平成19年  商工労働常任委員会 - 1120日−01

平成19年  商工労働常任委員会

◎《委員会記録-20071120-000006-商工労働常任委員会》

1 開  会

2 記録署名委員(鈴木()・菅原の両委員)の決定

3 県政記者の写真撮影許可

4 報告事項(商工労働部長)

  「最近の経済動向及び雇用情勢について」

  「原油価格等高騰にかかる中小企業支援対策について」

  「地域の特色を生かした観光魅力づくりについて」

5 日程第1を議題

6 同上質疑(報告事項も併せて)

 

内田委員

 今日いただきました商工労働常任委員会報告資料と、この間、新たに我が会派におきましては商店街振興に関する条例制定のためのプロジェクトチームを立ち上げましたので、この商店街振興に関する条例制定についてからまず質疑をさせていただきたいと思います。

 当委員会において、6月定例会、また9月定例会と、順を追って我が会派においては何度も当局の方に商店街振興に関する条例の制定について要望してまいりましたが、なかなかいいお返事はいただけず、先ほど申し上げましたように我が会派としてはプロジェクトチームを立ち上げました。そして、先週の木曜日に県商連及び県内すべての市町村の商店街振興に関係する職員の方々をお招きし、意見交換会を開きました。

 また、我が会派におきましては、先月も商店街振興議員連盟におきまして、伊勢原市内の商店街を視察させていただき、商店街の活性化に関する条例は議員提案による制定を目指して今活動中でございます。そうしたことから質疑に入らせていただきたいと思います。

 その中で、まず一つ目の質問ですが、商店会への加入促進について条例を制定している全国の自治体について、現時点における最新状況を分かっている範囲でお伺いしたいと思います。

商業観光流通課長

 現時点で把握している状況でございますが、東京都の特別区を中心に条例制定が進みまして、首都圏を中心に44の市や特別区などで制定されている状況でございます。9月定例会で御答弁を申し上げたときは42ということでございましたが、二つの自治体が増えてございます。最近では、首都圏以外の地域におきましても条例を制定する自治体が増えてきているというような状況でございます。

内田委員

 今、二つ増えて44ということでしたが、その中で都道府県では大分県が唯一条例を制定しているということをお聞きしました。大分県において条例制定後、どのような対応を行っているのかお伺いしたいと思います。

商業観光流通課長

 大分県の状況でございますが、大分県の商業・サービス業振興課に確認をさせていただきました。条例施行の前後にわたりまして、条例への協力を要請する文書ですとか、条例の施行をPRするチラシを作成いたしまして、大型店やチェーン店の本部などに対し広報活動を行っているということでございます。

 また、市町村レベルでの加入促進への取組に向けた反応は、まだ現時点においては特段ないというようなことでございますが、一部の地区の商店街連合会などにおきましては、県が作成したチラシなどを活用して加入促進に向けた取組が行われている状況だということでございます。

内田委員

 そうしたPR活動を行っているということですが、神奈川県内では、4月に相模原市で条例が制定されて、また藤沢市も12月議会での条例制定を目指していることをお伺いしておりますが、それ以外の市町村の条例制定に関する最新状況というのはございますでしょうか。

商業観光流通課長

 県内市町村における条例制定に向けての取組でございますが、現時点で把握している限りでございますが、八つの市におきまして、商店街団体等から条例を制定してほしいという要望を受けているということでございます。このうちの五つの市におきましては、まだ明確な方針を出すまでには至っておりませんが、条例制定の必要性などについての検討を行っている段階であるということでございます。

内田委員

 今、八つの市の中の五つということですが、その市の名前について公表できるのでしょうか。

商業観光流通課長

 私どもが把握している範囲でございますが、横須賀市、平塚市、逗子市、秦野市、大和市というところで、今必要性について検討を行っているというような状況になったということでございます。

内田委員

 五つの市については更にこれから進んでいくと思われますが、今後神奈川県としては今まで私たちがお話ししてきました加入促進、また大型店との共存の問題についてどのように取り組んでいかれるのでしょうか。

商業観光流通課長

 県内では、先ほどお話ししましたとおり、市町村では様々な取組が行われ始めているというところでございます。県といたしましては、まず県内のこれらの取組の現状でありますとか具体的な課題などの情報をきめ細かく収集いたしまして、他の市町村に対して積極的に情報提供をするというのが、まず求められていると考えます。

