平成21年  かながわ活性化特別委員会 - 員会》

平成21年  かながわ活性化特別委員会

◎《委員会記録-平成21年2定-20090305-000004-かながわ活性化特別委員会》

1 開  会

2 記録署名委員(桐生副委員長・吉田委員)の決定

3 県政記者の写真撮影許可

4 本日新たに出席した当局出席者の紹介

5 傍聴の許否について決定

  2件申請 2件許可

6 日程第1を議題

7 調査項目の決定

 (1)県民パートナーシップ条例(仮称)の検討状況について

  (2)「観光かながわグランドデザイン(案)」及び「神奈川県観光振興条例(仮称)」骨子(案)について

8 同上説明

 (1)NPO協働推進課長

 (2)商業観光流通課観光室長

9 日程第1について質疑

 

内田委員

 おはようございます。

 シンプルな二つの柱ということで、順番にお話を伺っていきたいと思いますのでお願いします。

 まず、我が国にNPO法人制度ができて昨年12月で満10年ということになりますけれども、私もNPO法人というと、やはり最近の制度というふうに考えております。そういったわけで、このところ毎日のように、景気不安の影響かもしれませんけれども、NPO法人自体の経営状態が悪く、そういった活動に関してニュース等でも報道されているという現状でございます。私が目にしたところによりますと、最近東京に日本スキンバンクネットワークという、これは大やけどをした場合に、保存してあるところから医療機関が皮膚を取り寄せるわけなんですけれども、その皮膚自体を保存しているNPO法人なんですね、スキンバンクということで。これは我が国に唯一たった1箇所しかなくて女性3人で運営しているNPO法人なんですけれども、そこでさえ、命をつなげるそういった団体でさえ、今継続が危ぶまれている。というのは、企業自体も今非常に経営が悪化しているので支援してくれるところも少なくなってきており、また、3人で一生懸命動いているという状況です。そういったことが報道されておりました。これは、東京都の例ですけれども、神奈川県でもそういった状況、どこかに似たような状況があるんではないかと、私は実は危ぐしているところでございます。そういったことを踏まえて質問させていただきたいと思います。

 NPO法人というものがこの世の中に出てきてから10年と歴史が浅いこともあり、活動する上での課題というのはいまだに多いと思います。資金の確保が先ほど申し上げましたように、特に課題だとよく聞くんですけれども、特にどのようなことが課題になっているのか、今一度お伺いしたいと思います。

NPO協働推進課長

 日本における市民活動の高まりを背景に、議員立法により平成10年に制定されました特定非営利活動促進法は昨年12月に10年を迎えました。この間、特定非営利活動法人、いわゆるNPO法人の数は全国で3万6,000を超えております。神奈川県におきましても、この2月末現在で2,284を数え、それぞれ地域の様々な課題に取り組んでおります。NPO法人の制度はわずか10年ですけれども、県民生活に着実に浸透、定着し身近な存在となって活動が注目され、認知度は高まったと言えるかと思います。

 しかしながら、NPOには小さな団体が多いため、財政的に厳しく、資金繰りに苦しみ、自立が難しいといった課題があると指摘がされています。こうした課題を把握するため、県では一昨年、平成1911月に県が認証したすべてのNPO法人を対象として特定非営利活動法人の活動に関する調査を行いました。調査の結果ですけれども、NPO法人が活動する上で現在抱えている問題について、複数回答ですけれども回答が多い順に申し上げますと、まず、「活動資金が不足している」、58.1%、「事業にかかわるスタッフが不足している」、57.0%、これがともに5割を超えております。次いで、「活動をPRするための情報発信が不足している」、30.6%、「税務や経理といった団体運営に関する専門知識を持つスタッフが不足している」、30.0%、「事務所の作業スペースが不足している」、27.0%、「活動のスペースが不足している」、22.9%となっております。これらのことから、NPO法人は資金、人材、情報、活動場所が大きな課題になっていると考えられます。

内田委員

 大体、資金と人材、それから情報発信、活動スペース、どれをとって見てもやはり小さな、本当に3人とか5人とかでやっている場合が多いんですね。先ほども私申し上げましたように、大やけどを負って皮膚が必要だという人がこの冬特に多いんですけれども、保存してある皮膚自体がもう枯渇している、その中で3人で動いていて、地方のどこにも取りに行くらしいんですけれども、せっかく提供の申出があっても、亡くなってから6時間以内に皮膚をとらないといけないという、そうしないと冷凍保存できないんですね。そうしたわけで、人材不足というのが本当に大きいと思うんですが、そのような人材不足を抱えている、資金不足を抱えているNPO法人が、とにかく命をつなげるそのような重要な活動をしているNPO法人というのが実際にあるわけなんです。しかし、認知度が低い。NPO法人という枠は認知度は高まったとしても、一つ一つの団体が認知度が低いという状況はまだまだ変わらないと思います。

 県の中で、それでは、認証したNPO法人の中で、こうした重要な活動をしているNPO法人というのはどのくらいあるのかというのは、県の方で実際問題把握しているんでしょうか。また、どのようなNPO法人の支援の施策というか、そういうものは実際あるのかどうか、お伺いしたいと思います。

NPO協働推進課長

 本県は市民活動が大変活発でございまして、先ほど県内のNPO法人の数を2,284と申し上げましたけれども、これは全国第3位の数字でございます。委員御紹介の活動のような県民生活の向上のために日々頑張っていられる皆さんが多くおられると承知しております。その中で、どこが重要な活動をしているかということなんですけれども、まず一般論で申し上げさせていただきますと、NPO法人制度は市民が行う自由な社会貢献活動の発展を目指して創設されたものでございまして、設立の手続といたしましては、活動の自主性を尊重したものになっています。県が認証する場合は神奈川県が所轄庁になりますけれども、所轄庁は活動の重要性の判断を行わないで、書面による要件確認にとどまるという制度としてそもそもつくられております。したがいまして、個々の法人の重要性は広範な情報公開を通じまして、広く県民の皆様の関心の下、県民の皆様が判断すべきものであって、法人の認証を行う立場としてどこが重要かという判断は申し上げるべきではないと考えております。所轄庁といたしましては、県民の皆様がその法人の活動について評価ができるような法人情報の公開に努めていかなければならないという責務があると考えております。

 しかしながら、例えば県が持っておりますかながわボランタリー活動推進基金21は、県との協働事業について、広く公募により対象事業を選定しておりまして、これまで実施した事業の中では、例えば女性のための緊急一時保護施設、これはシェルターですけれども、また、外国籍市民に対する相談事業や、こども医療センターの患者、家族の滞在施設運営事業といった人命とか病といったことにかかわる事業をNPOと一緒になって推進しているものもございます。このほかにも、県の各所管部局ではそれぞれの分野において様々な団体の活動を把握しているものと考えております。

