平成20年  厚生常任委員会 - 1215日−01

平成20年  厚生常任委員会

◎《委員会記録-平成20年12定-20081215-0000011-厚生常任委員会》

1 開  会

2 記録署名委員(向笠副委員長・福田委員)の決定

3 傍聴の許否について決定

  7件申請 7件許可

4 日程第1を議題

5 同上質疑(両部所管事項も併せて)

 

内田委員

 本日も懸案の受動喫煙防止条例について質問させていただきます。

 先日、連合調査会がございましたけれども、先日、「骨子案に対する主な意見とそれに対する考え方」を読ませていただきました。今、いろいろと申し上げたいこともありますので、確認の意味で、いろいろと質問させていただきたいと思います。

 まず、飲食業界の方では風俗営業法というものがございます。この中にも書いてありますが、整合性をこれからとっていくということになっておりますけれども、風営法により分煙が困難な場合の対応としては、今、県当局としては、どのような考えを持って、どのような方向性を持って、この風営法との整合性を考えているのか。少し丁寧に御答弁よろしくお願いします。

たばこ対策担当課長

 今、委員のお話にあったように、風営法の適用を受ける施設につきましては、別表の施設の中で、1号営業から7号営業まで、キャバレーからマージャン店、パチンコ店までを規制の対象とさせていただいているところでございます。御案内のとおり、風営法につきましては、施設の造作を変更する場合には、公安委員会の許可が必要であるということでございまして、施設の形態等によっては、なかなかすぐ変更するということが難しい場合もあろうかと思っております。そういうことに関しまして、私どもといたしましては、一つは、今回、分煙の考え方というのを示させていただいておりますけれども、それをもう少し丁寧につくらせていただきまして、事業者の皆様に説明会等でお知らせをするということと合わせまして、二つ目といたしまして、その技術的な相談につきましては、何らかの相談の機会を設ける、こんなふうに考えているところでございます。

内田委員

 今、風営法との整合性について御答弁がございましたけれども、私としましては、もう少し県当局が、この風営法との整合性について、どのような方向性で、具体的にどのように考えているのか。もう少し細かい説明が必要だと思うんですけれども、その辺の御答弁をよろしくお願いします。

たばこ対策担当課長

 風営法につきましては、風営法の9条によりまして、公安委員会の事前承認が必要とされております。仮に分煙の選択をされた場合でございますけれども、その当該店舗ないしは営業所の内部を壁や仕切板で喫煙区域と非喫煙区域に区分していくということが必要になってまいります。そうした場合、例えば、客室の面積が増減する場合などで、事前の承認が必要になってくるわけでございますけれども、風営法の規則には一定の面積基準がございまして、その面積基準を下回らないようにするという必要がございます。そういった風営法の規制につきましては、それぞれの施設によって千差万別だろうと思っておりまして、なかなか分煙の方法につきましては、一概に申し上げることは大変難しいかと思っておりますけれども、そういった個々の施設の状況に合わせた個別具体の御相談については、私どもとしても可能な限り対応してまいりたいと思っておりますし、先ほど申しました答弁と重複いたしますけれども、基本的な考え方を更に肉厚にいたしまして、少し解説的なものを事業者の皆様にも御理解いただけるように、今後、普及啓発に努めてまいりたいと、このように考えております。

内田委員

 今、2回御答弁いただきましたけれども、私の方では、今、課題として認識、想定される風営法との、分煙に関して何が問題にあがりそうなのか、想定できているのか。今、つかみ取っているところを、県としては、どこを考えているのか。ちょっと教えていただきたいと思います。

たばこ対策担当課長

 やや細部にわたりますが、一つは、先ほどもちょっと御答弁申しましたように、風営法の規則においては、一定の面積基準がございます。したがいまして、その面積基準が分煙の結果、下回ることになりますと、改めて、それぞれの客室単位で許可が必要になってくるという問題もございます。もう一つは、その間仕切りをする場合でございますけれども、これは警察の判断になりますが、客室内が見渡せるような構造でなければならない。例えば、間仕切りをいたしますと、その結果、その客室全体が見渡せなくなるような、そういった構造は許されていないというふうに伺っておりまして、そういったハード面の基準をクリアしていかなければならないと、こんなことを理解しております。

