平成21年  厚生常任委員会 - 0420日−01

平成21年  厚生常任委員会

◎《委員会記録-20090420-000001-厚生常任委員会》

1 開  会

2 記録署名委員(木村・山本(裕)の両委員)の決定

3 県政記者の写真撮影許可

4 担当書記の紹介

5 人事異動に伴う当局幹部職員の紹介

6 傍聴の許否について決定

  1件申請 1件許可

7 報告事項

  「社会福祉法人における不適切な事案について」(保健福祉部長)

  「「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例」の施行に向けた取組みについて」

  (同上)

  「新たな障害者地域生活支援施策の構築について」(同上)

  「国の新型インフルエンザ対策行動計画の改定と今後の県の対応について」(同上)

  「児童自立支援拠点の整備について」(同上)

  「障害者自立支援法等の一部を改正する法律案について」(同上)

  「平成21年度介護報酬の改定について」(同上)

  「「条例の見直しに関する要綱」に基づく保健福祉部所管条例の見直し結果について」

  (同上)

  「重粒子線治療装置整備基本構想の概要について」(病院事業庁長)

  「精神医療センターにおける医療観察法病棟の整備について」(同上)

8 日程第1を議題

9 同上質疑(報告事項も併せて)

 

内田委員 

 それでは、保健福祉部の報告事項の順番に質問させていただきます。

 まずは、先日、可決いたしました受動喫煙防止条例について、幾つかお伺いしていきたいと思います。

 いろんなことがありましたけれども、結局、可決に至りましたので、今後に当たりましては、この条例をいかに現場の方に周知していき、そして普及啓発していくかということが一番問題になると思います。そこで、そういった普及啓発について特に聞いていきたいと思います。

 まず、1問目なんですけれども、県は、この条例の推進体制として、こちらの報告資料にもございますが、今年度、たばこ対策室を新設しましたけれども、今年度は、特にどのようなことを重点的に進めていこうと考えているのかをお伺いいたします。

健康増進課たばこ対策室長 

 受動喫煙防止条例は、これまでの健康増進法の取組を更に進めた内容となっておりまして、来年の平成22年4月からの円滑な施行のためには、県民、事業者の皆様に対しまして、この条例をしっかり周知し、十分御理解いただくことが重要であると考えております。

 こうした観点から、今年度は県民や事業者の皆様に対しまして、この条例の趣旨でありますとか、目的、内容、こういったことを広く周知するとともに、特に事業者の皆様に対しましては、きめの細かい御説明を行うことを重点的に進めてまいりたいと考えております。併せまして、受動喫煙による健康への悪影響、これに関する普及啓発も非常に大切でありますので、これについても力を入れてまいりたいと考えております。

 具体的に申し上げれば、説明会や相談会、また県民の皆様に対しましては、いろいろなキャンペーン、こういったものを通じて、こういった取組を進めてまいりたいと考えています。

内田委員 

 特に、周知にやはり重点に取り組むということですけれども、効果的に進めるためには、保健福祉部の役割は非常に大きいと思いますので、今回、増員ということで、増員数もこちらに書いてありましたけれども、保健福祉事務所と本庁のたばこ対策室との連携をどのような体制で進めていくのか、詳細をお伺いしたいと思います。

健康増進課たばこ対策室長 

 私ども、たばこ対策室の設置とともに、資料にもありますが、今年度、保健福祉事務所にも職員10名を配置したところでございます。たばこ対策室につきましては、たばこ対策全般でございますとか、条例施行に関する総合的な企画調整とか、あと横浜、川崎における条例施行業務を行うこととなっておりますが、県の各保健福祉事務所においては、それぞれの所管区域において、条例の施行業務を行うということとなっております。

 具体的には、施設管理者への条例の周知でありますとか、訪問指導、相談への対応、こういったような内容でございます。

 これを踏まえまして、県内の各地域において、この条例が効率的かつ効果的に取組が進んでいく、そのために、たばこ対策室において、施策や取組の企画、検討をしていまして、こういった内容を保健福祉事務所に情報提供する、若しくは方針をお伝えする。一方で、それぞれの保健福祉事務所で取組を進めていく中で、いろいろな課題若しくは取組状況、そういったものをお互いに連絡、調整する必要がありますので、そういった取組状況を調整する場としまして、運用調整会議を設けます。こういった形で、私ども、たばこ対策室が総合的な企画を行い、実施状況を運用調整会議などで図りながら連携をしていく、こんな体制を考えております。

内田委員 

 大体分かりましたけれども、要は、調整のための増員であり、これから普及啓発を行っていくための増員であると思いますけれども、特にこれから開港祭などがありますけれども、そういったことがきっかけになるのかということと、横浜市はどのくらい力を貸してもらえるのかとか、具体的なことが、もし分かっていれば、教えていただけますでしょうか。

健康増進課たばこ対策室長 

 横浜、川崎でございますが、私ども、たばこ対策室の方で所管をしていくわけですが、やはり情報の収集と言っているんですが、特に飲食店等の施設の情報の収集、こういったところについては、横浜、川崎にお願いをしていく。それから、条例の周知、普及啓発というところに関しましては、やはり県だけでは、それぞれの市の役割もありますので、横浜、川崎にも特にお願いをしていきたいと考えておりまして、先般、開きました4月15日の説明会でも、そういったお願いをしているところであります。