 次にNPOへの支援施策というお尋ねがございましたが、本県では県民、NPO、企業、行政など多様な主体が協働連携し、共に公共を担っていく協働型社会の実現を目指しておりまして、そのためにボランタリー活動への支援やNPOなどとの協働を推進するなど協働連携の基盤づくりを進めています。具体的に申し上げますと、第一にボランタリー活動の場や情報の提供を行うため、平成8年4月に全国に先駆けてかながわ県民活動サポートセンターを設置いたしました。第二に、資金面の支援といたしまして、かながわボランタリー活動推進基金21を実施し、約100億円の基金を設置し、その運用利益を活用し、県とボランタリー団体が協働して行う事業に対する協働事業負担金などの支援を行っております。第三に、県との協働事業として、平成17年度から県からNPOの提案に基づきNPOと実施する県提案型協働事業を実施しております。第四に、人材育成といたしましては、平成18年度から地域の様々な課題の解決や活性化に向けた活動を行うボランティアやNPOなどの人材支援等に取り組むかながわコミュニティカレッジの試行を開始し、来年度本格開設いたします。このようにボランタリー活動を促進するため、支援施設の運営、資金面での支援、協働事業、人材育成など、総合的にNPOへの支援を図っているところでございます。

内田委員

 今お聞きしたところによりますと、支援だけで100億円という金額を今お聞きしたんですけれども、この100億円に関して金額的に大きな額を支援している団体というのは特に幾つぐらい見受けられるのかとかそういうことは今現状で分かっているんでしょうか。

NPO協働推進課長

 かながわボランタリー活動推進基金21についてございますけれども、これは設立時で104億円、現在約107億円の基金残高がございまして、まず債権が基金のベースになっておりまして、債権ですから順次返還されていきますので、債権と現金の組合せという形になっておりまして、債権が78億円、現金が28億円ぐらいですが、その運用益ということで大体1%ぐらいになりますので、1億1,000万円ぐらいの運用益がございます。その1億1,000万円を活用いたしまして三つの事業を行っておりまして、一つは協働事業負担金、これは県とNPOが協働で行う事業ということで、これは5年間で最大1,000万円の事業ということで行っております。それから第二に補助金制度がございまして、これは200万円を3年間という形で行っております。それから奨励賞という表彰制度、この三つを行っておりまして、その中で現在まで協働事業負担金という形で22の事業が実施されているかと思います。

かながわ県民活動サポートセンター所長

 100億円基金の事務局をサポートセンターの方が担っておりますので、金額的なことについてだけちょっとお話をさせていただきたいと思います。先ほど、NPO協働推進課長から負担金の事業については1年間に1,000万円を上限として御支援をする、最大5年間御支援ということになります。アッパーで5,000万円というふうなことになろうかと思いますけれども、5,000万円すべての助成をしたという団体はちょっとございませんが、と言いますのは、団体への支援というよりは、その団体から提案された事業について公益性ですとか先駆的なものかどうかだとか、発展性があるかどうかだとか、そういうふうなことで選定をしておりますので、そういった意味から大型の支援をした例として幾つか挙げますと、不登校等の生徒さんたちのいわゆるフリースクールを展開しております特定非営利活動法人のリロード、こちらについては一番最初の年については400万円ちょっとでしたけれども、その後上限が1,000万円ずつの負担金を使いまして5年間で活動し、御存じかと思いますけれども、大変大きな活動をされている団体でございます。

 そのほか大きなところでは、女性の家サーラーといいまして要するにDV等、それから外国籍の女性の方のいわゆるシェルターの運営などをしているところについても、こちらも比較的大きな金額でございまして5年間で3,700万円ほどの御支援をしておりまして、現在もこちらについては県との協働の事業も含めまして非常にこういった分野での活動の手を広げているようなところがございます。

 また、もう一つ御披露させていただきますと、医療通訳派遣事業をやっております特定非営利活動法人多言語社会リソースかながわというのがございます。様々な外国籍の県民の方がお住まいになっている神奈川において、やはりそういった外国の方が医療を受けるに当たっての通訳というのが非常に重要なことでして、委員がおっしゃるような命にかかわるようなそういうふうな場面も想定されるわけですけれども、こちらについての御支援については平成15年からの5年間でおおむねアッパーの5,000万円の負担金事業を実施しておりまして、事業終了後も県と協働の動きも含めまして、他県への波及の効果もあると、このようなことをちょっとお話しさせていただきました。

内田委員

 大体県として、NPO法人自体2,284団体のうち、どこがどうなっているのかというのを把握しているか、していないかということがちょっと不安だったんですけれども、把握すること自体に問題があるのかもしれませんが、非常に良い活動をしているNPO法人に関しては、やはり県としても少し注視していきながら、もしサポート的なことが必要であればできるだけその活動に支障がないように、今後もちょっと協力していっていただきたいなと正直思うところです。

 ちょっと質問の内容が変わりますけれども、県民パートナーシップ条例、仮称でございますけれども、やはり意見の中にもありましたけれども、県民パートナーシップ条例と言われても、何のことかぱっと思い浮かばないと。例えば夫婦同士が仲良くするためのパートナーなのかなとか、あとはペットと暮らすパートナーなのかなと一瞬思ってしまうので、何だかもうちょっとほかのアイデアというか、今は仮称になっていますけれども、今後いろいろ考えていく余地というのはあるんでしょうか。

NPO協働推進課長

 この条例は地域を支える様々な主体同士が協働連携して、ともに公共を担う協働型社会の実現を目指しております。パートナーシップという言葉は、辞書などを見ますと協力関係とあります。県民、NPO、企業、行政といった多様な主体同士の関係において、一方が他方に従属する、よく行政がNPOを下請に使うといった批判がございますけれども、そうした関係に陥らず互いに尊重し協働し合う関係を確立していきたいという意味で使っているものでございます。こうした中、今委員から御指摘もございましたけれども、パブリック・コメントでも、県民パートナーシップという名称では分かりにくい、もっと分かりやすい簡単な日本語を使うよう注意すべきであるといった御趣旨の意見を頂だいしております。条例の名称につきましては、今後更に検討していきたいと考えております。

内田委員

 やはり、外国語を日本語に直すのはすごく困難だということは私も認めるところですけれども、ネーミングというのはすごく大事だと思いますので、要検討ということでひとつよろしくお願いいたします。

