平成22年  文教常任委員会

◎《委員会記録-平成22年第1回定-20100301-000015-文教常任委員会》

1 開  会
2 記録署名委員(内田・山口の両委員)の決定

3 県政記者の写真撮影許可
4 人事委員会回答書配布
5 傍聴の許否について決定
  2件申請 2件許可
6 口頭陳情の許否について決定
  陳情第178号−2についての口頭陳情 許可
7 報告事項(教育局長)
  「不適正経理処理問題について」
  「県内高校生の就職支援対策の実施について」
  「県庁改革の取組みについて」
  「財団法人神奈川県ふれあい教育振興協会の解散について」
8 日程第1及び第2を議題
9 提案説明(教育局長)
(休憩 午前1148分  再開 午後1時2分)
10 同上質疑(所管事項及び報告事項も併せて)

内田委員

 それでは、報告をいろいろ聞いたんですけれども、我が党としては、やはり不祥事防止に関して、今後の対策を確認させていただきたいと思いますので、不祥事防止の観点から質問させていただきます。

 もともと環境農政部や県土整備部の調査から始まりましたけれども、結局のところ、昨年の5月から経理処理に係る全庁調査の結果、各部局にまたがって長年にわたる不正が明るみになりました。今年に入って、神奈川県職員等不祥事防止対策協議会の不適正経理調査部会の報告を、2月26日付けで頂きましたけれども、この教育委員会においても、様々な不適正経理が明るみになり、額が大きいというのが一目りょう然でありますが、しかしながら、調査報告の結果、特に差し替えと翌年度納入、そして前年度納入といった6億4,8795,000円という額ですね。それが主であり、横領とか預けといった、税務課のような不正はなかったものの、やはり額が大きいということと、なぜそんなになってしまったのか、そういったところを踏まえて、質問させていただきます。

 まず、今回の調査で判明した、教育委員会における不適正経理の状況をしっかりと確認させていただきたいと思います。

教育財務課長

 教育委員会における不適正経理の状況でございますが、冒頭、局長からも報告ございましたが、平成15年度から平成21年度まで、平成21年度は12月に支出したものまでということでございますけれども、この7年間について調査した結果、まず、差し替えにつきまして、これは15所属で210万余円、それから翌年度納入、これは192所属で6億1,993万余円、さらに前年度納入、121所属で2,674万余円ということで、何らかの不適正経理があったのは193所属というようなことで、トータル6億4,879万余円というような状況でございました。

 所属の内訳といたしましては、本庁が9所属、それから学校以外の所管機関が17所属、県立学校が167所属という内容でございました。概要としては以上でございます。

内田委員

 県立学校が大きいということは、やはりそれぞれの学校で、それぞれにそういった前年度納入とか、差し替え、翌年度納入、この翌年度納入が大きいと思いますけれども、やはりその額を足すと、6億4,8795,000円ということになったんだと思いますが、それではまず、事務用品とか備品を購入しますよね。実際には、購入したものと違うものが、物品と異なるものを差し替えたということになると思うんですけれども、まず、差し替え自体について、特にどのような経理処理が行われたのか、分かっている範囲でいいんですけれども、具体的に説明をお願いしたいと思います。

教育財務課長

 差し替えにつきましては、15所属、210万余円ということなんですけれども、差し替えの多くは、2万円以上のものを備品と呼んでおりますけれども、備品の購入をするに当たって、これは本来、備品購入費という節で購入すべきものを、備品購入費がその時点でなかったために、消耗品を買う予算というのは需用費という節がございますが、消耗品の名目で、需用費で執行して備品を調達したというような事例が多いということで、例えば何点か具体的にお話しさせていただきますと、例えば文書ですとか図面を保管するために物品棚、棚を置こうと、そういう必要性が生じたんですけれども、その時点で備品購入費の残がもうなかったというようなことで、インクあるいは印刷原紙という消耗品、事務用品を需用費で買ったという名目で、その物品棚を1月に納品を受けるというような事例、あるいは、学校で職員室、プリンター等があるわけですけれども、だんだん老朽化して、故障がちになる。当然、それはすぐ修理してという対応をしていくわけですが、年度後半になって、年度末が近づいたところで、ついに補修が効かない状態になってしまった。これは、買わざるを得ないという御判断だったとは思うんですけれども、やはり備品購入費がないということで、これはプリンターのインク代ということですけれども、インク代という名目で、需用費で執行し、プリンターの本体を買い替えたというようなことが、これも3月に、その学校でございました。

 また、例えば新学期を控えて、生徒用のげた箱というのが昇降口に幾つもあるわけですけれども、その中の一部がやはり大分老朽化が進んで、新学期を迎えて、きれいにしたいと思ったところが、なかなかやはり備品購入費の残がもうないというようなことで、げた箱の扉を買うという名目、要は、げた箱を修理するような形態をとって、備品そのものを購入したというような事案、こういったような、消耗品の名目で備品を購入してしまったというような事案が大分多いと。

 このほかに、例えば備品同士ということではないんですけれども、ある専門高校なんかでは、職員室が、幾つかの学科ごとに分かれて、コピー機、複写機というのは通常、学校に1台、多くは事務室にございます。少し職員室が離れていて、例えば図面のコピーなどが多いので、そこで複写機を導入しようといって、このときに、例えば職員の部屋が離れているということであれば、1台ということでなく、複数台導入も可能なんですが、そこをちょっと誤解して、1台しか置いてはいけないんではないかと思ってしまったがために、複写代、これは使用枚数に応じて複写代を月々払うような形態で本来やるものなんですけれども、新しい複写機の複写代の支払を、例えば事務用品という名目で支払うというような事例もございました。この事例につきましては、今回すぐに学校の方で見直すということで、いったんその契約は解除いたしましたが、ただ改めて必要性を吟味して、必要であれば当然、導入できるわけですので、改めて吟味の上、新年度から正しい手続で導入するというようなことにはなってございますけれども、そういったような事例がございました。

内田委員

 今、お話を伺いましたけれども、やはり長年の間にそうやってこられて、それが普通だと思っていたのかもしれないし、若しくは、教育委員会の方に、全体的に相談しにくいというか、秘密にしてこうしておけば分からないわけで、備品購入費がないという問題も浮上していたと思うんですけれども、教育委員会としては、差し替えについて、なぜ今までそういうふうにしてきたのか。何か硬直化していたんじゃないかとか、また上の者に相談せずに、げた箱の扉を買うようなことを言って、本当はげた箱を買ったんですよね。そういった細かい問題ですけれども、今後の再発防止に向けて、どのように取り組んでいこうとしているのかということ、とにかく課題というものは、差し替えについては今現在、教育委員会としてはどう考えているのかということをお聞きします。

教育財務課長

 教育委員会で、まず再発防止を取り組んでいくんですが、その前にまず全庁的な面で言いますと、これは残念ながら全庁的に差し替えも行われているということもございまして、今、庁内検討チーム、これは政策部、総務部、会計局などの関係課長の方で、再発防止に向けて分析、あるいは再発防止案をまとめて、不祥事防止協議会の方にたたき台としてお示ししながら、不祥事防止協議会での再発防止策の検討のために提示していったと、そういうようなことで検討チームは、分析あるいは再発防止案を検討しているんですが、その中で、一つは物品購入を計画的に執行していかなければいけないと同時に、備品購入費の予算計上の在り方についても検討していかなければならない。さらに、予算編成の後、予算編成時点では分からなかったような事情で急きょ備品が必要になる場合もあるわけですから、そういうときにどういう対応をする必要があるのか、その検討、さらには、備品が、先ほど2万円以上というお話もいたしましたけれども、この基準枠をどうするのかという問題もあろうかと。そういったものについて、再発防止対策案として考えて、協議会の方で御検討いただこうと、そういう動きはございます。

