平成20年  商工労働常任委員会 - 0228日−01

平成20年  商工労働常任委員会

◎《委員会記録-平成20年2定-20080228-000010-商工労働常任委員会》

1 開  会

2 記録署名委員(内田・菅原の両委員)の決定

3 県政記者の写真撮影許可

4 報告事項(商工労働部長)

  「行政システム改革の取組について」

  「最近の経済動向及び雇用情勢について」           

  「平成20年度中小企業支援・雇用対策の取組について」     

  「中小企業事業承継啓発事業について」     

  「「中小企業活性化条例(仮称)」骨子(案)について」           

  「神奈川県産業集積促進方策(インベスト神奈川)について」  

  「TOKYO BAYツーリズムについて」          

  「神奈川R&Dネットワーク構想の取組状況について」   

  「東部総合職業技術校の開校等について」      

  「2007年問題(団塊世代の大量退職)に対する取組について」

 (午前1153分 休憩  午後1時5分 再開)

5 傍聴の許否について決定

  1件申請 1件許可

6 日程第1及び第2を議題

7 提案説明(商工労働部長)

8 同上質疑(所管事項及び報告事項も併せて)

 

内田委員

 それでは、商工労働常任委員会提出資料の20ページにあります、かながわツーリズムの推進について質疑をしていきたいと思います。

 先の本会議において、我が会派の梅沢議員の代表質問に対し、知事からは観光室の設置、条例制定などの答弁がございました。また、一般質問では榎並議員が観光振興について質問をし、知事からは今後の取組について答弁をいただいたところでございます。

 そこで、この観光室ができることにより、これから条例制定に向けた動きが更に進んでくると思います。

 まず、この具体的な内容等について、何点かお伺いしていきたいと思います。

 最初に、4月に商業観光流通課内に観光室が設置されますが、現在の観光振興班の現状と課題についてお伺いしたいと思います。また、観光室の設置によって、どのように課題の解決が図られ、観光振興の取組強化につながるのかを併せてお伺いしたいと思います。

観光振興担当課長

 まず、現状でございますが、観光振興につきましては、県政の重要課題であるという認識の下、私を含めて商業観光流通課の観光振興班13人で観光事業に取り組んでおります。

 その内容といたしましては、秋、冬の全県的な観光キャンペーンですとか、かながわ観光セリ市場による旅行商品化の促進、あるいは国際観光客の誘致など、市町村、民間事業者と連携しながら、あるいは事業によっては近隣の都県と連携して取り組んでおります。

 今まで進めてまいりました観光振興事業の取組に当たっての課題でございますが、一つは国の事業の活用をもっとしていく必要があると考えております。それから、二つ目にはやはり県内外の情報収集、それから広報宣伝の仕組み、それからネットワークづくりをしていく必要があると思います。三つ目になりますが、事業効果を測定するための指標づくりを進めていく必要があると思います。また、庁内における他部局との連携ですとか、あるいは調整力をもっと強化していく必要があると思います。さらに、県の役割の中でも大事な大所高所に立った戦略的な政策立案が必要であると考えてございます。そこで、今回の観光室の設置及び体制の整備によって観光に関する情報の収集機能が強化されて、また他部局との調整ですとか、戦略的に物事を考えて政策立案をしていくこと、さらに、集中的に事業実施していくことが可能となると考えております。

 そこで、課題解決に向けては実現可能なものから優先順位を付けて、それぞれ短期的課題、あるいは中期的課題といったものが出てまいりますので、整理しながら取り組んでまいりたいと思います。

内田委員

 今お話がありましたように、4月から商業観光流通課内に観光室ができるということで、戦略的な政策立案に向けて、これからいろいろなことが始まると伺っています。条例化に向けた戦略的な観光振興施策展開のための調査として、観光かながわグランドデザイン推進事業という観光産業等の実態把握に向けた調査をこれからしていくということを聞いております。そこで、この調査の目的や必要性について伺いたいと思います。

観光振興担当課長

 まず、申し上げておきたいのは、観光産業はいろいろな場で言われておりますが、総合産業として大きな経済的波及効果ですとか、雇用効果を有する産業であると言われておりまして、そういう認識に立っております。

 そのような中で、本県でも観光振興に更に力を入れていくために、条例化に向けて取り組む方向性については、本会議で知事が答弁したとおりでございます。

 まず、調査の必要性につきましては、より良い事業と成果を導き出していくためには、観光の基礎となるバックデータを使って、しっかりとした根拠に基づいた事業展開が必要だと考えております。

 それから、今回の調査でございますが、この条例制定の準備作業として、産業としての観光に焦点を当てて、基礎的なデータ把握をすることを目的としております。県内を訪れる観光客の動向はもとより、事業者の実態、経済波及効果等も含めて、定量的に明らかにすることを目指しております。

内田委員

 観光かながわグランドデザイン推進事業として、そういった実態把握に向けた調査がこれから非常に大切であり、それが基になって条例や施策立案がいろいろとつくられていくと思います。神奈川県を訪れる観光客数というのは、入込観光客調査というのがございますが、今回行おうと考えている調査の具体的な内容について、お伺いしたいと思います。

観光振興担当課長

 現在、この事業は来年度の委託に向けた準備作業を行っておりますが、今後、公募プロポーザルによって受託者を決定していく予定でございます。

 したがいまして、調査の設計そのものについては、今後、受託事業者とともに検討していくということになりますが、現時点の考え方を申し上げますと、神奈川県内を五つの地域エリアと三つの重点エリアに分けて、地域ごとに調査を行う予定でございます。