 県民の意見にもあるとおりボランタリー精神というんですか、これがすごく尊重されるのがNPO法人だと思うんですけれども、そういった意味合いのNPO法人、ボランタリー活動をどんどんやっていきましょうということなんですが、そもそもなぜ条例化する必要があるのか、ちょっと矛盾も考えられるのではないかと一瞬思ったんです。その辺の県民パートナーシップ条例という条例化する、なぜ条例を制定しようとしているのか、今一度確認をさせていただきたいと思います。

NPO協働推進課長

 県では、今申し上げましたとおり、協働型社会づくりを進めていく必要があると考えております。協働型社会を進めるためには、様々な形の協力関係、パートナーシップという言葉を使わせていただいておりますけれども、協力関係を形づくるということが必要だと考えております。それを実現するために様々な施策を考えていかなければいけないということで、そのための根拠となる条例としてまいりたいと考えております。

 条例の必要性でございますけれども、まず第一に私どもは平成1610月に、NPOと協働を推進していくため職員一人一人が共通認識として理解しておく必要があることを基本的な考え方をまとめた、NPO等との協働推進指針という指針の形で取りまとめておりました。この中の重要な事項を条例化する、つまり内部的な指針を法規範である条例とすることで、県職員にとっては法的な義務として発生することになる、これが第一点と考えております。

 それから第二点ですけれども、もとより協働型社会は県だけで実現するものではございません。この条例には、NPOをはじめ、県民、企業など多様な主体が互いに尊重し協力し合うための支援施策を実施しようと考えておりまして、この基本的施策を県民代表である県議会の御審議をいただきまして、その上で御議決いただき県民の皆様にお示しして継続的安定的に推進していくことが必要ではないかと考えております。

 第三点といたしまして、この条例では県とNPO法人が協働事業を行う際に、一方が他方に従属したり依存したりすることのないよう、いわゆるもたれ合いの関係に陥らないように、基本的な事項をルールとして定めようと考えております。このルールは県だけではなく相手方であるNPOにも努力していただく必要がある内容で、現在県とボランタリー団体双方の義務とすることを検討しているところでございます。以上3点ほど条例とする必要性ということを考えております。

内田委員

 要するに、最近知事がマニフェストを掲げられているいろんなことがあって、それをまず先に条例という形で、昨日も厚生常任委員会がこの部屋で夜10時近くまで開かれていたのですが、条例案に関していろいろ質疑応答があったんですけれども、最近簡単に条例化するという、それが良いのか悪いのか。骨抜きにならないように私は、これは県民部から提出される条例ですから、それなりの意味合いは意義とかはちゃんとしていると思うんですけれども、できたものの中身もいろいろ考えていただいて、骨抜きの条例にならないように是非注意をしていっていただきたいと思います。

 市町村の意見を見てみますと、例えば寄附税制について十分な調整が必要と、これは本当に事務的なことかもしれませんけれども、税制というのは結構複雑で特に市町村が絡んでくると、県との話合いの中でどのように取りまとめていくか、非常に難しいところがあるし、面倒なところも出てくると思うんですね。各市町村の意見というのも非常に大事になってくると思うので、市町村がやっていても実はすごく大切だと思うんですけれども、役割分担をしてそれぞれの行政を進めていくんだと思いますけれども、条例の制定に当たって市町村との関係の上でどういう意見があって、どういう課題があるのか、それに対して県当局としてはどのように考えているのか、その辺のところをちょっと詳細にお伺いしたいと思います。

NPO協働推進課長

 現在検討している県条例は市町村の行政に制約を加えるものではございません。しかしながら、NPOとの活動というのは基本的に地域密着という活動でございますので、こうしたことから条例の制定につきましては検討の段階から市町村と十分調整を行っていくことが重要であると考えております。

 具体的な市町村の状況でございますけれども、資料にもございましたように、県内全市町村が構成員となっているボランタリー活動促進自治体ネットワーク会議というのがございます。この会議で昨年10月、骨子案についての説明、意見交換を実施いたしました。その上で全市町村に対して文書の照会をいたしましたところ、48件の御意見を頂だいいたしました。制度そのものに対して反対する御意見はございませんでした。御意見の中で最も多かったのは、市町村と十分調整しながら施策を進めていってほしい、県と市町村の役割分担を明確にしてほしいといった、県と市町村のNPO推進施策に関する役割分担に関する意見が13件と最も多くを占めておりました。現在、頂いた意見を参考に条例の内容を更にきちっと磨きをかけていくべく、条例検討部会というもので検討を進めているところでございます。今後とも引き続きあらゆる機会を通じまして市町村に説明し、意見交換、意見照会を実施して調整しながら進めてまいりたいと考えております。

内田委員

 NPO法人の推進に関しては、これから推進していってより良くなるようにという、どちらかというと前向きな施策だと思いますので、是非とも市町村とも関係をきちっと話し合って、良い方向で進めていけるように努力していただきたいと思います。

 この案件に関して最後にパブリック・コメントなどで県民から様々な意見が提出されておりますけれども、今後どのようなスケジュールで条例の検討を進めていくのか、少し詳しく教えてください。

NPO協働推進課長

 条例案の検討につきましては、一昨年、平成19年8月からNPOや企業の関係者で構成するNPOと神奈川県との協働推進会議の中の条例検討部会というところで検討を重ねてきてまいりました。この3月には部会から部会報告という形で取りまとめていただき、報告いただく予定となっております。来年度はこの検討部会報告を基に、更に県民各層から幅広い意見を頂だいし、条例に反映するため、仮称ではございますけれども、パートナーシップ推進県民会議を設置したいと考えております。県民会議のメンバーにつきましては、従前からNPO、商工関係の方に入っていただいておりますけれども、さらにボランタリー活動について長い歴史を有し、現在も活発に活動されております福祉関係の方、あるいは次代を担う若者に対してボランティア活動の入口を御用意いたします教育関係の方など、幅広い分野からお集まりいただきまして御意見を頂だいし、条例案に反映させていきたいと考えております。

 県民会議の進め方につきましては、来年度早々にも立ち上げ、条例の制定に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。中でも7月にはフォーラム形式の講演会を開催し、県民のほかNPO、市民活動団体、企業関係者など協働型社会を支える多くの方々にお集まりいただきまして、条例の考え方、内容につきまして議論を深めてまいりたいと考えております。こうした御意見を踏まえまして来年度中には条例案を議会に提案させていただきたいと考えております。