 まず、全体的にはそうした協議会から頂く報告、それを踏まえて、県庁全体で再発防止に取り組むわけですから、それもきっちりやっていくというのが、まず一つあると思います。そのほかに、当然、教育委員会としても、今やれることをちゃんとやっていかなければいけないと思います。そこでは、例えば予算計上の在り方とお話しいたしましたけれども、当面はやはり厳しい県財政の状況の中、備品購入費も必要最低限の予算計上をせざるを得ないということはございますので、そうしますと、より計画的、効率的な執行をやらなければいけない。ただその後、やはりいろんな事情で備品が必要になることはあります。例えば学校でいえば、消防用設備が壊れた、あるいは消防署からこれを直しなさいと指摘があった、あるいは学校の放送設備、これは毎日使っているもので、これが壊れると大変大きな支障がある。こういったものについては、年度中途でも対応する必要がございますので、当然、私どもとしても一定の額はプールはしています。それで対応はしているんですけれども、だんだん年度が終わりに近づきますと、さすがにそれもなくなるといった中で、学校の方もそういった事情がお分かりなのか、なかなか御相談もいただけない場合もあるわけですけれども、これについては当然、必要なものについてはやっていかなければいけないと思います。そこで、例えば予算について需用費を節減しながら、需用費を備品購入費に流用するという手立てもあるわけでございます。そこら辺について、若干、私ども敷居が高かったのかもしれませんので、そうした点について学校の方とよくお話をして、必要であれば、当然そういった措置もするわけですから、そういったことをきっちりやって、要は手続を踏んで対応してまいりたいと考えております。そういった対応によって、二度とこういった差し替えというような、これは不適正な行為ですので、きちっとした手続を踏んで、必要な物品を買うという形でやってまいりたいと考えています。

内田委員

 今、お話を伺いましたが、やはり県教育委員会が昔からちょっと敷居が高かった、なかなか相談しにくいとか、備品購入費がやっぱり十分にない。こんなにたくさん学校があるのに、それぞれの対応を迫られるような感じでは、今後も差し替えがどこかで起こるであろうと、私はちょっと危ぐしておりますけれども。もう一つは、非常に額が大きかった、教育委員会としては6億1,9939,000円という、部局では最大ですけれども、翌年度納入、それから前年度納入は2,674万円ぐらいだったと思いますけれども、物品が年度末に買えなくて、次の年にしたり、また先に買ったりと、こういったことは通常行われていたんだと思いますけれども、これも不正に当たるわけでして、やはりこの原因をしっかりここで、現場に聞いていかないといけないと思うんですけれども、特にそういった翌年度納入や前年度納入が生じた原因、これはちょっとしっかりと検討していただきたいですけれども、その点はどう考えていますでしょうか。

教育財務課長

 お話のとおり、やはり現場の状況をきっちり把握してから、対策を講ずることが必要ということで、私自身、現場の把握が不十分だったんではないかと思いまして、今回、例えば学校の事務長など、具体的にいろいろお話を聞いて確認したところです。そうした中で、一つには、例えば先ほどちょっとお話しした再発防止の庁内検討チームの分析によると、これは全庁的なものとして、会計職員の意識の中で、業務のためならある程度、会計原則は外れてもいいんじゃないかとか、あるいは翌年度納入というのは、それほど重大でないんじゃないかと、物品が入っているからって、そういった意識があったという指摘がなされているんですが、そうした意識がないとは言いませんけれども、そういった面も少しあったのかなとは思ってはおります。

 ただ、それ以外に学校のいろいろ実情をお聞きいたしますと、例えば、学校だけでもないんですけれども、限られた予算の中でいろいろやりくりをしてございます。特に学校では、例えば試験ですとか、いろんな行事のために生徒にプリントを配る、あるいは保護者にお知らせをする、紙とか印刷消耗品、こういったものが大量に必要になります。それと、広い施設を管理しておりますので、光熱費というのが月々やっぱり相当な額がかかるというような実態がございます。そこで、年度末になりますと、そういった紙の必要量ですとか、それから3月分の光熱費の額、これは検針の時点で金額が分かりますので、そういったものを確認した上で、そういう面では予算の残を使いながら、今まで買えなかった必要な物品を3月に発注する。それの一部が翌年度納入につながっていたということが、今回分かったところでございます。中には物によって、一部ですけれども、在庫切れということで4月にずれ込むといった事例もございました。それと、学校数が多かったということもございまして、金額的には多額、多数の件数となったところでございます。

 また、前年度納入につきましては、年度末に必要な物品を購入するに当たって、当該年度の予算がもうなくなってしまったので、新年度予算で執行してしまったというようなお話も聞いているところでございます。

内田委員

 様々な状況が絡んでいるけれども、一番大切なことは、今、百何十校ある学校が、それぞれの学校で何が問題だったのかということをしっかり書いてもらって、それをまとめて、どうしたら対応できるかというのが、一番重要だと思うんですけれども、さて、翌年度納入や前年度納入の再発防止に向けては、県教育委員会ではまずはどのように取り組んでいくのか、お伺いします。

教育財務課長

 再発防止に向けては、やはり予算が厳しい中、より一層計画的、早期の物品発注をしていくということがまずは大切だと思います。その上で当然、年度内、例えば年度末に急に必要になる物品もやはり状況に応じてはあるわけですから、そのときにきちっと3月31日までに納品できるということを業者にきちっと確認をして、発注、また納品検査をしていかなければいけないと思っております。これが当然、会計の原則でございますので、そうしたものは徹底していくと。それと、万が一、発注し、もともと3月中納品だったはずなのに、何らかの事情でずれ込むような場合につきましては、例えば契約解除するとか、あるいは事故繰越しという手続もあるわけですから、きちっと手続を踏むと、こういったことも当然、必要になってくるわけです。そうしたものについて、今、会計局と連携して、まずは年度末の会計処理に向けて、県立学校長あるいは学校における会計の中核職員である事務長に対し、個別にそういった年度末会計の適正な処理に向けて、会計局と一緒に研修もしたところでございますが、今後さらに、事務長また会計担当者に分けて、やはりきちっと会計処理する、こういった基礎、基本に戻ってやるということを徹底してまいりたいと考えております。

内田委員

 まずは、徹底してやるには、現場の校長先生、教職員にこういったことは不正ですよとしっかり周知することがまず大切であり、また問題点を全部洗い出しすることが次に大切だと思います。今回、教育委員会としては、不適切極まりない横領とか預けはなかったんですけれども、やはり不適正と認められてしまった。しかも総額が結構巨額ということでありますから、今後そのようなことにならないように、システムの改善をしっかりしていくようにしていただきたいと思います。また、学校現場で日常起こりがちなことをとにかく整理していくということと、秘密にしないで、相談しやすい教育委員会を是非目指してほしいと思います。敷居が高いと思われていたかもしれませんけれども、ここへきて、また来年度こういった不正が出てくると、余計教育委員会としても信頼がなくなっていくと思いますので、本年はしっかりと現場の声を聞くようにして、またこういった不適正なことがなくなるよう、指導を徹底していただきたいと思います。

 もう一つの問題は、最近新聞に掲載された事件がございまして、小学校の教諭による盗撮事件とか、何か児童買春事件もございましたよね。それから、いろいろと忌引をたくさんとってしまって、うそをついていたんじゃないかとか、そういったような不祥事の発生状況がかなり多かったので、この点についてもここでしっかりと質問させていただきたいと思います

 まず、新聞でも拝見しましたけれども、昨年12月下旬に記者発表した懲戒処分の事案の概要と、それから平成22年1月中旬に記者発表した懲戒処分の事案の概要について、改めて本日確認させていただきたいと思います。

行政課長

 公務外の非行をはじめ、規律違反の不祥事が続いていることを改めておわび申し上げます。

 まず、昨年1222日に記者発表させていただきました、3件の懲戒処分の内訳と概要でございますが、3件とも逮捕により発覚して、懲戒免職処分とした事案でございます。一つは、県立学校の事務長が児童買春ということで、21年5月から7月の間にかけて、18歳に満たない児童に金銭を供与して、児童買春をしたという事案でございます。児童買春・児童ポルノ禁止法違反で逮捕されたという事案であります。もう1件は、相模原市の小学校教員を盗撮行為で懲戒免職とした事案でございまして、これは平成2111月に、勤務校の教室内で着替え中の女子児童3名をデジタルカメラにより撮影したという事案でございました。それからもう1件が、大和市立小学校教員を、盗撮行為ということで懲戒免職処分にした事案でございまして、それは平成2112月の上旬に駅の上りのエスカレーターで、女子高生の背後から所持したデジタルカメラにて撮影したという事案で、懲戒免職処分といたしました。