内田委員

 今、御答弁いただきましたけれども、見渡せるとか見渡せないというのは、個人の感覚も大分入ってくると思いますし、その辺のところがやはり見えていないと、骨子案としては、事業者にとって本当に分かりにくいものであると思いますけれども、今後とも見渡せるとか見渡せないということに関して、どのような手法をとっていけば、いいだろうと考えているんでしょうか。例えば、ガラスとか、のれんになりましたけれども、見渡せるとか見渡せないの意味がよく分かりません。

たばこ対策担当課長

 技術的なチェックにつきましては、県警察の方が有権的な判断権限を持っておりまして、細部の基準要件に合致する、しないの最終的な判断は、当然、県警察がお持ちなわけでございますけれども、したがいまして、どういう場合が具体的に見通しが妨げられる限界事例になるのか、その辺は個別具体の事案に沿って、私どもも必要に応じて県警察に相談しながらということにならざるを得ないと、今の段階では考えているところでございます。

内田委員

 今、初めて県警察という言葉が出てきてしまったんですけれども、私ども、この間は、商工労働、厚生、それから総務政策の3常任委員会の連合調査会を行わせていただきましたけれども、今度は、県警察も必要であると、私は認識してしまったんですけれども、その辺はどう思っていますか。

たばこ対策担当課長

 風営法の所管は県警察が担われておりまして、それに基づきます構造基準あるいはその運用、あるいは許可行為、すべて警察で行われているということでございますので、そういった意味では、警察に風営法については第一義的な判断権限があると、こういうふうに私どもは受け止めております。

内田委員

 今、県警察との絡み合いも、これから必要だということなので、この骨子案を2月に議案として提案するということになりましたよね。今、1215日です。果たして、県警察との連携というのは、これから見えてくるんでしょうか。その辺のスケジュールを教えてください。

たばこ対策担当課長

 風営法の構造基準的な、技術的な問題につきましては、これまでも私どもも警察本部の方に、その解釈の仕方等について御指導いただいているところでございます。ただ、今後の具体の分煙の在り方等につきましては、一般的な基準的なものを事業者の皆さんに御理解いただくというところと、それからもう一つは、個別具体に、うちの店舗であれば、どうしたらいいのかというような問題等は、両方の観点から事業所からの御相談に預かり、あるいは普及啓発していく必要があろうかと思っています。したがいまして、一般的な基準の解釈、運用等につきましては、今後、警察本部とも連携をとっていく必要はあろうかというふうに思っておりますけれども、個別具体の相談につきましては、ある程度、議案を通していただきまして、その上での対応になるのかなと、私ども保健福祉部サイドとしては、今の段階では考えているところでございます。

内田委員

 前々から申し上げておりますけれども、商工労働との関係、それから県警との関係は、まだ希薄じゃないかと思いますけれども、例えば、この県庁で、だれか議員が隠れて、たばこを吸ったということになりますと、だれかが通報しますよね。通報された場合、一体だれが罰せられるんでしょうか。その議員本人なのか、それともここを預かる知事になるのか。

たばこ対策担当課長

 基本的に、その罰則の過料の考え方でございますが、一つは個人の喫煙行為に対する過料、それからもう一つは、施設管理者に対する過料と、両方あるというものでございます。まず個人が過料、いわゆる罰則の対象となる場合は、非喫煙区域、つまりたばこを吸ってはいけない区域において、今の先生のお話ですと、議員御本人ということになりますが、そういった場合、非喫煙区域において、たばこを吸われたという場合は、これは御本人が罰則の対象になるというものでございます。それから、一方で、施設管理者の場合でございますけれども、施設管理者につきましては、いろいろな責務を課してございますけれども、例えば、非喫煙区域、つまり、たばこを吸ってはいけない区域において、未成年者を立ち入らせないようにするとか、今回の素案に中に幾つか書かせていただいております。そういった施設管理者の責務を果たさなかった場合は、過料の対象になるということでございます。

 ただ、実際の運用につきましては、特に施設管理者の場合、指導、勧告、公表と、こういうようなステップを用意をさせていただいておりますので、運用上必ずしも、すぐ直ちに施設管理者に過料を科すということばかりではないというふうに考えてございます。