 また、先日の意見交換会における状況等も踏まえまして、県としても広域自治体の立場から、大型店との共存の問題などにつきましても市町村と連携して取り組んでいくことは必要であると考えてございます。

 具体的には、県内の百貨店や大手スーパーなどを構成員とします商業振興協議会というような場を私どもは持っておりますので、このような場を更に積極的に活用しまして課題に対する認識を共有するということと併せて、共同して取り組む機運を高めてまいりたいと考えてございます。

内田委員

 話が前後いたしますが、やはり先日の意見交換会の中で、横浜市や川崎市などの大型都市については意外と加入率が高く川崎市では95%の加入率だそうです。ところが、ほかの市町村はもっと低く40%から50%ということで、逆に意外性があったのですが、そういった現状の中で、例えば川崎市などでは職員やそれからいろいろな方と一緒に議論や調査を重ねて加入促進に向けて、商店街の活動支援づくりなどを積極的に行っていることから、それが積み重なって加入促進につながっているといったお話をいただいたわけです。

 今後県としては、広域的に商店街の活性化をする役割として、市町村にどんどんアプローチをしていかないといけないと思われます。各地域によって実情が異なると思いますが、その辺をどうやって県の役割として考えていくのか、それから各市町村の細かい要望に対して県としてはどのように対応策を試みていくのか、その辺のところを伺いたいと思います。

商業観光流通課長

 先日もいろいろお話を伺った中で、例えば川崎市のようにかなり加入率がいいという状況にありながら常に一生懸命、更に意見交換の場をつくりまして努めていられるというところもございます。また対照的にそもそも商店街も大型店もないというような、例えば清川村のようなところの状況もお聞きをいたしました。また箱根町でも大型店がなくて商店街が1箇所あるのみということも紹介されておりまして、総じて大型店が集中して立地している市部、町村部との状況の違いがやはり顕著に表れております。やはり商店街の活性化に向けた取組も、なかなか各市町村一律には難しいということを感じた次第でございます。また、商店街自体につきましても、活性化しているところとなかなか難しいところと様々でございます。

 そこで県としての考え方でございますが、やはりこれらの市町村の実情をまずよく理解して把握することが必要であると考えてございます。その上で県として様々な支援策のメニューを持っておりますので、どのような支援が最も効果的であるのかということにつきまして市町村ともよく連携しながら、きめ細かく取り組んでいくことが必要であると考えてございます。

佐藤委員

 この間自民党において、先ほどお話がありました意見交換会を商業観光流通課長にも来ていただいて開催をいたしました。その中で箱根町などは、お話のとおり、「大型店舗が1軒もないから誘致したい」と言っているくらいですよ。だからそういう実情もあるし、箱根町にはコンビニエンスストアは7軒あるのですが、その半分はやっぱり商店会に入ってくれないと言うのですよね。今小さな町でも、やはり大型店舗もそうだが、これからはコンビニエンスストアとか、いわゆるフランチャイズのお店、例えばマクドナルド、ケンタッキーフライドチキンといったお店に対してもアプローチを掛けていかなければいけないのかとは思っています。市町村もそれに対して努力をしていくとは思いますが、その点について県として、大型店舗やそういったお店に対する対応策というのはどう考えていますか。

商業観光流通課長

 県といたしましては、やはり個々の店舗にということはなかなか難しい部分があろうかと思います。やはり県は広域自治体でございますので、例えばそういったような県域の上部団体にある程度、働き掛けといいますか、話合いをしていかなくてはいけないのかなと考えてございます。

 具体的には、()日本フランチャイズチェーン協会というような組織もございますので、そういうようなところにどのように働き掛けていくのか。その辺を市町村とよく連携をしながらこれから検討してまいりたいと考えてございます。

舘盛委員

 先ほど商業振興協議会のお話が出ましたが、それはどういうメンバーで構成しており、それから年に何回その協議をするのか。また、どんな内容でやっているのかお伺いいたします。