 主に、行う調査は2種類を考えております。一つは訪問者調査でございます。事務局サイドの考えですが、全県でサンプル数1万件ぐらいを予定したいと考えております。その中には、訪問者の属性、それから観光消費のその内訳等々を把握するために実施するものであります。

 二つ目には、事業者調査でございます。これは県全体を対象として、考え方としてはサンプル数2,000件を目標にしたいと思っております。観光関連事業者の取引自体をはじめとして、経費別域内調達率などの現状を把握しておくために実施をしていきたいと思っております。いろいろ求めたい項目はたくさんあるのですが、予算との関係もありますので、今後のプロポーザルの中で検討していきたいと思っています。

 大きくこの2種類の調査でやっていくわけですが、神奈川県内の消費と、それから観光客、要するに訪問者の動態を把握することによって、各地域の現状を定量的に明確化できると考えております。

 併せて、事業者が抱える経営課題も把握しながら、地域の観光産業の特性をつかんでいきたいと考えております。

内田委員

 その調査の具体的な内容について、サンプル数なども、大体出ているということで今お伺いしましたが、例えば、観光客数などは、どこに泊まったかということで大体の人数が出てくるのでしょうか。それで、どこの国の人が泊まったかとか、そういう調べ方を地道にしていくのでしょうか。

観光振興担当課長

 基本的にはそのとおりでございます。国内の観光客、あるいは外国の観光客、いずれも同じですが、どこからみえたのか、国内でいえばどこの都道府県からみえたのか、外国でいえばどこの国からみえたのか、どんな交通手段でみえたのか、どんな目的でみえたのか、そういったことを、訪問者の属性の中でとらえていきたいと思います。そういうことが分かっていきますと、今はどちらかと言いますと、状況が分からない中で一生懸命事業を行っているような感じでございまして、そういうことを明確にすることによって、お客様のいらっしゃるところに的確な観光情報の提供、観光の魅力を提供していくということが可能となり、効果的な事業に結び付ける一歩になると考えております。

内田委員

 今のお話ですと、やはり属性を明確にしていくことで、どこの国の人が多く訪れたかとか、また、神奈川のどこに人気があるのかということも徐々に分かってくると思いますので、大切なことだと思います。

 そのほかに何か具体的な調べ方があるのですか。

観光振興担当課長

 その他には、国内でも公共交通機関を使うお客様、あるいはマイカーを使うお客様、いろいろございます。したがいまして、調査も数字をとるときに、できるだけ入口のところでのお客様の数、例えば箱根でいいましたら、箱根湯本駅の乗降客数ですとか、もちろん宿泊者数ですとか、芦ノ湖での遊覧船の乗船客数ですとか、あるいは入口である湯河原駅や小田原駅もそうです。そのような数値をできるだけつかむことによって、全体的に外国人がどのくらいみえているのか、そのうちどのくらいの方が泊まっていらっしゃるのかということも、いずれにしても推計になると思いますが、そういったことが見えるようにしていきたいと思っております。

内田委員

 それでは、観光かながわグランドデザインということですが、グランドデザインは、どのようなものになるでしょうか。

観光振興担当課長

 先ほど申し上げました神奈川県観光産業構造に関する基礎調査に併せて、この観光かながわグランドデザインとして神奈川の観光の将来像を描いております。

 この観光かながわグランドデザインの将来像について、今後の検討になってまいりますが、そのイメージとしては、いろいろな観光事業者がそれぞれの工夫、あるいは企業努力によって、神奈川の観光のファンを増やして、多くのリピーターが神奈川県を訪れるという姿、あるいは東アジアを中心とした外国人観光客が増加して活気に満ちた神奈川県の姿、さらにヘルスツーリズムですとか、エコツーリズム、あるいは産業観光などのニューツーリズムへの志向変化によって、人々が暮らしている地域に誇りが持てる心の豊かさですとか、生きがいを実感できる、そんな絵が描けないかと考えております。それから、観光ボランティアなどの活躍というのが、今、大変各地域で盛んになっておりますが、地域が行政と連携しながら一体となって地域をつくり、守るための協働の取組が進められているようなそんな神奈川県の姿、あとは近隣自治体との広域連携が進んで、地域の特色ある観光資源が多様な回遊コースとして提案されて、県境を越えた観光がもっと盛んになるというイメージを考えております。

 このようにいろいろな夢はあるのですが、考えていく中で、観光は手段であるととらえておりますので、観光を通じて今いろいろな意味で課題になっています観光と環境、あるいは観光と福祉、それから観光と教育といったことなどもキーワードにして、夢が語れる明るい神奈川の将来像を描いてまいりたいと思っております。並大抵なことではないと思いますが、挑戦をしていきたいと思っております。

内田委員

 明るい神奈川に向けて、観光というキーワードはいろいろなものにつながると私も思います。日本の中でも、やっと観光立国日本ということで立ち上げられたところであり、神奈川県でも条例化に向けた動きがあるということで、喜ばしいことですが、そのスケジュールについてお伺いします。

観光振興担当課長

 条例化に向けたスケジュールでございますが、平成20年度は先ほどから申し上げております神奈川県観光産業構造に関する基礎調査を実施するとともに、観光かながわグランドデザインを描いてまいりたいと思います。併せて、市町村ですとか、観光関係団体等と条例化に向けた意見交換、あるいはヒアリングをしていきたいと考えております。