内田委員

 それでは、「必ずしも」という言葉がありましたけれども、最終的に施設管理者に過料を科すこともあり得るということでしょうか。

たばこ対策担当課長

 今回の骨子案の中におきまして、上限5万円、これは地方自治法の上限でございますけれども、設定をさせていただきたいという御提案をさせていただいております。したがいまして、当然、その指導にも勧告にも従わない場合、いわば悪質なと申しますか、継続性のあるような施設管理者に対しましては、当然、最終的な手段を講じまして、上限の範囲内で過料を科すという場合は、当然、想定されるものと考えてございます。

内田委員

 我々議員だけではなく、職員もたくさんここでは働いております。万が一、施設管理者の方に過料を科すことになったら、その過料は知事が払うということになるわけでしょうか。

たばこ対策担当課長

 過料は、あくまでも個人か施設管理者かということでございます。したがいまして、本来、禁煙とされている区域、いわゆる非喫煙区域において、施設管理者が何ら注意義務を払うことなく、たばこを吸うのを容認していると、それを指導あるいは勧告しても改めないという場合は、当然、施設管理者に過料を科す場合があろうかと思います。それが神奈川県庁においてということであれば、その当該施設管理をしている者が過料の対象となることはあり得ると思います。

 それから、また個人につきましては、当然、同じでございまして、非喫煙区域におきまして職員が何ら注意をしても聞かないと、そういうことが繰り返すということであれば、当然、過料は視野に入ってくるということでございます。

内田委員

 そういうことは県庁ではあり得ないかもしれませんけれども、万が一あった場合、上限5万円ということで、その過料について知事は税金から払うのか、ポケットマネーから払うのか。そういうところまで考えないといけないと思います。

たばこ対策担当課長

 県の庁舎の場合で申し上げますと、庁舎には、それぞれ施設管理者という者が定められております。例えば、足柄上合同庁舎であれば、地域県政総合センターの所長というふうに定められておりますので、基本的には知事ということではなくて、その施設管理者である、財産管理を委任されている、権限を持っている者が払うということになろうかと思います。ただ、その過料そのものがポケットマネーであるか、公費であるかということにつきましては、公費になるというふうに考えております。

内田委員

 私は公費だといろいろと問題が生じると思いますけれども、これは県庁の話を今しているわけですから、これが全部の店舗に言えるわけですね。そうすると、施設管理者と個人の問題というのは、今後、浮き彫りになってくると思いますし、いろんな問題が出てくると思います。私が申し上げたいのは、その見渡せるとか見渡せないとか、そういったこと、県警察が絡むということで、例えば、通報した場合、だれが飛んで行ってくれるのか。横浜市内、それから神奈川県内には一体幾つくらいの飲食店があると認識していますでしょうか。

保健福祉総務課長

 条例の施行に当たりましては、様々な業務が考えられるわけですけれども、委員お話しのように、ただいまのパトロールだとか、取締り、こういった部分につきましても、実施する体制は、きちんと整えなければいけないというふうに認識しているところでございます。そういった中で、ただいま横浜市というようなお話もございましたけれども、現在、検討している段階では、保健所を設置する市、横浜市、川崎市、横須賀市、相模原市、藤沢市とございますけれども、こういった部分につきましては、本庁の職員による対応を考えさせていただいております。また、それ以外の県の所管域につきましては、9箇所の保健福祉事務所がございますので、そちらの職員での対応を考えさせていただいているところでございます。

 二つ目の御質問に、どの程度の数があるのかということでございますけれども、今回、小規模飲食店等に対する猶予期間を設定するに当たりまして、保健所設置市の御協力もいただきながら、飲食店の面積の調査をさせていただきました。その結果でございますけれども、横浜市、川崎市については、一部の地域と区という形になり、すべてということではございませんけれども、それ以外については、すべての部分について食品衛生法に基づく飲食店営業許可台帳によりまして調査をさせていただきました。その結果としましては、県内の面積100平米以下の小規模飲食店は約2万店という形でございました。先ほどお話ししましたように、横浜、川崎市は一部という形になっておりますので、それ以上の数に上るのかなというふうに考えてございます。

