためのインフラ整備を私どもも関係部局、あるいは県内の市町村と連携をしながら、どう進めていくかということは一つの大きな課題となっていると認識しております。

 実際、今、委員御指摘にございましたように、私ども企業から御相談を受ける中で、なかなか企業の希望に合った土地を御紹介することができない。そのために幾つかの案件は県外へ行かざるを得なかったこともございます。その点、今後、特にさがみ縦貫道路等も開通をしてまいります。インターチェンジ周辺の産業適地整備をどうやって進めるかということも課題になってまいろうかと思いますので、インベスト神奈川の第2ステージの取組の中では、県土整備部、あるいは実際に公共の用地の面的な整備を行う市町村と密接に意見交換をしながら、少しでも用地の創出に向けて前進するよう、私どもとしても積極的に働き掛けをしてまいりたいと考えております。

堀江委員

 お話しのように、県内に立地ができなくて県外に行ってしまうということだが、そうであればどうするのかということが大きな課題になると思います。

 第2ステージでは、オール県庁として、県土整備部の土地利用という中で、真剣にこの課題に対する受け皿をつくっておかないと、せっかくいい制度をつくっても、企業が他県に行ってしまう。制度を効果的、有効的に進めて行くには、受け皿をつくっておかないと、これから第2ステージを進めていくに当たって、場所が無い、受け皿がない、土地がないというのでは、制度的に十分な効果が上がらないのではないか。こういったことから、この課題にはオール県庁として取り組んでいかなければならないのではないかと思います。

 また、少なくとも現在の工業用地の何パーセントが必要、といった数値目標を挙げるのか挙げないのか、そのことをどう考えているのか。

 今現在足りないのだから、将来いくら必要なのか、第2ステージの中で必要とされる分に見合う土地を創出してもらうというように、数値目標を掲げないと、制度をつくっても効果が上がらない、債務負担行為を設定しても十分に利用されず、他県に行ってしまうという非常に残念なことになってしまう。

 このことについてはどのように考えているのか伺いたい。

商工労働部長

 今、確かにそういうふうな明確な目標を持てば、具体的な取組が必要かと思いますが、今の都市計画の制度の中での線引きとしては、工業系の保留制度というのがございますが、なかなか地権者の方の御理解を得るのが難しい中で、事業化に至らないというような面が多々あるのかなと思っております。そういう意味では工業系用地を生み出すための事業手法をいうものを、やはり民間の力も借りながら、あるいは専門家の方々の御意見も伺いながら、工夫していく必要があるのではないかと考えているところでございます。

 そういった中で、土地を使わせていただいて、そこに誘致するわけでございますが、やはり実現化する手法がまずは出てこないと、私どもの方でこのくらいというような形で出していくというのも、なかなか難しいのかなと思います。

 あともう一つは、やはり、まず市町村が自己の産業政策の中で、どのようなビジョンを持っているのかというようなことも大事だと思っておりますが、そういう中では、やはり今ある中でどうするかというふうなことよりも、今後どうしていくのかという線引きの中で、具体化の方策もあるわけですので、少し県土整備部とかそういうところとも議論しながら、今後の土地の手当て、どうやって線引きしていくのかというようなことも工夫してまいりたいと考えております。

堀江委員

 これから線引き、都市計画の見直しで、これを平成20年までにやるとのことだから、当然今の工業系用地の面積も含めて、また、第2ステージの取組の中でどれだけの企業を誘致できるのか、明確な形で目標設定をしていかないと、線引き、都市計画の見直しに対して後手後手になってしまい、制度の十分な効果が挙げられなくなってしまう。だから、オール県庁で取り組まなければいけないと思っています。

 そういうことを踏まえると、商工労働部で数値目標を明確に設定しないと、十分な工業系用地が確保できなくなってしまうと思いますので、この点をしっかり詰めてもらいたいし、そして、その結果を常任委員会の場で報告してもらいたいということを要望して、私の関連質疑を終わります。

内田委員

 県外からの積極的な企業誘致によって、全体的な経済波及効果をねらっていると思いますが、県外からの企業誘致に対して、今、土地の問題など受け皿がもしかしたら足りないのではないかといった発言もございましたが、今まで過去にどのようなことが実際に問題として上がっていたのか、教えていただきたいと思います。