 それから次に、本年1月14日に3件の懲戒処分を行いました。その事案の概要でございますが、匿名の投書によりまして、県立学校事務長が出張からの早帰りをしていた、欠勤をしていたということ、それから虚偽の時間外申請を行っていたこと、それから、その後の本人聴取の結果、虚偽の忌引休暇をとっていたという事案がございました。その関係で、過去3年間で事務職員、現業職員関係で忌引休暇の申請が多く、年休の残日数が少ない者を抽出して調査したところ、追加で2名の職員についても虚偽の忌引休暇が発覚したという事案でございます。県立学校事務長につきましては、虚偽の忌引休暇を9日間、合計231時間の無断欠勤、それから70.5時間の時間外の虚偽の申請ということで、懲戒免職処分といたしました。

 それから、教育局の出先職員につきましては、虚偽の忌引休暇7日間をとっていたということで、その職員については減給6月、それから県立学校の技能員につきましては、虚偽の忌引休暇を1日申請していたということで戒告処分という形の処分をさせていただきました。

内田委員

 とにかく事務長クラスの方が、こういったことで懲戒免職になるのは非常に残念でございます。もちろん、若い先生が盗撮ですか、それも本当にあってはならないことなんですけど、一番やっぱり児童買春という問題は、本当に信頼失墜するものなので、やはりそんなことをするとどういうことになるかというのを、周知徹底していただきたいと思います。本人、皆さん分かってらっしゃると思うんですけれども、後を絶たないという感じもありますので、その辺は徹底していただきたいと思います。

 次に、虚偽の忌引休暇の取得によって、3件の懲戒処分を行っておりますけれども、県教育委員会における忌引休暇制度というのはそもそもどういうものなのか、忌引制度についてお伺いしたいと思います。

行政課長

 忌引休暇につきましては、学校職員につきましては学校職員の勤務時間、休暇等に関する条例、それから事務局等の職員につきましては、職員の勤務時間、休暇等に関する条例に基づきまして、職員が親族の死亡により休暇を願い出たときに与えることができる旨の規定がございます。忌引休暇の日数につきましては、死亡した者と本人との関係によりまして10日以内、10日から1日まで与えることができるというような規定になってございます。例えば配偶者でありますと10日以内、それから父母でありますと7日以内、おじ、おばでありますと1日というような形の規定になっております。職員が忌引休暇を受けようとする場合は、所属長へあらかじめ願い出を行い、承認を得るということになっておりまして、その願い出をあらかじめ行うことができない場合、それはいったん電話とか伝言とか、そういった形で連絡をとるということになっております。そして、事後速やかに、その理由を付して所属長にきちんと承認を受けなければならないという手続でございます。

 また、忌引休暇の承認を受けるときには、勤務しない理由をそういった形で明らかにする書面、例えば会葬御礼とか、忌引内容が確認できる書面の提出が求められているんですけれども、提出が著しく困難であるとか、また事由が明確であると所属長が特に認めた場合は、その限りでないということで、例えば父母などが亡くなったときに、所属の職員がそこに参列とか何かという事実が明白の場合については、特段そういう書面とか、その辺は必要ないというような、そういったような扱いになっております。

内田委員

 1月15日の朝刊では、毎日新聞に、うそつき休暇なんて書かれてしまって、大きい記事だったんですけれども、とにかくうそつきなのか、本人が非常に悪質なのか、場合によっては前回の常任委員会で、私の方はうつ病のことをいろいろ皆様にお伺いしましたけれども、体調不良とか、今回男性が多かったんですけれども、女性の先生の方が、とにかく体調が悪かったりすると、相談しにくい体制があるから、上の人になかなか言えなくて虚偽の申請をしてしまう。そういったことも私はちょっと考えられるんじゃないかと思うんですけれども、今回懲戒処分を受けた職員が虚偽の忌引休暇を申請した理由をまずお伺いしたいのと、あと、そういったうつ病じゃなくても体調不良とか、長年の間教職員をやっていて、やっぱりどこかで1回ぐらいはいろんなことがあると思うんですね。そういったメンタル的な部分だけでなく、体調的な部分もまた、非常に厳しい労働環境の中で、教師の皆さんは一生懸命頑張っていらっしゃると思いますので、そういうような考え方というんですか、教育委員会としては、その辺も網羅して考えていらっしゃるのかどうかということをお伺いしたいと思います。

行政課長

 今回懲戒処分を受けた職員が、なぜ虚偽の忌引休暇を申請したかという理由でございますけれども、県立学校事務長でございますが、調書では、欠勤時間を特段何に使ったというような話はなかったということですが、年休が足りなかったためと供述しております。自己の行為につきましては、自分の服務の管理ができておらず、またモラルが非常に不足していたというふうに書いておりまして、反省しておりました。私の方から見れば、非常にモチベーションあるいは規範意識が低下していたんじゃないかというふうに理解しております。

 それから、事務職の出先職員でございますが、この場合は7日間の不正の虚偽休暇をとったんですけれども、配偶者の病気介助ということで、ちょっと配偶者に目を離せなかったということで、年休がかさんで苦しくなってしまったということを聞いております。それに対して自己の行為として、公務員全体の信頼を損ねるような行為であり、申し訳なく思っているということを申しておりまして、私の方としては、是非そういった場面について、職場上司にきちんと相談していただければ、別の対応ができた事例ではないかなというふうに考えております。

 それからもう一点、県立学校の技能職員ですけれども、これにつきましても本人から聴取したところ、何のために虚偽で休暇をとったかというその理由を余り覚えてないということでしたけれども、年休が不足したためだという言い方なんですが、自己の行為としては、やはり自分に甘さがあったとか、校長を含め周りの職員に迷惑を掛けてしまったといったような形で反省しているということで、これについても規範意識が低下していたというふうに考えられる状況でございます。

 いろいろな事案があって、それぞれ本人の体調の状況でありますとか、配偶者の状況とか、いろいろな家族の状況、最近、子供さんの問題、それから親御さんの問題とか、いろいろ職員、自分自身の問題とか、いろんな問題があるかと思っております。ただ、そういった中で是非、特に教育局の出先職員であったような事例のような場合、きちんと本人の方がふだんから上司と相談した形で、それぞれ年休とか休みがとりやすい体制とか、相談しやすい体制とか、むしろそういう風通しのよい職場をつくっていく必要があるんじゃないかというふうに、認識しているところでございます。

内田委員

 ほかの県では、このような虚偽の忌引休暇の取得について同様に処分は行っていたんでしょうか。

行政課長

 他県の事例でございますけれども、平成1911月に京都府で、実は11名、虚偽の忌引休暇の取得により処分した事例もございます。一番重いのが停職ということで、虚偽の忌引休暇は17回、それからそのほか、看護休暇を32回とったということで停職6月と、それから虚偽の忌引休暇を2回から6回取得した職員につきまして、5名いるんですけれども、これについては減給の1月から6月までというような重さとなっております。それから、虚偽の忌引休暇を1回取得した職員については戒告と、あと忌引休暇の制度がちょっとはっきり理解できてなくて、範囲を間違えてしまって虚偽申請になってしまったという例について文書訓告というような事例もございます。

 それからあと、平成2110月に大阪市の建設局の出先職員が、やはり虚偽の忌引休暇を3日間取得したことにより停職というような形の処分を受けていまして、あるいは大阪の国税局の税務職員が、虚偽の忌引休暇を7日間取得というような形で減給処分と、主な事例では、そういった事例を承知しておるところでございます。

内田委員

 今回の不祥事、いろいろありますけれども、今後、服務規律の確保に向けて、県教育委員会としてはどのように取り組んでいくんでしょうか。確認いたします。

行政課長

 忌引休暇の取得につきましては、先ほど申し上げましたように、事実を書面で確認するということになってございますので、今回の事例を踏まえまして、会葬御礼とか、そういったものによる事実の事後確認につきまして、徹底を図っているところでございます。また今回、この事案のみならず、若手職員、それからまた今回学校の幹部職員である事務長の不祥事が、児童買春、虚偽休暇ということで続いたということで、全所属長に対して綱紀の保持チェックの通知を出したということ、それから昨年12月末に臨時の事務長会を開かせていただきまして、全事務長を集めまして、私の方からきちんと服務に関する研修といいますか、きちんとした話をさせていただきまして、不祥事防止の意識の徹底を図ったところでございます。またその際、事務長自ら各職員に対しても、事務職員、現業等に至るまで指導の徹底を図るようにという形で、指導をお願いしたところでございます。

