平成19年  商工労働常任委員会 - 1213日−01

平成19年  商工労働常任委員会

◎《委員会記録-平成1912-20071213-000007-商工労働常任委員会》

1 開  会

2 記録署名委員(内田・福田の両委員)の決定

3 県政記者の写真撮影許可

4 報告事項(商工労働部長)

  「神奈川県部設置条例等の一部を改正する条例の概要について」

  「最近の経済動向及び雇用情勢について」

  「財団法人神奈川中小企業センターと社団法人神奈川県産業貿易振興協会の統合について」

  「神奈川県産業集積促進方策(インベスト神奈川)について」

  「かながわ観光親善大使について」

  「平成19年度神奈川県中小企業制度融資の実績について」

  「フリーター・中小企業等マッチング支援事業について」

5 日程第1を議題

6 提案説明(商工労働部長)

7 質疑(日程第1及び所管事項並びに報告事項も併せて)

 

内田委員

 一昨日、我が会派では商店街活性化条例を議員提案で提出し、可決されました。そのことについて幾つかお伺いしてまいりたいと思います。

 まず、今回の条例制定の動きを巡って、他の自治体や、また大型店、チェーン店などからの問い合わせがもう既に来ているのか。そして、その内容も含めて、本条例の制定にかかわる県内外の状況についてお伺いしておきたいと思います。

商業観光流通課長

 まず、問い合わせの状況でございますが、少数ではございますが、来てございます。県内では、既に取組を進めています横浜市、川崎市、それからまた来年の4月に条例化を予定しています藤沢市からも問い合わせが来ています。

 その内容でございますが、条例案はどういう内容であるか、それからまた条例制定に向けた今後のスケジュール、そのようなものに関するものでございます。

 また、県外からでは埼玉県の方から条例制定の見込みでありますとか、また今後の状況について問い合わせがございました。

 一方、大型店の方でございますが、大手スーパーの新店舗の開発部門から、1社でございますが、問い合わせがございました。その内容につきましては、県として大型店の立地調整にまで踏み込むような内容であるのかという趣旨のものでしたが、今回の条例はあくまでも商店街の活性化に向けた商店会への加入促進を指導する内容であると、私どもは説明をさせていただいております。

 また、全国の状況でございますが、11月の時点で44自治体で取り組まれているというような状況でございまして、この状況は変わってございません。

 また、県内でも幾つか検討中というところを御報告させていただきましたが、今後、海老名市が検討をするというような情報が入ってございます。

内田委員

 一昨日に条例が制定されたばかりですが、そのことについて県の方では実際どのように進めているのか、改めてお伺いいたします。

商業観光流通課長

 同様の内容の条例につきましては、都道府県レベルでは大分県で既に制定されているわけですが、それに次ぐ2例目、しかも特に都市部の県での条例化ということで、他県等からもかなり注目されることになるのではないかと考えてございます。

 我々といたしましては、そのような立場をしっかりと自覚しまして、今後ともきめ細かく商店街振興に取り組んでいくことがまず必要であると受け止めてございます。

 そして、今後、条例の内容を踏まえまして、県として具体的にどのような対応が求められてくるのか、また可能であるのかにつきまして、できるだけ速やかに整理していく必要があるものと考えてございます。

 さらに、今回の条例の制定が、市町村における加入促進条例の制定ですとか、例えば指針の策定というようなものを促す契機になるとともに、大型店やチェーン店などの事業者についても商店街の再開発に係る協力へと着実につながっていってほしいと考えてございます。

内田委員

 大体、県の取組の方向については見えてまいりましたが、条例制定がされてから、次の日に新聞各社にも取り上げていただいておりまして、今後、やはり県の動きがメディアを扇動して、是非とも大分県に次ぐ2例目として、それが実現していくように取り組んでいただきたいと思います。商店街を活性化すること自体にやはり意義があると思いますので、来年度以降の商業振興施策全般に関する予算や事業内容についてはどのように考えているのか、お伺いいたします。

商業観光流通課長

 商業振興を進める上で、やはり商店街の活性化に向けた施策というのは、それだけ重要であるということは私ども十分に認識してございます。現在は大変厳しい財政環境の中でございますが、来年度予算におきましては調整作業を現在進めているところでございます。県といたしましては、これまでも地域の商店街活性化ということで、商店街の施設整備ですとか、空き店舗活用事業に対する支援策のほかに、商店街に専門家の派遣を行うなど、ハード・ソフト両面からの支援策を展開してきたところでございます。

 来年度の商業振興関連事業につきましては、まずは商業者のニーズをよく把握し、必要な事業につきまして引き続き支援策をしっかりと行っていきたいと考えてございます。それと併せまして、やはり商店街の衰退傾向になかなか歯止めが掛からない現状に対して、県の役割を踏まえ、新たな視点で総合的に商店街活性化に向けた施策を改めて構築していく必要があると考えまして、例えば外部の専門家を交えて商店街活性化対策の検討に取り組んでいくというようなことも今考えているところでございます。

内田委員

 一昨日、やはり県内各地の地元の商店会の会長をはじめ、いろいろな方においでいただいて、勉強もさせていただきました。そんな中で、やはりこの商店街活性化条例というのは、地域の方、それから市町村が重要になってくると思いますが、市町村との連携について今後どのように取り組んでいくのか、またどのような施策の方向性を持っていくのかをお伺いしたいと思います。

商業観光流通課長

 商店会の加入促進の個々の具体的な対応につきましては、まず地域の商店会の対応が必要でありまして、それを市町村がバックアップするというような形になると考えてございます。県といたしましても、このような取組がスムーズに進むように、条例が新たに制定されたことを広く周知をしまして、市町村や商店会団体に対して諸情報の提供に努めてまいります。

 また、併せて県商店街連合会や市町村の関係者などを集めた会議の場などで、地域の実情に応じた自発的な対応を働き掛けてまいりたいと考えてございます。

 そして、市町村や県商連が県に対してどのような対応を求めたいのか、その意見をよく聞きまして、市町村や県商連と連携、協力をして、今回の条例の効果が上がり、商店街の活性化に結び付くよう取り組んでまいりたいと考えてございます。

堀江委員

 関連してお尋ねしたいのですが、今の御答弁のように、商店街の活性化のための加入促進に対する取組等をお答えいただいたわけであります。特に今回議決いたしました条例は、ナショナルチェーンのいわゆるコンビニエンスストアや、あるいはまた大型店の加入が非常に少ないということで、それぞれ本会議の中でも、その加入状況についての説明がなされたわけでありますが、特に今、神奈川県では知事がタウンミーティングをやっておられる。いつになるか分かりませんが、いわゆる禁煙条例についてもいろいろとタウンミーティングで述べておられますが、タウンミーティングの中では、禁煙条例については意見が真っ二つに分かれているという状況でございます。とりわけその中で、今まで商店会に加入しておられるたばこ小売販売店の皆さん方は、正にそれで生活をされておられるわけですが、こうしたタウンミーティグの中で意見が真っ二つという状況についてどう思われているのかということが第1点ございます。

 第2点は、特にたばこの関係でございますが、26%のたばこ税が入るわけですが、この中で県税として入っているのが177億円であるわけです。とりわけこうした状況の中で特にナショナルチェーン店のコンビニエンスストアの本店が神奈川県にあるのか、あるいはまた他県にあるかによって、たばこ税の納付先が変わってしまう。神奈川県以外のところに本店が置かれている店のたばこ税は、その仕入れをした都道府県にたばこ税が入るという状況で、かつては「たばこは市内で買いましょう」と言っていたのですが、今の状況の中では、東京都にそのコンビニエンスストアの本店があれば、幾ら市内でたばこを買っても、たばこ税は東京都に全部落ちてしまうという仕組みになっているわけでございます。