商業観光流通課長

 県の商業振興協議会でございますが、現在27社の方に会員になっていただいております。百貨店が5社、総合大型店が2社、スーパーが8社、専門店が5社、その他に卸売業も5社入ってございます。毎年総会を開いたり、それからあといろいろな現地視察をしたり、いろいろな講習会やセミナーなどを企画したりしております。そのように県と一緒に検討を行っている協議会でございます。県が事務局を持ってやっております。

舘盛委員

 何か少ないようですが、全体から見るとどのぐらいの集まりなのでしょうか。

商業観光流通課長

 例えば高島屋でありますとか、さいか屋でありますとか、松坂屋でありますとか、百貨店でいえばそういうところでございまして、県全域という形でカバーするというようなことではございませんが、県のやはり大手といいますか、昔から県と一緒にいろいろな協力をいただきながら活動なり御協力をいただいているというところに加入していただき、今まで活動してきているというような状況でございます。

舘盛委員

 そのメンバーが、そのままこれからもこの商業振興協議会でやっていくのか。時代の流れを見ると、いわゆるスーパーといいますか大型店というのが、どんどん進出していますが、そういう面を踏まえた取組というのはないのでしょうか。

商業観光流通課長

 この協議会でございますが、かなり長い歴史を持った組織でございまして、やはり昨今のこういう状況の中でそれぞれ会費も負担しておりますので、長い目で見てみますとだんだん減ってきていて、現在27人の会員になっているというようなことでございます。ですから、この組織に今の状況をどういう形で絡めていくかということについては今後の検討課題であると認識してございます。

内田委員

 最後に、先ほど藤沢市において12月に条例制定を目指しているということで、私の方でもお聞きしていますが、この間の意見交換会で、地域貢献計画書を各小売店や事業者に1年に1回は出してもらって、またそれを公表していくといった内容が盛り込まれているということをお聞きしました。

 こうした地域貢献に関しては、私は地域社会の一員であるという認識を事業者サイドに認識させるのに当たって非常に良いコンセプトだと思っております。県では商業振興と地域貢献に関して、どのように考えて県民に周知していくおつもりでしょうか。

商業観光流通課長

 まず、商店街自体の役割といたしましては地域コミュニティーの核という、非常に地域貢献的、公共的な側面がクローズアップされてきているという状況でございます。一方、大型店におきましても、地域貢献でありますとかCSRというふうなことを強く意識して取り組まれてきているところではございますが、やはり地域において長い歴史を持ってまちづくりの中心となってきた商店街の振興ということに対しまして、やはり大型店なりチェーン店についても協力していただくということは大変重要な視点であると考えてございます。

 今後、県といたしましても、市町村と連携いたしまして、そのような点でのPRや周知に努めることと合わせまして、県民に対しましても商店街の現状でありますとか、  その大切さ、それらの重要性などの情報提供をしていきまして、商店街の活性化に努めていきたいと考えてございます。

内田委員

 今、商店街は高齢化を迎えていて、やはり後継者不足、それから商店街自体の弱体化のために考えていかなくてはならないということで、なかなか知事の方からも良いお返事をいただけなかったのですが、我が会派としてはやはり是非とも議員提案による条例化はもう必至だと思っておりますので、県当局の方々もできるだけ賛同していただいて、地域貢献というキーワードも私は非常に良いことだと思います。それを打ち出していただきながら、さらに商店街の振興についてできるだけ協力していただきたいことを要望し、商店街活性化については、以上で終わります。

 それでは、先ほど説明がございました原油価格等高騰にかかる中小企業支援対策について質疑を行いたいと思います。このところ原油の高騰が続いており、ガソリンの値段も上昇を続けている。その要因として、イラク戦争やそれに伴うテロに関して中東地域の不安要素が強く原油価格が高騰したことや、投機マネーがどんどん押し上げているといったことが原因としてニュース等で報じられております。そうしたことが消費者や県内の中小企業の経営にとっても、大きな影響を及ぼすものと思われます。その中で我々商工労働常任委員会は中小企業の支援を中心にしていかなくてはならないということで、当局の方に質問をさせていただきたいと思います。