内田委員

 この件に関して要望を申し上げます。NPO法人制度ができて10年ということで、ちょうどこれからいろいろなことをしていくには一番良いときだと思いますので、条例化するにしましても、是非中身のある条例、それから今後計画性が担保できる条例、また我が国では寄附の土壌というのが育ってきていないので、今企業が寄附するのが非常に困難になりつつあるんですけれども、そういった企業に対してや、また個人が寄附をしていいのかどうかという問題もありますけれども、そういった面も少し加味したような、そちらもボランティア、自発性ということで、みんなで県民でそういった良い活動をしている団体に対してはみんなで助け合いましょうというような感じで、県民パートナーシップと呼ぶ条例になるかどうか分かりませんけれども、条例の方もしっかりと取り組んでいただきたいと要望いたします。

 次の案件で観光施策について質問させていただきたいと思います。

 私は、今年は厚生常任委員会に入っていますが、去年は商工労働常任委員会に所属していまして、観光施策について予算委員会でも大変長い時間をとらせていただきまして、いろんな方面から、神奈川県の観光施策について是非推進してくださいと声を大にして言った立場でした。その後、夏から景気不安、サブプライムローンとかいろいろな問題で、雇用情勢も厳しいほど我が国の経済状況が悪化していると、こういった中で私の考えも少し修正しないといけないなと反省しております。というのは、やはり観光施策というのは、どちらかというと盛り上げる機運が必要でありますし、いろんな状況が整わないといけない。しかしながら、観光施策というのは、商工にそのまま影響する、そして裾野が広い分野ということで、いろいろな複雑な要素が絡み合っておりますので、どのように進めていったらいいかということを本当にこれから考えていかなくてはならない。また、国際的に見ると重要な施策だとは思っておりますので、そういったことを踏まえて質問させていただきます。

 今回のグランドデザインの策定に当たりまして骨子案というものを打ち出していただいて、こうした危機的な経済状況の変化を受けて特に何か注視した点、変わった点というか、考えを変えた点とか、そういうものはあるのかどうか。各家庭においても多大な影響がございますし、安・近・短といって、バス旅行とか、近い、安いものにだんだん変わってきた、質も変わってきて、新幹線も乗らなくなってきた、そんな状況下の中、何か去年から今年にかけて観光室としては考え方を少しでも変えたところがあるのか、それとも長期目標で考えているのか、その辺のところを改めてお伺いしたいと思います。

商業観光流通課観光室長

 現在のこの経済の悪化の中で、観光においても大変やっぱり影響を受けているというのが現実でございます。特にやっぱり昨年の下期以降、従来でしたら大体半年遅れぐらいで影響が出たんですが、観光においても正に同時期にその影響が出る。例えば、訪日外国人旅行者の数が昨年の8月以降、マイナスに陥っている。下半期で見ますと、大変減っている、こういう状況でございます。

 こういうデータからも極端に減っているわけなんですが、そのほかに今回観光室の方で観光産業に関する基礎調査をして、その中で、事業者調査も行いました。そこでヒアリングもした中で声として挙がっておりましたのが、やはり観光客の消費単価が落ち込んでいるということでございました。今、安・近・短のお話がありました。安くて、短い、そして近い旅行ということがやはり経済が大変厳しくなりますと、家計も厳しくなりますとどうしてもそういうものが選ばれるわけなんですが、安・近・短が伸びるというふうに言われておりますけれども、今の話、お客様はそれなりに動いているのですが、要するに長期間というのは大変減っていますし、遠い旅行、それからあと目に見えて分かりますのが、特に箱根辺りは韓国の方々も減少というのは目に見えて減っていると、こういうことが言われております。そういう状況を十分把握しつつも、今お話がありましたが、観光は大変社会経済環境の変化に影響されやすいです。日常の中でも天変地異の変化でお客様がそこに行かない、地震もしかり、戦争もしかり、平和でなくてはいけない、こういう状況であります。それから、政情不安でも人が行かなくなる、こういうことでございます。一番極端な例は、神奈川県でも天候によって観光客数が左右される、こういう状況ですね。特に湘南地区はその最たる例でございます。

 こういう中であるのは事実でございますが、今回の観光かながわグランドデザインは10年後を見据えていこうと、大枠から見るんだということでございます。その中で特に意識してまいりましたのは、国際観光市場の将来推計、あるいは観光市場の潜在ニーズが大変高いということで、この市場属性をしっかり見据えて考える必要性がある。

 もう一つは、本県の観光資源は大変多岐に及んでいます。多様性と言われておりますが、この特性を十分生かしていく、こんなところを重視して検討してまいりました。

内田委員

 グランドデザイン自体が10年後を見据えてということで、潜在ニーズというのはやはりあると思うんですね。これから高齢化社会ですから、ひょっとしたら少し余裕のある御夫婦なんかではこれから旅をしたりとか、そういったところにニーズというものが絶対にあると思うんですね。そうした中で観光振興自体、長・中期の視点から今後取り組む必要があるということは理解しております。ただ、観光施策において理想論だけにとどまらずに、地域に相当の経済効果をもたらすような、地域経済の活性化という観点から、それこそ施策を打ち出すことがこの経済状況下の中にあっては、特にこれから大事になってくることだと思いますので、今現在の経済状況を受けて平成21年度に向けてどのような課題があると考えているのか、さらに具体的な何か取組というものは考えていらっしゃるのかお伺いしたいと思います。

商業観光流通課観光室長

 御質問の平成21年度に向けての課題でありますけれども、観光の視点からできることは何かと考えたときに、大変厳しい中にもやっていかなくてはいけないのは、それぞれのやはり観光資源のPRでございます。このPRという、プロモーションを含めてこれは検討して県内に大いにPRしていかなくてはいけないというのが一つと、それから将来の可能性につながる分野への、やはり布石も一方で打っておかなくてはいけない、このように考えております。特に後者、将来の可能性につながる分野のことなんですけれども、高い経済効果が反映できる、要するに外国人誘致、誘客の課題もあるんですが、高い経済効果が期待できる国際会議等のコンベンション誘致に向けた取組が必要だというふうに考えています。ややもすると、今までは県としての取組、ほとんどパシフィコ横浜を中心とした横浜コンベンション・ビューローが中心となって誘致が行われてきたものを県としてももっともっと取り組んでいく必要がある、こういう認識でおります。したがいまして、市町村との連携体制をつくっていきたいということが一つでございます。今後の対応でございます。