内田委員 

 やはり、県内といいましても、今、申し上げたように、横浜市、川崎市とは特に連携を必要とし、また、いろいろな施策のところで、かみ合わない部分もあると思うので、そこをうまくしないといけないと思うんですけれども、施設を管理する事業者、飲食店の事業者とか、いろんなチェーン店もありますが、そういった周知も今後、非常に重要で、逆にそちらの方に、更によく分かってもらわないと、そのうち罰則規定にも引っかかるということになります。県では、こちらにありますように、4月15日に説明を行ったそうですけれども、この説明の状況というのは、そういった事業者から何か質問とか、重要な意見というのはあったんでしょうか。

健康増進課たばこ対策室長 

 4月15日に、県内の各事業者団体の代表の方にお集まりいただきまして、この条例の概要でありますとか、また今回、パブリック・コメントをさせていただいております規則の概要についてお示ししたところでございます。

 私どもの方から、条例の概要とともに御説明をしたわけでございますが、参加した方々から積極的な御発言がございました。例えば、対象施設についての御意見、条例の趣旨とか内容、それから特に分煙の内容、そんなことに関しまして、いろいろな御発言がありました。対象施設で申し上げれば、例えば、病院の施設では、病院の敷地が対象になるかどうかでありますとか、それから規制の内容につきましては、例えば、屋外の喫煙所からの煙の流入は規制対象かどうか、これは分煙に関連したお話でございますが、こういったようなお話を聞いたところでございます。

 合計で58件の御質問を頂いておりまして、すべて御回答はできませんでしたので、もう一度、個別にお伺いして、若しくはホームページ等でお示しする、そんなような状況でございます。

内田委員 

 大きな病院の中で、今、喫煙所が空港のように仕切られていないところも一部あります。やはり、医師の先生の中にも、愛煙家の方は、もしかしたらいるかもしれないので、多分、そういう方々にとっては、いろいろと聞きたいこともあるんだと私は認識しております。

 そういった中で、今後、いろんな形でパブリック・コメントを実施していくということと、県民フォーラムなども、今後、いろいろ予定されておりますが、条例全体の分かりやすい資料というものが、こういうものではなくて、もうちょっと分かりやすい明解なものが必要だと思いますけれども、今後、こういった配布物というか、パンフレットというか、そういうことに関しては、まず、早急に対応していかないといけないと思うんですけれども、そういったものは、企画段階にあるんでしょうか。

健康増進課たばこ対策室長 

 委員お話しのとおり、この条例について周知徹底するためには、まず分かりやすいもの、それを見ると、全体の概要が分かるもの、こういったものが非常に大事だと考えておりまして、現在、分かりやすいリーフレット、こういったものをこれから準備する予定になっております。

 また、特に事業者の方々につきましては、具体的に条例に関しまして、いろいろと義務が発生してまいりますので、今回、パブリック・コメントを終えまして、条例の施行規則案が出来上がった段階で、条例や施設分類の解説、若しくは分類の事例、こういったものをまとめた分かりやすいガイドラインのようなものをつくってお配りする、また、そのダイジェスト版などもつくりしまして、事業者の方々が、この条例に関する義務に取り組みやすい環境を整えてまいりたいと考えております。

内田委員 

 飲食店業界は、やはりちょっと分かりにくい部分が多いと思いますので、できるだけ早急にしていただきたいと思いますが、そうした分かりやすい資料を持って、これからいろんな事業者のところに、団体のところにまわると思うんですけれども、実際問題、そうした事業者の方と会って話をして、支援といった意味では、どのようなことを考えていらっしゃいますか。

健康増進課たばこ対策室長 

 今回、4月15日に各事業者団体の代表の方に御説明をしたわけでございますが、今後、施行規則ができた段階の6月以降、8月くらいに条例の周知を徹底する期間というふうに考えておりまして、この中で、まず説明会等につきましては、個々の団体ごとに開催いたします。今もお話がありましたとおり、さらに個々の事業者の方に対する支援ということで、こうした説明会に加えまして、分煙に関する専門的な相談でありますとか、いろいろな個別相談会を設けていく、こんなことを考えております。

 こうした取組に加えまして、なかなか相談会に来られない方もいらっしゃると思いますので、例えば、団体の広報紙など、こういったものに掲載をお願いいたしまして、そういったところから個々の事業者の方が情報を得られるような、そんなことを考えてまいりたいと思います。

 このような方法によりまして、今後も事業者の皆さんに対しまして、いろいろと支援してまいりたいと考えています。

内田委員 

 要するに、ホームページとか、パンフレット、説明会、職員の方から説明を受けてと、多方向の周知が必要ですし、テレビや新聞などでやっていると思いますけれども、結局、実質的には、例えば、ステッカーなどは、パンフレットより少し高いくらいだと思いますが、二度手間にならないように、そういったものも早めに、分煙のステッカー、ここは分煙、ここは禁煙、ここは全く駄目ですというステッカーを、できるだけ考えていただいて、例えば、パンフレットと一緒にセットで配れるような状況を早くつくっていった方が、実質的に予算もかからないんではないかと思いますので、私としては、その辺のところをちゃんと考えていただきたいと思います。