 まず、原油価格の変動状況についてですが、いま一度教えていただきたいと思います。

企画担当課長

 本日の報告資料に参考として、月次ベースの原油価格の変動をお示しさせていただいておりますが、平成1910月の平均が1バレル当たり85ドル66セントと最高値となっております。参考までに1バレルは約159リットルでございまして、平成1910月平均の為替レート1ドル11580銭で換算いたしますと、1リットル当たりが6239銭となります。一方、過去5年の原油の価格を見てみますと、平成14年1月に1バレル当たり19ドル69セントとなっておりまして、その数字が過去5年間での一番安値という形になっております。これを平成14年1月当時の為替レート13268銭で換算いたしますと、1リットル当たりが1643銭となります。したがいまして過去5年間の最安値と最高値を比較いたしますと約4倍になっているということでございます。

内田委員

 今5年間で4倍というのはすごく高騰していますが、先々まだ高騰を続けるかもしれません。その中で、県は今までに、それに対する取組としてどのようなことを行ってきたのか、その5年間の間にいろいろなことがあったと思いますが、この対応をお伺いしたいと思います。

企画担当課長

 原油価格等の高騰を受けまして、県ではこれまで大きく二つの取組を行ってまいりました。

 まず一つ目でございますが、本年8月20日に原油等原材料価格高騰対策の相談窓口ということで、()神奈川中小企業センターと各地域県政総合センターの計7箇所に設置いたしまして、中小企業の方々の経営改善に向けた御相談に対応しております。

 また二つ目といたしまして、8月29日に県内の関係機関にお集まりいただきまして、原油価格等高騰にかかる情報交換会を設置いたしました。県の取組状況を御報告するとともに、各関係団体の取組状況や会員の中小企業の方々の状況について情報交換を行いまして、情報の共有化を図るとともに、今後の県の対策の参考にさせていただきたいということで実施してまいりました。

内田委員

 その中で、輸送に関係するところはもちろんのこと、その他にもいろいろ事業者がいると思いますが、具体的に、どのような業種の事業者が多く影響を受けてきているのでしょうか。

企画担当課長

 委員お話しのとおり、ただいま申し上げました情報交換会には、トラック協会をはじめとする運輸業が大変厳しい、あるいは製品に価格転嫁できないといったところで、中小企業の製造業も厳しい状況にあるということでお話を伺っております。

内田委員

 特に私の方では、中小企業者に関して原油価格高騰との関係を具体的に知りたいのですが、中小企業事業者からの相談というのはどのようなものがあって、またどういった要望が具体的にあるのかお伺いしたいと思います。

産業活性課副課長

 中小企業者からの相談の状況でございますが、8月20日に相談窓口が設置されて以降11件の相談がございました。

 内訳でございますが、まず()神奈川中小企業センターの方の窓口でございますが、相談が7件ございました。業種では運送業者、建設業者、それとサービス業の方々でございます。相談内容でございますが、燃料の値上がり等で経営が厳しく融資制度を利用したいというような相談がございました。

 それと、各地域県政総合センターの方の相談窓口でございますが、4件の相談がございました。業種ではサービス業、建設業、製造業等でございます。こちらの方も融資の相談がございました。

内田委員

 大体、融資の相談というのがほとんどでありますが、県ではその融資に関して、12月から原油・原材料等高騰対策融資を立ち上げるということですが、どのような中小企業者の利用を想定しているのか。御相談があったような輸送業、またサービス業、建設業が主なのでしょうか、お伺いしたいと思います。

金融課長

 中小企業に対する金融支援ということで、今回新しく原油・原材料等高騰対策融資という制度を12月1日から始めます。これは実は従来からありますセーフティネット別枠保証の仕組みを使いまして今回実施しているものでございます。

 このうち、ここには業況悪化業種と書いてありますが、国がいわゆる不況業種というようなものを四半期ごとに認定し、要件を満たしたものにつきましてこのセーフティネット別枠保証を活用いただきたいということで、現在、10月1日から1231日までということで指定されているものが70業種ございます。その中にはお話でありましたような貨物の関係、一般乗用旅客自動車運送業、一般貨物自動車運送業といったものもたくさん含まれております。

 ただ、この不況業種ということでいいますと、今回の原油の関係だけではなくて、もう少し幅広く指定されております。そういう意味からいいますと土木工事等といった業種も含まれておりますので、そういう方も御利用することができます。今回はこの仕組みを使って支援を受けていただきますが、その中には、当然今回の原油等高騰で影響を受けている業種も含まれているというふうに考えていただきたいと思います。