 そして、平成21年度に神奈川県観光産業構造に関する基礎調査の調査結果を踏まえて、本県の多彩な特徴を生かした観光振興条例(仮称)を制定していきたいと考えております。

内田委員

 私が聞いているところでは、今度新設される観光室は、2人増員で15人体制ということでいよいよスタートするわけです。まず1年目ということで、今後特にどんなことに目標設定をして、どのような動き方をしていくのか、お伺いします。

観光振興担当課長

 先ほどの課題の中で申し上げましたが、今まで取組が薄かった部分に対して、やはり特に力を入れていく必要があると考えておりますが、なかなか予算が計上されませんので、国の予算を有効に使ってまいりたいと考えております。国の目的は神奈川県がねらう方向と決して違うものではございませんので、それにはやはり専門家、あるいは精通した人が必要になってきます。また、各地域の情報が把握しきれていませんでしたが、今後は一元的に観光室で情報が手にとるように分かるような情報収集をしていきたいと考えております。さらに、県の役割といったものをもう一度見直して、本来あるべき県の役割を先ほどの調査結果を踏まえながら、検討してまいりたいと思っています。

内田委員

 最後に、観光振興担当課長は民間旅行会社の御出身だということで、この3月末で在職3年7箇月になるということをお聞きしております。一連の動きに対する今までの感想、それから民間からお越しになったので、やはりびっくりするようなこともあったと思いますが、そういった感想、また今後のことに関しても触れていただきたいと思います。

観光振興担当課長

 平成16年9月1日付で入庁させていただきましてから、この3月末で、3年7箇月でございます。入庁してから1、2年は、正直な話、本県の観光行政も人が変わると同時に、根底から変わりかねないという不安定な位置にあるという私自身の認識でありました。今こうやって振り返ってみますと、先ほどから話が出ております条例化ですとか、観光室の設置、それから部設置条例の中の分掌事務に観光に関する事項が追加されたことなど、民間出身である私にとっては、これで役割を終えて辞めてもいいのかと思うくらいすごくうれしく思っております。

 その中で、行政の常識に染まってしまうと精神的には大変楽でしたが、染まってしまったらその時点で私の存在価値はなくなると思ってやってまいりましたし、自問自答したことが何回かありましたが、商工労働部長をはじめ、その都度きっかけをいただきまして、またここにいらっしゃる委員の皆様の熱きエールをいただき、背中を押していただきながら、ここまでやって来られたというふうに感謝をいたしております。

 そんな気持ちで一杯ですし、多くの方々の観光に対する御理解、御支援もいただきました。各部局からも今度は観光と一緒に事業をやりたいという声もいただけるようになってまいりました。したがって、これを上手に生かして、県全体の事業が効果的になるように、更にまい進してまいりたいと思います。

 観光は人づくりだと言われております。人脈をつくることがまず大事でございます。もっとパイプの太い人脈をつくりながら、この観光行政にまい進してまいる所存でございますので、よろしくお願いいたします。

内田委員

 では、要望を申し上げます。

 観光は人脈、人づくり、パイプづくりですので、我々の仕事とよく似ているのではないかと感じます。観光立国を宣言した我が国ということで、観光をこれからのリーディング産業の一つとして位置付けて、一連の法律の制定から観光庁の設置ということまで国としては動いております。やっと始まったという感がありまして、まだまだこれから日本は観光に向けてもっと力強く、前向きに前進していかなくてはならないと私は感じております。

 この機をとらえて、本県も体制を強化し、民間の感性を是非ともこの本県の観光室に生かしていただいて、私どもも協力しながら、神奈川県の観光施策をつくっていけるように、また観光かながわグランドデザインを描いていけるように頑張っていただきたいと思っております。

 次に、戦略的・地域密着型旅行商品化促進事業についてお伺いします。

 神奈川県は、既に全国的に認知されている観光地を有するほか、首都圏から近いという立地や歴史文化、自然資源といった恵まれた地域固有の資源が豊富にあると思います。一方、観光客の誘致は以前のような物見遊山的なものではなくて、エコツーリズムなど、学習する、あるいは体験するといった観光や、また地域の人々との触れ合い、それから交流などを求める観光など、非常に多様化してきており、その傾向は国内観光客だけではなくて、外国人の観光客からも求められてくると思います。

 先日の本会議で、地産地消など地の物を消化できるような農業政策について触れられておりましたが、今後の神奈川県の将来を考えますと、かながわの名産100選など地場の産業を生かしたものを観光に取り込むことが、これからの神奈川県らしいツーリズムだと思います。

 そこで、地域の特色ある資源を生かし、観光による地域の活性化を図るためには、県、市町村の関係団体の共有の認識の下、時代のニーズに合った観光魅力づくりに取り組まなければならないと理解しておりますが、平成20年度にこれまでの取組を更に強化していく事業として、戦略的・地域密着型旅行商品化促進事業が新規事業ということで位置付けられております。この事業内容についてお伺いします。

 私は11月の当常任委員会で、箱根の寄木細工のことについて、例えば寄木細工も現代版にアレンジして、それを戦略的に海外に売れるレベルぐらいまで持っていったらどうかというようなことをせん越ながら申し上げました。このたびこういった戦略的という言葉が事業名に付いておりますが、改めて新規事業として打ち出すその目的について確認したいと思います。

観光振興担当課長

 新規事業として打ち出す目的でございますが、まず地域密着型旅行とは、従来の旅行会社で企画される地域主導型の旅行とは違いまして、受け地主導型の旅行企画ということになります。その地域ならではの情報に基づいて企画するものですが、近年、観光ニーズの多様化によって大変求められている内容でございます。