 今後さらに、不祥事防止に向けましては、これまで以上に学校長等の管理職が中心になって、風通しの良い職場づくりに取り組むということ、それから粘り強く一人一人の職員に対しまして、不祥事防止の意識の徹底に向けた形で、取り組んでまいりたいというふうに考えております。

内田委員

 分かりました。とにかく重大な不祥事事件が後を絶たないというか、特に教育委員会としては、やはり生徒さんを指導する教職員の方や、事務長の方であっても、それはまとめている方ですから、とにかく不祥事が起こるたびに、非常に県民の信頼も失墜してしまいますので、教育現場としては、やはり職員一人一人が神奈川県職員等不祥事防止条例、この趣旨をちゃんと確認して、教育委員会の方にもしっかり皆さん、教職員の方に周知していただき、特に若手の男性の教職員の方は、やっぱりいろいろストレスもたまっているんだと思いますけれども、そのはけ口にそういった犯罪を起こしてしまってはどうにもならないので、そういったことはしっかり、大人としての責任を確認というか、ちゃんと分かっていただいて、性犯罪とかそういうのはないように、しっかりしていただきたい。

 また、忌引休暇の取得についても、風通しの良い職場というのが一番求められると思いますので、その点もしっかり対応していただきたいと思います。

 もう一つは、予算案のことなんですけれども、教育委員会の予算編成について、平成22年度当初予算、総額は5,406億円ということでしたけれども、増減額を見てみると前年度の97.6%ということで、人件費が129億円の減、それから投資的経費のマイナス6億円ということで、計131億円のマイナスということで抑えられましたけれども、はじめに教育委員会における当初予算編成の基本的な考え方について、お伺いいたします。

教育財務課長

 教育委員会における当初予算編成の基本的な考え方でございますが、県の財政状況は非常に厳しいと、こういう中でございますけれども、やはり教育委員会としては子供の教育の充実に必要なものについては、しっかりと予算を投下していかなければいけないと考えておりまして、そこで大胆な選択と集中を旨にいろんな事業の見直し、あるいは節減を図った上で、例えば県立高校の生徒の安全のために耐震補強を行うなど、そうした安全な教育環境の整備ですとか、不登校、いじめ、暴力行為への対応など、冒頭、局長の方から重要な取組、五つの柱の御説明を申し上げました。あと、特別支援教育の推進、あるいは奨学金の充実、さらに高校改革の推進、こうしたものに重点を置いた予算編成に心掛けたつもりでございます。

内田委員

 昨今、非常に厳しい県の財政状況を皆さんも御存じだと思いますが、学校教育等の充実を図るために、大胆な選択と集中、これは教育現場では本当は影響を受けたくないんですけれども、やはりいろいろと事業を見直していかなくてはならないということになりましたが、人件費が大幅減になったのは、いろんな教職員の給与カットとか、そういう制度改定が主だったと思いますけれども、具体的に教育委員会としては、大胆な選択と集中の中の事業の見直しは、どのように具体的に行ったんでしょうか。

教育財務課長

 見直しといたしましては、委員より御指摘のあった人件費の部分というのが、やはり予算枠でいきますと大幅な見直しをしたところでございます。これにつきまして、教員の数につきましては、生徒数の増などによって定数増は図ったところでございますけれども、予算面でいえば給与改定での減、これは通常の給与もありますし、期末勤勉手当の減などもございます。また、新陳代謝の効果などもございまして、130億円程度の減を図ったというような点はございます。そのほかに、例えば教育番組の制作を休止する、これは小学校、中学校向けにいろいろ教材をビデオのような形、最近ではDVDなどで作成をし、各校に提供してきたわけですけれども、大分ストックがたまってきたということもございまして、新規の制作について来年度は休止をしようと。

 あるいは、学力の把握ということで、小中でいえば、国の方で学習状況調査、これがしっ皆調査から抽出調査になったということはございますけれども、県でもこれまでやっているわけですが、重複を避ける、例えば国の方では小学校と中学校で算数、数学というような形でやっているわけですけれども、県でも重複している部分は避ける。例えば、その上で隔年実施する、こうした取組で学力の把握ができると想定しておりまして、そうした見直しもしているところです。こういったものによって、財源を見いだして、先ほどちょっとお話ししたようなものに投下する、こうした工夫をしてきたつもりでございます。

内田委員

 そういった問題については、後でちょっと細かく補足して聞いていきたいと思います。とりたてて質問したいのは、今回の教育委員会の平成22年度の当初予算編成の特徴、これを教えていただきたい。

教育財務課長

 特徴といいますと、まず一つは、ちょっと繰り返しでございますけれども、事業を見直した上で、先ほどお話しした、例えば県立高校の耐震化ですとか、不登校、いじめ、そういったものに力を注ぐ予算編成を行ったこと、これが一番大きな特徴ではないかと思います。さらにもう一つ挙げるとすれば、やはり県の財政が厳しい中、これはかながわ教育ビジョンの中でも、人づくりに当たっては、地域の方々が様々な方々と連携、協働して人づくりを進めましょうというような取組を進めているところでございますので、そこで例えば特別な予算を講じなくても、いろんな工夫ができるという取組も新たに進めようとしているところです。

 例えば、先ほど少し資料の中で説明もありましたが、大学と連携して、学校の非公式サイトについて調べて調査分析を行う。これは、文教大学と連携してということですけれども、学校非公式サイトの調査分析を行って、児童・生徒の問題行動の未然防止を図る。あるいは、スポーツかがやきキャンペーン、これはJリーグ、プロ野球の県内プロ球団と連携して、地域振興、それからお客さんを集める。さらにはスポーツ振興を図る、こういったような取組など、こうした連携、共同によって事業を充実する取組も新たに開始する、こういったところが一つ大きな特徴かなと考えているところでございます。

 

内田委員

 連携、協力することによって、かかる予算が少し減りつつも、そういうアイデアによって学校、教育現場が良くなればと私は思います。もう一つその中で、先ほど浮上したのは、人件費と教職員の定数なんですよね。いろいろ懸案事項があるとは思いますけれども、今回はやはり人件費というのはすごい高いですよね。95%を占めているということで、職員定数条例改正案において、全体として555人の増員とはなっておりますけれども、このことについて、定数と人件費について何点かお伺いします。

 教育委員会も当初予算案では、人件費が5,127億円で、全体の教育委員会予算の大半を占めていますけれども、平成21年当初予算との比較では、先ほども申し上げましたけれども、29億円の減となっていますが、増減の主な内訳と、今後の見込みについてもちょっと、どのように考えているのかをお伺いしたい。

教職員課長

 まず、人件費の増減の主な内訳でございますけれども、増要素といたしましては、委員のお話にございましたように、定数増がございますので、その関係で約40億円の増を見込んでございます。また、ほかに昇給分、これも49億円ほど見込んでいるところでございます。そのほか、増要素の全体で合わせますと、162億円の増というふうに見込んでいるところでございます。また一方、減要素といたしましては、期末勤勉手当の引下げ、あるいは義務教育等教員特別手当の見直し、こういった給与改定を実施いたしまして、合計で111億円の減を図ってございます。また、そのほかの定年ですとか、あるいは勧奨、こういった形で退職をする職員がございます。またそれと、新規採用によりまして、職員構成が変化をいたします。いわゆる新陳代謝ということでございますけれども、それによりまして、約122億円の減を見込んでおりまして、全体としましては、減は約291億円というふうに見込んでいるところでございます。これらの増と減の差し引きで、約129億円の減というふうに見込んでいるところでございます。

 また、委員のお話がございました、今後の人件費の見込みでございますけれども、これは、職員の数が今後どうなるかということにも、影響が出てくるわけでございますけれども、今後、しばらくの間は児童・生徒数の増が全体としては見込まれてございますので、それに見合う人件費の増も当然、見込まれるというところでございますけれども、ただいま申し上げましたように、退職する職員と、それから新規採用、これの新陳代謝の効果が大きくございますので、今後、人件費については抑制基調で進んでいくというふうに見込んでいるところでございます。

内田委員

 やはり、普通の学校の教職員の方も増やさなくてはいけないと思います。特に支援学校の件ですけれども、やはりこれからも増やしていかないといけないということはないんでしょうか。