内田委員

 今、お聞きしました2万店プラスアルファということで、相当な数の飲食店が軒を連ねているんですけれども、やはり県庁の職員だけで対応する結果、ほかの業務に支障をきたすし、監視体制も実効性を伴わないと、この条例の意味は本当になくなってしまうと思うんですね。ですから、やはり3常任委員会連合調査会をしながら、やはり県警察との話合いというのも必要になってくると思いますけれども、果たして2万件以上ある飲食店で、通報がたくさん鳴り響いた場合、初めは多分そうだと思うんですね。例えば、店舗の外で、たばこを吸う人がたくさん出てくると思いますが、風紀上、見た目の問題、まちの美化の問題、外で吸えば吸い殻も出てくる。喫煙所の問題、その辺のところを県当局としてはどう考えているんでしょうか。

保健福祉総務課長

 今回の条例素案の方では、公共的施設における受動喫煙の防止ということを目的にさせていただいておりますので、屋内またはそれに準ずる環境というような形で整理させていただいております。したがいまして、屋外については対象外ということでございまして、屋外につきましては、それぞれの市町村の中で、ただいま委員がおっしゃったような趣旨で、条例等を設定している市町村等がございます。そういった形の中で、それぞれの役割分担の中で考えさせていただきたいというふうに考えております。

内田委員

 やはり全体的に総合的に申し上げますと、受動喫煙防止条例というのは、健康増進法から、出てきた煙の害を人体に与えないようにということが、大元になっていると思いますけれども、大体、歩きたばことか、それから路上喫煙、ポイ捨て、こういったところの観点で、県としては、やはり総合的に考えていかなければならない問題だと私は認識していますけれども、市町村の条例、例えば、屋外で喫煙可とする現行の素案、それと横浜市、川崎市、また鎌倉市などにおける、条例制定している市町村との方向性が逆行しているんじゃないかと思いますけれども、それでは、まず横浜市との整合性、横浜市との話合いの中で、どのような課題が挙がっているのか質問いたします。

健康増進課長

 先日も公衆衛生協会のシンポジウムというのを開かせていただきまして、そこで横浜市だけでなく、川崎市、相模原市、横須賀市、藤沢市の担当者と話合いをさせていただきました。その中で、今言われたように、路上、屋外につきましては、市の方でいろいろ活動している一方、市におきましても、本来、屋内及びそれに準ずる環境ということになりますけれども、受動喫煙に対する取組というのは、普及啓発等を行っているということで、その分につきましては、県と一緒に意見交換をしながら進めていこうというような話合いを持ったところでございます。

内田委員

 この条例骨子案が立ち上がったころに、中田市長が一時期反対をしていましたよね。今も市部を除くというような考え方で、この関内駅やら横浜駅やら、いろいろ店舗が多いということもあると思いますので、今、状況としては、市の方はどういう考え方であるのか。今日は詳細をお聞きしたいと思います。

健康増進課長

 当初、骨子案を発表させていただいたときに、中田市長の方で、新聞報道ですけれども、なかなか小さな店がたくさんある中で、なかなか難しいんではないかというような御意見を頂いたという報道は承知しております。一方で、横浜市の方でも、この受動喫煙の防止ということに対しては、ポスターを作って京浜急行等で受動喫煙がどういうものか、それに対する認識をどうするべきかということについて、ポスターを掲示して、そういうふうな活動をしているということは報告を受けております。そうした中で、横浜市としても独自に受動喫煙対策に取り組んでいるということで承知しております。

たばこ対策担当課長

 補足で答弁申し上げます。横浜、川崎両市長に対しましては、知事が直接お会いして条例の内容を説明させていただいたほか、去る1023日に横浜市内で三首長懇談会の席上、改めて御説明を申し上げて、基本的に御理解をいただいているというふうに私どもは受け止めております。

内田委員

 基本的な理解はいただいてはいるにしても、100%賛同しているわけではないと思われますが、一体どこに課題があるんでしょうか。

たばこ対策担当課長

 やはり横浜、川崎両市には飲食店が非常に多くあるということ、それから、地域によりますけれども、規模的にも小さいところが御懸念の、課題の一つであるというふうに理解をしております。