 また、県外企業の誘致と県内企業の共同開発や研究、流通などが本当にうまくマッチングしているのか、本当にうまくいっているのかということと、大企業でも構いませんが、成功例などを教えていただきたいので、お伺いしたいと思います。

産業活性課企業誘致室長

 これまでの県外企業の誘致活動を行っての課題と、それから成功事例というお話でございましたが、幾つか課題があろうかと思いますが、一つは、今御議論のございました用地の問題でございます。これは両面ございます。一つは、なかなか企業に御提供できる新規の用地がない。これは基本的には、まだ先ほどの工業系保留区域も含めますと、量的な供給能力はあるわけでございますが、企業はやはり投資のスピードというのを大変重視いたします。もう何年先になるか分からないという状況では、その誘致ができないですので、その点が一つの課題でございます。

 それから、あと誘致の問題に関しましては、既存の工業用地が現在、特に重工業地域を中心にしまして、非常に住工混在が進んで、なかなか工場が操業しにくくなる。工場が一たん抜けた後には、例えばホームセンターですとか、あるいはマンションができて、ますます工場の操業環境が悪化する。その結果、またそれが転出に拍車をかけるという悪循環がございます。その面を今後、実は相模原市などではそういった工業用地を保全するための取組を始めておりますので、そういったことも今後検討していかなければならないのかなと考えております。

 それから、これまで神奈川県のポテンシャルをいろいろとアピールさせていただいて、成功した事例ももちろん数多くあるわけでございますが、特に、神奈川県は羽田空港国際化というのを控えております。それから研究人材が非常に得やすいというようなことも一つの強みでございます。そういった中で、例えば富士ゼロックス()、これはみなとみらいに今回5,000人規模の研究所を、県外の研究機能も含めて集約をするという決定をしていただきましたが、その一つの背景に羽田空港国際化があり、グローバル企業にとっても羽田空港国際化の意義というのがあろうかと思っております。また、武田薬品工業()が研究所を大阪から移転してまいります。これにつきましては、事業をグローバルに展開する企業にとりまして、やはり首都圏、特に神奈川の人材が得やすかったですとか、あるいはグローバルに展開していく上でのいろいろな環境が整っている。外国人のためのいろいろの環境とかを含めて、そういった面でのポテンシャルが評価をされている。雑ぱくな話で恐縮でございますが、これまでの誘致活動の中で一つ主だったポイントを挙げますと、そのようなところになろうかと考えております。

内田委員

 これに関する質疑は以上でございます。要望いたします。

 インベスト神奈川は県内産業の空洞化に歯止めをかけ、神奈川県の産業の将来に向けた成長の基盤とする重要な施策であると考えます。しかし、一方で、大都市整備を含めると900億円という多額の県費を企業に対してつぎ込む以上、企業の投資効果が県内事業所の99%を占める中小企業に広く行き渡ることが大切です。また、その還元についての具体的な業績のデータ報告や、ただ投資をするだけではなくて、県民に分かるような状況報告、経過報告、成果報告はいま一つ足りないと私は感じます。全体的な波及効果を目指すというのは理解できますが、具体的な企業の業績のデータが県民に分かるようにしていくことで、このインベスト神奈川という施策について、更に県民の理解を得られると認識しております。投資、融資、助成を行った会社の成果報告、できる範囲でのデータの公表、また県民へ納得のいく広報についてどのように考えていくつもりなのか。やはり説明において実態調査を組み入れ、また成功した企業に関しては、社会的義務に貢献する。例えば高齢化社会や子育て支援、障害者自立支援など、県と企業の双方向からのシステムを早急につくっていく必要があると思われます。

 また、利用者に関しては、先ほど推計を委託した第三者的な会社もございましたが、今度は結果を知るための第三者的な調査班を設け、新しい感覚のシステム構築をしていく必要があると思います。また、かなりの額の投資をしていくわけですから、その調査報告結果も県民にとってはとても重要なことです。今後は成功した企業の方から、逆に県としては社会的な支援策に寄附を依頼するなど、また優良企業に関してはそれなりの投資をするなど、実際、成功したときの企業自身の対応も視野に入れていただきたいと思います。

 以上、申し上げましたように、県として今後、企業へのインベスト神奈川の取組が地域の幅広い中小企業の活性化につながり、また、県民理解を得るために、その投資額に見合っただけの業績の向上についての報告や、企業から県民へどのくらいの還元が行われたかといったことを具体的にどう県民に伝え、考えていくのか。県として、その方向性についても検討し、まとめていただきながら、これから始まるインベスト神奈川の第2ステージも引き続き、更なる努力をしていただくことを強く要望しておきたいと思っております。