 したがって、こうしたことについて、特にナショナルチェーンのコンビニエンスストア等は、今回の本会議の中でも言われておりましたように、商店会に加入していないということで、社会貢献もしてない。防犯活動等を地域がやっていても、全然そこには参加されてない。しかも、今申し上げたようなたばこ税一つとっても、神奈川県の財政にも寄与してないということにつながりかねないわけでありまして、こういったことについてどうこれから対応されるのか。この2点について御答弁をいただきたいと思います。

商業観光流通課長

 まず1点目の、特にたばこの問題について真っ二つに意見が割れているということでございますが、私どものかかわり方といたしましては、たばこの小売業者、あくまでも商店街の中の商店をどう育てるかという立場に立って、私どもの方では物を考えざるを得ない。このたばこをめぐる状況というものが社会的にどうなってくるかによりますが、例えば私ども、毎年、優良小売店舗の表彰をやってございます。これは商店街で長年、独自の理念なり特徴を持って小売にいろいろ携わってこられた、非常に地域でも有名といいますか、地域を支えているような商店に対して県知事表彰を差し上げているというような取組でございます。具体的にはそういうような業種の中にも、たばこの小売店舗というのも表彰させていただいておりますので、私どもはあくまでも小売店舗の立場に立って物事を考えていくということでございます。これが1点目でございます。

 それから2点目の、税金も含めて、ナショナルチェーン、コンビニエンスストア等々がやはり地域に貢献していないのではないかというようなお話がございました。先日、本会議でいろいろ質問があった中でも、やはり一番加入しているのは地域の物販店、その次が大型店、それからコンビニエンスストアのチェーン店、一番低いのがやはり飲食店というような状況ではございます。ただ、そういう大型店なりチェーン店なりが必ずしも何も貢献していないのかということになりますと、やはりそれにつきましては大型店の言い分もあろうかと思いますので、私どもは今回こういうような条例ができて、私どもの責任で施行していくわけでございますので、そこら辺の大型店の状況がどうなるかというようなことも、いろいろ情報収集をしながら取り組まなくてはいけないのではないかと考えてございます。

 ただ、そうは申しましても、数字上もそういうことが明らかに出ているわけでございますので、そういう全国のチェーン店なり、そういうものに対してどう対応していったらいいのかということは、今後検討させていただきたいと考えてございます。

堀江委員

 今答弁をいただいたわけでありますが、特にこれからの商工労働部としての商店街振興、あるいはまた地域の振興、そして先ほども申し上げた神奈川県の財政に対する寄与度等も含めて、こういったコンビニエンスストアについては、直接県が働き掛けてもいいのではないかと思います。幾ら県内の皆さん方が、たばこや酒を買っても、その税金というのは全部本部のある都道府県に納付されてしまうということでは、非常に神奈川県としての財政的なメリットがないわけでございまして、これらのことも踏まえて、こういったコンビニエンスストア等にどう働き掛けていかれるのか。特にこの条例が議決された中で、県としての広域的な働き掛けはどうされるのか、そのことについてお尋ねいたしたいと思います。

商業観光流通課長

 そういうナショナルチェーン店等に対する働き掛けでございますが、今、税収等のお話もございましたが、一つには、それぞれの市町村のまちづくりをどうやっていくかということにも深くかかわってくる問題であろうかと思います。実は、今後、県としての広域的な立場を踏まえながら、全国的なチェーン店にどのような働き掛けを行っていったらいいのかにつきましては、市町村の意見をよくお伺いして、また県商連とも連携しながら、検討してまいりたいと考えてございます。

堀江委員

 私は、市町村だけの問題ではないととらえております。たばこ税や酒税は、要するに本店がどこにあるかによって税収が変わってくるわけです。そのコンビニエンスストアの本店はどこなのか、神奈川県内だったら別に問題ないのですが、ところが東京都にあるということならば、是非とも、その出店しているところで仕入れをしてもらいたいといった要請も神奈川県が責務として行ってもいいのではないか。また、今言ったとおり、商店会への加入の促進もしてもいいのではないか。その辺のことについて、ナショナルチェーン店に対して、県で調査をして、どこがどうなっているのかというところも把握をされた上で、こういった対策をとる必要があるのではなかろうかと思いますが、このことについてどうお考えでしょうか。

商業観光流通課長

 委員お話しのとおり、そういう仕入れの仕組みがどうなっているのか、また現在、県内にコンビニエンスストア等がどのくらい立地していて、どういう上部団体に所属をしているのか、またそこら辺の本店がどこにあるのかというようなことは我々が取り組んでいく上での基礎的な情報だと思いますので、今後いろいろな場面で調査をさせていただきたいと思っています。

堀江委員

 最後になりますが、是非とも県の役割として、大型店やナショナルチェーン店について、現在県内に何店舗あって、その拠点はどこにあるのか。また同時に商品の仕入先等、それぞれの店舗によって、あるいはまた業態によって、仕入れ方が違うだろうと思いますが、神奈川県の経済的なメリットとなるような形の中で、調査、あるいは取組をしていただきたいことを申し上げて私の関連質疑を終わります。

内田委員

 私の方からも要望をさせていただきたいと思います。

 今のように、コンビニエンスストア等において、正に東京都の方に税金が持っていかれてしまうということは大きな問題であると思います。これから商店会の加入促進に取り組んでいくに当たって、やはりそういった大型チェーン店と商店会との話合いといった場をたくさん持っていただいて、より良い神奈川県民のための商店街活性化に県当局としても積極的に取り組んでいただき、我が会派としては53年ぶりに議員提案をした大切な条例ですので、是非ともそれを育てて、この条例を制定した意味があるように、一緒に活動していただきたいと要望いたします。

 次に、産業集積促進融資制度についてお尋ねします。

 報告資料にもありますように、産業集積促進融資については、第1ステージでも好調に推移し、この11月からは制度の見直しを図って、第2ステージとして新たなスタートを切ったことは承知をしております。そこで、第2ステージでの充実に向けて、見直し後の新しい融資制度の内容や今後の取組等も含めて、何点かお伺いしたいと思います。

 先ほども申し上げましたように、11月から第2ステージとしてスタートを切ったわけですが、まず第1ステージでの認定基準も含めて、報告資料にも書いてございます66社に融資認定をしたその内容として、業種、立地目的、施設内容、立地先などについて具体的に教えていただきたいと思います。

金融課長

 今お話がございましたとおり、全部で66社に融資認定をさせていただいております。第1ステージが65社で、11月からの第2ステージはまだ1社ということでございます。66社でございますが、業種としましてはほとんどが製造業ということでございます。製造業の中でIT関連、機械製造というものが多いわけですが、その他に食品製造のようなものも含まれてございます。これが59社ございます。逆に製造業以外と申し上げますと、運送貨物の業者が2社、倉庫業が2社、あと卸売業が2社、それから自動車関連ということで板金修理の会社が1社ございます。

 それから、立地の目的としましては、ほとんどが本社、工場、営業所ということでございまして、移転が27社、それから新設・建て替えが38社ということです。それから、増設というのも1社ございます。この中で県外、県内の関係で申し上げますと、県外からの移転は4社ということで、66社のうち四つが県外からの移転でございます。