 このことが地域振興につながるということで、各地域で地域密着の体験学習型、あるいは交流型のプログラム開発に力を入れているところでございます。一方、国でもその地域のことは地元の人がやはり一番詳しい、あるいは語りべみたいな方がいらっしゃるということで認識しております。

 したがいまして、国においても地域密着型の旅行商品、いわゆる着地型観光というふうに言っておりますが、その普及、商品化に向けて、旅行業登録で第三種を持っている旅行会社、従来は、第三種を持っている旅行会社では募集型ができず手配旅行だけだったのですが、それが平成19年3月に一定の制約の中で募集が可能となる旅行業法の一部改正があり、この旅行業登録第三種を持っている旅行会社も制約はありますが、その地域の着地型観光のコースをつくって募集することができるようになっております。

 一方、国内では旅行者ニーズの多様化が大変進んでおりますので、観光の質の高度化にこたえようと、今、各地域がそれぞれ一生懸命頑張って、地域観光が発展しているという状況でございます。

 本県には、恵まれたたくさんの観光資源がありますが、この資源を最大限生かそうと旅行商品化に向けて、かながわ観光セリ市場という場を設けて取り組んできております。 

 しかし、このかながわ観光セリ市場はまだまだ各市町村で活用しきれておりません。観光については、今他の地方が一生懸命ですが、それに比べて神奈川県の場合にはそれほど他の地方と比べては困っていないということがあるのか、なかなかその気になっていただけないという状況も一方であります。

 今、戦略的に地域密着型の旅行商品化を、かながわ観光セリ市場という名でやっておりますが、更にシステム的に、素材の掘り起こしから、その素材に磨きをかけて、さらに、それを今度は商品に組み入れて商品化し募集するというレベルまでに持っていくということを一貫してやっていきたいと考えております。それをなかなか地域では気が付かないということがありますから、県が先導的、モデル的に実施することで、市町村ですとか観光事業者の取組を促進していきたいということをねらったものでございます。

内田委員

 今、かながわ観光セリ市場で一生懸命やっていて、将来的にはシステム的にやっていく、素材の掘り起こしから商品化までを目標付けていくということで、非常に大変なことだと思います。

 それでは、具体的にはどのように取り組むのか、事業の概要についてお伺いしたいと思います。

観光振興担当課長

 これまで、地域密着型の旅行商品化を促進するためにかながわ観光セリ市場ですとか、体験学習型観光推進事業、あるいは、かながわ産品普及推進強化事業などで個々に取り組んできました。そこで、観光素材の発掘から旅行商品化支援までの一連の事業として整理をして取り組んでいくということでございますが、とにかく県が先導的に、あるいはモデル的に実施してまいります。

 そして、具体的にこの地域資源を活用して事業化を目指す人、あるいは旅行会社に対して各種支援制度を設けてまいります。それから、商品化までの事業計画をしっかり立てながら支援し、新たな観光素材の掘り起こしのために、今地域担当を設けてやっておりますが、地域にスタッフが密着していくように、それを更に推し進めてまいりたいと思います。

 そして、これをより商品化に結び付けるためにも、素材に磨きをかけることはもちろんのことですが、旅行会社へのインセンティブなどを設けて、旅行商品化支援をしてまいりたいと思っております。

内田委員

 事業の概要については理解できましたが、発掘する素材として考えられるのは、どのようなものが今あるのかお伺いします。

観光振興担当課長

 今、最も力を入れておりますのは、かながわの名産100選の商品を使った旅行商品化でございます。かながわの名産100選は農林水産品、加工食品、そして伝統工芸品、大きくこの三つのジャンルから選定されております。例えば、このかながわの名産100選を使って、つい最近、私も参加したのですが、三浦の浅漬けたくあんがございまして、これは体験学習型プログラムを組んだ中で、実際に漬けて、おいしいものを食べ歩くというものがございます。

 それから今後、葉山牛と三崎のマグロをセットにしてツアーにした旅行商品、その他のテーマとしては本会議の中でも答弁させていただいたのですが、街道ですとか、花ですとか、神社仏閣、それから、海、山、川、湖とたくさんあるわけですが、それぞれいろいろなテーマを設けて、それらを実際に商品化するまでのレベルの質を高めていかなくてはいけないと考えております。それから、もう一つ大事なのはどう組み合わせれば商品そのものの価値が高まるかということが出てまいります。

 そういったことで、たくさんの素材がありますから、組み合わせをどういうふうにしていくのか、商品化事業の中で検討してまいりたいと思います。

内田委員

 葉山牛や三崎のマグロというのは、とても将来性のあるものだと思いますが、そういったいろいろな事前の調査がやはり必要であるということが分かりました。

 平成20年度の取組については理解できましたが、今後、何か展望があればお伺いします。

観光振興担当課長

 方向性だけ先に申し上げますと、かながわ観光セリ市場を県外で開催していきたいと考えております。今見込める市場であります名古屋や、仙台、あるいは大阪に行って同じように旅行会社の方に来ていただいて、そこでプレゼンテーションをするということを考えております。そのためには先ほどから申し上げておりますが、質の高い観光資源、あるいはルート、内容にしていく必要があります。やはり対外試合に出るということでございますので、対外試合に耐え得る提案内容にしていかなくてはいけないと思っております。それからもう一つはプレゼンテーション能力の向上でございます。これも開発支援の中で、プレゼンテーションをどうやったら上手に見せて採用してもらえるかといったことも併せて研究する必要がありますので、このプレゼンテーション能力の向上も図りながらやっていきたいと考えております。要は県外に出て、このかながわ観光セリ市場を開催して更に発展させていきたいと考えております。