内田委員

 小規模店舗が多い川崎市、横浜市、ほかにもありますけれども、そういったところのもっと見えていない部分というのがありますので、掘り起こしていただきたいと思います。

 もう一つは、観光施策、去年、私は商工労働常任委員会におりましたので、県としては観光施策に、これから非常に力を入れるという矢先、今年の4月に観光室ができました。ところが、この条例によって、例えば、向笠副委員長が住むところや、ほかでもいらっしゃいますけれども、旅館が多い、そういったところで観光施策を強化しようとしている県の姿勢と逆行するような、例えば、小田原、箱根とか湯河原とかの小型店舗、特に飲食店は、現状では禁煙するしかない。今、商売をやっていくだけでも、この景気不安の中、ぎりぎりなんですよ。その中で、ほかの県に行ったり、大型店舗に流れてしまって、小規模店舗がつぶれてしまう、こんなことが商工の関係上、非常に課題が挙がっていますけれども、その辺の支援策や対応は、保健福祉部としてはどう考えているんでしょうか。

保健福祉総務課長

 今回、検討しております条例素案でございますけれども、たばこの販売や喫煙自体を禁止するというものではございませんで、公共的施設においては受動喫煙を防止するためのルールを定めることによりまして、県民の健康を守っていこうと、こういったようなものでございます。そういうようなことの中で、今回、小規模な飲食店につきましては、3箇年の猶予を与えるというような形で、一定の配慮をさせていただいたところでございます。そういった中でございますけれども、先ほど県境の宿泊施設との関係もございましたけれども、先般の商工労働部が実施いたしました調査によりますと、県境の宿泊施設を対象といたしました宿泊施設調査では、売上げに影響がないというような回答が51.6%というような形で最も多くなっておりまして、事業者の受け止め、こういったことにも差があるのかなというふうに感じております。いずれにいたしましても、これまでの県議会での御議論、それからパブリック・コメントでの御意見、こういった部分を踏まえまして、現在、商工労働部とも相談しながら、サポートについて検討させていただいているところでございます。

向笠委員

 内田委員の方から観光地出身というお墨付きを頂きました。今の答弁の中で、先にもっと言うべきことがあるんじゃないか。「売上げに影響がない」が51%となっているが、これは何をとらえて言っているのかというのが、まず一つ。それと、あのアンケートの中で、「やらないでほしい」というのが、おおむね65%もあったんじゃないですか。その方がよほど重要だと私は思うんです。旅館の業者の51%が「売上げに影響ない」という根本となっている数字は何なんですか。

保健福祉総務課長

 大変失礼いたしました。宿泊施設等につきまして調査をさせていただいているわけでございますけれども、やはり経済的に厳しいという状況の中では、やはり「やらないでほしい」というような意見が多かったことは確かでございます。

 先ほど「売上げに影響があるか」という問いに対しては、県境の宿泊施設を対象とした調査では、51.6%というような形で「売上げに影響がない」という御回答を頂いたということは確かでございます。

向笠委員

 「やらないでほしい」というのが確かに65%以上あったと思うけれども、このアンケートは商工労働関係だから私も触れたくなかったんだけれども、湯河原温泉だけ一つをとらえても、今、旅館協同組合に入っている旅館数は92軒、このうち6軒が熱海市の旅館です。箱根は旅館組合に入っているのは108軒で、こちらも20%くらいは入っていないと思った方がいいです。ですからあと2割くらい足した数字だろうと思いますけれども、箱根が120から130軒、湯河原がおおむね86から100軒くらい。熱海市は別にします。それで、1990年のバブル崩壊から、湯河原温泉の温泉街の中心部で、旅館の社長あるいは若社長が、この十数年で4人も自殺している。物すごく苦しいんです。苦しいからなんとかしてくれ、これは当然の叫びなんですよね。それを、私はこの51%という数字を振り回されては本当に困ります。

 旅館のことで、今、内田先生が触れましたけれど、風営法は旅館も宴会場には必要なんです。旅館を開業するときに建築基準法からはじまって、消防法、旅館業法、食品衛生法、そして風俗営業法と、これをすべてクリアする、特に旅館業法は恐らく地方公共団体で施行細則を決めると思うんだけれども、物すごく細かいことをすべてクリアして、ようやく営業ができるようになる。今後、営業するときに、例えば、このたばこ条例に関する構造、図書の添付だとか、そういうことも必要になってくるんですか。この許認可は生活衛生課の方かもしれない。