 これについての要望を申し上げます。もちろん、健康への悪影響ということで受動喫煙防止条例というのは始まったと思いますけれども、こういった目的を達成するためには、各事業者の理解を得て、それがうまくいかなければ、何しろ全国よりも先に考えられた条例ですから、矛盾点も多いとは思いますので、その辺のところは十分にかんがみて、県を挙げて、いろんな角度から周知を徹底していくことが求められると思います。是非、ステッカーの辺りも、具体的にしていく施策として取り入れていただきたいと要望いたします。

 次に、5ページの新たな障害者地域生活支援施策の構築について質問させていただきます。

 3行目にもありますけれども、神奈川県障害者地域生活支援施策検討小委員会の下に設置したワーキンググループが既に開催していて、検討が始められたということですが、この4月に委員10名ということで、ワーキンググループは委員各7名で発足したということですけれども、現時点において、どのような議論が内容的に行われているのかお伺いします。

障害福祉課長 

 3月の下旬に準備会としまして、第1回目を三つのワーキングで開催をいたしました。これまでの市町村のアンケート、それからパブリック・コメントの結果等々を踏まえて、今までの経過をまず共通認識をしていただいた。4月初めに2回目のワーキングの段階で、ワーキングの委員は、それぞれの障害の当事者団体、それから実際に支援の事業を営んでいる団体の代表の方、それに市町村、障害福祉の第一線で活動されている方々で、それぞれのお立場での知識や経験を踏まえて、お互いの課題認識を話し合っていただいた。新たな施策の構築を具体的にするわけですので、その前提となる基本的な認識をまず共有しようということで、まず土台づくりができた段階という状況でございます。

内田委員 

 この小委員会、それからワーキンググループに、事業者や市町村が加わっていることは、こちらに書いてありますけれども、こうした検討委員会のほかにも、やはり県民の、課題を持った方の直接の声というか、意見を聞かなければならないと思うんですけれども、その辺のところはどのように取り組まれていますか。

障害福祉課長 

 ちょうど今週の金曜日の24日、それから土曜日の25日、横浜と県央地域で、県内の障害者の団体、約80団体に御案内を差し上げて、障害者施策説明会を開催いたします。その場におきまして、本日、参考資料としてお配りをいたしましたプログラム大綱の骨子案も含めまして、現時点における検討状況を積極的に御説明してまいります。その場も含めて、障害者の御意見を広くお聞きをして、ワーキング、小委員会にもお諮りして、検討を進めていきたい。

 それから、市町村に対してでございますけれども、昨年度も春と秋に行いましたが、ブロック別に、こぢんまりした形で市町村とひざを交えた意見交換の場を設けて、ワーキンググループ、小委員会における検討と並行して、具体的な調整を図って、新しい施策の構築に取り組んでまいりたいと考えております。

内田委員 

 ひざを交えた検討会議ということで、今まで長年、神奈川県は、障害者の方たちへ割と手厚いということで人数も多かったわけで、これから、今ちょうど変わっていく時期で、いろんな不安要素も皆さん抱えて、高齢者の方は抱えていらっしゃると思うんです。そうした中で、こういったかながわ障害者地域生活支援推進プログラム大綱を策定するということですが、このプロジェクトは地域生活に移行するとか、いろんな施策があると思いますけれども、そういったものに対して、もっと理解していただくためのものと、私の方は承知していますけれども、まず、ねらいというものをもう一度、改めてお伺いします。

障害福祉課長 

 2月定例会で県議会の皆様から御指摘いただいたということも含めまして、大きな施策の転換期にある。見直しで影響を受ける障害者の方々をはじめ、広く県民の皆様に、その趣旨を十分理解していただく必要があるだろう。それと、施策を組み立てるに当たりまして、これは、小委員会、ワーキンググループでも言われたんですが、やはり、たたき台が必要だろうと、そこで、新たに構築する施策をまとめたものを、プログラム大綱としてお示しをする。この施策が、これから障害者一人一人が豊かな地域生活を送る上で必要なものであるということを明確にしていきたい。それと同時に、これは2月議会でもいろいろ御意見を頂きましたけれども、施策を推進していく上での進行管理をしていく必要があるだろう。そのためにも、こういったプログラム大綱というものをつくる必要があるだろうと、こういう考えでつくったものでございます。

内田委員 

 結局、今まで手厚い、いろんな人に、いろんな助成をしていたわけで、そのおかげで12万人くらいは良かったと思うんですけれども、今後、そういった方々にもきめ細やかな対応と、もちろん先に周知が必要だと思いますが、分かっている範囲で、どのようにしていくのかということを教えていただきたい。

障害福祉課長 

 6月定例会におきまして、改めて御審査いただくわけでございますけれども、ここで可決をいただければ、ちょうど7月期の支給が7月下旬にございます。このときの支払案内書、これを活用いたしまして、改正の概要について、すべての受給者に直接お知らせをすることを検討しております。これに加えまして、9月ごろに手当の見直しと新たな施策の基本的な考え方、それから改正の内容、今後の手続等、分かりやすく記述した文書を一人一人の受給者にお送りしたいと、このように考えておりまして、施行前、もう一回、12月にも手当の支給期がございますので、このときにも一人一人のお支払案内書に、改正の概要等をお知らせして、十分事前の周知を図っていきたいと、かように考えてございます。