内田委員

 70業種ということでありますが、今不況業種というのはどこなのでしょうか。

金融課長

 国で指定している範囲で申し上げますと、今お話ししたような原油等高騰の関係の旅客部門だけではなくて、昔からある不況業種だと繊維関係のものも長く指定をされております。それから、先ほど申し上げた一般土木建築であるとか、土木工事というようなものも含まれております。

 したがいまして経済状況、いろいろな社会情勢を含めます全体の中では、いわゆる経営環境が厳しいという業種を幅広くていろいろな観点から指定しておりますが、端的に一言で言うには難しい部分がございます。

内田委員

 報告資料の5ページのところに下請中小企業対策とございます。下請になればなるほど原油高騰のあおりを受けることが多いと思います。下請取引適正化について、文書を親事業者あてにお出しするということですが、どのような内容でそれは実効性があるものなのか、お伺いします。

工業振興課長

 親事業者あての文書の内容でございますが、原油や原材料価格が高騰する中、中小企業を取り巻く環境が非常に厳しいということから、親事業者に2点の要請を行っております。

 1点目でございますが、法の厳正な運用等についてでございまして、具体的には下請代金支払遅延等防止法に基づきまして、親事業者が下請取引を行うに当たりまして遵守しなければならない事項の厳正な運用と、下請中小企業振興法に基づきまして、経済産業大臣が定めました下請事業者と親事業者の間における望ましい関係の在り方に関するガイドラインでございます振興基準の遵守について、要請を行ったところでございます。

 また、2点目でございますが、県内下請中小企業への優先発注を要請いたしました。下請取引業務の点検等に役立ちますように、公正取引委員会が公表いたしました平成18年度における勧告事件及び警告事例を合わせて送付したところでございます。こうした県の文書を周知するための一つの取組といたしまして、今月28日に中小企業庁と関東経済産業局が主催いたします下請取引適正化推進講習会というのが開催されます。その場には、親事業者等600名程度の参加があるとお聞きしておりますので、その場で県より下請取引の適正化についての要請を行うこととしております。

佐藤委員

 この原油の高騰というのは、もう商工労働部の範ちゅうというだけでなく、更にその上をいっているのかと思っています。そこで、部局横断的にいろいろな議論がされているのか。というのは、一つ例を挙げれば、農業従事者だってトラクターを運転するのに原油が上がって仕方がないと言っているし、原油価格の高騰に伴って段ボールの値段も上がってしまっている。作った野菜を入れる段ボールを購入するのも大変ですよなんていう話もよく聞くのです。だから、こういったことはもう商工労働部だけではなくていろいろなところに実は影響を及ぼしているのかなと思います。もし部局横断でこのことを議論されているならば、どんなふうになっているのか、お伺いしたいと思います。

企画担当課長

 お話にございましたように、農業あるいは漁業といったところにも影響が出ているということは承知しておりますが、今の段階で関係部局と具体的な話し合いといったところまでは至っておりません。

佐藤委員

 要望でございますが、私は商工労働部が窓口になるとはどうも思いませんので、是非、総務部、企画部等も交え、横断的にこれも議論していただいて、今、第一次、第二次、第三次産業等どんなところに影響があるのかということを調べていただいて、早急に御検討いただきたいということを要望させていただきます。

内田委員

 今、下請業者に対してもそうした親事業者の方にいろいろな文書を出したり、また中小企業への優先発注などをするということです。今後さらに県としてこの原油高騰にかかる中小企業対策について、横断的なことを行ってほしいという要望がございましたが、何か取組を考えていらっしゃいますか。

企画担当課長

 原油等の価格の推移につきましては、今後も注意深く推移を見守っていくとともに、経済産業省や中小企業庁など、国の動向にも注視いたしまして、情報を収集して関係団体等にも情報提供を行ってまいりたいと考えています。

 また、各経済関係機関の取組状況につきましても随時把握をいたしまして、必要に応じて情報交換会等を開催して情報の共有化を図ってまいりたいと考えています。

 当面は、先ほどからお話が出ております特別相談窓口、あるいは融資といったもののPRを積極的に行いまして、利用促進を図りながら、あるいは下請取引の適正化に向けた取組などをより推進することで中小企業の支援に努めてまいりたいと考えております。