たばこ対策担当課長

 それぞれ所管法令によって添付書類が異なってくると思われますので、私どものこの条例が施行されたといたしまして、それに関する書類の添付を求められることはないのではないかと考えております。

向笠委員

 ちょっとおかしいと思うのは、実効性を担保するのに保健福祉事務所の職員さんが立入りをしますよね。これは食品衛生法と旅館業法でも同じことをするわけだよ。今後、一遍にやるということは考えられるでしょうか。

保健福祉総務課長

 執行体制の関係でございますけれども、現在、検討を進めさせていただいているところでございますけれども、委員お話しのように保健所設置市を除く他の場所につきましては、各保健福祉事務所が対応するという形になってございます。お話しのように、この体制につきましては、当然、そういった部分も他の法律に関係してくることもございます。そういった中で、一応、単独の執行体制を組みたいと思っておりますけれども、当然、生活衛生課等が保健福祉事務所の中にございます。そういった部分では、その食品衛生法に絡む担当セクションもございますので、そういった部分の御協力をいただきながら、効率的、効果的な執行体制が組めるように検討させていただきたいというふうに考えてございます。

向笠委員

 先ほど内田委員は風営法の構造を変えると、風営法との整合性がどうなのかというお話がございました。これは消防法も相当難しいと思いますよね。あともう一つ、旅館には旅館業法で、最初に構造を添付しなさいと、年に1回、食品衛生と環境衛生で立入検査がある。そのときに部屋が変わっていないか、帳場の位置が変わっていないか、そういうのをすべて調べるわけですよね。それだけやる中で、何か間仕切りをすれば、旅館は特に旅館業法か、消防法は飲食店も一緒だと思う。これは全然、研究していないわけでしょう。例えば、お店は100平米、旅館は300平米からありますよ。うちの簡易宿泊所は170平米くらいですからね。300平米から大体、旅館は部屋数が決まっていますので、その中で消防法もクリアしなさい、旅館業法も、施行細則もクリアしなさいと、こういう考え方なんですか。

たばこ対策担当課長

 分煙という形を選択される場合は、今、委員がおっしゃるような関係法令に適合させる必要があるというふうに考えております。

向笠委員

 禁煙にしようというふうにとれます。私、最後に一言だけ言わせていただきますが、この条例は明らかに大きなホテル、大きな飲食店、その存続だけを目指すような条例であります。それだけを述べさせていただいて、内田委員に返します。

内田委員

 それに関係するんですけれども、私も以前、飲食業も経営していたんですけれども、食品衛生法、それから私は賃貸だったので、その賃貸物件というのは、初めに保健所が入ってきます。それで食品衛生法に基づかなくてはいけない。今言ったような消防法もすごく厳しいです。逃げ口を造るとか、それからもう一つは、途中で造作を変えると、たちまち審査が入ったときに許可が下りなくなってしまうんですね。だから非常に厳しいんですけれども、それは今までのやり方であって、このたばこの条例が決まったとしたら、いろんな意味で、例えば、間仕切りを造ったりすると、造作を変えないといけないということになります。初めの賃貸契約のときに造作を変えるだけで、例えば、100万とか200万とかお金がかかってしまうんですよ。それは違反であるから、今度は賃貸で貸している人からクレームがくるわけです。そういったような賃貸物件を借りている飲食業の方は非常に数が多いと思います。そういった問題が、今後の問題になってくると、不動産屋さんとの間で問題になってくると、私は考えておりますが、そういうところは、県当局としては、どのように考えているんですか。

たばこ対策担当課長

 今、委員の御指摘のような事案も、当然、想定しうると思っております。私ども100平米以下という小規模な面積の店舗については3年間猶予をさせていただこうとするのも、正にそういったところでございまして、この3年間の中で、利用者、それから事業者の皆様に御理解をいただいていく、そのための期間としてお使いいただけないかなというふうに思っております。