内田委員 

 この件に関して、要望を申し上げます。

 2月定例会での議論を踏まえて、かながわ障害者地域生活支援推進プログラム大綱を策定し、分かりにくいところを何段階かに分けて近づけていくという、段階を追った取組に関しては、非常にそういうことは良いと思います。こういった問題は、いろいろ当事者にとっては本当に受給がもらえなくなるんではないかとか、いろんな心配が、これからいろいろ起こってくると思うんです。

 そうした中で、今回の手当の見直しによって、重度障害者の中でも外れてしまうという、そうした境界線の方々の気持ちを察して、とにかく理解を得ていく、また今後いろんな地域の中で、障害者がより良く生きていけるようなところを取り組むんだということを強く、それはちゃんと実行されないと困るんですけれども、そういったことを特に配慮して、今後ともプログラム大綱、これはたたき台ということですけれども、順序だった動きを、進行管理をしていただき、随時、県民や県議会に進ちょく状況の報告をしていただきたいと要望いたします。

 

(休憩 午前1153分  再開 午後1時10分)

 

内田委員 

 次に、障害者自立支援法の一部を改正する法律案についてと、平成21年度介護報酬改定について、質問をしていきたいと思います。

 障害者自立支援法の3年後の見直しについて、改正法案が国会に提出されたという報告を受けましたけれども、具体的な内容については、まだ不明のようでありますし、今日の新聞でも厚労省の方で、例えば、1月から導入したばかりの新たな要介護の見直しで、要介護度が軽くなっても、利用者の申請があれば、3箇月間、最低で2年間、現在の要介護度に基づいて、実質的に介護サービスが受けられるようにする方向で検討に入っているという情報もありますが、まだまだ、制度改正により現場から不安の声が、様々な、障害者自立支援法の一部を改正する法律案について不安の声が多いと思います。

 これに基づきまして、県としての取組について何点かお伺いいたします。

 利用者負担額については、この法律の施行前から、利用者や事業者から多くの意見があったところです。県としては、今回の見直しについて、どのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

障害福祉課長 

 ちょうど障害者自立支援法が制定されましたときに、将来にわたって障害福祉サービスを安定持続して提供できるように、国と地方が責任を持って費用負担を行う、これをルール化した、これが一番大きな意義だったわけですけれども、同時にサービスを利用される障害者も、サービスの利用量と所得に応じた負担をしていただく、これが今までの定率負担の考え方でございます。

 法の施行後、3年目の見直しで、今回、いわゆる応能負担ということで改正案が出されたわけでございますが、現在、既に度重なる特別対策の結果によりまして、平均的な本県での負担は3%を切っている状況でございます。ですから、この法改正の結果、その3%が具体的にどうなっていくのか、もちろん、低所得者に対する負担軽減も大切なことですけれども、もともと法制定のときに附帯決議のあった所得保障、この問題をきちんと国において解決することが、まず第一なのか、その辺は、引き続き、国に要望しながら、今回の見直しの内容が具体的にどうなっているのかを注視して、市町村や事業者への情報提供、障害者への情報提供に努めてまいります。

内田委員 

 同じく、障害程度区分についても、制度当初から、その制度、そして調査項目について様々な意見があったと思います。今回の見直しでは、障害支援区分に改めることが示されましたが、このねらいというのはどういったものなんでしょうか。

障害福祉課長 

 現在の障害程度区分というのは、介護保険がベースになっておりまして、106項目の調査項目に調査員の評価をプラスして、障害程度を介護と家事援助の支援に要する時間を基準に定めたものでございます。

 その結果、制度ができたときから知的障害者の方、精神障害者の方の障害特性が十分反映できてないなどのいろんな課題が指摘されました。

 今回、法案に示されております障害支援区分は、障害者等の障害の多様な特性その他心身の状態を見て、必要とされる標準的な支援の度合いを総合的に示すものである、こういうふうに定義されております。

 厚生労働省としては、従来、課題とされていたことを改善しようということだろうと受け止めておりますけれども、24年4月に施行されるまでの間に、具体的な内容というのは、これから決めていく部分もかなり多いと伺っております。様々な課題があることから、引き続き自治体としても国に伝えながら、具体的にどうなっていくのかを見守っていきたい、こういうふうに考えております。

内田委員 

 障害程度区分というのは、非常に制度が難しく、また今まで心身の状態は変わらないのに、要介護度が軽く判定されるんではないかと、されてきた利用者もいるということが書いてありますけれども、今後とも要介護度の新基準の導入後に、厚労省は、やはりサービス継続という動きになってきましたので、やはり県としても、そういったところ、まず所得保障だとおっしゃいますけれども、それがなかなか法律で変わらない限り、しばらくは、こちらの方で何とかやっていくしかないと思いますので、その辺のところをしっかり、大変なことなんですけれども、障害者本人にとっては、程度の区分によって支給額とかいろんなものが変わってきますので、今、一番重要視して考えていただきたい分野だと思います。

 次に、報告によりますと、サービス利用計画の作成について、仕組みを大きく変更することが示されております。現状のサービス利用計画の作成の問題点と、今回の改善点の関連についてお伺いします。

障害福祉課長 

 まず、現在のサービス利用計画の問題点でございますけれども、計画の作成が、市町村がサービスの支給決定をした後に利用できる、こういうふうになっております。対象者が国が示す条件に当てはまる者のみということで、本県の実績で申し上げますと、50人程度しか利用されてない実情がございます。