 内容でございますが、土地プラス建物という場合と建物だけという場合がございまして、土地を含んだものは36社、建物だけですと30社となってございます。

 立地先でございますが、一番多いのは相模原市ということで18社、あとは横浜市が12社でございまして、秦野市、川崎市、藤沢市が5社、それから横須賀市、小田原市が4社ということでございまして、他に平塚市、次に綾瀬市、寒川町という形で、地域的には全県的にほぼ満遍なく分布をしているということで、12市4町が進出先となってございます。

内田委員

 融資認定を受けた66社のうち、既に融資実行が行われているのは何社になるのでしょうか。また、実際に工場の建設はどのような進ちょく状況ですか、お答えください。

金融課長

 融資実行につきましては、認定をしてからそれぞれ資金調達が必要なときに随時融資をするということになっていますので、1回でなく、土地を買ったとき、あと工事に着手したとき、完成したときという形で融資実行しております。

 現在、66社のうち、融資実行がされているものは55社ということで、金額でいいますと、現在、全体の67%の融資実行がされているということで、これからまた残りの三十数%は順次融資をしていくという予定になってございます。

 その66社のうち、現在、既に建物が完成して稼働中のものが34社ということでございます。あと、未稼働で今工事中が15社、逆にまだ着工していないのが17社というような状況でございます。

内田委員

 まだこれからという感じに見受けられるのですが、事業計画に基づいて、経営上の効果や、また県内産業経済への貢献についてはどのような状況なのでしょうか。また、どのような方法で確認をしているのでしょうか。

金融課長

 これまで操業しているのは34社と先ほどお話ししましたが、操業次第、順次、現地調査をしております。今27社について現地調査をしまして、いろいろと現状の確認をさせていただいております。いろいろ合理化をされたり、安全衛生の面で改善をされたりということでございます。県内産業への貢献ということでございますと、まず、建築工事で27社のうち県内業者への建築工事の発注があったものは21社でございます。それから、機械設備等の購入も県内であるというものも23社ございます。あと、操業後のメンテナンスですとか警備の県内への発注というものが20社ございます。また弁当などの調達を県内業者にというようなものもございます。

 雇用の方でございますが、全体27社で採用計画309人という予定ですが、今のところ230人という新規の採用状況になってございます。ちなみに、この66社が全部計画どおりということになれば、750人余りの新規雇用が期待されるという状況でございます。

 いずれにしましても、操業後の確認ということで、これまでもアンケート調査等をやっておりましたが、操業した段階で順次状況の確認をしていくという形を今後も続けていきたいと考えております。また、第2ステージからはきちんと毎年事業報告ということを義務付けるようなことにいたしております。

内田委員

 そのように企業が操業を始めて、また新規雇用も750人ということで、その役割というのは大変なものだと思います。このたび第2ステージとして新たにスタートを切った融資制度は、どのようなスタンスで取りまとめたのか、具体的にお伺いしたいと思います。

金融課長

 第2ステージということでございますが、既にスタートしておりますインベスト神奈川の助成金ともう少し整合性、連動性を保つというような形の視点をもって少し見直しをしております。一つが業種の範囲でございますが、先ほどお話し申し上げたとおり、製造業だけでなくて、運送業であるとか、食品というようなものも今まで入っておりましたが、やはり先端産業とそれを支えるというところに特化していこうということで、業種については少し絞り込みをさせていただいて、助成金とほぼ同じような業種に限定をさせていただきました。

 それから、中小企業に視点を置くということから、対象事業費の最低3億円というところを2億円に引き下げたというようなことで、規模がもう少し小さな方にも手を挙げていただけるような形にさせていただいたということでございます。それから、マックスも10億円というのを8億円ということにして、いろいろな方に使っていただけるように、全体の数が増やせるというような形にしております。

 あと、見直しの中では、直接これは助成金等の見直しの視点とは違うのですが、この第1ステージを始めたときに比べれば金利が非常に上がってきていたということで、固定1.4%で15年というものを一つの売り物にしていたのですが、そこの部分は1.6%ということで、0.2%アップをさせていただいたというところがございます。主な改正点、見直しの点は以上でございます。

内田委員

 金利の方も1.6%に上げたということですが、まだ大変低金利だと思います。中小企業に特化しなくてはいけないとは思いますが、いろいろな理由で、中小企業に特化するとはいえ、大企業も割と恩恵をこうむっているのかなと私は思います。第2ステージでは本来は中小企業に特化し、また融資の目的をより明確にさせたということを聞いておりますが、今後の県当局の見通しとしてはその辺のところはどのように考えているのでしょうか。

金融課長

 実は大前提として、この融資制度の方は、基本的に中小企業を対象にしておりまして、大企業は対象にしないというところがございます。これは、大企業の方は自分でいろいろ自己資金を調達する方法を多様にお持ちだということもあって、ニーズも余りないということも背景にあるわけですが、基本的に中小企業を対象にしておりますので、66社というのは、全部中小企業ということで御理解いただきたいと思います。

 そういう中で3億円というものを2億円に下げて、300億円ということで目標を掲げさせていただいております。第1ステージは400億円というのを目標にしておりましたが、これから2年半ほどございますので、毎年、今年は10社程度、来年、再来年は20社ずつ程度を目標にして、300億円というものを達成していきたいと思います。

内田委員

 66社すべて中小企業に特化していて、300億円を目標としているということで、今中小企業者は厳しい状況でございますので、金融支援制度は必要不可欠な分野でございますから、是非、今後もできるだけ中小企業者にとって頼りになる制度として、第2ステージへ向けた取組においても、引き続き県としては役割を果たしていくように要望いたします。

 次も、中小企業制度融資についてお尋ねしたいと思います。

 景気は全体として回復基調に推移しているという報告がございましたが、実際の問題としては、まだまだ厳しい中小企業が多いと聞いております。そこで、中小企業への金融支援策として重要な役割を果たしている、県内中小企業への制度融資について幾つかお伺いしていきたいと思います。

 まず、直近の利用実績について、昨年度の比較と併せてお伺いしたいと思います。

金融課長

 先ほど、報告資料により御報告させていただきましたが、11月末の実績ということで、4月から11月までの9箇月間の実績を昨年度同期と比べ、金額でいいますと1,922億円ということで、過去最高を記録した18年度に比べても104.7%、少しまた増えていますという御報告をさせていただきました。ただ、これは9箇月トータルということですので、直近の利用実績も含めて月別でもう少しお話を申し上げますと、4月、5月、6月というのは110%を超えるような前年度比で推移しておりましたが、7月、8月、9月と100%台と少し減ってきて、10月になりますと95%、11月は76%以下になっております。

 これがどういう状況、どういう影響で落ちてきているのかということは、いろいろ分析しなければいけないと思いますが、単月ベースで申し上げますとそういう状況でございまして、全体としては昨年度を上回って、104.7%でございますが、全体としては少しずつ昨年よりは落ちている。ただ、昨年が過去最高ということも、いろいろ検討の中では考慮しなければいけないと思います。

内田委員

 全体としては104.7%ということでありますが、11月は極端に低いですが、その理由をお伺いしたいと思います。

金融課長

 今、申し上げましたが、全体として4月からずっと減ってきているという状況もあると思います。もう一つは、先ほど、報告資料の中で、責任共有制度の導入についてお話をさせていただきました。10月からは金融機関も信用保証協会と一緒に少しリスクを負担するということになっております。この影響が少し出ているのかもしれないですが、それが逆にどういう形で影響が出ているのかというのは今後十分見ていかなければいけないと思っております。また12月から、原油・原材料の高騰のための特別の融資を始めております。こういうものを見まして、今後の動向は十分に注視していかなければいけないと考えているところでございまして、まだ理由というか、分析はできていないということでございます。