内田委員

 要望を申し上げます。

 今のお話のように県外に出てまずやってみる。そして将来においては海外のお客様も見込むということだと思います。また、県内の各市町村には埋もれた資源や素材、それからものづくりなどを生かした加工品など、もっといろいろなものが資源として埋まっていると思います。是非今県内にあるものを発掘していただいて有効に活用し、地域の活性化につながるような取組をお願いしたいと思います。

 また、日本国内のみの販路を目指すのではなくて、できれば輸出できるといった商品も常に考えて念頭に置いていただき、そのくらいのレベルまで持っていけるような商品化を是非目指していただきたいと要望いたします。

 次に、山梨・静岡・神奈川三県共同観光客誘致推進事業についてお伺いしていきたいと思います。昨年10月に開催された第2回山梨・静岡・神奈川三県サミットにおいて、観光振興をテーマに山梨県から提案された3県の知事による観光トップセールス、静岡県から提案された公共サインに係る連携、そして我が神奈川県から提案された富士山ライジングプロジェクト(仮称)という三つの提案に合意したとの報告を聞いております。

 そこで、本県から提案された富士山ライジングプロジェクト(仮称)について、特にお伺いしたいと思います。まず、確認のために合意された三つの事項の概要についてお伺いします。

観光振興担当課長

 それでは、最初に山梨県から提案されました3県の知事による観光トップセールスでございますが、この目的は、静岡県の富士山静岡空港の開港が2009年3月に予定されております。そして、いよいよ羽田空港の再拡張・国際化が2010年の秋といったインフラ整備が予定されていることなどを受けて、富士・箱根・伊豆地域への外国人客誘致に向けて積極的な観光プロモーションを行いたいということで提案があり、合意されたものでございます。

 次に、静岡県から提案されました公共サイン標示に係る連携につきましては、これは道路案内の連続性ですとか、統一性の確保、あるいは観光サインの多言語化ですとか、あるいはピクトグラムの活用といったものがあるわけですが、3県が連携して公共サイン標示の整備に取り組むことによって、来訪者を円滑に誘導していき、富士山の魅力向上の一つにしていきたいということでございます。

 それから、最後に本県提案の富士山ライジングプロジェクト(仮称)についてでありますが、富士・箱根・伊豆地域の多彩な観光資源を生かして、地域の活力を一層高めていきたいと考えており、3県が今後取り組むべき施策を集約、整理して、富士山ライジングプロジェクト(仮称)を策定していきます。3県がもっと緊密に連携して、国内外からの観光客誘致の促進に取り組む具体的な事業実施計画がこのプロジェクトであります。

 特に、神奈川県から提案されたこの富士山ライジングプロジェクト(仮称)は、もちろん国内外の観光客誘致ではありますが、その中でも国内観光客をターゲットに取り組んでいきたいということをねらったものでございます。

内田委員

 その合意された富士山ライジングプロジェクト(仮称)ですが、そもそもこの名称の意味を教えてください。

観光振興担当課長

 名称でございますが、富士・箱根・伊豆プロジェクトでも良かったのですが、それでは余りにも平凡で良くないとこういうことで、富士山そのものが日本のシンボルであるということが一つありまして、これを冠にすることによって地域全体の確立性をもっと高めていきたいという思いがあります。それから、富士山ライジングプロジェクト(仮称)というふうに、サンライズということも、もじっておりまして、これは日の出というのを意味しております。字で書いてしまいますと、富士山ライジングプロジェクト(仮称)となりますが、この日本の本土で最も早く日の出が見られるのが富士山山頂ということもありますので、日の出の勢いをもっていきたいということを願ってネーミングさせていただきました。

内田委員

 正に、勢いのあるプロジェクトということで、具体的にはどのようなものを考えているのでしょうか。

観光振興担当課長

 実はこのプロジェクトですが、先の本会議の一般質問においても知事より、このプロジェクトは3県が緊密に連携して、国外のみならず国内からの観光客誘致の促進に取り組んでいくということと、このプロジェクトは具体的な事業実施計画となるものでありますという答弁をさせていただきました。

 これから実は検討していく事項でございますが、このプロジェクトの策定に当たっての考え方は、まずこの地域の観光振興をする上で、3県の共通の理念を定めていきたいと考えております。次に、個別の目標を基に、今後取り組んでいく事業、またそれぞれの県で取り組んでいる事業について整理をしながら、プロジェクトに位置付けて、より一層積極的に推進していきたいと考えております。

 この中で、新たな広域観光振興施策として神奈川県から積極的に提案していきたいと思っているのですが、例えば、富士山周辺におけるエコツーリズムを意識したエコキャンペーンをやっていこうではないかとか、あるいは富士山静岡空港と羽田空港を結んだ富士・箱根・伊豆ベスト周遊ルートをつくっていこうではないかとか、あるいは東北、関西などでの三県共同のキャンペーンを開催していこうということを考えており、積極的に検討会議の中で提案していきたいと思っております。

内田委員

 具体的には検討している段階で、これからというお答えでしたが、今までこの3県では国内の観光客誘致というのは連携してこなかったのかということと、どのような取組が今まで行われてきたのかということを教えていただきたいと思います。