 このため、このサービス利用計画を、今度の改正案によりますと、サービス利用支援として、すべての申請者が市町村の支給決定前に、市町村が指定する相談支援事業者からサービス等利用計画案の作成を受けることができるようにする、これが1点ございます。あらかじめ作成されたサービス等利用計画案を基に、市町村は支給決定できる、こういう今の問題点に対する改善点、こういう形で法案がつくられております。

内田委員 

 今、サービス利用が50人という、何か比較的少ないような気がするんですけれども、一番の問題というのは、どこにあったのか。

障害福祉課長 

 国が示す、サービス利用計画費の支給対象の要件が、極めて限定的であること、それと市町村が支給決定をしなければ、それに基づいて支給決定をした後でなければ、それが使えなかったという、これが大きなネックになって、そんなことだったら最初から市町村のケアマネージメント、ケースワーカーと相談して決めればいいし、あるいは施設を利用されている方であれば、施設の指導員、相談員、ワーカーと相談をして決めれば、あえて制度上のサービス利用計画作成費を受けなくても支障がないというか、その方が面倒くさくなかったという実態があったと、その結果、理想どおりに制度がまわらない、こういう状況だったというふうに認識しております。

内田委員 

 分かりました。

 次に、障害児施設の再編に伴って、障害児の通所に係る支給決定を市町村に一元化することが示されておりますけれども、これによって、児童相談所のかかわりというものが、その役割とかが少し小さくなるのではないかという懸念というのがありますけれども、その辺の連携とか、今後の対応について、どのようにやっていかれるんですか。

障害福祉課長 

 実際に、障害児の判定ですとか、療育手帳の交付については、児童相談所が専門的な見地からかかわっているわけでございます。ですから、日常の身近な福祉サービスについては市町村に一元化されても、児童相談所のかかわりがなくなるというわけではございません。むしろ、これまで以上に市町村と密接に連携をとり合って、そのお子さんが必要なサービスが受けられるように連携を強めていく必要があるのか。今までは、身近なサービスで、市町村が決定するものと、児童相談所が決定するものと入り混じっていましたけれども、サービスを受ける側からすれば、市町村に一本化されるということで分かりやすくなる。それは良いことだと思います。それ以上に、市町村と児童相談所の連携を強めることで、今までよりは改善できるように取り組んでまいりたいと考えております。

内田委員 

 それでは、障害者自立支援法等の一部を改正する法律案についての要望を申し上げます。

 やはり、市町村に一本化していくような施策とかは、とても良いと思いますので、是非、児童相談所と障害者自立支援法と、そうやって絡め合った施策、市町村にいろんなことをやってもらうとしても、やはり広域的に県がどうやってサポートしていけるかというのは、非常に重要になってくると思いますので、今後とも、しっかり情報を把握して、関係者に迅速に提供していただきたいと思います。

 また、障害者の方もそうですし、児童相談所に相談に来られる方もそうなんですけれども、現場の声というものをくみ取っていただき、必要な事項は、例えば、所得保障にしても、国の方に要望していただきたいと思います。

 今、児童相談所のことがあったので、介護報酬改定の前に、児童自立支援拠点に関する委員会報告についてお伺いしたいと思います。

 9ページなんですけれども、まず、児童自立支援拠点の構想については、前委員会でも何度かお伺いしていますけれども、まだまだ拠点については、これからだということで、構想の概略についてお伺いいたします。

子ども家庭課長 

 近年、児童相談所における児童虐待相談件数が増加しておりまして、また、軽度の知的障害や発達障害を有する子供の養育上の課題を抱えた家族が多くなっております。

 こういった子供たちは、虐待による行動上の問題のほか、コミュニケーションの障害、対人関係や社会性の問題などが見られることから、一人一人の課題に応じた専門的な支援が必要となっております。しかし、既存の児童福祉施設では、こうした複雑、深刻化した課題やニーズに対応できていない現状がございまして、新たな総合的な支援の枠組みが必要になっているということでございます。

 その機能でございますが、従来の家庭の代替としての養育機能、親子再統合や社会への適応を訓練する自立支援機能、付随して必要となる医療機能、それから子供を巡る諸機関や施設などを支え、ネットワーク化するための研究研修機能の四つが必要でございます。このため、これらの大きく四つの機能をもって、課題を抱えた子供に対して総合的な支援を行う、県としての拠点を整備しようという内容でございます。

内田委員 

 昨年9月の常任委員会でも、一度質問させていただきましたけれども、前回の9月の常任委員会の報告内容に比べて、どこが変更され、どこが追加されたのか、詳細にお願いいたします。

子ども家庭課長 

 最終報告の基本的な内容につきましては、中間報告を踏まえた内容となっております。追加された内容といたしましては、整備に向けて特に検討を進めるべき課題として、6点の指摘を頂いたところでございます。

 その内容でございますが、一つ目が、拠点の持つ機能を有効に活用できる県立乳児院としての機能・役割、それから二つ目は、入所している学齢期の子供たちに対する柔軟な教育、それから三つ目が、拠点を退所した後の地域の受入体制の整備、それから四つ目に、社会的養護の担い手となる民間施設や里親、地域のキーパーソンなどの人材養成、それから五つ目に、子供の権利擁護の充実に向けた仕組みづくり、それから六つ目に、拠点開設前の準備段階における従事者の育成という、以上6点の課題を頂いてございます。