内田委員

 11月がなぜ低いのかというのは分析していかないと分からないということで、今後の分析結果をまた教えていただきたいと思いますが、本年度の制度融資の利用実績は金額面ではどうなのか。先ほども申し上げましたように、過去最高となった昨年度の実績を上回って推移しているとのことですが、資金ごとの利用状況についてはどうなっているのか、お伺いしたいと思います。

金融課長

 まず、小規模事業資金というのがございます。これは経営安定型融資の中で、要は無担保クイックというものがほとんど主体になっているものでございます。これにつきましては、前年から比べて約100億円、同期比で減っておりまして、87%ぐらいとなっております。これは無担保クイックが平成18年度は200%以上ということで、平成17年度に比べると倍以上伸びている状況であり、その反動というか、利用が一巡したということもあるかと思っております。

 次に経営安定資金でございますが、これは売上げが減少しているとか、あとは不況業種に該当してセーフティーネットを利用していただくというものが主体でございますが、これにつきましては逆に40億円ほど増えており、同期比108%で伸びているということでございます。

 それから、先ほど一番伸びていると御説明を申し上げた事業振興資金でございますが、これは一般的に何にでも使っていただけるもので、体質強化型というふうに私ども呼んでおります。これが134億円増えて全体で129%ということで、30%近い増加になっているということでございます。

 資金ごとに見ますと、増えるところもあるし、減っているところもあるということでございます。

内田委員

 今、報告資料の表の中で経営安定資金と事業振興資金が増えているということでしたが、県はこの状況をどのように分析をしているのか、お伺いしたいと思います。

金融課長

 今申し上げましたとおり、事業振興資金というのは体質強化型資金ということでございます。景気が少しながら回復しているというようなお話もございます。こういう中で個々の企業が収益を回復して、今後事業を拡大していくという体質を強化するための資金が伸びているということが、この事業振興資金が伸びている理由ではないのかと考えております。したがって、状況が上向きの中小企業もあるということをこの部分は示しているのかと思ってございます。一方で、経営安定資金、先ほど申し上げましたとおり、これは売上げが減少している、不況業種でのセーフティーネットの保証を受けているというものが増えているということでございます。これはやはり依然として経営環境が厳しいというところがあるということでございます。原油等の高騰の影響、あるいは建築確認等の許可の遅れの影響が、こういうところにも現れているのかなと見てございます。

内田委員

 折りしも、昨日のニュースでは、原油高騰によるのか分かりませんが、全国で1万件の企業、主に中小企業が倒産してしまったということが大きく取り上げられておりました。先ほど、報告資料の4ページの企業倒産件数の中で県内では減少しているということでありますが、この倒産件数と今後の見通しというのは県では把握をしているのでしょうか。また、原油高騰に関して、融資をしているのですが、この辺のところを県としてはどう考えていくのか。また、昨日のニュースを受けて、県として取り組んでいくに当たっては、新しい方策というのも考えていくのでしょうか。

企画担当課長

 まず、企業の倒産件数でございますが、()東京商工リサーチ横浜支店が発表しております神奈川県の企業倒産状況によりますと、県内の11月の倒産件数は48件でございます。負債総額が1155,100万円となってございます。また、1月から11月まで合計いたしますと県内が619件、負債額にして1,6465,900万円となっています。

 原油高騰というお話がございましたが、やはりこの調査によりましても原油価格が今後更に上昇するというような見通しもある中で、やはり経営破たんを起こすという事例が増えていくのではないかという懸念も調査の中でも触れられております。

 また、今後の対策というお話もございましたが、先ほど金融課長からもお話し申し上げましたが、12月1日から原油・原材料等高騰対策融資を始めておりますので、このPRを積極的に行いまして利用促進を図っていくということと、さらに下請取引の適正化について、引き続き周知を図っていくといった取組を行ってまいりたいと考えております。

内田委員

 そうした中で、中小企業も今大変な局面にあるわけです。原油・原材料高騰対策融資を12月1日から始めたということを承知しております。しかしまだ県内には例えば建築着工件数の急激な減少などといった、中小企業者の中でも建設関連の中小企業への影響というのも懸念されているわけです。その辺の建設業など、また他の製造業も含みますが、どのような対応になっているのか、具体的にお伺いしたいと思います。

金融課長

 現在、原油・原材料等高騰対策融資を12月1日から始めたということですが、これは保証制度の中で、別枠保証というセーフティーネットという制度がございます。これを活用して、既に不況業種として指定されている運送業など、原油・原材料等の高騰で影響を受けている中小企業を支援しようということで始めたものでございます。

 この不況業種の指定でございますが、経済産業大臣が四半期ごとに指定をするということになっておりますが、その中に実は今回の建築確認の厳格化で建築着工件数が非常に減って、全国的に影響が非常に大きいということを受けまして、1127日に経済産業大臣は新たに建築関連ということで、建築工事業、大工工事業、鉄骨製造業、設計業、測量業も含めまして15業種の指定をしたということでございまして、原油・原材料等高騰対策融資という名前ではございますが、この不況業種として指定された建築関連の業種の中小企業の方は、このセーフティーネットを使っていただけますので、是非ともこの制度を経営のこれからの円滑な一つの手法に使っていただければと考えております。

内田委員

 セーフティーネットで別枠に組むということで、できるだけ中小企業の中でも不況業種の方に優先的にいろいろ取り組んでいただきたいと思います。

 次に、視点を変えて伺いますが、昨年の7月に日本銀行がゼロ金利政策の解除を行った後、政策金利が徐々に引き上げられていると思いますが、このような状況の中で、県が行う中小企業制度融資の金利設定について、どのように対応していこうと考えているのか、お伺いしたいと思います。

金融課長

 制度融資の金利でございますが、一番気を付けなければいけないのは中小企業者の方と金融機関の負担のバランスということではないかと考えております。今、金利につきましては、昨年の7月にゼロ金利政策が解除されたということで、政策金利が2回引き上げをされております。こういう中、本年度当初の4月については金利を上げなかったわけですが、昨年7月に0.25%に政策金利が上がって、金融機関から制度融資の利率を上げていただきたいという要望もございました。県といたしましては、まだ中小企業の状況が非常に厳しいのではないかということで、今年度は据え置くということで平成19年度は今同じ利率設定とさせていただいております。

 ただ、その後、実は昨年7月の利率を決定した後、今年の2月21日に更に0.25%追加の利上げがありまして、現在0.5%の政策金利になっており、金融機関にとっては、資金の調達コストが上がっているという状況もございます。

 今後につきましては、今、景気については弱さが見られるものの、一方で回復しているというようなお話もございますが、サブプライムローンの問題とか、いろいろな金融資本市場での変動の問題であるとか原油の問題等がございます。こういう景気の状況、それから今の政策金利、短期プライムレートがどうなるかというような金利の動向、さらには先ほどお話をさせていただいた制度融資自体の実績がどういうふうになっていくのか、それが責任共有制度によりどういう影響を受けているのかというものを見定めて、十分にいろいろ資料を見て検討をして、平成20年度については、やはり中小企業者と金融機関の負担のバランスということを考えながら決定をしていきたいと考えております。