 それから、全国にも余り類のない京浜臨海部の産業集積を生かした産業観光、これを具体的にもっともっと推進していきたいと、地域ごと、横浜は横浜、川崎は川崎で行われているものをもっと連携して協議会等の組織を立ち上げて取り組んでまいりたいと、このように考えております。また、観光振興面から短期的に対応できることというのは、大変消費の抑制傾向の中でも伸びが期待される、先ほど出ました安・近・短ということでございますが、先ほど申し上げましたように観光プロモーションにやはり努めていく、このように考えております。特にその中では、今年はご存じのとおり横浜開港150周年の年でございます。全国の注目を集めるビッグイベントでございますので、このようなものを県としてのあらゆる場を通じて、今までも実は宣伝をいろいろやってまいりました。今回の観光産業に関する基礎調査においても、事業者の期待が大変大きいものでありますので、引き続きPRに取り組んでまいります。

 そのほか、県としての取組としては、神奈川観光セリ市場、これは旅行会社各社のツアーを企画、造成している担当の人たちに来ていただいて、その前でプレゼンテーションをするとか、実はこういうものがあるので是非企画の中に入れてほしいと、こういう神奈川観光セリ市場という場を設定しております。こういう場でのPR。それから、秋の神奈川再発見キャンペーンの中でのPR、情報発信をしてきております。今後も県の広報関係の手段を使って、できる限りPRをしてまいりたいというふうに思っています。

 そのほか、ちょっと長くて申し訳ありませんが、日本で最大級の旅行見本市であります旅フェアが実はパシフィコ横浜でこの5月下旬に開催されます。今年3日間でございますが、このY150の記念事業と合わせて、去年の6月に実施され、今年もこの5月に開催してもらうということになりました。そういったことも含めた、県外からも人に来てもらう、こういうことでございます。この旅フェアは外国の旅行会社も呼んで、要するにその商談会も併せて行うと、このようになっているものなどがあります。

 さらにできるものとして、観光振興からふるさと雇用創出、及び緊急雇用創出の県事業を活用して神奈川版観光ツアーの企画開発事業ですとか、それから京浜臨海部の産業観光ツアー開発事業、これらに取り組んでまいりたいと。何かできることはないかといって、緊急の方で四つ出しました。ふるさとの方は2件出しました。何か全部通ってしまいそうな一方で、平成21年度の事業の中には、観光室としては入っていなかったものが、もし全部で六つ入ってきますと体制もちょっと考えなければいけないと、喜んでいいやら、大変難しいところがあるんですが、いずれにしましても、雇用の問題は大事でございまして、観光の視点からできることを有効に使ってまいりたいというふうに思います。

内田委員

 ありがとうございます。今、観光室が昨年4月にできたんですけれども、今体制としてはどのような人員配置でやっているんでしょうか。

商業観光流通課観光室長

 観光室は、今私を入れまして15名でございます。その中には、当然のことながら地域担当をちゃんと設けて、それぞれ現場に詳しい人材をつくっていかなくてはいけないということで進めてまいっております。

内田委員

 15人ということで何とかなる数字だとは思いますけれども、旅フェアにしてもここぞというときに是非力を入れていただきたいと思います。

 観光かながわグランドデザインで将来像を描いて10年後を見据えて観光振興をしていこうという、そういった意味は十分感じられるんですけれども、観光振興によって実際問題どのような効果が期待できるのか伺いたいと思います。

商業観光流通課観光室長

 申し訳ありません。観光振興による効果として、どんなものを期待しているのかという御質問でございますけれども、観光は先ほどもお話に出ました裾野の広い創造産業であるとか、あるいは21世紀のリーディング産業である、非常にきれいな言葉で言われております。その言葉が表すとおり、大変様々な産業分野とのかかわりが強いというのはそのとおりでございまして、多様な主体ですとか、事業活動、市民活動に支えられているものでございます。

 多くの人々にやはり来訪していただく、それから来訪していただいて交流する人口が増えて消費が促進するということは、やはり原材料の調達、地産地消ということもありますけれども、県内でやはり使ってもらうと、あるいは雇用創出などにも各事業の皆さんが忙しくなる雇用創出にもつながる、こういうことでございます。そういった意味で高い経済効果をもたらすことによって地域経済の活力が高められるというふうに考えております。

 それから、地域づくりへの貢献というのはやはり観光を通じて可能となっていく。それから、観光を通じてやはり知的好奇心を満たす、あるいは生活に潤いをもたらす、こういったものが観光の貢献ではなかろうかというふうに思っております。

 そんなことをしっかり視野に入れて、そのために何をしていくのかということをこれから検討してまいりたいというふうに思います。

内田委員

 観光立県かながわということで、前から観光立国日本というのがありまして、こちらは安倍さんの美しい国日本というのがありましたけれども、いつの間にか消えてしまったのですが、美しいきれいな神奈川、そういうものを目指して、私はどちらかというと推進派でありまして、観光振興条例、これは是非制定してこの神奈川県から是非発信していただきたい、それこそ発信していただきたいと思う分野なんですけれども、条例をつくって観光振興を進めていくことに当たって、現在どのようなことが課題というか不足しているのか、改めて条例を制定する意義と併せてお伺いしたいと思います。

商業観光流通課観光室長

 観光振興を進めるに当たって何が不足しているのかという御質問でございましたけれども、約4年携わってまいりまして特に感じましたのは、観光に対する認識にやはり大変温度差がある、こういうことでございました。したがって、本来ならば行政中心に、あるいは観光協会等の職員の皆さんと同じ認識に立って本当は進められるというのが一番理想であるわけなんですが、こういうことも含めて地域のやはり観光に対する機運の醸成を図っていかなくてはいけない、これがやはり一番事業の成功に結び付ける大事な要素だというふうに私は考えております。

 それからもう一つ、観光振興を継続的なものとしていくということが必要だというふうに考えております。これは地域からの自主的なやはり意欲といったものがないとなかなか継続しません。上からの押し付けのものは、ほとんど単年度あるいは短い年度で終わってしまっている。良いことなんですけれども続いていないということです。どこが主体でやるかは別にしましても、その良い事業がやはり継続して民間主導に移っていくのが一番理想でございます。そういったことを含めた継続性というような取組を促していく必要があると、このように考えております。

 特に二つだけ申しますが、次に条例を制定する意味でございますが、まず一つはオール神奈川でやはり取り組んでいく、このことをしっかり条例の中でも規定することによって、大変有効になるというふうに考えております。当然のことながら各自治体の役割を否定するですとかということはなく、努力規定ではありますけれども、必要だというふうに考えております。

 それから、観光立県かながわの実現に向けては、県のリーダーシップあるいは推進役、そういったものをもっともっと発揮していかなくてはいけないというふうに思います。これが二つ目の理由であります。