内田委員 

 乳児院のことなども入っていることはいいと思いますけれども、これまでの枠を超えた新たな試みということだと思いますけれども、この拠点をつくることの意義、それからこの拠点の特徴というのは、どんなような点にあると考えておりますでしょうか。

子ども家庭課長 

 まず、この拠点の特徴といたしまして、虐待による深刻な傷を負った子供や、従来は支援のはざ間に置かれていた発達障害児などに対応した情緒障害児短期治療施設の機能を持つことがあります。さらに、乳児の虐待ケースの割合が高く、施設の受皿が求められていることから、乳児院を、また軽度の知的障害を持った子供の社会適応力の支援が必要なことから知的障害児施設を合わせて整備いたしまして、総合的な入所支援規模を備えようとしていることが特徴であります。そして、これらの子供たちに対しまして、医療的、心理的なケアなど、専門的なケアを行うということも特徴になります。こうした子供は、適切な支援を受けて回復し、社会性を獲得して、暮らすべき地域の中ではぐくまれるためには、家族や学校、地域等の理解や継続的な支援が不可欠でございます。そのため、拠点が対象とする特別な支援が必要な事例を積み重ねまして、支援方法の確立に向けて先駆的に取り組み、その成果を広く発信することで、全県的な支援技術の底上げを図っていく、そのような意義も果たしてまいりたいと考えてございます。

内田委員 

 ちょっと分からないことがあったので、お伺いしたんですけれども、県内には、こういった情緒障害を抱えたお子さん、それからいろいろ虐待を受けてしまった乳児、乳児院に入ってくるようなお子さん、それから知的障害を持ったお子さん、そういったいろんなパターンがあると思うんですけれども、そのパターンによって教室を分けたりするのかということと、規模的に、そこに入る入所者数と、県でこれだけいろんな方がいらっしゃって、親御さんが面倒をみれない場合に、ここに入るのかとか、いろんなことを想定しなくてはいけないんですけれども、その辺の数の問題は、どのように県としては調べていて、とらえていらっしゃるんでしょうか。

子ども家庭課長 

 数ということでございますが、今、児童養護施設に入所している、いろいろな課題を抱えている子供たちの数ということで受け止めさせていただいておりますけれども、県では、今、児童養護施設は16箇所ございます。この中で、県の所管の施設でございますけれども、去年の数字になりますけれども、県所管域の入所児童数は664人というデータがございます。そのうちの約6割が虐待が原因で入所しているというような状況でございます。県立の中里学園の場合には、それが7割に上がるというような状況でございます。

 それからまた、全施設を調べているわけではございませんけれども、例えば、今申し上げました中里学園では、発達障害とか精神障害とかいう形で、医者の受診を受けている子供は約35%いるというのが特徴的なところで、また知的障害児施設に、ひばりが丘学園がございますけれども、こちらの方も従来の重度のものから中軽度のものが非常に増えてきておりまして、中軽度の知的障害児の割合が約55%に上がっていると、大体そのような現状でございます。

内田委員 

 将来的に、小田原の方の土地にというふうに考えてやっているとは思いますけれども、ここは、例えば、授業料とか、そういうのはかかるんでしょうか。親が出せる場合は、それを負担していただくということになるのでしょうか。

子ども家庭課長 

 基本的には、児童相談所が措置をして、この施設に入所するということでございますので、基本的には公費負担になりますけれども、ただ、自己負担という制度がございまして、所得の階層別に金額が決められておりますので、その分については一部、御負担をいただくと、このような形になっております。

内田委員 

 このような施設というのは、全国的に見た場合、同じような施設はあるのか。それとも、ほかでも今、企画段階に入っているのかということを、お答えいただきたいと思います。

子ども家庭課長 

 こちらの方で情緒障害児短期治療施設というのを、新しく一つの機能として持つということでございますけれども、情緒障害児短期治療施設は、全国で32箇所整備されておりまして、県内では横浜市において1箇所整備されてございます。

 また、そのような施設の中には、児童養護施設ですとか、医療機関ですとか、そういうものを併設した総合的な施設も幾つかできているところでございます。また東京都が、同じような複雑化する子供の問題に対応するために、既存の児童養護施設の治療的役割を強化するということと合わせまして、新たな治療的ケア施設というものの検討を行っていると伺ってございます。しかし、障害の有無にかかわらず、子供の自立に着目した拠点、特に支援方法の確立ですとか、その普及を目的とした拠点を整備していこうという方向性につきましては、本県独自のものではないかなというふうに考えているところでございます。

内田委員 

 いろんな種類の障害があると思いますけれども、その種類の入所機能を全部備えていくということで、乳児院の場合は赤ちゃんですから、そういうのですし、情緒障害を持つ子がいて、もしかしたら暴れるかもしれないから、そういったケアが必要と、いろいろあると思うんですけれども、かなり大規模な施設でないと対応ができないと考えますが、小田原の土地というのは、その辺の規模まで全部含めると考えて、今、検討しているんですか。