 具体的には、繰り返しになりますが、例えば、委員がおっしゃったような賃貸物件であれば、当然、家主さんとの調整もございますし、それからどういう形で、その造作を変えていくのか、あるいは共同で喫煙所を設けていくのか、幾つか方法もあろうかと思いますけれども、そういうのを御協議、御検討いただくと、そういう時間もあるかと思います。

 一方で、お客様といいますか、利用されている方々の意識、これは私ども県も総力を挙げて、その意識の普及啓発をしていくと、そんなようなこともあろうかと思います。そうした双方の理解のための時間として、3年間ということを設定させていただいたということでございまして、是非、御理解を賜りたいと思っております。

内田委員

 連合調査会でも、私どもの党から、3年間の猶予はおかしいんじゃないかという、猶予をするんだったら、あとに条例をつくればいいんじゃないかという意見がありましたけれども、やはり3年間というのは、あっという間なんですよ。やはりこれは融資、融資といって、やっぱり支援策も考えないと、やっぱり小さな小規模店舗、100平方メートルを少し超えた120平方メートルの店舗なんかは死活問題なんですね。その辺の事情も、今、本当に景気悪いですよね。派遣社員も相当退職を迫られています。そういったような中で、県の商工関係がマイナスというか、ほとんど落ち目になってきては、この条例を強引に押し通す意味が、私はないと思うんですけれども、例えば、フランスの方では、カフェが20万店あったのが、本当につぶれてしまって、ここに資料がありますけれども、1960年に20万店のカフェがあったのが、現在では、いろいろ、たばこの規制もありますけれども、そういった分煙、いろんな方法によって、現在では4万店を下回ったということで、毎日平均2店が廃業しているということで、このような感じで、県の流通業界、それから商工関係の店舗が廃業に追い込まれると、そういった認識も県当局としては持っていただきたいと思います。

 とにかく選択肢がない、今のような3年猶予とはいえ、選択肢がない状態で遵守を強制すること自体に問題があるといったような意見も多数出ておりますけれども、先日、神奈川新聞でも啓発活動の強化が不可欠と書いてありましたけれども、やはり啓発活動の前に、県当局としては、先ほどの旅館業法の問題とか、まだまだ警察との関係、監視、パトロール、通報体制、その後の罰則規定について、まだまだ考えていかなくてはならないことが多いと思いますけれども、その辺は総合的にどのように考えているのか。

たばこ対策担当課長

 今、最後に御指摘いただいたように、例えば、通報のときの体制ですとか、過料の科け方とか、実は、まだ少し詰めていないところがございます。こういった部分につきましては、議案を出させていただく際には、きちっとお示しをさせていただきたいというふうには考えているところでございます。

内田委員

 私の方から最後に要望を申し上げます。例えば、地下の店舗に関しては、非常に造作的に難しい。ですから、もし造作を直すとすれば、かなり金額も張ると思うんですね。そういった問題、そういった各店舗の種類によっても検討というか、考えていかなくちゃいけないと思いますし、あと、読ませていただきましたけれども、骨子案に対する「主な意見」の「左に対する考え方」の答えは、本当にすべて優等生的だと私は思います。ひどいことを言って申し訳ありませんけれども、全部つくりあげたような、本当に何というか、答えみたいな感じで、だから何なんですかって、私は思うんですけれども、特に、たばこ税のところを読んでみると、「したがって、この条例の施行により、たばこの消費量ひいては県及び市町村のたばこ税収への影響がないとは言えないが、直ちに目に見える形で大きく現れることは考えにくい」と書いてあって、一体、たばこ税は県に幾ら入っているんですか。神奈川ネットの山本委員から、連合調査会で、この辺の国のたばこ税の税収、だから今回も国は見送りましたけれども、やはり「現れることは考えにくい」と、こんな答えをここに書くべきではないと思います。だったら、その百何十億もある、もっとあるかもしれませんけれども、その資金を児童虐待の対策に使うとか、保育に使うとか、一杯ありますよ。こういうことを私は書いてほしくないと申し上げておきます。

 

議事取扱いを正副委員長一任)

 

(日程第1及び両部所管事項について質疑を打ち切り)

 

6 日程第1について意見発表

 

木村委員

 それでは、自民党県議団として当委員会に付託された神奈川県福祉の街づくり条例の一部を改正する条例など諸議案をはじめ、当委員会で取り上げました諸課題について意見を申し上げます。