 それでは、次に観光振興について、伺いたいと思います。かながわツーリズム推進指針については、昨年度点検をして、観光審議会から点検報告書の提出を受け、また、平成19年度から22年度までの4年間における重点的取組について、現在作成していると先ほど御説明されました。また、この6月12日には平成18年度の観光客数が過去最高を更新し、1億6,509万人になったという発表がございました。観光振興はこれまでも意欲的に取り組んでいらっしゃると思いますが、その成果が現れ始めたと考えられます。今後の観光振興施策の進め方も県にとっては大変重要なことだと思います。

 そこで重点的取組などについて、どのように考えていらっしゃるのか、何点かお伺いしてまいりたいと思います。

 平成19年度以降の重点的取組については、いつ決定するつもりなのか。経緯も含めてお答えいただきたいと思います。

観光振興担当課長

 かながわツーリズム推進指針に沿って進めてまいりました重点的取組ですが、先ほどの報告資料その3の中で、その経緯を含めて御説明させていただきましたところでございます。この重点的取組は、もう既にこの平成19年度がスタートしておりますが、基本目標と施策の方向が変わっていませんので、今後8月に開催を予定しています神奈川県観光審議会を経て、正式に決定していきたいと考えております。

内田委員

 今、審議会を通してということで重点的取組について御説明していただきましたが、その中でも、特に力を入れて取り組もうとしているのは何でしょうか。

観光振興担当課長

 主なものを二つほど御説明したいと思います。

 一つは、新しいテーマ観光を軸とした魅力開発の推進というのが重点取組の一つにありますが、その中で体験学習型観光、もっと言い換えますと体験学習型のものづくり観光に一層取り組んでまいりたいと思います。

 体験学習型といいますと、一般的には今まではどちらかというと産業観光という言葉で言い表されておりますが、今はいろいろな横文字の言葉が出ております。テクノツーリズムですとかグリーンツーリズムですとか、ブルーツーリズム、フラワーツーリズム、エコツーリズム等々、これらはすべて分野別、目的別で取り組まれているというのが現状でございます。これはすべて体験学習型と言えると思います。このことから、産業観光は第一次産業から第三次産業までのものづくり観光を総称してとらえると分かりやすいのではなかろうかと考えております。したがって、今ニーズもこの体験型に集中していますので、ここに力を特に入れていきたいと考えており、これは教育旅行にも当てはめていきたいと実は考えております。

 二つ目は国際観光ですが、御承知のとおり国は、2010年までに1,000万人の訪日外国人誘致を実現する。平成18年においては、733万人までいきました。平成19年、今年は800万人を目標としております。この目標に向けて、県としても国のVJC、ビジット・ジャパン・キャンペーンとも連携をして、引き続き取り組んでまいりたいと思います。

 いずれにしましても、どちらもこれは外国人を含めて交流人口を増やしていこうという目的のもとに、様々な施策を展開しているというところでございます。

内田委員

 今のお話の中にございましたが、ちょっと分からない部分がテクノツーリズム、多分、技術的なものを体験するのだと思いますが、それとブルーツーリズム、グリーンツーリズムについて、少し詳しく教えていただきたいと思います。

観光振興担当課長

 テクノツーリズムといいますと、今までの考え方でいきますと、どちらかというと神奈川県ですと日本を率いてまいりました京浜臨海部を中心とした一大工場地帯の工場見学がイメージとしてあります。そういう意味でのテクノツーリズムです。それからグリーンツーリズムといいますと、簡単に言ってしまえば農業体験、このように理解ができると思います、イタリア等では単なる農家の体験ではなくて、実際にそこで農業を自分でできるようにしていくというアグリツーリズムという言葉で言われております。それからブルーツーリズムは、これも簡単に言ってしまえば漁業体験という意味です。

 それから、第一次産業、林業になりますと、これはエコツーリズムとなっていくのかなと思います。今、丹沢、大山も大変山登りの方が多くなっておりますが、その辺の環境を大事にしながら、どう自然も守っていくか。そして、人も行かないと駄目なものですから、そういうエコツーリズムなども必要かなということでございます。

内田委員

 グリーンツーリズムやブルーツーリズムは今お話をお伺いしましたが、そうした体験学習型観光については、農政を所管するほかの部局との連携が必要だと思いますが、その辺はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