子ども家庭課長 

 施設の規模、計画につきましては、今後の検討でございますけれども、その基礎となるのは、どの程度の人数を収容するかということでございます。現在の検討でございますが、三つの情緒障害児短期治療施設、それから乳児院、知的障害児施設の3種類の入所の施設の機能を備えるということで、その三つを合計いたしまして、約100名程度の子供たちの入所を、今、想定段階でございますけれども、それを基礎に考えてございまして、その規模のものであれば、今の土地の面積等では、土地の利用をどうするか、全部使うのか、使わないのかという問題もありますけれども、可能なのではないかなと、そのように計画してございます。

内田委員 

 この構想を進めるに当たりまして、主にどのような点が課題になってくると考えているのでしょうか。

子ども家庭課長 

 まず、ソフト面についてでございますが、こうした大変難しい子供たちを支援していくための自立支援プログラムというものを開発していくことが、まず必要であると認識してございます。これまでも、児童養護施設ですとか、知的障害児施設では取り組まれてきたところではございますけれども、障害そのものを正確にとらえ切れていないことがございまして、支援方法がまだ十分に確立していないという、そういう状況でございます。

 また、施設の整備の面、ハード面でございますけれども、現在の厳しい財政状況の折、限られた財源と人材の中で、どのように対応していくかということがございます。さらに、新しい施設を造るだけではなくて、中里学園、ひばりが丘学園の再編とセットの話でございますので、それと足並みをそろえていく必要もございます。また、候補地である小田原城内高校の跡地が、埋蔵文化財が存在する可能性の高い地域でございますので、その手続も必要となります。主に、そのような課題がございます。

内田委員 

 分かりました。

 やはり、中里学園は、私は同じ区なんです。何回か見に行かせていただいたときに、先生たちは一生懸命やっているんですけれども、生徒によっては、すごくまだ暗いというか、いろいろ大変なんだなと感じました。そういったところと足並みをそろえていかなくてはいけないということで、大変なことだとは思いますが、今後、委員会の報告を受けて、県としては、今、埋蔵文化財試掘調査を行っているということで、まだまだ候補地としての可能性について検討しているところですから、まだまだこれからということになると思いますけれども、県としては、どのように取り組んでいこうとしているのか、最後にお伺いします。

子ども家庭課長 

 まず、施設の構想の中身を固めていくことが必要でございます。今回の報告書の内容を踏まえまして、課題とされた事項などについての検討を行って、本年度中を目途に県としての基本構想を策定していきたいと考えてございます。また、まずは本年度の早い時期に埋蔵文化財試掘調査を行いますので、その結果も踏まえながら、候補地の可能性について具体的な検討を行ってまいりたいと思います。

 そして、先ほど前の答弁で申し上げました様々な課題につきまして、一つ一つ並行的に取り組みながら、拠点整備の熟度を更に高めてまいりたい、そのように考えてございます。

内田委員 

 児童自立支援拠点に関する委員会報告について、要望を申し上げますけれども、やはり、今、厳しい財政状況の中、こういった施策を進めることは非常に大変だというのは認識しておりますが、今後、子供たちのことを考えると、やはりこういった子供たちが社会に出ていくのも、かなり厳しくなってくると思うんです。ですから、やはり県としてできることをできるだけしていっていただきたいということと、構想の実現に向けて着々と進めていただきたいと要望いたします。

 あともう一つのテーマですけれども、大事な介護報酬改定について二、三質問させていただきます。

 やっと3年ぶりに介護報酬が改定されまして、介護従事者の処遇改善と人材確保等を目指して引上げを行ったということで、報告いただいたところですけれども、今回の改定についてですが、まず今回の介護報酬改定の特色と主な概要について、いま一度お伺いしたいと思います。

高齢福祉課長 

 今回の介護報酬の改定は、平成12年度に介護保険制度が導入されましてから3回目でございますけれども、これまでの2回がマイナス改定であったのに対し、今回、初めて3%プラス改定となりました点が特色でございます。

 改定の概要でございますが、三つの基本的な視点を掲げてございまして、一つ目は、介護従事者の人材確保・処遇改善でございます。夜間業務など負担の大きな業務に対して、的確に人員を確保する場合に対する評価、あるいは専門性等のキャリアに着目した評価などが行われました。

 二つ目は、医療との連携や認知症ケアの充実でございます。医療と介護の継ぎ目のないサービスを提供することや、認知症ケアの推進のための加算などが創設されました。

 三つ目は、効率的なサービスの提供や新たなサービスの検証でございます。訪問介護事業所での常勤要件の緩和ですとか、介護予防や地域密着型などのサービスについて見直しが行われたところでございます。

内田委員 

 今回の介護報酬改定に伴いまして、県の方では、介護サービス事業者や利用者に対する周知について、今後、どのように取り組んでいきますか。

高齢福祉課長 

 今回の介護報酬改定の内容によりましては、介護サービス事業者の手続が必要となったり、利用者の方は利用料が値上がりする場合もございます。そのため、県といたしましては、そういった周知を図るため、保険者である市町村と連携を図りながら、介護サービス事業者、利用者の方に積極的に周知に努めているところでございます。

 具体には、介護サービス事業者に対しましては、国から介護報酬改定の案や、それにかかわるQ&Aなどが来た際、すぐさま情報としてホームページを更新するなど周知に努めてまいりました。その他、関係団体の会合において説明を行ったり、また、メール配信によって通知することで、迅速かつ確実に改定の内容等について周知をしているところでございます。