教職員課長

 例えば小学校で申し上げますと、児童・生徒総数としては、今年度がピークということで、来年度以降、来年は若干の減ということで、その後、児童・生徒数としては2,000人から5,000人のオーダーで、毎年、減少していくだろうというふうに見込んでございますけれども、今、お話がございましたように、特別支援学級の対象の児童・生徒数、これが引き続き増えるというふうに見込んでございます。また、特別支援学校の方にも、これまでどおり引き続き児童・生徒が多く入ってくる、こんな状況が見込まれてございますので、特別支援学校の教員数としては、全体としては引き続き増傾向で推移をしていくというふうに見込んでいるところでございます。

内田委員

 一応、確認させていただきました。

 それと、今回、退職者の方が多く、新卒採用とか教員採用試験の方の人数を抑えた形で、人件費も少し肉付けすることができたらとは思うんですけれども、前ちょっと新聞を拝見したら、東京都などでは、現職教員の確保をするのに、ちょっと確保の問題になってしまうんですけれども、ほかの県で試験をしたりとか、そういった試みがなされているということを、記事で読ませていただいたんですけれども、神奈川県としては、そういったことはまだ考えたりとかはしていないんでしょうか。それとあと政令市も多いですから、そうするとやりにくいのかなというのが考えられますけれども、教員採用試験の会場という、ちょっと今、イレギュラーな形の質問になりますけれども、他県での教員採用試験についてどのようにお考えでしょうか。

教職員人材担当課長

 今、都市圏におきましては、教員の大量退職によりまして、採用数を増やしてきているという状況でございます。そういった中で、各県の取組でございますけども、東京都をはじめ、近県ですと千葉、埼玉県も東北会場、あるいは九州の方での地方会場によりまして、採用試験を実施しているという状況でございます。本県としてどうかということでございますけれども、神奈川県の場合も、教員採用試験における倍率は低下してきておりまして、特に小学校の方につきましては、年々低下傾向にございまして、本年度試験では2.4倍まで落ちてきているという状況にございます。ただ、神奈川県の場合は、地方から受験していただいている方々がかなり多うございまして、合格者の割合でいきますと、50%ちょっと超えるぐらい、半分を超える合格者の方々は、地方からの受験者というふうになっておりますので、今の段階で神奈川としまして、地方で積極的に打ち出していくのかという部分につきましては、予算を伴うこともございますし、また人員の体制も試験をやる場合には、1,000名を超えるような体制でやっているというようなところもございまして、今の段階では、地方会場での試験ということは考えておりませんが、今後につきましては、厳しい状況を踏まえて、状況によりまして検討してまいりたいというふうに考えております。

内田委員

 それは、ほかの近くの県などとの連携という形も考えられると思うんですけれども、今、県においては、教職員の人件費が非常に大きいということで、これはちょっと行財政の問題になってしまうのかもしれませんけれども、教育委員会としては、政令市の職員の給与とか、その辺と県の在り方と今の現状では、どのように考え、将来どのような形を目指しているのかというのを、ちょっと難しい質問だと思いますけれども、まず考えをお伺いしたいと思います。

教職員課長

 人件費に絡む政令市との関係でございますけれども、政令市の教職員につきましては、政令市自身が人事権を持っておりまして、ただいま教職員人材担当課長がお話ししたような形で、採用の権限も持っているということでございます。ただ、学級編制の基準ですとか、それから給与の負担、これにつきましては、県費負担教職員につきましては、すべて県が負担をしている、県が持っていると。こういうことでございまして、いわゆる県費負担教職員におけるねじれ現象と、こういうふうに申し上げておりますけれども、そういった問題がございます。この問題については、早急にねじれを解消してほしいということで、これまでも国の方に要望をさせていただきましたけれども、なかなか進まないという状況がございますので、例えば政令指定都市を抱える都道府県、あるいは県内にも政令市はございますので、県内との共同でというような形で、今、いろいろ検討をしておりまして、連名というような形で引き続きしっかり要望してまいりたいというふうに考えてございます。

内田委員

 県の財政も非常に危機的状況でありまして、義務的経費が大きく占めている、こういった教職員の人件費については、今後も現場との定数の兼ね合いもありますけれども、しっかり見つめ直して、国に要望しても、なかなかそれは難しいと思いますが、やはり働き掛けるということも重要だと思います。

 これ以上によく考えていかなければならないのが、教職員の定数とか人件費とか、そういった問題は多分大きいと思いますが、ただ削ればいいという問題でもないですし、やはり将来の教育ビジョンというものをしっかり見据えて、その辺を特に良くして、活動していただきたいと思います。

 それからもう一つ大きな懸案事項なんですけれども、これからパーセンテージは変わってくると思いますが、県立高校生の就職内定状況なんですけれども、この間、12月ですか、県内の県立高校の就職希望している方の就職内定率が67%ということで、これは日本全国の平均と比べると、5ポイントぐらい低くて、やはり首都圏の顕著な例だと思うんですけれども、やはり昨今の経済状況、これが非常に悪化しているという中で、やはり高校生の就職が、非常に厳しい、そういうふうに私も見ております。県立高校生の問題だけではないんですけれども、文教常任委員会としてしっかりその辺も検討して、今後も考えていかなくてはならないと思いますので、何点か質問させていただきます。

 まず、現時点での県立高校生の就職の内定状況を確認させていただきたいと思います。

高校教育課長

 昨今、新聞に報道されましたものは、県立高校、市立高校及び私立高校のトータルでございます。私ども県立高校に対しては、独自に1月末の時点でも調査をしているところでございます。12月末ですと、県立高校だけに限りますと、就職内定率が68.6%でございました。1月末、1月後でございますけども、全日制で就職希望者数が1月末現在で3,559名おります。1月末現在の全日制の県立高校の就職内定者数は、2,787名ということになっておりまして、全日制で申し上げますと78.3%の内定率となっております。一方、定時制でございますが、1月末現在の就職希望者数は410名でございます。うち、1月末現在の就職内定者数が、定時制は129名、率で申し上げますと31.5%でございます。全日制と定時制を合わせたものが73.5%の内定率ということでございます。

 また、学科別に全日制について見てみますと、1月末現在で、普通科の生徒の内定率が71.9%でございます。専門学科、農業、工業、商業等におきましては85.7%、総合学科が72.7%という状況でございます。普通科の就職の状況がいま一つ思わしくないということがございますので、2月末の集計も今これから行うところでございますけれども、各学校で今、取り組んでいるという状況でございます。

内田委員

 定時制と全日制の県立高校の内定状況は73.5%ということだったと思います。しかしながら、やはり就職を希望しつつも、内定していない生徒は、約3割ということですけれども、今その生徒の状況というものはどうなっているんでしょうか。

高校教育課長

 1月末現在の未内定者、全定合わせまして1,053名おるんですけれども、そのうちの主なものとして41.2%、約430名の生徒がいるんですけれども、就職試験は受けたんですけれども、不合格となってしまったと。その後の就職を探している状況でございます。また現在、就職試験を受けて、1月末現在でその結果を待っている生徒、これが約11.5%で121名となっております。あと、意外と多いのが、これは139名ほどおるんですけれども、約13.2%なんですが、公務員志望。経済不況があるんでしょうけれども、例えば警察官、消防士等になりたいと言って、受けたんですけれども、今年は残念ながら不合格と。来年度を目指して、今、勉強中の方とか、あるいは自己開拓、いわゆる自分でいろんな縁故関係と申しましょうか、御家庭の方での関係の自己開拓など、御家庭が自営業であるという方、こういう方がその程度いるということでございます。状況としてはそういうことでございますけれども、試験を受けたけれども不合格となってしまった方が、今後どのように推移していくかということ、今後の内定率の上昇には、これにかかっているんではないかというふうに考えております。

内田委員

 難しい中で、先ほども報告事項にありましたけれども、経済団体とかへの雇用要請、それから合同就職面接会、こういったものも知事の緊急アピールの中に入っていたと思うんですけれども、ただ、それを拝見すると、しっかりやっているのかなと一見思いますが、やはり聞いたところによると、その後どうなったかというのがはっきりしてないようなので、例えば就職先が決まったとか、そういうのは追い掛けてないようなので、これからはもっと実効的な取組が私は必要だと思うんですけれども、今後はどのような取組を一体行っていこうと考えているのか、お伺いしたいと思います。

高校教育課長

 教育委員会といたしましては、先ほど申し上げたとおり、月ごとに内定率を細かく調べておりますので、現在2月末、今日は3月1日でございますので、まだ集計が終わってなくて申し訳ないんですけれども、それを分析しつつ、各学校がまたどのような対応をしているかということを含めまして、しっかりと把握していきたいと思っております。