観光振興担当課長

 これまで外国人観光客の誘致につきましては、3県が共同して富士箱根伊豆国際観光テーマ地区推進協議会で取り組んできております。しかしながら、国内に関しては共同でやった事業は何もありません。それぞれ県独自でPR、あるいはプロモーション活動をしてきたという状況であります。

 したがいまして今後、富士・箱根・伊豆地域の観光資源を生かして、外国人観光客誘致だけではなくて、国内からの観光客誘致を3県で共同して取り組んでいきたいと考えております。

舘盛委員

 今、山静神の3県の共同事業ということですが、その前に先ほど報告された八都県市の観光事業がございます。どうなることかと思っていたわけですが、報告では大変積極的な取組が行われていたわけです。これにはやはり八都県市ということで、1県がやるわけではないですから、継続性と言いますか、メリットがあるところ、メリットがないところと、いろいろな形が出てくると思います。それでも、その事業自体を継続していくという意識も持っておられるようであり、それは大切なことだと思います。

 それで、ただ官がまとまっているのではなくて、やはり民も入れてということが、いわゆる官民協働、商売人である民を入れない事業はなかなかうまくいかないということがありますが、八都県市でも民を入れた委員会をつくっているということですが、それはどんなメンバーでしょうか。

観光振興担当課長

 官民協働という実行委員会をつくったのですが、その中に入っておりますのは八都県市それぞれの観光協会、それから商工会議所がメンバーでございます。そして、事務局が八都県市の各行政の担当者ということになっております。

舘盛委員

 観光協会なんかは、民ではあるかもしれませんが、割に官に近いものですね。やはり継続性を持っていこうというところを見ますと、民の知恵が必要ではないかと思います。観光協会と官がやっているという形になると割合に官的なものですから、その辺の工夫はあるのでしょうか。

観光振興担当課長

 今回実行委員会のメンバーとしては、プロポーザルがありましたので入っておりませんが、5社の船会社の協力を受けました。例えば横須賀に()トライアングルという横須賀地域だけで運航している観光船の船会社の協力、それから、産業観光を中心とした川崎では、これもチャーター船を専門にしている船会社といったところに一緒に協力してもらうことによって、どのように進めていったらいいのか、あるいは採算性の問題ですとかといったことを実行委員会とは別のところで直接お話をさせていただきながら進めてきております。

 特に、神奈川県への観光について、東京湾からの船出といった需要が生まれ、既存の船会社が事業化するというように、観光キャンペーンの推進に結び付いていくような感じを受けています。

 したがって、実行委員会ではなくて、協力していただいた船会社といろいろ具体的な話をさせていただいているというのが現状でございます。

舘盛委員

 官がやっていくのは、商売をするわけではないですから、呼び水的なものを立ち上げてそれで民が実際に継続的にできるような支援をしてあげるというのが役割ではないかと思います。平成19年度の事業がこれだけ行われていましたが、八都県市では、この事業の予算的なものはどうであったのか、お伺いします。

観光振興担当課長

 それぞれ応分の負担をして、基本的に東京湾に面していない埼玉県とさいたま市が若干その負担金を下げて、そして、その他の東京湾に面している都県市を少し高くして、差をつけた負担金で対応させていただきました。

舘盛委員

 最後に、この3県のことにつきましても基盤整備というものは官でやってもいいと思いますが、いわゆる民間の知恵というものを相当入れていった方が継続していくという気がしております。この計画ではどう考えているのでしょうか。

観光振興担当課長

 特に、空港の開港等がございます。まず就航路線をどうするかということもありますので、そういったところは行政がやはり先頭に立ってやっていくということになろうかと思います。こういうことが一つ決まってきましたら、旅行会社にこの3県の魅力を商品化してもらう必要があるのかと思っております。

 特に、先ほど言いましたエコキャンペーン、環境を意識しながら、お客様にこの3県に来ていただくというようなことについて旅行会社を中心に行われるよう、対策をしていきたいと考えております。

内田委員

 それでは、今後、本県が提案するプロジェクトについて、意気込みをお伺いしたいと思います。

観光振興担当課長

 意気込みはいつもあるのですが、県を超えるとなかなか進み方が少し遅くなってしまうかもしれません。それが一致したときにはやはり大変良い効果を生みますので、めげずに調整をしっかりしながら、基本的な考え方をまずしっかり立てて、その上で着実に進めていきたいと思います。予算の関係や人事の関係など配慮すべき点はありますが、広域連携でやる必要性を私は一番身近に感じており、大切だと思っています。経費節減の面でも広域連携というのは必要でございます。それぞれ3県がともにメリットがあるような形で進めてまいりますので、応援をよろしくお願いしたいと思います。

内田委員

 要望を申し上げます。

 我が国の中で富士山と言えば、そのまま日本を象徴するような世界にも類をみない景勝地であると思います。本県としては、その恩恵を十分に受けることができるという点でも、この3県のプロジェクトは大変重要であると考えます。今おっしゃっていただいた県境を越えた広域連携というものは、観光客誘致によって、観光客の周遊ルートや、また本格的な誘致PRにとても有効な施策だと思います。こうした広域連携による取組によって、国内観光客、国外観光客が更に増加していくことを期待します。

 特に、富士山というものは日本のシンボルですから、逆にいうと、観光立国日本というテーマを持ち、国の支援を是非要請していただいて、着実に粘り強く進めていただきたいと思います。

 我が神奈川県がそういった富士山を中心に、箱根、また伊豆などの避暑地について、リーダーシップをとってより神奈川県のためになるような施策やアイデアを、次々と提案をして、国の方にも要請していっていただきたいと願っております。