 それから、三つ目でございますけれども、短期的なニーズの変化への対応はそれはそれで必要なんですが、条例によって中・長期的な視点からの継続的な取組が進められる体制を明確にすることが必要だと、条例で位置付けていくということでございます。そんなことが条例を制定するという意味ということでとらえております。

内田委員

 イベントでも何でも単年度は簡単なんですけれども、継続性というと本当に御苦労が多いと思いますが、やはりそういう点がこの条例化する意味があるということで是非頑張っていただきたいと思います。

 観光振興の10年後を見据えて具体的にはどういったものを伸ばしていこうというふうに考えているのか、何か考えているメニューみたいなものがあって、特に力を入れているものがあれば教えていただきたいと思います。

商業観光流通課観光室長

 具体的にこれに特化していくということがなかなか絞りきれないのが、神奈川県の多様性、特徴であるんですけれども、難しさであります。県内には、御存じのとおりいろいろな海、山、湖といった自然資源から歴史的な街並み、それから景勝、花の名所、祭り、イベントがたくさんございます。伝統文化、数多くの史跡、そういったものもあります一方で、先端的な大都市景観がある、こういう様々な良いものがあります。それぞれがやはり地域ごとの特徴を形成しているのではないかなというふうに思っております。

 こうした観光資源を、観光魅力の多様性ということで最大の神奈川らしさに置き換えていきたい、たくさんあることをむしろ神奈川らしさにしていきたいと考えております。この多様性価値から個性あふれる観光地づくりということで、これが重要な取組のテーマではないのかなというふうに考えております。

 したがいまして、ちょっと御質問に明快にお答えできていないと思いますが、そのように考えております。

内田委員

 続きまして体験型観光というのがありますよね、要するに農業を体験しながらツアーをしていく、産業集積のテクノツアーとかいろいろ、グリーンツアーだとかいろんなものがありますけれども、地域の特徴を生かして都市建設、非常にこれから経済効果を上げる上で重要でありまして、県内各地でそれぞれの売りたいものが、それは顔を明確にして地域の各主体が取り組んでいくことが必要だと思われますけれども、現在の市町村や地域の商工業者などが連携して進めている取組ももちろんあると思いますけれども、今後これは伸びていくぞというような、あるいは各地域の特徴がありますけれども、伸ばしていきたいと観光室が思っているような具体例があれば教えていただきたいと思います。

商業観光流通課観光室長

 ちょっと表現が難しくなりますが、推薦するような形で伸ばしていきたいと、ストレートにお答えするとしましたら、例えば、小田原の水産加工事業者が中心となって、おでん会というのをやってきております。小田原おでんをなぜ推薦するかと言いますと、地元の方々がある人を中心に一つの組織になっておりまして、さらに、おでんを作る業者さんが十二、三あるんですが、それぞれがそれぞれの形を作っていこうということで、今新たに食べながら形のおもしろいものにしようということで、より小田原おでんを印象付けていこうというような取組が更に進化しているという、そういう意味でますます進めてまいりたいと思いますし、側面からPR面で応援をしていきたいなと、こういうものが一つございます。

 それから、B級グルメであっという間に人気になりました厚木の白コロでございますが、今度は余り人気になり過ぎて、品物がどうのこうのということが出てきています。したがって、食べるものというのは常に流通までしっかり考えていかないと長続きしないと。やはり、良いもので進化させていかないとお店ごとに味が違っては後々影響が出るので、そういった意味では選ばれたチャンスでありますから、もともとこれを進化させていく、小田原おでんではないですけれども、そういうふうに進化させていく必要があると、まち全体でですね。そんなふうに考えております。

 そのほかには、横須賀海軍カレーのブランド化の取組ですね。デパートでも売り出されている、そこまでやっぱりいっているということで、そういったことも、いろいろ様々ではありますけれども、更に進めていく必要があるだろうというふうに思います。こういうことが具体的なものとしては挙げられると思います。本当はもっと言いたいんですが。

内田委員

 時間も限られているのですけれども、例えば北海道でもキャラメルが人気で、2時間とか3時間ぐらい並んで買っているんですよね。それがいいかどうか分かりませんけれども、とにかくそういった県産品を独自で地域の人も一緒になってつくり上げていかないと、何かそういった売りがこれからはますます重要になってくると思うので、地域の資源ということで県内にはお茶の産地とか、それから三浦大根とか、イチゴ刈りなんかもできるところがありますし、農産物も有望なところはたくさんあると思うんですね。その中として、県として売り出していくべきそういった商品とか産物があると思うんですけれども、県も開発にかかわってきたという湘南ゴールドという、私はまだ食べたことがないんですけれども、湘南ゴールドの現在の生産量の状況というのはどのようになっていますか。

農業振興課副課長

 湘南ゴールドですけれども、平成13年度から苗木の供給が開始されておりまして、やっぱり実がなるまでに最低5年程度かかりますので、まだ生産量としては多くないという状況でございます。今から3年前の平成18年に初めて出荷されまして、昨年、平成20年の春ですけれども、約5トンがかながわ西湘農協の方に出荷されまして、県内の大型直売センターですとか、一部のスーパーマーケット等で販売されております。その他に、直売している農家の生産量も含めまして約7トン程度の生産量と推定しております。

内田委員

 そこで関連なんですけれども、湘南ゴールドのほかに何か目立った果物とか野菜とかというのは県内にあるんでしょうか。

農業振興課副課長

 果物で西湘地域でデコポンといわれる中晩かん類といわれる大きなものがありまして、それが非常に甘くておいしい。あと清美というようなミカン。それから湘南レッドというタマネギ、そういった野菜系も私どもの方では、売り出しておりますので、是非お試しいただきたいと思います。

内田委員

 湘南のタマネギは私、すみません、知らなかったんですが、湘南という名前が付くとちょっとかっこいい響きなのかなと思いますので、是非そうしたところも地域の商品にアイデアをいろいろ入れつつ商品を開発していくというのも、今後の流通産業やまた観光振興に役立つと思われますのでよろしくお願いします。

 供給量の拡大や販路の開拓が課題だと思いますけれども、このような神奈川県固有のオンリーワンの資源を観光振興に生かせると考えますが、その辺の見解を頂きたいと思います。

商業観光流通課観光室長

 いろいろ資源をPRしていく場合に現在の観光事業に対応してかつ魅力がある、こういうことが前提であります。その地域でしかやはり味わえない、体験できない、こういう希少性を合わせて魅力を発揮することができればわざわざそこに足を運んでくれる、こういう期待ができます。そういった意味で神奈川固有のオンリーワンの資源というのは、有力な本県の観光資源になり得るというふうに受け止めております。その湘南ゴールドの生産量がちょっと気になるところでありますが、大いに今後も、私食べさせていただきましたけれども、大変おいしいです。上品な味でございます。是非、生かしてもらいたいというふうに思います。