内田委員

 原油価格高騰にあえいでいる中小企業者に対して、やはり県が融資や相談対応、それから中小企業が困っている場合、親事業者に対しても要請をしていくなど、手を尽くしていかなくてはならない。そして、さらに原油価格高騰は、もしかしたらまだ続くかもしれないという中で商工労働部だけでなく横断的な対応をしていただき、更に情報収集と緊急的な対応に努めていただきたいと要望いたしまして、原油価格高騰についての質疑は以上で終了します。

 次に、地域の特色を生かした観光魅力づくりについてですが、その中でも中小企業による地域産業資源を活用した事業活動の促進に関する法律に基づく事業計画の認定状況等について質疑をしてまいりたいと思います。

 10月2日に商工労働常任委員会において、中小企業による地域産業資源を活用した事業活動の促進に関する法律に基づく県の基本構想策定についての報告がございましたが、この基本構想が中小企業にどのように生かされているか、その後の状況について伺います。改めてこの制度の内容と本県の基本構想概要についてお伺いしたいと思います。

工業振興課長

 まず、制度の内容でございますが、国では地域の強みでございます地産技術、農林水産品、観光資源等の地域資源を活用して新商品、新サービスの開発、市場化に取り組む中小企業を支援するために、本年6月に先ほど委員からお話がございました中小企業による地域産業資源を活用した事業活動の促進に関する法律を定めまして、中小企業者が都道府県の特定いたします地域資源を活用し、国の認定を受けて事業を実施する場合には補助をするなどの様々な支援を行うこととしております。

 次に、本年8月31日に国より認定を受けました本県の基本構想の概要でございますが、本県ではかながわの名産100選の特産物や具体的な事業展開が見込まれる観光資源など、113の資源を神奈川の地域資源として特定したところでございます。

内田委員

 113の神奈川の資源ということですが、国の方で認定を受けた2件がございます。野毛大道芸と小田原木製品ということで、この間の当常任委員会でもお話がありましたが、今の取組状況についてお伺いしたいと思います。

工業振興課長

 委員お話しのとおり、1012日に野毛大道芸フェスティバルと小田原木製品の二つの事業認定を国から受けております。

 二つともまだ具体的な取組はこれからでございますので、現段階で把握している状況について少しお話をさせていただきます。

 まず、1点目の野毛大道芸フェスティバルでございますが、これは全国的に名が通っております野毛大道芸を中核に、野毛地域を一つの劇場空間として機能させることで、野毛大道芸の新しい体験プログラム、メインとなる野毛劇場ブランド商品やサービスの新商品開発などを行いまして、まち全体で回遊型観光事業を展開するという事業でございます。

 二つ目の小田原木製品を活用した事業計画でございますが、小田原木製品の加工技術を生かし、ドイツに本部がございます森林管理協議会、FSCというふうに言っておりますが、FSCの認証を受けた木材を使用いたしまして、病院で検査機器等を患者に説明する際に使用する木製品、いわゆる説明用のおもちゃの開発、あるいは販路開拓を展開する事業でございます。

内田委員

 一つは回遊型の観光事業、それからもう一つは病院等で使っていただくような精度の高い木製品ということでしたが、ほかの都道府県における事業計画の認定状況はどうなっているのでしょうか。

工業振興課長

 1012日に法施行後初めての事業認定が行われております。その際、全国で総計153件の事業認定を受けております。その内訳でございますが、農林水産物を活用したものが57件、鉱工業品を活用したものが81件、観光資源を活用したものが15件となっております。関東経済産業局管内の、本県を含めました1都10県の状況についてお話しさせていただきますと、トータルで25件になっておりまして、農林水産物を活用したものが7件、鉱工業品を活用したものが14件、観光資源を活用したものが4件というような状況になっております。

内田委員

 その認定に関してですが、県の方ではこの比率に関してどのようにお考えでしょうか。何が少ないとか、ここのところを増やしたいですとか、そこのところをお聞かせいただきたいと思います。

工業振興課長

 数的には国では5年間で1,000件程度の事業という目標を揚げてございますので、本県としても年間4件とか5件程度の取組をしていかなければならないと思っております。ただ、まだ本県としても正に計画が定まったばかりの段階で二つの事業が出たということについては、これからやはりこれを模範として、ほかの中小企業の方も是非活用していく起爆剤になるのではないかと期待しております。