内田委員

 要望を申し上げておきます。中小企業は地域経済の重要な担い手であり、また本当の意味で景気回復とは、多くの中小企業の状況が良くなり、県内経済全体の活性化が図られることであると考えております。そのためには、制度融資について、ニーズを的確にとらえてきめ細かな対応を図ることが必要であるとともに、まだまだ状況が厳しい中小企業の負担についてなるべく抑える環境も考えていただく必要があると思います。そうした視点も踏まえて、制度の充実、そして改善に努められるよう要望いたします。

 

(休憩 午後零時1分  再開 午後1時6分)

 

内田委員

 報告資料の7ページの()神奈川中小企業センターと()神奈川県産業貿易振興協会の統合についてですが、この2団体は、それぞれの立場から本県の中小企業振興や産業振興に対して大きな役割を果たしているものであり、今回の統合は県や団体が振興施策を展開する上で大きな影響があると考えられます。

 そこで、この統合に関して何点かお伺いしてまいりたいと思います。

 まず、この二つの団体の設立の目的、事業の内容について、改めて詳しくお伺いしたいと思います。

産業活性課長

 まず、()神奈川中小企業センターでございますが、昭和28年8月に県内の中小企業者が利用する中小企業会館の運営母体である()神奈川中小企業会館として設立されました。その後、平成6年11月に名称を現在の()神奈川中小企業センターと変更し、以後、県内の幾つかの中小企業支援機関の業務を引き継ぎ、現在に至っております。

 主な事業といたしましては、中小企業に対する相談、診断・助言、情報提供、研修セミナーの開催。二つ目として、創業やベンチャー企業の育成支援。三つ目として、機械設備の貸与や資金貸付の実施。四つ目として、下請取引のあっせんなどを行っているところでございます。

 次に、()神奈川県産業貿易振興協会でございますが、神奈川県内における県産品の販路拡大及び貿易等、海外との経済交流を通じまして本県産業の振興を図ることを目的に、昭和46年8月に社団法人として法人化いたしまして、現在に至っております。

 主な事業といたしましては、中小企業の販路拡大を図るための見本市の開催、海外との経済交流の促進を図るためのセミナーなどの開催といった事業を実施しているところでございます。

内田委員

 この二つの団体は、それぞれの目的に沿って事業を展開してきたということをお伺いしましたが、今回、両団体をどのような考え方に基づいて統合することにしたのか。統合に当たっての両団体の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。

産業活性課長

 両団体の統合に当たりましての基本的な考え方でございますが、()神奈川県産業貿易振興協会の持つ販路開拓の推進や経済交流の促進を図る機能と()神奈川中小企業センターの持つ中小企業の様々な支援機能については相互に補完的な機能を持っていると考えられます。統合によって、県内中小企業に対する支援を総合的、効率的に実施する団体となることが可能であるという考え方に基づきまして統合を進めることとしたものでございます。

内田委員

 統合は、中小企業にとってもメリットのあるものでなければならないと思います。両団体においては、この統合により中小企業支援の面でどのような効果があると考えているのでしょうか、お伺いします。

産業活性課長

 統合によって考えられるメリットを具体的に申し上げますと、例えば、()神奈川中小企業センターの総合相談窓口というのがございます。これに貿易相談などの機能が追加されることになりまして、ワンストップサービスが更に強化されると考えております。

 また、二つ目として、()神奈川中小企業センターが実施してきました受発注商談会という事業がございますが、この支援事業に国際化の視点が新たに加えられることで、支援の幅が広くなるということが考えられます。

 また、3点目でございますが、()神奈川県産業貿易振興協会が長年にわたり育成してきました500社を超える会員組織がございます。こうした組織を新たな財団が引き継ぐことで、財団の活動が一層活発になるということが期待されます。

 このように統合により、両団体の中小企業支援機能が一体となって展開されることで、県内中小企業に対しましてより総合的、効率的な支援が可能となると両団体は考えているということでございます。

内田委員

 これらの統合により、国際的な面が加わったということで、中小企業支援の面で更にメリットがあると私は思います。今後どのような作業を経て統合を進めようとしているのか、お伺いしたいと思います。

産業活性課長

 先ほど御報告いたしましたように、統合に向けた基本的な方向性につきましては、両団体の間で統合基本合意書が調印されまして、合意形成が済んでいるところでございます。今後は、()神奈川中小企業センターの寄附行為などの諸規定の見直しや、統合後の新たな団体の組織の検討、また新たな団体が展開する事業の検討など、統合に向けた具体的な課題について両団体で検討を重ね、円滑に統合が行われるよう、両団体が努めていく予定でございます。

内田委員

 そのように円滑な作業を進めるに当たっては、やはり県内中小企業や県内産業の振興に寄与するものでなければならないと思います。

 今回の統合について県当局の方ではどのように考えているのか、県の認識をお伺いしたいと思います。

産業活性課長

 今回の統合でございますが、先ほども申し上げましたが、県内の中心的な中小企業支援機関として位置付けられる()神奈川中小企業センターが従来持ち合わせていなかった見本市による販路拡大、あるいは海外との経済交流といった()神奈川県産業貿易振興協会の機能を新たに備えることで、県内企業に対する総合的な支援を提供する機関が誕生することになります。私ども、県内中小企業の支援対応の充実が図られるといった点で大変評価しているところでございます。県といたしましても、この統合が円滑に進むように、引き続き両団体の統合作業に対しまして協力してまいりたいと思っております。

舘盛委員

 統合につきましては、今聞いていると大変よろしいかと思いますが、この統合が決まったのは、行革でありますとか、そういう観点から行ってきたと思います。この両団体については、例えば職員数ですが、今どのくらいの人数でやっていて、統合されてどうなるのか。あるいはその職員の人件費的なものが、県から支出されているのではないかと思いますが、そういうものが行革のとらえ方としてどういうメリットがあるのか。その辺のところをもう少し詳しくお伺いいたします。

産業活性課長

 両団体の職員規模でございますが、()神奈川中小企業センターにつきましては約60人、それから()神奈川県産業貿易振興協会につきましては13人でございます。基本的に統合基本合意書によりまして、存続法人である()神奈川中小企業センターに()神奈川県産業貿易振興協会の職員を引き継ぐということになっております。ただ、今後の組織の検討はこれからでございますので、全体として効率的な組織で行っていくという点では両者合意しておりますので、その中で効率的な組織というものが検討されると考えております。

 次に、予算面の補助金の話でございますが、これについては両団体の組織関係のお話をお聞きしまして、最終的に2月に決めていこうと考えてございます。

舘盛委員

 そうすると、60人と13人がいて、それが統合して、大体そのままという人数でやっていくとすると、行革の面から考えると、どこが行革になっているのかと感じますが、どうでしょうか。

産業活性課長

 まず基本的には、先ほど申し上げましたように、機能強化というものを第一に考えてございます。もう1点は、委員のお話のとおり、行革の面といいますか、効率的な運営という面もございます。これは確かに二つの側面で両団体を統合するということになります。

 効率的な運営という中には二つ考えてございまして、事業面で今までの事業を、両方の団体の事業を突き合わせて、より拡充するところは拡充し、減らすところは減らすという事業面での効率的な運営がございます。それから組織面での運営というのは、今後統合までに両団体でお考えになると聞いております。