観光振興担当課長

 実は、私自身が他部局との連携というのは強く望んでいるところでございます。来た当時から、大変行政は縦社会だと肌で感じているところでございます。この連携がなぜ必要なのかと言いますと、実は他部局との連携によるメリットで考えてみますと、例えば環境農政部の中でいきますと、農家の方々の生産性の向上ですとか、消費拡大をどうしていくか、良いものをどうやって作っていくか、こういう観点からされていると思います。観光の視点からはそれを使ってどうやって人を集めて、来てもらってお金を落としていただくかということになるわけです。そういった意味でそのメリットですが、それぞれの部局には専門性ですとか技術があります。このことが観光資源そのものになるのです。

 したがって、協力、連携していくことで、部局の行う事業への理解が深まるということと、それから観光振興を進めていく上でも、質の高い観光振興、あるいはツアーになっていくと考えています。是非とも双方にとってメリットがある関係でございますので、この連携は進めていきたいと考えております。

内田委員

 県の財政状況が厳しい中、いろいろと重点的に取り組んでいかなければならない。そして、また今のようにほかの部局との連携を望んでいるということでしたが、これから重点的に取り組んでいくに当たって、どのように効果的にその事業を推進していこうとお考えなのでしょうか、お伺いしたいと思います。

観光振興担当課長

 限られた予算で高い効果を出すためには、一つ目に、地元の主体性というものをすごく大事にしていかなくてはいけないと考えております。

 それから、二つ目には民間との連携、これは継続していくために、やはり資本なり資金ですとか、それからそれを受け皿としてやっていってもらうためには、是が非でもやはり必要と考えております。この2点がともにうまく回転して発揮されれば、高い効果を生み出すと確信しております。

 1点目の地元の方々に主体性を持っていただいているかが事業の本当の意味の成功かどうかということになるわけですが、地元の方に納得していただくためには、やはり信頼関係がないとなかなか動いていただけないという状況があります。今までやってきたツアーで、やはり非常に人気があって、そのところでなくてはできないというようなものでございます。地元の方がやはり協力していただいたからこれもできたということが言えると思います。

 二つ目にあります民間との連携でございますが、これは民間事業者と利害が一致さえすれば、これはタイアップもできますし、お金も出していただけるということでございます。その具体的な例としては、昨年ですが、秋の神奈川再発見キャンペーンで、小田急電鉄とタイアップして1編成をすべて広告列車にさせていただいて、県政を中心にPRをさせていただいた。このようなことで、民間との連携は目的が合えば、非常に経費が安く、そして効果を大きくすることができると、そのように考えています。このような考え方で、今後とも幅広くとらえながらやっていきたいと考えております。

内田委員

 今のように秋の神奈川再発見キャンペーンなど、是非とも民間の力をお借りして安く、そしてより良く宣伝に努力していただきたいと思います。

 次に、TOKYO BAYツーリズムについてお伺いしたいと思います。

 先ほど説明の中にございましたが、「船出プロジェクト」記念イベントなどがこれから開催されると思いますが、こういったTOKYO BAYツーリズムについては、この間の本会議でも質問事項の中にありましたが、この経緯としてどのようにして企画され、また、将来においてどのような方向性を持って、県としては進めていくのかお伺いしたいと思います。

観光振興担当課長

 実は、このTOKYO BAYツーリズムは既に知事の方からお話がありましたとおり、平成16年の秋にスタートいたしました。八都県市首脳会議の場で提案されまして、事務局として、八都県市の観光の担当課長レベルの協議会をつくりまして実施をしてまいりましたが、首都圏ツーリズム研究会という名前で約2年間、いろいろ検討を進めてまいりました。

 今は「21世紀の船出プロジェクト」という名称にしまして、本年度、その運航実験の実現をしようとするものでございます。今後についての御質問がありましたが、その間、私としても八都県市をまとめる座長をしてまいりましたので、この単年度で終わらせることなく、何とかこのきっかけを平成20年度、平成21年度につなげていきたいと考えております。一つは運航実験で民間船会社、あるいは運航会社から手が挙がり少しでもこの航路を多く開設したいという意向が出てくれば、それが一番良いわけなのですが、なかなかいろいろな制約もありまして、難しいところがあるのですが、そのほかにも首都圏レベルでの広域周遊観光コースがやはり魅力があるものですから、それを上手につなげて国内外にPRできるようにしていきたい。