 次に、利用者に対する周知でございますが、これにつきましては、県としてホームページに利用者への影響などについて周知をするとともに、介護サービス事業者から利用者の方に対し、丁寧に説明し、了解を得るよう要請するとともに、保険者である市町村からも利用者に対して周知を図るよう依頼をしているところでございます。

内田委員 

 次に、介護報酬のプラス改定は今回3%のプラスですけれども、介護保険料のアップというものにつながっていると思いますけれども、県内市町村の保険料の状況というのは、どのようになっているんでしょうか。

高齢福祉課長 

 介護保険料ですが、おおむね市町村介護保険事業計画の期間である3年間を通じまして、財政の収支均衡を図る、バランスをとらなければならないとされまして、事業の3年間の支出及び収入の状況を勘案して設定することになっております。この介護保険料でございますが、平成12年度の制度創設以来、増加している状況にございまして、今期の保険料についても上昇基調となるほか、介護報酬のプラス3%改定も上昇要因として影響いたします。

 しかしながら、今回ですけれども、国が介護従事者の処遇改善のための緊急特別対策として、介護報酬の改定に伴う保険料の急激な上昇を抑制するために国費を投入という措置を講じていただいたところです。そうしたことから、今期の保険料につきましては、県平均で4,106円、月額でございますが、対前期3.2%の上昇に抑制されたところでございます。

内田委員 

 今回の改定というものは、介護従事者の離職率がもともと高く、また人材確保がなかなか困難であるという状況を背景に、介護保険制度創設以来、初めてのプラス改定ということでしたが、昨日も、私はたまたま声を掛けられて、介護施設に働いている、隣に住んでいるおじさんが、何かいろいろと言ってきたんですね。だから、私は、介護報酬がプラス改定になったと言ったんです。言っても、だってそんなの、おれたちには響かないというふうに、またくどくど言われてしまったんですけれども、実際問題、介護従事者の処遇改善に本当につながるのかというか、改善が図られるのかというのは、その辺がやはり心配されるところで、実際のところ、その辺は、そういう声というのは聞かないんでしょうか。どのように考えていらっしゃるんでしょうか。

高齢福祉課長 

 今回の改定ですけれども、業務負担の大きさですとか、あるいは介護従事者の専門性に着目した加算、地域区分の見直し等が行われまして、その影響も、提供しているサービスですとか、地域によって事業所はまちまちで、一律ではございません。

 重度の方々を多く入所させているような事業所では、加算によりまして、増収が見込まれ、職員の手当増を行うところもあるというふうに聞いてございますけれども、一方で、過去2回マイナス改定がございました関係もあり、建設費などの借金に充てるために、職員の賃金まで到底まわらないと、このような事業所もあるというふうに聞いてございます。

 国の方では、介護従事者の処遇改善に向けまして、総合的な対策として、介護報酬改定後の介護従事者の給与水準についての検証など、そうした取組を進めていくということで聞いてございます。

 県といたしましては、そのような取組の動向を見ながら、介護従事者の処遇改善がどのように図られるのか、引き続き注視してまいりたいと考えております。

内田委員 

 なかなか難しい問題で、私も本当に答えようがなくて、頑張っているんだけれどもと答えておきましたけれども、今回の介護報酬改定について、県としてどのように評価しているのか、また今後、どのように対応していく考えなのか、最後にお伺いします。

高齢福祉課長 

 今回の介護報酬改定でございますが、夜勤業務など負担の大きな業務を行った場合、あるいは介護福祉士の資格を持っている者や、一定以上の勤務年数を有する者を一定割合以上を超えている場合などに加算措置がとられ、介護従事者の処遇改善を図る内容となってございます。

 しかしながら、こうした評価は一定水準の事業者のみに反映される内容となっておりまして、本県といたしましては、各種加算で報酬額アップを図るというのではなくて、基本サービスを提供する介護報酬の基本部分の底上げを行うことで、事業の安定運営や介護従事者全体の処遇改善を図ることが望ましいと考えていたことから、もう少し考慮する余地があったのではないかなというふうに考えてございます。

 しかしながら、そうは言っても、今回の介護報酬改定は、初めて3%アップの報酬の引上げを行ったものですので、介護従事者の処遇改善に向けた取組としては、一定の評価をしているところでございます。

 現在、この介護報酬改定の円滑な対応に努めているところですが、今回の改定による介護従事者の処遇改善等への反映状況などについては、注視をしつつ、引き続き実態に見合った人員配置基準や報酬体系が構築されるよう、必要に応じて国へ要望してまいりたいと、このように考えております。

内田委員 

 この介護報酬改定についての要望を申し上げます。

 やはり、これは国全体の問題として、県もいろいろこれから影響を受けるということで、非常に難しい問題であるし、この不景気の中、派遣切りとか、いろんな問題がある中で、やはりなかなかこの介護関係の従事者が育たないというか、離職率も高く、こういうのもやはり処遇が悪いというか、改善されないから、イタチごっこで、なかなか新しい人も入ってこない。それから、入ったとしても、すぐ辞めてしまうといったことになっているので、そういった状況を、できるだけ県としても国の方に一生懸命要望していただきまして、引き続き頑張っていただきたいと思います。

 

他議員質疑続く

日程第1については、この程度)

10 正副委員長あいさつ

11 閉  会