内田委員

 湘南ゴールドの販売促進と観光への活用に関して具体的な展開というのは、今の時点で何か計画を考えてらっしゃるのでしょうか。

農業振興課副課長

 湘南ゴールドの販売に関しましては、現状では供給量が需要に追い付かないというような状況なんですけれども、生産量が少ない現状から生産管理それから品質管理それから販売管理を行いまして、高級イメージを定着させることが必要というふうに考えております。

 具体的な取組といたしましては、県内の有名店などで知事のトップセールスなどによります販売イベント等を予定しております。湘南ゴールドの現在の生産量は極めて少ない状況ですけれども、これを逆に強みといたしまして希少価値を高めるよう生産地近くの直売所に出回る以外は、有名店での販売イベントなど限定的な流通といたしまして、しっかりとした品質管理とあいまって高級イメージの定着を図っていきたいというふうに考えています。

 それから観光と連携しました販売戦略につきましては、来年度事業といたしまして、産地へのモニターツアー、こういったものを実施いたしまして、参加者からの意見を基に受入体制を整備していきたいと。そういうことによりまして、将来民間の旅行会社によりまして、旅行の商品化を目指して、その誘客効果により地域の活性化、それから湘南ゴールドの認知度のアップにつなげたいと考えております。

内田委員

 データの方の分析の方でもちょっと質問させていただきたいんですけれども、この間   観光に関するデータの冊子を頂きましたけれども、前は旅行の基礎のデータが数が少ないということで非常に課題だと思ったんですけれども、現段階で観光室としてはどういうデータがそろっているのか、それを改めてお伺いしたいと思います。データの入手ができているか。

商業観光流通課観光室長

 観光に関するデータは神奈川県、各市町村、33市町村の協力を得て毎年定例的に実施しています観光客入込調査が一つでございます。それから、今年度正式なデータといいますか、公にオープンしているのがその一つだけでございます。今年度観光に関するデータ、基礎調査ということをさせていただきました。現時点で年3回に分けて実施したものでございまして、まだ最終報告ができない状態ではありますが、例えば訪問者調査をいたしました。その中で分かるものは、来訪の目的、それから交通手段、何で来たのか、それから事前の情報源、何を使ってその観光地の情報を得たのか、それから満足度、旅行における消費額などが把握できるようになります。

 それからもう一つ、事業者調査というのをやってまいりましたが、観光関係業者の一部のデータの、暫定的ではありますけれども、地域における原材料などの調達状況、それから雇用状況は、データがあります。それから、売上げに占める観光消費額の割合。それから、事業者が抱える経営課題などがございます。これらの数値の主なものは、グランドデザインの方の検討の基礎資料としても一部盛り込ませていただいております。

内田委員

 以前からですけれども、神奈川県の旅行というのは県内の人が多いと私は記憶しているんですね。なぜそうなのかと、ほかから来ないのかと、そういったちょっと疑問点があるんですけれども、こういったことに関してはどのように分析しているんですか。なぜ神奈川県内の旅行者は県内の人が多いと。

商業観光流通課観光室長

 首都圏に位置している神奈川県でございますが、近場での日帰り観光客のウエイトが高い、こう言われてきましたけれども、今回そのデータが明確になっておるような状況です。一応とらえ方といたしまして、人口が集積する首都圏に位置している、それから鉄道、道路といった交通機構が整備されていて大変便利だということ。それから、箱根、鎌倉、横浜を中心に三浦半島、それから湘南海岸、丹沢大山などに気楽に訪れることができると、こういうことが恵まれているということなんですが、御質問の県内が多い、この原因は、県内の人により知っていただくということも大事なんですが、今後このデータがどのくらい割合を占めるのかは県内、県外をもう少し細かく見ていかないと実際にちょっと分析ができない状況であります。なぜならば、例えば箱根地区で見ますと首都圏から見えるお客様というのは大体7割が首都圏です。あと3割がそれ以外、こういう状況も一部ありますので、その辺のもう少し分析をしてまいりたいというふうに考えております。

内田委員

 データに関してはこれからデータがたまっていくという、去年観光室ができていよいよというところなので、データの管理というものをこれからも頑張っていただきたいと思います。

 最後に、国外からの観光客誘致についてですけれども、私が昨年予算委員会でお伺いしたときには、韓国の方とか台湾の方とか、あと中国の方の観光客が多いというふうに記憶しておりますけれども、このところの状況というのは、経済状況の影響もあったと思うんですが、その辺の国別の内訳と傾向について変わった点があればお伺いしたいと思います。

商業観光流通課観光室長

 本年1月に日本政府観光局JNTOが発表した数値でございますけれども、国別の日本を訪問する旅行者数が出ております。実は結論から先に申し上げますと、2007年と2008年、数字は変わっていますけれども、順位は基本的には変わっていないという状況でございます。

 まず第1位が韓国でございます。それから2位が台湾、3位が中国、4位が米国、それから5位が香港というふうになっております。上位5箇国の順位は2007年と全く順位は一緒です。ただ、全体的な数値は、先ほど申し上げましたとおり減少しているという状況でございます。近年の傾向としまして、やはり韓国、中国、台湾といった東アジアの国、地域からの旅行者数が全体の順位でも上位を占めているという状況でございます。

 また新興市場である東南アジアについても、タイ、シンガポールなどは近年日本を訪問される旅行者が逆に増加している、国別で見ると増加しているところがあるということでございます。一方で北米ですとかヨーロッパの国については、横ばいあるいは伸び率が低迷しているという状況でございます。

内田委員

 これを見てみますと、韓国、台湾、中国、この順位が変わらないということで今後も余り変わらないんではないかなというふうに思うんですが、やはり北米とかヨーロッパの観光客の方にもっと来てもらいたいから、やはり観光室としても何かそういうPRの機会があれば、是非ともそういった方面にもPRを行っていただき、しかしながら韓国、台湾、中国の語学通訳というんですが、やはりそういったところも本会議においても24時間サービスというのが、今後は少し、24時間は無理だとしてもどこかにそういった対応ができるところができるように充実強化が求められてくると思うんですね。県でも観光振興の条例までつくって振興していこうというんだから、そういうこと自体を考えていかなくてはいけないと思うんですけれども、そういった語学に関しての通訳に関して24時間は無理だとしても、今後の何年かかけてそういう方向でいくのかどうか、考えをお伺いしたいと思います。