 また、先週の金曜日、2月26日に緊急若年者就職支援対策の実施ということで、知事の緊急アピールもございました。商工労働部と連携をしっかりとりまして、まだ就職が決まっていない方への様々な施策に対して、教育委員会として協力していくということを今、考えているところでございます。直近では、合同就職面接会というのが3月、具体的に言いますと、横浜会場で3月4日、川崎会場で3月23日にございますけれども、新規高校卒業予定者を含む、30歳までの若年者の方、これは面接でございますので、その場で面接をして、早ければその場で採用が決定すると、内定すると、こういうことでございます。こちらへの参加を今、全学校の方に周知をして、具体的に就職が特に決まってない方について、こういうものに参加させるようしっかりとした指導を行うように、学校の方には御連絡をしているところでございます。

 また、商工労働部の方で、藤沢高等職業技術校において、職業訓練とキャリアコンサルティングということで、第二種電気工事士受験対策講座を20名、4月中旬から25日程度開くと。また、IT基礎講座も同じく同時期に18名受け入れるということで、こちらの方も周知しているところでございます。

 また、県の緊急雇用創出事業によりまして、県が直接実施する事業で、30名ほど雇用をすることも併せまして、学校の方に周知徹底を26日に図ったところでございます。今後、文書だけ出して徹底したとは考えておりませんので、あらゆる機会を通じまして、学校の方とも連携をとって、1人でも多くの方がこういうもの、これは全部、4月以降の事業でございますので、残念ながら未内定者ということになると思うんですけれども、未内定者が出た場合にはこういうこともあるということで、商工労働部と連携をとって、またハローワークとも連携をとって、やっていきたいと考えているところでございます。

内田委員

 いろんな価値観があると思うんですが、やはり就職を希望していて、受けてもなかなか合格しない生徒さんとか、結局、残念ながら受けても合格しなくて、就職が結局決まらなくて、そのまま卒業してしまう生徒さんも中には結構いらっしゃると思うんですね。このような経済状況の中、今はいろんな人材が求められると思いますけれども、結局、就職先が決まらないまま卒業した後に、学校としては何か取組は行っていくのかということをお伺いいたします。

高校教育課長

 3月一杯まで県立高校生なんですけれども、卒業式が上旬の方にほとんどありますので、卒業式が終わりますと、大体卒業したというふうになってしまうんですけれども、卒業後の相談体制をしっかり敷くということで、卒業の際に、例えば労働に関する相談窓口が、若者就職支援センター等もございますので、そういうものの説明、また就職あるいは就職に関する悩み、不安について、卒業後も母校に相談できる窓口があること、これを周知徹底します。具体的に申しますと、卒業生全員に対して、そのことを記載したリーフレットをお配りしております。また、ハローワークにジョブサポーターという方がいらっしゃるんですけれども、こういう方々が各学校における未内定者を対象とした個別相談会、これをハローワークと連携して、各学校で実施をするということでございます。これは、3月中にございます。また、保護者の方に対して、最後まであきらめないで就職活動を継続するように、御家庭でも指導継続をしていただきたいということで、今回の様々な対策と併せて、未内定者については学校の方から保護者の方にも、こういう様々な施策があるということも含めて周知をするために文書をお配りするということでございます。様々な機会を通じて、就職が決まらないまま卒業した方についても、学校として、母校として、できる限り関与していきたいというふうに考えているところでございます。

内田委員

 知事の緊急アピールが、2月26日にたしか出たと思うんですけれども、先ほどの御報告によりますと、横浜会場と川崎会場と、横浜会場は3月4日だったと思いますけれども、そういったことを過去にもやっていらっしゃると思いますが、実際問題、高校生から30歳までですよね、今回。どのくらい来そうなのかとか、見込みとか、今までやってみて高校生が実際に就職に結び付いたのかどうなのかということ、ここが重要なんですけれども、その辺は一体どうなっているんでしょうか。

高校教育課長

 詳しい追跡はしておりませんけれども、横浜の方で2月15日に合同の就職説明会がございまして、それについては説明会でございますので、直接その場で面接をして採用に結び付けるということではございませんが、県立高校生が2月15日に121名参加したと聞いておりますので、どこの学校の生徒が何人ぐらいそれに参加したかというデータを持っていますけれども、その後の動向につきましては、ちょっとまだ恐らく就職活動をやっている最中だと思いますので、最終的なものはちょっとつかめていません。ただ、今回の3月4日と23日に行われるものは面接でございますので、すぐその場で結果がある程度出るということで、こちらの方につきましては、もっとしっかりしたものを把握していきたいというふうに考えているところでございます。

内田委員

 やはり、就職ですから、若干名という企業も多いと思いますし、なかなか一生を左右すると思いますので、高校生自身もいろいろ理想もあると思うので、そのマッチングがなかなか一筋縄ではいかないだろうというのは、私も分かってはいるんですけれども、是非追跡というか、どのくらい、1人でも2人でも3人でもやはり就職先が決まった方がいいわけですから、その辺のことをもしかしたらまた今度、お伺いするかもしれませんけれども、ともかく雇用の問題は国の問題でもありますし、県でも独自でいろいろ商工労働部と強く連携して、ハローワークにしても、今後一層、実効性のある取組を進められると思うんですけれども、しかしながら、昨日たまたまハローワークの特集番組みたいなのをやっていたので、1時間ぐらい見ていたんですね。そうしたら、やっぱり、なかなか行政の縦割りによって、全部のハローワークに施策が行き渡らなかったり、チラシをお配りしようと言ったのに、それがちゃんと周知されていなかったり、意外とそれぞれのハローワークの中の問題というか、積極的に動こうとする人材にもよるのかななんて、私は思ったんですけれども、やはり県の教育委員会としては、神奈川県の若者たちが将来、雇用でつまずいて、最初のスタートですし、大きくつまずいてしまうと、その状況を立て直していくのは、すぐ立て直しができるお子さんも、中にはたくさんいらっしゃると思いますけれども、やはりなかなかうまくいかなかったり、本人の希望どおりでなくて、例えば就職してもすぐ辞めてしまったりとか、フリーターの道を選ぶことになってしまって、それを望んでいる生徒さんはいいと思うんですけれども、やはり今後のことを考えると、将来を案じてしまいますので、雇用の問題というのは、全世代に言えると思うんですけれども、とにかく就職を希望している高校生の方に、将来、我々を支えてくれる皆さんでありますから、是非教育委員会としても、商工労働部とより、今まで以上に連携をとっていただいて、県独自で積極的に策を講じていくぐらいの気概を是非見せていただきたいと、強く求めたいと思います。

 先日、本会議におきまして、我が党の竹内英明議員が、公立高校の授業料無償化や、また奨学金についていろいろ質問しておりましたけれども、私の方もちょっと、これは重要なことなので、今回まとめて質問させていただきたいと思います。

 まずはじめに、これは皆さんも御存じだと思いますけれども、公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金支給に関する法律案というのを、先に手元に頂いておりますけれども、この概要を確認させていただきたいと思います。

教育財務課長

 法律案の概要でございますが、まず、公立高校に通う生徒については、原則として授業料を不徴収とすると。地方公共団体に対して、授業料収入相当額を国が負担するということが一つございます。一方、私立の高校に通う生徒さんに対しては、国が高等学校等就学支援金として年額118,800円、低所得者世帯については、収入に応じて最大2倍まで助成する。これは実際、学校設置者が代理受領するというスキームのようですけれども、こうしたことによって家庭の教育費の負担を軽減すると、これがこの法案の概要でございます。

内田委員

 公立高校については、原則として授業料が不徴収となりますけれども、一部の生徒について徴収の対象になるということで、一応、確認してありまして、留年の生徒さんとか、いろいろそういう生徒さんについて、ほかの県ではこれは困ると、自治体の負担になるんじゃないかと、いろいろ意見が錯そうしたとは思うんですけれども、我が県としては、授業料の不徴収ですが、一部の生徒さんというのは、留年者のことに当たるんだと思いますけれども、一応この辺のことをお伺いしたいと思います。

教育財務課長

 徴収対象が、2種類ございまして、一つは法律が対象とする高等学校については、専攻科は除くというような規定がございます。専攻科、本県でいえば、海洋科学高校に専攻科が一つあるだけなんですけれども、なぜ法律案から除くかといいますと、文科省としては、この専攻科は高校を卒業してから入るものなので、やはり高校の教育課程とは異なるということで、法律の対象外にしているという説明がございました。これが一つです。