 次に、海外エリア別の観光プロモーションの考えについてお話を伺いたいと思います。

 国の方では、2010年に訪日外国人観光客数1,000万人という目標に向かって事業に取り組んでいますが、先日、2007年は速報値で8349,000人になったと発表されました。国主導によるビジット・ジャパン・キャンペーン事業、VJC基本連携事業や地方自治体観光関連団体、また、民間事業者とのそれぞれのプロモーション活動事業で効果が出ているものと推測されます。

 そのような中で、県においてもかながわツーリズム推進指針の中で、国際観光県「かながわ」の実現を基本目標にして、国外からの観光客の誘致の促進の実現に向けて、様々な事業の取組がされてきたと思います。

 そこで、海外エリア別観光プロモーションに関係してお伺いしたいと思います。

 県では過去、外国人観光客の誘致に向けてどのような考え方で取組をしてきたのか、お伺いします。

観光振興担当課長

 国際観光の促進ということで、観光が果たす役割としては、実は大きな役割があると思っております。国際相互理解の増進ですとか、国際親善ですとか、ひいては国際平和にも寄与するものがあると自負しているわけですが、外国人観光客がもたらす地域経済への波及効果の側面からも大きな期待が掛けられていると思います。

 ましてや、日本としては今、人口が減少していくという中ではその対策の一つにもなる交流人口の拡大ということでやってきております。その中で、本県といたしましても、国際理解を更に深めて、本県経済への波及効果を高めるために積極的に外国人旅行者の誘客を進めていく方向でやってきております。

 しかしながら、そのためには国や地域ごとに異なるニーズにこたえられないと、なかなかやはり来てもらえません。そういった意味では、ニーズにこたえられるホスピタリティの向上は、受入態勢の中心となるものであり、そういったことを図っていく必要があります。そういったことをしながら、国際観光県「かながわ」の実現に向けて取り組んでいるところでございます。

 先ほどもお話がありました国との連携では、VJCの地方連携事業において取組をやってきております。外国人観光客誘致は広域連携でのプロモーション活動が有効であるために、他の都道府県、あるいは市町村と連携して観光客誘致を推進してきております。

 その内容につきましては、海外の観光展への出展ですとか、そこでプロモーション活動をしたり、あるいは現地での観光説明会をしたり、あるいは商談会を開催したり、それから、海外のメディア、旅行会社を日本に招へいして県内観光地を取材していただいたり、視察ツアーの実施等に取り組んでもらうという目的で実施してきております。

内田委員

 今のお話のように、メディアとか、また海外の旅行会社の視察とかによって、更に日本の良さを伝えていくというお話で、そしてまた広域連携で取り組んでいくということですが、具体的にはどのような自治体と、どのような形で連携しているのでしょうか。

観光振興担当課長

 幾つかありますが、主なものを御紹介いたしますと、一つ目に先ほどから申し上げております富士箱根伊豆国際観光テーマ地区推進協議会は、3県で取り組んでございます。この中には市町村も構成メンバーの中に入っております。これは、外国人観光客の誘致促進を図るために、外客誘致法という法律に基づいてこの協議会が設立されており、平成10年に設立されました。県とか市町村、それから観光事業者とも連携しながら取組を進めているという状況でございます。

 二つ目には、本県と東京都、それから千葉県、埼玉県の1都3県の連携によるものですが、こちらも国際観光の振興を目的といたしまして、首都圏の観光振興と経済の活性化に寄与するということですが、平成16年度から欧米のメディア等をターゲットにした招へい事業に取り組んでおります。

 それから、三つ目には、2010年に予定されております羽田空港の再拡張・国際化に関連した神奈川口構想の取組の中で、横浜市、川崎市と連携して、県域全体の外国人観光客誘致を目指して取組を行っております。

 具体的には、平成17年度から国際線の就航が見込まれる東アジア地域を対象として、旅行会社等の招へい事業に取り組んでおります。そのほか関東圏の1都9県で設置しております国際観光圏関東推進協議会でのプロモーション活動、海外での出展等を行っております。こんなところが目的に応じて、それぞれ手を組む都県等を決めて連携をしているところでございます。

内田委員

 今、いろいろな形で動いているということですが、すべてこれからということだと思います。テレビのプロデューサーで日本の良さを発掘するかなり有名な方ですが、その人が海外の雑誌媒体に売り出すことによって何でもヒットするらしいのです。そういったソフト的な分野でもおもしろいかと思っています。とにかく、宣伝の方法はいろいろあると思いますので頑張っていただきたいと思います。

 ところで、それぞれの連携の中で、これまでどのような事業を実施してきたのか、主な事業についてお伺いしたいと思います。

観光振興担当課長

 まず、先ほどもお話しました富士箱根伊豆国際観光テーマ地区推進協議会では、海外の観光展に出展するという事業をやってまいりました。その方面は、韓国における最大の観光展であります韓国観光展に出展するということと、先ほど申し上げました現地での観光説明会、それから旅行会社等に集まってもらった商談会等を開催しております。

 それから、首都圏の1都3県で連携した取組でありますが、平成19年度はオーストラリア、それから平成20年度はアメリカをターゲットに、現地のメディア、旅行会社を招へいして、日本でのショートステイの観光客を増やそうということで東京を基点とした日帰り、あるいは1泊旅行に焦点を当てて、その視察を実施いたしました。