舘盛委員

 組織面はこれからということでございますので、それはやはり行革の点でよく見守る必要があるのではないかと思います。もちろん機能の面では充実してもらわなければならないし、省略するところは省略してもらわなければならないと思います。その辺のところついては、組織を向こうで勝手に拡大してつくられて、人数がもう少し欲しいとかというような形になったのでは、所期の目的がおかしくなるのではないかと私は思いますので、その辺のところを要望しておきます。

内田委員

 この二つの団体の統合はやはり経済性をもくろんで統合するものだと私も見ておりますが、やはり事業として重なってくるところがかなりあると思います。それを排除していただき、そして国際的な視野に立った視点から中小企業支援にもよりメリットがあるように、またより効果的、効率的なものとなるように取り組んでいただくことを要望いたします。

 次に、中小企業の技術支援の観点から、地域産業力の強化に向けた技術支援についてお伺いします。中小企業を取り巻く環境は近年の地域経済のグローバル化に伴い、より厳しさを増しております。このような国際競争に適応するには、先ほども申し上げたように、独自の技術に基づく製品開発が重要であり、このような技術開発を行う中小企業に対して県はどのような技術支援をこれから行っていくのか、幾つかお伺いしておきたいと思います。

 県による技術支援は産業技術センターが中心となって行っていると思いますが、どのような技術支援を行っているのか、その概要についてお伺いしたいと思います。

産業技術センター所長

 産業技術センターではものづくり支援、それから研究開発、人材育成及び技術情報交流・連携を4本柱として技術支援を展開しております。

 各事業の概要を御説明させていただきます。

 1番目のものづくり支援でございますが、これは中小企業の独自技術や新製品の開発を支援するために技術相談、それから依頼試験、受託研究等を行っております。

 それから二つ目の研究開発につきましては、中小企業をはじめとする産業界や社会の要請におこたえするために、技術開発や産・学・公連携によります共同研究を行っております。

 それから3番目の人材育成につきましては、中小企業の研究開発の中核となっておられる技術者、研究者を対象にいたしまして、所内の機器ですとか設備を活用いたしまして研究開発人材の育成を行っております。

 それから最後の4番目の技術情報交流・連携では、産・学・公技術連携データベースの構築ですとか、科学技術文献ですとか特許等の技術情報の提供、それから技術交流フォーラムをはじめとします講習会とか講演会等によります研究者、技術者の情報交換とか技術交流を促すための場の提供に努めております。

内田委員

 今の御説明にもございました産業技術センターの技術支援の中で、中小企業が独自の技術に基づく製品開発に直接結び付く支援はやはりものづくり支援と思いますが、そのものづくり支援というものをもう少し詳しくお伺いしたいと思います。

産業技術センター所長

 産業技術センターが行っておりますものづくり支援でございますが、中核をなしておりますのは、技術相談と、それから依頼試験、受託研究の三つの事業でございます。

 産業技術センターでは、平成15年度からものづくり技術支援強化活動というものを展開しておりまして、今申し上げた技術相談の件数、それから依頼試験の収入、それから受託研究の収入の三つにつきましては、全国の公営公設の施設の中ではトップレベルにあると自負をいたしております。

 さらに、新商品とか新技術を開発する中小企業に対しましては、産業技術センターが保有しております技術ですとか先端機器を活用いたしまして、製品化に向けてきめ細かく支援をさせていただいております。

 また、開発拠点が必要な、特にベンチャー系とか第二創業の事業者には産業技術センター内の製品開発室を御利用いただいて、より迅速な製品開発を進めさせていただいております。

 また、県内中小企業が最近、海外等との商取引に関しまして必要となってまいります信頼性の高い試験データを提供できますように、国際規格でISO/IEC17025という国際的な試験所認定の規格がございます。これに適合する試験区分を増やしていこうという取組も進めておりまして、国際化する中小企業の活動を支援していこうということも進めております。

内田委員

 先ほどの統合と同じように、やはり国際化という方向にものづくり支援の方も進んでいくと思いますが、ものづくり技術支援強化活動は具体的に実績というものはあるのでしょうか。お伺いしたいと思います。

産業技術センター所長

 産業技術センターでは、少し古い話になって申し訳ないのですが、平成13年度に外部の有識者に入っていただいて機関評価を受けました。そのときに一番大きな御提言として、ものづくり技術支援活動を強化するようにという提言をいただきまして、我々としては何とかきちんと対応をしていきたいということで、県内中小企業への貢献度を向上させるために、民間的な経営手法を導入いたしまして、平成15年度から17年度までの3年間でものづくり技術支援強化3年3倍増活動を進めてまいりました。

 活動の指標といたしましては、先ほど申し上げた主な事業であります技術相談の件数と依頼試験の収入、それから受託研究の収入の実績を平成13年度を指標として、それを平成15年度、16年度、17年度の3年間で3倍増にするという目標を設定いたしまして、独自にですが、その目標を達成いたしました。

 ちなみに、少し数値を御紹介させていただくと、活動の最終年度であります平成17年度の実績は、技術相談が2万216件、これは倍数でいくと3.2倍になりました。それから依頼試験の収入が2億5,3021,000円ということで、これが3.3倍になりました。それから、受託研究が8,6365,000円ということで、これは3.1倍ということになりました。

 そういう実績が出ましたので、平成18年度からは、さらに日本で一番お客様に貢献する公設研究機関ということで、ものづくり技術支援質的レベル倍増活動、クオリティーレベルの倍増でQL2と略称していますが、これに取り組んでおります。

 この活動では、3年3倍増活動で達成しました量的レベルはきちんと維持しながら、更に技術支援の質的レベルを向上させようということで、試験計測データの正確さ、それから商品化とかコスト低減等への貢献度の向上、それから技術力の向上の三つを指標といたしまして、それぞれやはり数値目標を設定いたしまして、平成18年度から20年度までの3年間で基準とする実績値をそれぞれ2倍に増やそうという活動を進めております。

 平成18年度につきましては、すべての目標値を達成しております。今、19年度につきましても、是非目標達成しようということで進めておりますが、平成18年度の中で少し特徴的なことを御紹介させていただくと、先ほどの三つの指標のうちの商品化ですとかコスト低減の貢献度の向上ということでございますが、平成18年度の目標を38件、それから目標売上高の金額が9億2,000万円という数字に対して、それぞれ件数で40件、それから金額では108,000万円ということで、ともに目標値を上回ったような実績を出しております。

内田委員

 今のように、量的な3倍増達成から平成18年度は日本で一番の公設研究機関ということで、技術支援の質的レベルの向上を目指しているということです。今のような直接的な技術支援に加えて、中小企業と大企業、あるいは大学と技術連携をコーディネートしているという産・学・公連携ですが、全国的にもそういう動きはあるとは聞いています。実際、産業技術センターではどのような取組を行っているのか、お伺いしたいと思います。

工業技術担当課長

 県におきましては、インベスト神奈川による世界トップレベルの研究機関の立地、集積をいたしまして、世界をリードする新たな産業の展開というものを図るためにも、新設・増設の研究所に向けて、つまりインベスト神奈川による新設・増設研究所をはじめとして既存の研究所、あるいは県内中小企業、大企業、さらには大学等の技術連携を促進して、より高付加価値の産業を創出するということを目的といたしまして、神奈川R&Dネットワーク構想を展開しております。

 この構想を推進するために、その核として神奈川R&D推進協議会というのを平成17年7月に設置いたしました。この神奈川R&D推進協議会のメンバー企業は、設置当時は10社でしたが、現在、13社になってございます。