 具体的にどの程度の数を出さなければいけないかというのは、やはりこれからの中小企業の取組姿勢にもかかってくると思いますので、私どもといたしましてはこういった取組をより広く周知してまいりたいと思っています。

内田委員

 県内中小企業の申請状況についてお伺いしたのですが、中小企業ではどんな形での申請がございますか。それと、今後の事業計画の認定予定についてお伺いいたします。

工業振興課長

 第2回目の事業認定ですが、国の方では12月の中旬ぐらいを予定していると聞いております。それに向けまして11月下旬には国の方で有識者等の外部委員による審査会が開催されますので、現在それに向けまして県内では2業者の方が申請を行っております。

 具体的なものでございますが、箱根寄木細工などの加工技術を用いまして木のファッションジュエリーブランドをつくるというような取組をしたいということが一つございます。それからもう一つが、先ほどと同じ小田原木製品の高い加工技術を生かしまして、今度はからくりのおもしろさを生かした高級調度品の開発をやりたいというような取組が現在申請されております。県といたしましては、是非国の方で第2号認定をしていただきたいと思っております。

内田委員

 今、箱根寄木細工を使ったファッションジュエリーということですが、私も、先だって箱根に行きまして、箱根寄木細工をいろいろと見てきました。やはり非常にデザイン性に富んだものが多く、また実用的に使えるものも多かったので、是非とも力を入れていただきたいと思います。それで、ファッションジュエリーにする場合はデザインを重視し、またその価格に合ったものを考えていただきたいと思います。

 その中で、そういった事業計画に対して県としては今後どのようにそのメリットを考えていくのか、お聞かせいただきたいと思います。

工業振興課長

 もともと国がこの制度を設けましたのは、地域経済の活性化につなげていきたいということで、本県においても名産100選等の大変に優れたものがありますが、やはりそういったものを活用して新たな商品開発、サービスの開発、研究開発をしていただきまして、是非とも新しい市場を県内の中小企業の方に生み出していっていただきたいと思っています。制度的にも、3年から5年間の事業計画でトータル3,000万円程度の補助金などが認められますので、そうしたものを活用して中小企業の方にこの事業に取り組んでいただければと思っております。

内田委員

 一生懸命頑張れば国からも3,000万円の支援をしていただけるということなので、今後県としては、そういった国の施策制度をもっと活用していくべきだと思いますし、基本構想を見直すなど、地域での新たな動きに即応できるようにすることが大切だと思いますが、その辺は今後どう考えていくおつもりでしょうか。

工業振興課長

 今、113の資源を地域産業資源としてまとめておりますが、県中小企業団体中央会などと連携いたしまして、国の制度の概要ですとか、あるいは認定を受けました事業の紹介などを行っております。

 そうした中で、神奈川県産木材を活用した建具とか家具などの商品開発に取り組んでいる事業者の方から、是非県産木材を地域資源として特定してほしいというような要望が出ております。国の方でも12月の中旬から下旬にかけて基本構想の見直し等の作業を行っていくということなので、本県といたしましても神奈川県産木材を地域資源に加えることについて、現在、国と調整を進めているところでございます。これ以外にも新たな事業展開の兆しが見えた場合には、やはり基本的にその見直しをしていく必要があると考えております。

内田委員

 県産木材ということですが、箱根寄木細工というのは、県産木材でできているのでしょうか。

工業振興課長

 県産木材ではございません。

内田委員

 そうですね。その辺は少し問題でありますが、今後それは変えていくこともできますよね。例えば女性の好きなブローチ、ペンダント、それからほかにもありますが、是非ともこういうもの、県産木材で寄木細工のブローチなどを作っていただいて、私どももできるだけ付けるということで、県産木材を是非とも広めていただきたいと思います。

 また、個々の事業者がこの制度を利用して、県としても創意ある新商品の開発を助けてあげられるようにすることが、地域産業や中小企業の活性化にもつながると思いますので、是非とも地方発ヒット商品をねらって、商工労働部としては頑張っていただきたいと要望いたしまして、質疑を終了いたします。

 

他、委員質疑続く