 まず、在宅重度障害者等手当支給条例の改正素案、また、周産期医療、産科医療の問題、県立病院の一般地方独立行政法人化等々の問題に関しましては、これからもっともっと議論を深めさせていただきというふうに思っているところでございます。

 受動喫煙防止条例についてであります。今回の条例素案について御報告を頂きましたが、この条例の施行を考えるに、まず風俗営業法、消防法、旅館業法など他の法令との関係、整合性を十分整理、検討する必要があると考えます。特にこれらの法律に基づく施設基準に関しては、個々の店舗が厳しい規制を受けて営業をしています。他の法律との関係、法令との関係を整理する必要があります。特に、これらの法律に基づく施設基準に関しては、個々の店舗が厳しい規制を受けて営業しているところですが、その上に条例の規制基準が追加されることで、法基準との整合性が図られなくなる可能性があるという問題があります。また、仮に条例が施行された場合、県内市町村が施行している道路での禁煙条例との関係も県として総合的に考える必要があります。県が建物の中だけを考え、たばこに関する規制を実施し、結果として路上喫煙が増加すれば、市町村の目指す方向と整合性がとれないことは問題であります。また、規制対象となる小規模飲食店の数が69%に当たるとのことですが、これらの小規模店舗あるいは小規模旅館等の経営状況もきちんと把握していない、また救済策の配慮も全くない状態であります。この条例の規制により、小規模旅館や飲食経営に比べて、対応能力のある大型店や旅館、ホテル等に客が流れてしまうこと等が懸念されるなど、中小零細企業、事業者が廃業に追い込まれ、県経済が停滞するおそれがあるということを県当局にも十分持っているのか疑問であります。条例施行に当たっては、100平米以下の小規模店舗に対しては、3年の猶予期間を設け、その間に事業者と施設利用者の双方に普及啓発を図って理解を進めるとのことでありますが、こうした猶予期間の設定だけでは不十分であります。

 また、地下にある店舗など造作が難しく分煙基準に適合させるための改修に相応の費用を要すると考えられる場合もありますので、各店舗の状況をよく把握する必要があります。たばこ税の影響に関する部分では、この条例の施行により、たばこの消費量ひいては県及び市町村のたばこ税収の影響がないとは言えません。直ちに目に見える形で大きく上げることは考えにくいとされていますが、それに関しても疑問であります。その他、過料の問題、対象人数、あるいは来年度予算措置の問題、財源の問題、条例違反の対象人数の問題等々、すべてにおいて未完成であり、不十分であるというふうに思っております。

 最後に、知事のマニフェストの中の政策の具現化を目指した神奈川県公共施設における受動喫煙防止条例(仮称)の素案について最後に申し上げさせていただきます。知事は、12月6日の新聞紙上で国の政策に関して批判を展開する文章を公表いたしました。表題は、「改むるにはばかることなかれ」というものだったのであります。この批判文章の知事の言葉を引用し、お借りして骨子案、素案に続いた本県の受動喫煙防止条例について言及をさせていただきます。この条例案は、知事並び県当局の迷走により議会はもとより県民は困惑をしています。どう見ても、この政策は愚策としか言いようがない。まず、政策理念が間違っている。そもそもが間違いだらけで、県民の大多数が評価していないというふうに思います。愚策のしりぬぐいを県民がさせられるのでは悲しいことであります。我々は、度重なる見解をお伺いしたところでございますが、残念ながら明快な答弁はされていない状況であります。知事と県当局においては、県民また生活者への視点が全く欠けていると断ぜざるを得ないというふうに思います。悲しいことであります。「過ちは改むるにはばかることなかれ」、素案に対して申し上げておき、今回提出されております議案に関しては、賛成をさせていただきます。

 

7 日程第1について採決

8 日程第2請願・陳情を議題・審査

9 日程第3閉会中における調査事件

  当委員会の付議事件については議会閉会中調査を継続すべきものと決定

10 審査結果報告書等の案文委員長一任

11 意見書案等の協議

12 閉会中における委員会の開催について協議・決定

  1月20日に開催することとし、運営方法等については正副委員長一任と決定

13 閉  会