商業観光流通課観光室長

 グランドデザインの中でも、今後の対応の中の一つとして、外国人観光客の受入体制における対応をしていかなくてはいけないということで、観光案内所のまずは充実、今、ビジット・ジャパン・キャンペーンで外国人専用の案内所というのが神奈川県にも今11箇所ほどJNTOの指名を受けて運営をしております。そこの充実。あるいは通訳案内体制の強化をしていかないと。それから案内標識の多言語化、それからホスピタリティあふれる人材育成と、そういったことが挙げられるというふうに思います。それから宿泊事業者等の団体の協力を得て、外国人受入れに関する事業者のニーズをやはり把握していきたいと。もっともっと外国人を受入れできる宿泊事業者を増やしていかなくてはいけない。その増えない理由が外国語の対応ができない、こういった声があるのも現実でございまして、特に小規模施設においてはその声が大きいために、まずはそのニーズを把握してまいりたいとこのように考えております。

内田委員

 私の方から最後に要望を申し上げます。観光振興もこれから、この経済状況の中で頑張っていくということを聞かせていただきましたので、是非とも商工労働部、そして観光室としては今大変ですけれども、着実に前進するように頑張っていただきたいと要望いたします。

長田委員

 関連して質問をさせていただきます。観光振興条例の骨子案についてでございますが、基本理念の中に、観光を通じた地域産業の活性化という文面がある。そのような中で、要点を申し上げますと、県内の高速道路のサービスエリア等を通じた観光PR、神奈川県のPRという視点でお尋ねをしたいと思います。

 神奈川県内ではさがみ縦貫道路が、ちょうど1年後に海老名においてインターチェンジが完成をし、その更に3年後には圏央道という形で関東をぐるりと一周するような道路が完成をしてくる。さらに第二東名の建設も着々と進んできているという状況です。観光客の多くが移動手段として道路、とりわけ高速道路を使うだろうということは容易に想像できますけれども、その中でサービスエリアを利用する。これまでサービスエリアというのは、疲れたドライバーがちょっと休憩、トイレによって缶コーヒーを飲んでまたスタートするような意味合いのものでしたけれども、最近では非常にその地域であるとか、そういうものをPRする趣のあるサービスエリアができてきている。とりわけ、東名高速道路の海老名サービスエリアに関しては、1日上下とも10万人の来場者があって日本一の売上げを誇るサービスエリアです。この場所を、神奈川県をPRするアイテムとして使わない手はないと思っているんです。しかし、現状では、行ってみるとなかなかそういう形になっていないということなんですね。是非そういった観点で取組をお願いしたい。

 今までは道路管理者がなかなか頭が固くてそういうことを協力してくれないんだみたいなイメージがあったんですが、最近、民営化の良さもあってか、東名の富士川サービスエリアというところへ行きますと、開放型サービスエリアというのができていまして、サービスエリアの利用者が外へ出ることができる。近隣の人たちがサービスエリアの中に入ってくる。その接点に商業施設を設けて、双方がお互いに使えるようにしましょうというようなこともやっているんですよね。そういった傾向を考えますと、海老名をはじめ、港北もあります、それから中井もあります。これからさがみ縦貫道路ができてきますと厚木にパーキングエリアができてくる、第二東名では秦野に大きなサービスエリアができる予定です。こういった場所を観光PRの場所として使うということもアイディアの中に入れていっていただきたいとも思うんですが、突然の関連ですからイエス、ノーを求めるというわけではない。御感想を頂ければと思います。

商業観光流通課観光室長

 サービスエリアは正に今本当に様変わりをしておりまして、観光スポットになっているんではないか、そのように様変わりしています。今お話しいただきました特に海老名のサービスエリアは、実は観光PRで貸してもらって年にまだ数回ではございますが、土地水資源対策課との連携でPRさせていただいています。あと物産の方の販売ももっともっとしたいんですが、既にあそこに常設されているお店との関連で、似たようなものは売れないと、こういうのがあります。しかしながら一方で、海老名のメロンパンであるとか、良いものは積極的にやはり紹介していかなくてはいけないだろうということで、観光と物産は一体でございますので、そのような活用という面では今後推進をしてまいりたいなというふうに考えております。

長田委員

 今、私は環境農政常任委員となっておりまして、環境農政部の中に神奈川県産品販売戦略担当課長というのが設けられて、課長と同じように民間登用で頑張っていらっしゃる人間がいますので、是非今、農商工連携なんて言いますけれども、商工労働部、環境農政部、そこの壁をとっぱらっていただいて、コラボレーションして良い仕事をしていただきたいというふうに思うんですけれども、その海老名サービスエリアでは先月北海道フェアというのをやっていました。大々的に北海道を呼びまして、北海道知事も来たという話も私は聞いているんですが、北海道の人がわざわざそこへ来てPRしているわけですね。神奈川県がその中の海老名でやらない手はないと思いますし、これから圏央道ができてきますと、都内に流入する車がう回をするようになりますから、海老名サービスエリアや港北パーキングエリアというのは利用客が若干減ってくるだろうと。だから今までのような物の売り方では今までどおりの売上げを確保できませんよというようなことも申し上げながら、何か新しい手法を考えてほしい。開放型で例えば地域の道の駅みたいなものを隣接をさせて入れたら非常にいいものになるんではないかなと私は個人的に思っているわけでございます。

 特に圏央道に関しては、湘南から厚木、相模原を抜けて八王子、中央道にアクセスをしてさらに奥多摩を抜けて埼玉に入って関越道にアクセスする。関越道を抜けて東北道、久喜を抜けて、さらに栃木、つくばを抜けて、千葉、成田まであと4年で開通してくるわけです。将来は、さらに、東京湾を渡ってぐるっと一週してくるわけですね。こういうところを皆さん移動の手段だけでなくて、1日ぐるっと回ってくるだけで当地のサービスエリアに寄れば、その御当地のものが食べられるとかというような観光の在り方もあると思うわけですね。

 今まで非常に遠かった奥多摩なども非常に近くなるわけです。埼玉の人が逆に神奈川に来るには東京を抜けて、例えば箱根にしても行かなければならなかった。これがストレートにつながってくるということは、非常に新しい観光層を獲得する大きなものになってくると思いますので、是非そういう視点をこれからの観光振興の中に入れていっていただければということをお願いして私の質問を終わります。

内田委員

 ということで、私の質問は終わります。

 

(休憩 午後零時8分  再開 午後1時10分)