 この神奈川R&D推進協議会では、大きく分けて3種類の取組に目標を設定して活動をしております。一つは、大企業が持っている先進技術を中小企業へ移転するという取組。それから2番目は、今度は逆に県内の中小企業は優れたオンリーワン技術をたくさん持っておりますので、それを大企業に積極的に活用していただくという活動。さらには、産・学・公連携で共同研究を実施して、高付加価値型の製品とか技術を生み出していこうという活動をしております。このような活動はコーディネーターがいないとできませんので、それに対して産業技術センターがコーディネーターとなりまして、中小企業と大企業との技術連携を仲介するというようなことをやっております。

 これまでの成果ですが、成果が出るまで結構時間がかかるのですが、今まで分かっているだけでも、技術連携において、トータルで5億円近い商談が成立しております。

内田委員

 そういったコーディネートも重要だということで、技術支援の状況については分かりましたが、中小企業は、人や物や資金が実際不足していると聞いております。産業技術センターは、()神奈川中小企業センターと連携して総合的支援を行っていくと聞いておりますが、その進ちょく状況についてお伺いしたいと思います。

産業技術センター所長

 9月定例会で御審議をいただきました県内中小企業を経営面から支援する()神奈川中小企業センターと技術面から支援をさせていただいている産業技術センターの組織的な連携を強化いたしまして、中小企業に対する支援の充実・強化を図るためのかながわ中小企業総合支援委員会がございますが、11月7日に日本発条()の最高顧問を委員長にお迎えして、県内中小企業経営者ですとか学識経験者をメンバーとするかながわ中小企業総合支援委員会の発足式を開催いたしました。当日は、来年度からの具体的な総合支援の開始に向けまして、中小企業の視点に立った迅速・効果的な支援の在り方などにつきまして、委員の皆様方から忌たんのない御意見をいただいたところでございます。

 今後は、来年の3月ごろに開催を予定しております第1回の委員会におきまして、両センターの事業連携を統括する組織として具体的な平成20年度の支援事業につきまして、経営技術も併せてサービスの充実・強化に向けた基本戦略を策定してまいりたいと考えております。

内田委員

 世界的規模でものづくりの競争が進んでおります。県内製造業が更に発展して、付加価値の高い、質の高い物がこの神奈川県から生まれるように、中小製造業の技術力強化に向けた支援を確実に進めていただきたいと要望いたします。

 続きまして、総合的な中小企業支援の観点から、先日、向笠議員からの代表質問がありましたが、中小企業活性化条例(仮称)についてお伺いしていきたいと思います。

 まず、この中小企業活性化条例(仮称)の制定の検討を進めていると思いますが、改めて制定に向けたスケジュールを確認しておきたいと思います。

産業活性課長

 制定に向けたスケジュールでございますが、9月定例会の商工労働常任委員会で御報告いたしましたとおり、現在、かながわ産業活性化懇話会や県内の中小企業、中小企業団体などから条例の内容について様々な御意見を伺っているところでございます。こうして寄せられた意見を踏まえまして、今年度中に条例案の骨子として取りまとめる予定でございます。また、来年度は、この骨子を基に県民意見募集、いわゆるパブリックコメントを行いまして、そこでいただいた意見や、さらに議会の御意見を踏まえまして条例案を検討し、提案してまいりたいと考えております。

内田委員

 これまでの条例に対する意見の聴取状況についてお伺いいたします。

産業活性課長

 条例に対する意見の聴取状況でございますが、この10月から県内各地域の商工会や商工会議所、また神奈川県工業協会や神奈川県商工会連合会などの中小企業団体、さらには市町村の商工担当課などとの意見交換を15回開催してまいりました。さらに意見交換の場でいただいた意見を踏まえまして、11月に今年度2回目となるかながわ産業活性化懇話会を開催いたしました。そこで委員の方々から御意見をいただいたところでございます。また、懇話会や意見交換会とともに、()神奈川中小企業センターが行っております景気動向調査の際にアンケートに答えていただく方々から、条例に対して御意見を聴取したほか、中小企業団体が独自に会員企業に対してアンケートを実施するなどしておりまして、これらを加えまして、現在までに私どもに合わせて526件の御意見をいただいているところでございます。

内田委員

 526件の意見をいただいているということで、地域の商工会や商工会議所、そして経済団体や市町村などからも意見を聞いているということですが、主にどのような傾向の意見が多かったのか、お伺いしたいと思います。

産業活性課長

 現在までにいただいた意見を分類してみますと、最も多くいただいた意見は、やはり補助金の関係でございまして、こういう補助金が欲しいとか、こういう融資が欲しいということ、あるいは人材育成などという中小企業振興施策に関するものが143件で27.2%でございます。次いで、中小企業振興の理念、あるいは振興の基本的な考え方などに関するものが84件で16%でございます。次に、条例ではどのような中小企業に支援の重点を置くのかといった条例の対象などに関するものが62件で11.8%でございます。また、中小企業や大企業などの責務や役割に関するものが39件で7.4%などとなっております。

内田委員

 いろいろな意見をいただいているということですが、具体的にその内容について幾つか御紹介していただきたいと思います。

産業活性課長

 具体的な意見について3点ばかり御紹介をさせていただきます。

 一つ目は、中小企業振興施策に関する意見でございますが、例えば中小企業は単独で人材育成を進めることが難しい。技術者の育成が地域の魅力をつくるといったような人材育成の重要性についての御意見がございました。

 また、条例の対象に関する意見としては、支援の重点を経営面で厳しい状況にある中小企業に置くのか、成長発展が見込まれる中小企業に置くのかといった二者択一ではなく、やはり県としては両方に目線を置くべきであろうというような御意見がございました。

 さらに中小企業や大企業などの責務や役割に関する意見としては、大企業、中小企業、あるいはもっと小さい小規模の企業といった企業の規模に関係なく、企業の社会的責任を果たさなければならないといった意見をいただいております。

内田委員

 そういった寄せられたいろいろな意見に耳を傾けることが今後大切だと考えますが、県としてはこうした意見をどのように踏まえてこれから条例をまとめていくのか、お伺いしたいと思います。

産業活性課長

 現在までに寄せられております条例の対象、あるいは企業の責務といった意見の中には、委員お話しのとおり、考え方が相反するというものもございます。引き続き更に多くの意見をお聞きする必要があると考えております。

 今後、こうした多様な意見を整理しまして、中小企業振興の理念や方向性、県をはじめとした行政、関係団体の役割、企業の地域貢献への取組など条例の内容について、かながわ産業活性化懇話会の場で委員の方々から助言、提言をいただきながら、庁内でも検討を加え、神奈川らしい特徴を持った条例にしたいと考えております。

内田委員

 要望を申し上げたいと思いますが、やはり中小企業が、この県内産業を支えているわけです。やはりこういった中小企業活性化条例(仮称)を制定するに当たっては、より広く、そして今の原油高騰など厳しい状況の中で本当に中小企業者には困っている事業者も多いと思いますので、意見をきちんと聴取して、条例の検討を進めていただき、中小企業者の期待にこたえ、喜ばれるような条例の制定を是非行っていただきたいと思います。

 最後に、やはり今問題になっている若年者の雇用対策についてお伺いしたいと思います。

 いわゆるニート、フリーターと言われる若年者の雇用状況は、依然として厳しいということをよく聞きます。その一方で、新規学卒者は売り手市場というふうに変わってまいりました。こうした状況において、若手の人材が大企業や有名企業に集中してしまう傾向が強く、県内の中小企業でも若手人材の確保が難しい状況ともなっております。