 もう一つ、これは法律案に規定されている内容でございますが、生徒間の負担の公平の観点から、相当でないと認められる特別の事由については、その限りでないという規定がございまして、特別な事由については徴収できることになるわけですが、これが何を示すかということでございますけれども、国によりますと、特別な事由としては、委員からもちょっとお話がございましたけれども、留年によって修業年限、修業年限というのは全日制が3年、定時制、通信制課程が4年でございますけれども、留年によって修業年限を超えて在学する生徒、あるいはやはり1度高校を卒業して、もう1回、別の課程の高校に入学するような生徒、こういった者については、特別の事由として想定して検討をしていると。法律が成立した段階で、都道府県にはそこを示すというようなお話を聞いてございます。

内田委員

 結局、留年してしまった生徒さん、これは病気とか不登校とかの方も実は多いんだと思うんですね。考え方によっては、そういう人こそ支援していきたい、そういう声も上がってはいると思うんですけれども、今回、こういったことも議論をあんまりする時間もなく、そういうふうに決められてしまったからというのもあると思いますけれども、神奈川県としては、その辺の問題意識というものはなかったのかということと、今後どうしていくのか、その辺の考え方をちょっといま一度確認させていただきたいと思います。

教育財務課長

 これはまだ、国で検討中の段階ではございますけれども、例えば病気などによって1年間休学すると。これで履修年限を超えて在学する生徒という可能性も当然あるわけですけれども、休学については、それは3年間のカウントから外しましょうというようなことを今、文科省では検討しているというようなことです。例えば、学業不振などによって3年間で卒業できないような生徒、履修年限を超えるような生徒については、国では負担の公平性の観点から、徴収できる者という方向で検討しているというようなお話は頂いているところです。

 本県といたしましては、まだ国の方で検討中の段階ではあるわけですけれども、負担の公平性の観点から特別な事由として示されるものであれば、それにのっとって、これが国のスキームでございますので、それを示された後、考えていくことではございますけれども、それに沿って対応することを考えてございます。

内田委員

 この問題は、いろんな角度からまだ考えていく余地があるとは思われるんですけれども、ちょっと確認したいんですけれども、県立高校の神奈川県の授業料減免制度と、授業料無償化の関係というのは整理がきっちりついているんでしょうか。ちょっと分からないので、お伺いしたいと思います。

教育財務課長

 まず、やっぱり二つの側面があると思うんですけれども、一つは今、本県、ほかの都道府県もそうですけれども、所得の少ない方、例えば生活保護の方ですとか、生活保護に準ずるような所得の少ない方につきましては、授業料の免除をしてございます。そうした方々が今度、法律が成立するとどうなるかというと、まず公立高校については、原則として、先ほどお話ししたように徴収しないということですので、そういう面では、そういった方も授業料を取らない、そういう面で減免する必要はなくなります。そういったものが一つございます。

 それともう一つ、今、私ども課題として認識しているのは、財源の問題でございます。国では、先ほどいろいろ収入相当額を負担するということでございますけれども、都道府県がそれぞれ減免を実施しているわけですけれども、その分を控除する、差し引いて、国は負担する方向で検討しているというようなお話も伺っております。そこで、これは国が本来、全国一律の制度として計画、実施しようというものでございますので、本来、全額国庫で負担すべきものと考えていまして、本県から全国教育長協議会に働き掛けて、これは全国の問題でもございますので、全国教育長協議会を通して、12月また1月に全額を国庫で負担すべきということの強い主張をしたところでございます。

内田委員

 とにかく法律案が今まだ、そういった意味では審議中ですよね。本定例会の授業料徴収条例というのが、我が県としては改正を提案したと思いますけれども、その理由というのはどこにあるんでしょうか。確認させていただきたいと思います。

教育財務課長

 今回の定例会に提案させていただいた理由でございますけれども、法律の施行、これはこの4月が予定されているわけですけれども、法律が施行されますと、まず基本的に公立高校についてはまず授業料が不徴収になります。その後、仮にその後の議会で、来年度の議会、第2回定例会で条例改正を行った場合に、先ほど特別な事由については、まだ国が具体案を示していませんけれども、徴収できるという規定がある、そういった動きがあるわけですけれども、来年度になって条例改正をして、特別な事由について徴収する場合、例えば6月、7月のときに提案議決をいただく場合に、いわゆる不利益不遡及の原則がございまして、4月から特別な事由に当たる方から徴収することはできません。そうすると、4月、5月、6月、議決の間まで、間が抜かれてしまう。これについては、円滑な実施の上で支障があるのではないかと考えまして、そこでこの定例会に条例改正を提案させていただいたところでございます。

内田委員

 結局4月、5月の授業料が徴収、短いスパンですけども、やっぱりいろんなもののお金の関係がうまくいかなくなるから、ちょっと前倒ししたのかななんて思ってしまったんですけど、逆に言うと、まだいろいろ話し合っている中で、特別な事由の者からとなっていますけれども、留年者の方もそういうふうに、今もう既に1年ぐらい遅れている人とか、いろいろ不満が噴出するんじゃないかななんて思いまして、あと、不登校の生徒が結構多いですね。そういった方も本当は、県としてもうちょっと支えていかなければならないんじゃないかなという状況の中、ほかの県はどうしているんでしょうか。神奈川県が先進的な例かもしれないと私は思っているんですけれども、その辺のところをお伺いしたいと思います。

教育財務課長

 これは、実は先週、埼玉県が全国に調べた状況を頂きまして、それでお答えさせていただきますと、各県によって呼び方は違うかもしれませんけれども、本県でいう第1回定例会に当たる議会、今、開かれている議会に既に提案している県というのが、16府県あるということでございます。これは、埼玉県の先週の調べでございますけれども、この中でまず10県につきましては、本県と同様の条例改正の内容、原則不徴収とする。ただし、法律が規定する特別な事由については別途徴収する、そういうようなスキームで提案されているというふうに聞いております。2府県につきましては全額無償と。あと四つにつきましては、2段階方式というんでしょうか、今回は猶予する、来年度の議会でもう1回、全面改正をすると、そういった予定をされていると。今、冒頭、16府県というのをお話しいたしましたけれども、それ以外の都道府県につきましては、検討中というようなことでございます。

内田委員

 その辺のところが、さっさと決めてしまっていいんだったんだろうか。猶予は2段階方式の方がよかったんじゃないかとか、私、個人的にはまだまだ考えていかなくては、議論がとにかく尽くされてないまま、法が施行されてしまうということも問題なんですけれども、やっぱりあんまり急ぎ過ぎて、条例改正をしてしまうと、その後また改正するのは大変ですから、ちょっとその辺どうなのかなという思いを持っております。

 あと、ちょっと聞いておきたいのは、今現在、授業料を滞納している人、少ないとは思いますけれども、今度、授業料が無償化になりますよね。ちゃんと回収できているのかなというところが分からないんですけれども、その辺のところも確認させてください。

教育財務課長

 授業料が未納となっている方、これは率でいうと0.6%いらっしゃるわけですけれども、この方々につきましては、例えば今、一番大きな課題だったのは、卒業してしまった方、要は今、在籍されている方というのは、例えば事務室の方でクラス担任と一緒になって、いろいろお話をしながら、納入に努めているわけですけれども、学校から離れてしまうと、なかなか難しい。これに対しまして、平成20年度から導入し、今は政策部と連携して、簡易裁判所による支払督促制度というものも導入させていただいたところです。これによって、督促効果というものも生じてまいりましたので、こうした取組によって、未納は減らしていくという取組をこれからも続けてまいりたいと考えております。

内田委員

 0.6%が何人というのはいいんですけれども、やっぱり無償化に4月からなってしまうと、払ってくれなくなるんではないかとか、いろいろ、これは神奈川県では少ない方なのかもしれないですけれども、全国的に見ると、滞納者って結構いるらしいんですね。ここにも資料ありますけれども、大体、全国だと公立が8,200人、私立も書いてあって9,000人ぐらいが滞納しているらしいんですね。これは県だけじゃないですから、全国ですけれども、1万7,000人ぐらいが授業料を滞納しているわけですね。やっぱり経済状況が悪いですから、滞納していたのはしようがないと思うんですけれども、やはり無償化ということになってくると、払おうと思っていても、いいかなと、こういう考えもなきにしもあらずなので、払ってくれなくなってしまうんではないかということが危ぐされるし、まず、卒業してしまった方は余計、今、無償化になっているんですからという甘い考えも出てくるとは思いますが、本当は4月に施行されるんだったら、今までの半年の間に回収できるものはほとんど回収しておいた方が、本当はよかったんじゃないかと思いますけれども、その辺もちょっときっちり最終的に回収できるように頑張っていただきたいと思います。