 オーストラリアから成田を経由してアメリカに行く場合、24時間とか48時間とかある場合にショートステイで時間が余ったり、あるいは乗り継ぎで1泊とか、時間が空くときがありますので、そういうお客様をターゲットに何か商品ができないだろうかということで、企画したものでございます。

 また、横浜市、川崎市と連携した神奈川口構想に関連した誘客事業については、平成18年度は中国の上海市、平成19年度は韓国をターゲットに現地のメディア、あるいは旅行会社を招へいして、本県の観光資源の視察をしていただきました。

 特に、この招へい期間中においては、横浜と箱根でそれぞれ民間事業者に来ていただいて商談会を開催してございます。そんなところが具体的な事業の内容でございます。

内田委員

 上海や韓国、またはオーストラリアやアメリカということで、関係者を招へいして視察をしていただいているということは、とても良いことだと思います。メディアでどんどん宣伝していけるのであれば、更に早くそれが伝わると思いますが、実際それが生かされたことが今までにあるのかということと、最後に今後の国際観光の取組について伺いたいと思います。

観光振興担当課長

 この招へい事業等をやった効果ですが、メディアにつきましては、例えばテレビ会社ですと、テレビ会社がそれを編集して地元で必ず放映していただいております。それから、観光関連の雑誌も同様でございます。それから、新聞記者ですと、一過性ではありますが、広告ではなく新聞記事として載せていただいております。

 課題は旅行会社でございます。旅行業者に対し、プロモーション活動を行いましたが、目に見える形での実績が取れませんでした。単年度単位では、見えない効果があると考えられますので、今後もっと商品を設定してもらって、関東に来るツアーをもっと具体的に商品化してもらうということについて、継続して働き掛けを行う必要があると考えております。

 今後の取組に対する考え方でございますが、国際競争力を付けていく必要があります。そのためには、各国のニーズといったものをもっとしっかりつかんで、神奈川にはこれだけ様々なものがありますが、国によっては、例えば鎌倉に行きたいということを望まない国もあります。あるいは望む国もあります。そういったことを含めて、要するに国ごとにもう少し何を求めているのかということをつかんで、これは団体旅行によっても、個人旅行によっても違ってまいりますので、それを十分把握した上で取り組んでいく必要があると思っております。

 それから、羽田空港の国際化の実現により、外国人の誘致が進むと思われます。国際化については、既に、横浜市、川崎市とともに国へ要望を出していますが、課題の就航路線について、できるだけ長い就航路線、例えばハワイまで飛べるような就航路線を今後も要望していきたいと考えております。しかしながら、国は、基本的に成田は国際線、羽田は国内線と考えています。今のところ、現状より少しでも羽田空港の国際化を進めるということについては、目立った動きがないということです。

 いずれにしましても、富士山静岡空港を含めて、ベストルートをつくっていくためには、その空港の開港、あるいは羽田空港の国際化というのを最大限生かしてして取り組んでいく必要があると思います。

 そのターゲットは、やはり東アジアを中心に当面やっていく必要があると思います。国は、中国の方に対して、ビザの発給を団体観光客だけでなく、少人数からなる家族に対して行うという緩和措置を取りました。観光目的で来日するのに、団体単位ではなく、少人数の家族単位でよいということです。この家族ビザの取得は、家族の複数名で来日することが条件になっております。今のところ、家族単位で海外旅行ができる相当な裕福な人でないとビザがおりないということですが、段々と日中間の交流の促進を目的とした緩和が進んでいるということを視野に入れて、事業に取り組む必要があると思っております。

内田委員

 要望を申し上げます。

 今お話しのように、中国など、格差が広がって一部の富裕層や、また韓国でもそういう方々がいらっしゃって、日本に来たときに東京に1泊して、いろいろなブランド物を買っているというようなニュースも耳にしたりしております。県民のゆとりと豊かさを求める志向の高まりとともに、やはり国外にしても国内にしても質の高い旅行なり、それから、個人グループといった旅行形態の多様化とか、国際競争の一層の激化など、観光を巡る状況が変わってきていると思います。それに本県が対応していかないとならないのではないかと思います。

 特に我が国では、外国人の観光客はまだまだ少ないと思いますので、旅行者の方のニーズの調査が一番大切であり、逆に東京から出発したい人もいらっしゃると思いますので、そうしたニーズに合った戦略を立てていただくということと、先ほど旅行会社の約束がとれるのは難しいといったことがありましたが、これに関しては、かなり戦略的に強くやっていかない限り、向こうに利用されて終わってしまうのではないかということが危ぐされます。逆にいうと、メディアとか雑誌とか、そういった方に力を入れて、地道に行っていただきたいと思います。

 そして私自身もアメリカ、ヨーロッパ、アジアを自分の足で歩いてきた経験がありますが、ほかの国に行くと、観光案内標識は、充実しているわけで、日本は先進国にもかかわらず非常に遅れていると感じています。

 そして、土産物に関しても、今後、観光立国日本として位置付けがなされ、やっと神奈川県として動きやすくなってくると思いますので、地場産業を生かした土産物の開発、それから羽田空港の国際化に関しても、積極的に動いていただきたいと思います。

 我が国は島国であるので、大陸であるヨーロッパとかアメリカとかとはまた全然違いますが、今や空の便が充実して、そしてインターネットでも個人で旅行を頼めるような状況になってきております。その辺のところの国際競争力を持った観光魅力づくりを図る必要があると考えますので、引き続き御努力をよろしくお願いいたします。

 

9 次回開催日(2月29日)の通告

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