 先ほどフリーターと中小企業のマッチング支援事業について御報告がありましたが、そこで、何点かお伺いしたいと思います。

 このフリーター・中小企業等マッチング支援事業について、なぜ今年になって新たに取り組んだのか。その背景をお伺いしたいと思います。

雇用産業人材課長

 委員御指摘のように、若年者の雇用状況は、まだまだ厳しい状況にございます。平成18年度の神奈川県の失業率3.7%に対しまして、15歳から24歳は6.6%、25歳から34歳は4.6%と若年者の失業率が高くなってございます。新卒者を中心に雇用の状況はかなり改善しておりますが、やはり依然として厳しい状況にあるということが言えようかと思います。

 一方、更に御指摘がありましたように、県内の中小企業においては若手の人材の確保が一つの課題となってきております。

 そういう状況の中で、フリーターですとか若年者に対する就業支援を推進していくために、まず県内の企業における若年者雇用の状況ですとかニーズを把握して、それを今後の若年者の就業支援に反映していくことが有効ではないかと考えられます。そこで、採用する側の企業の若年者雇用の課題とかを把握しまして、そのことを踏まえて、企業に対して意識啓発だとか支援を働き掛けていくことが必要なのではないかという背景に基づきまして、今年度フリーター・中小企業等マッチング支援事業に取り組んでいるところでございます。

内田委員

 県内企業の若年者雇用に対する意向調査から知り得た県内中小企業の状況とはどのようなものなのか、お伺いしたいと思います。

雇用産業人材課長

 お手元に調査結果の概要というものを配布させていただいております。その主な結果として、4点挙げますと、まず、正社員の採用の状況と今後の採用方針を聞いております。

 お手元の参考資料の3ページのところでございますが、例えば県内企業の37.3%が過去10年間で毎年、あるいはほぼ毎年若年者を正社員として採用しております。採用のしやすさということを聞いておりますが、県内企業の58.8%が「やや困難」か、また「非常に困難」と感じております。その正社員採用に関する企業の課題でございますが、参考資料の8ページにございますが、「応募者自体が少ない」が41.5%、「応募者数はあるが求める人材が少ない」というのが26.9%、「採用してもなかなか定着しない」というのが25.9%ということになってございます。

 それでは、企業が求めている若年者の資質ですとか能力についてはどうかということで、参考資料の12ページにありますが、最も高いのは「責任感、確実性」が68.2%、それから「協調性、柔軟性」が63.8%、それから「行動力、実行力」が59.9%、さらに「誠実な人柄」というのが53.6%となってございます。

 それから、やはり12ページですが、適性を求める職種ということで、「営業・企画職」が37.6%、「技術・開発職」というのが35.1%、それから「生産工程・労務職」というのが34.3%ということでございました。そういったような状況が県内企業が求めている人材の姿ということでございます。

内田委員

 県内企業の若年者雇用に関する意向調査は非常に興味深いものがありまして、中小企業や大企業が求めている資質や能力がこうやって分かってくると、どんなことが求められているか、非常に分かりやすいと思います。

 その中で、県内企業から見たフリーターに対する評価というものは、どのようなものを求めているのでしょうか。

雇用産業人材課長

 参考資料では14ページに掲載してございますが、若年者のフリーター経験が長いことに対する評価を問うてございます。一番多いのが、「余り評価には影響しない」というのが54.9%でございました。次に「マイナスに評価する」というのが35.9%、それから「プラスに評価する」というのが1.2%となってございます。

 その業種ごとに、業種における評価の違いというのを見てみますと、「余り評価に影響はしない」というのが各業種においても一番高くなっておりますが、「マイナスに評価する」ということでは情報通信業が60.7%と高くなっておりまして、逆に「プラスに評価する」ということで一番高い業種となっているのは運輸業ということで2.6%となってございます。

内田委員

 今あったように、情報通信業では60.7%がマイナスに評価し、逆に運輸業の方では逆の評価をしているということで、業種によってやはり開きがあると思います。今後、このような調査結果を具体的に若年者の就業支援にどのように活用していこうと思っているのか、お伺いしたいと思います。

雇用産業人材課長

 今回の調査で県内企業が、中小企業を中心としまして若年者の人材を必要としている状況がかなり分かってまいりました。そういうことで、まずこの活用の状況でございますが、かながわ若者就職支援センターにおきまして、利用者の8割が受けておりますキャリアカウンセリングにおいて、利用者に対する企業の状況ですとかニーズなどを情報提供しまして、アドバイスに活用するということが1点ございます。

 それからもう一つは、就職活動の支援セミナーということに取り組んでおりますが、このセミナー等にもその結果を踏まえたカリキュラムの検討をして実施するということがございます。そういうことで、利用者であります若者に対しまして、企業の状況ですとかニーズを的確に把握していただきまして、その対策をとりながら効果的な就職活動に結び付けていくということがございます。

 この他に、私どもで取り組んでおります高等職業訓練などの面におきましても、例えば就職活動等におきまして企業ニーズ等を反映させた取組ということで取り組んでまいりたいと考えてございます。

内田委員

 ここには、フリーターの採用経験とかフリーターの評価とかフリーターを採用する際の年齢なども書いてあります。やはりこれを見ると、すごく現実は厳しく、フリーターを採用する際の年齢では、40歳以上ではもう3.6%ということになっています。フリーターの方も、少し年齢のことも考えていただきたいという感想を持ったところでもございます。

 県ではフリーター層の若年者の就業促進を図るため、今後どのように取り組んでいくのか、改めてお伺いいたします。

雇用産業人材課長

 今後の取組でございますが、若年者に対しましては、ただいま御答弁申し上げましたように、かながわ若者就職支援センターにおけるセミナーとかカウンセリングにおいてポイントを絞った事業としていくということが一つございます。

 もう一つは、採用していただく企業に対しまして、1点目としまして、調査において、フリーターの採用や実績に理解を示されている企業に対する連携というのが1点あろうかと思います。それから二つ目が、広く県内企業に対して、かながわ若者就職支援センターの利用者の意識だとかニーズを逆に企業側に情報提供していくこと。それから3点目としまして、県内企業に広くフリーターの雇用促進をしていただくための意識啓発ということを取り組んでまいりたいと思っております。そういった形でのセミナーも年明けには企画してございます。

 その他、経済団体とか教育機関などに対しまして調査結果を情報提供しながら、連携をとる形でフリーターの雇用促進に取り組んでまいりたいと考えてございます。

 内田委員

 県内の中小企業ではだんだんと、やはり人材不足の波がもうそこまで押し寄せていると思います。逆に言うと、若年者の新規学卒者はどうしても大企業や名前の知られている会社の方に集まってしまう。その傾向はもう昔から我が国では変わらないと思います。

 そんな中で、中小企業が求めている人材と、それから逆に若年者、あるいはもう30代になってしまったフリーターは県内にも大勢いると思いますので、その辺のマッチングがやはり私も重要だと思います。

 ひいては、もしかしたら40代であってもフリーターという方も多くなると私は見込んでおります。その中で年齢制限もございますが、各人に向いた資質とか、それから性格もありますし、今までやってきた分野の仕事をどう生かせるかとか、そのようなことを踏まえて、是非とも人材を眠らせておかないで、できるだけ中小企業や、また各企業にすべてマッチングが行われるように推進していってほしいと願っております。

 

他、委員質疑続く