 それから、もう一つは、この首都圏の各行政レベルの広報を上手に使って、お金がかからないように、お互いに広報し合うということで、例えば神奈川県でやります秋の神奈川再発見キャンペーンのPR紙を、ほかの七都県市のところでもそれを全部置いてもらってPRをしてもらう。これを相互にやり合うような形ができていけば、今後もつながっていくのではなかろうかと考えております。その可能性を何とか見出しながらやっていきたいと考えております。

内田委員

 今のTOKYO BAYツーリズムの推進について、例えば先ほどインフラ整備といった話もほかの自治体の中にもありましたが、こちらは港湾ですから、そんなに簡単には船を離発着できるかどうかということもありますし、また、安全の確保や航海のルート、そういった面で非常に問題があると思われますが、そういった点についてはどのように考えていくつもりなのか。それと今の状況について伺いたいと思います。

観光振興担当課長

 船の安全性につきましては、今、実行委員会の中に関東運輸局の海事旅客課の方々にも入っていただいたり、あるいは横浜、それから東京、千葉、それぞれの港湾関係の方々にも入っていただいております。御存じのとおり今、東京湾には久里浜と金谷の間しか定期航路はございません。そのほかの航路を開設しようとしているわけでございまして、そうしますと大変いろいろなルールがありますから、御指摘のとおり簡単にはいかないのですが、国もそれぞれ都県を巻き込んで、今までのいろいろな障害をクリアして、何とか運航実験が5社によってできるというところまできましたというところでございます。それが先ほど資料にありました地図に掲載されています航路でございます。

内田委員

 それでは、今そうした活動、指針によって連携したこれからのツーリズムが更なる発展をすることを要望いたします。

 次の質問ですが、今年の1月1日に観光立国推進基本法が施行され、観光が21世紀における日本の重要な施策として明確になりました。また、現在、観光立国推進基本計画を国において策定中ですが、国のそういった新しい施策との連携についてはどうなっていらっしゃるのでしょうか、お伺いしたいと思います。

観光振興担当課長

 既に1月1日に観光立国推進基本法が施行されました。そして、基本計画、マスタープランをつくっていくというようになっているわけですが、基本法なり基本計画の特徴は極めて幅広い観点から検討がされております。どういうことかといいますと、例えば箱根でいいますと土日は道路が大変混雑いたします。それから駐車場が大変混雑いたします。そうすると観光の視点から、それを何とかしていただきたいと言っても、なかなかそうはなりませんが、この今回の基本法では、いわゆる単なる観光だけではなくて、道路、それから旅館の経営が今大変厳しいわけですが、旅館事業のための整備として道路、駐車場、そういった幅広い観点でこのまちづくりをしていこうという方向のものでございます。

 したがって、それぞれの部局でそれぞれの対応ができたら、すばらしいまちづくりができていくのではなかろうかということです。良いまちづくりをするということは、魅力が出てくるということでございますので、人を呼べるということでございます。そういったことで県としても、国のこの方向性に沿って、神奈川らしい観光の魅力をどうつくっていくか。そして、国との連携をどういうふうにしていくかということが、経費を安く済ませる一つの方法でもございますので、上手に連携をしながら取り組んでいきたいと考えております。

内田委員

 レジャーをはじめ観光旅行の推進は、もう既に私たちの暮らしの中に普通に認知されておりまして、海外旅行者も確実に増えてきております。国際的に見てもジャポンと言われて伝統、文化にあふれる魅力のある国として、また電化製品や車なども有名ですが、そうした精神的なイメージのある国として我が国は認知されております。ですから、今後の少子高齢化社会においても、更なる観光による交流人口を拡大していくことも重要と考えております。もっと我が国を知ってもらい理解していただくためには、神奈川県内の整備も、そして観光振興に関する施策の展開も、常にリアルタイムで考えていかなければならないと思います。

 更に開かれた港湾の環境を目指す先ほどの船出プロジェクトをはじめ、前進していかなければならないと思います。県内にもその重要性と今、若い人たちも海外旅行やまた旅行が好きな方も大勢いらっしゃいます。是非ともこの利点を生かして再認識をしていただきながら、かながわツーリズムの更なる推進をしていただきたいと要望いたします。

 

他、委員質疑続く

 

14 次回開催日(6月29日)の通告

 

15 閉  会