 それともう一つは、ちょっと難しいかもしれないんですが、例えば、最初、県立高校で生徒さんの受皿をつくってあげて、できるだけ県立高校が教育格差をなくすために、頑張っていただくことになると思うんですけれども、新しい私立の学校との格差というか、新しい概念がこれから生まれてくるんじゃないかと思いますけれども、私学とう汰の時代が始まったのかなとも思いますけれども、私学が無償じゃなくて有償な価値、独自のアイデンティティーがないと、私学経営が成り立っていかないと思うんだけれども、県教育委員会としては、その辺の授業料無償化と私学経営というのかな、私学との関連、関係、今現時点でどのように考えて、将来、ちょっと大ざっぱですけれども、どんなふうに考えているのかということ、教えていただきたいと思います。

教育財務課長

 授業料無償化の観点から少しお話しさせていただきますと、もともと本県では、公立、私立、切さたく磨しながら公教育を担っていくということできたわけですけれども、今回の授業料無償化の関係で言えば、公立高校は無償、授業料は取らない。一方で私立については、118,800円で、所得の低い方には最大2倍まで助成するという国のスキームがございます。さらに、県民部の方で所管しているわけですけれども、低所得者については、より措置をして、例えば生活保護の世帯の方は、実質的に授業料が全部無償になるような取組をしているというようなことも聞いてございます。こうした取組によって、そういう面で今、確かに公立と私立、授業料の格差というのがあるわけですけれども、所得の低い方にとってみれば、そういう面の格差も狭まっていく、県全体の取組でそういうものもあるのかなと考えております。いずれにしても、家計の経済負担、教育費の負担について、この新しい無償化の制度は、経費の節減につながるもの、これはもともと国としては高等教育の機会均等に資するものというようなことで、提案されているようですので、家計の教育費の負担軽減がそういったものに、高校教育の機会均等、普及につながるものと考えてございます。

内田委員

 なかなか私学の問題と、授業料、今回の無償化の話は、いきなりですものね。そのように何か、様々な本当は議論を尽くして、教育ビジョンが最初にあって、こういうのを考えていくべきだったんだと思いますけど、とにかくこれが4月から施行されるとなると、いろんなことがばたばたという感じで、しかも留年者の扱いにしても、県によって不公平だなと思うんですよね、はっきり言って。だから、まだまだ見ていかなくてはならない。今後、変えなくてはいけないかもしれないし、だから、急ぎ過ぎて条例改正するのは、本当にどうなのかなと思うところなんですけれども、そういったことで、公立高校の授業料無償化については、一番大切なのが全額国庫で支出するように国に働き掛けていくと、これはみんな言っていますけれども、県の財政も厳しいので、とにかくその辺のところを強く要望していただきたいと思います。

 続きまして、同じ関連なんですけれども、神奈川県の奨学金について、これも無償化と関係ありますが、予算額は193,6848,000円ということでしたけれども、奨学金については多くの取組を今までも行っていて、中学3年生に対しては、今年度から高等学校教育の予約受付を実施したということを伺いました。申込状況については、本会議で1,000件近くと伺いましたけれども、本年度の追加募集の状況についてお伺いしたいと思います。

高校教育課長

 まず、中学校3年生に対する予約希望の状況についてでございますけれども、平成2111月から始めまして、この2月末まで受け付けております。2月26日現在で1,035件の申込みがございました。申込みがあったものにつきましては、順次、審査をして、採用通知を出しておりますが、2月末に提出の者についても、近日中に、3月中旬ころまでにはすべての審査を終了して、採用決定をしていきたいと考えております。また、お尋ねがございました追加募集でございますが、国からの交付金、高等学校授業料減免事業等支援臨時特例交付金、これを活用しまして、9月補正でお願いいたしまして、3億8,400万円を措置いたしました。この財源を利用いたしまして、昨年4月の定期採用で未採用となりました211名の方を、最優先で採用させていただきました。

 また、県の奨学金ではございますけれども、この国からの交付金の部分につきましては、成績要件について、二、三年生は前年度の全履修科目の評定平均3.0以上の者ということから、進級、卒業見込みのある者で、学校長が推薦する者に要件を緩和いたしました。去年の11月に追加募集して、4月にさかのぼって貸付けを実施いたしました。応募者は621名いらっしゃいまして、全員採用させていただきました。

内田委員

 奨学金も緩和されたことによって、いろいろと使いやすくなってきたのではないかと思います。予約の申込みや追加募集の状況を伺いますと、今後も奨学金に対しては非常に期待が高まってくる。どうしても奨学金を、足りないぞという御家庭も実は増えてくるんじゃないかと思っているんですけれども。次に、先ほど説明にございました、神奈川県奨学金基金についてお伺いします。高校生就学支援金は有効に活用されておりますけれども、今回の新設する基金の役割、今までとの違いとメリットについてお伺いしたいと思います。

高校教育課長

 まず、神奈川県高校生就学支援基金でございますが、これは昨年の10月に設置をいたしました。9月の定例会でお願いをした件でございますが、これが国からの交付金、先ほど申し上げました、高等学校授業料減免事業等支援臨時特例交付金、これを積み立てるものでございます。3年間で約25億円ほど神奈川県に交付金として来るというものでございますが、私立の授業料減免措置及び国公立、私立を含む奨学金事業に充てるための基金でございまして、平成21年度から23年度までの3年間の時限措置でございますので、平成23年度末にはこの基金は廃止となるということでございます。

 今回、本定例会にお願いを申し上げております神奈川県奨学金基金は、これは県単の基金でございまして、奨学金の返還金や寄附金などを積み立てまして、将来的に奨学金の財源を確保して、安定した奨学金事業を実施していくための基金でございます。奨学金の予算でございますが、平成14年度、今から8年ほど前でございますけれども、3億円でございました。しかし、今年度につきましては、約19億円ということで、6倍を超える額に増えております。貸付額を増額してまいりましたけれども、今後、増額してきた貸付金が返還に回ってくるということでございますので、10年後には返還調定額が10億円を超えると見込んでおります。今回の国からの交付金も、奨学金として貸し付けておりますので、これが返還されてもまた、その返還金を次の生徒の奨学金の貸付けに充てれば、国への返納はしなくてよいということになっておりますので、こちらも活用をしていきたいと考えております。

 また、寄附金につきましても、奨学金ということで基金を設けますと、寄附も受けやすくなるということでございます。将来的には、こういうものを積み立てることで、基金を取り崩して奨学金事業を安定して運用をしていきたいという考えでございます。この基金の設置がお認めいただければ、返還金が将来の奨学金に充てられるという、奨学金の制度を県民の皆様に一層理解していただくよう、努めていきたいと考えているところでございます。

内田委員

 この基金は時限措置ということで、ちゃんと使ってあげて、戻ってきたらそれを基金にのせてということで、やはり求められている多くの方には、ちゃんとサービスと言ったらあれですけれども、見せていただくことによって、県の方も奨学金の安定運用が将来的にかなってくると、そういったことだと思いますけれども、さて、奨学金の安定的運用のために、一番大事な基金、貸し出すのはいいんですけれども、やはりちゃんと返してもらわないと、基金の方にも回っていかないので、返還意識の向上というのが大切になると思いますけれども、そういった返還意識の向上に関しては、どのように対策を今の時点で考えているのかをお伺いいたします。

高校教育課長

 これまでも、募集の段階から生徒の方あるいは保護者の方に、学校を通じて、奨学金は貸付金がしっかりと将来返還されることによって成り立っているということを指導していただいております。この基金設置後は、これまでの指導に加えまして、さらに案内用のリーフレットや募集要領の中で、奨学金の制度や基金の仕組みについて説明をして、応募者の理解を深めていきたいと考えております。また、卒業時に配付します奨学生の手引き、奨学金を借りた方に全員お配りしますけれども、また、返還時に送付する、返還開始のお知らせや納入通知書などでも、基金の仕組みを重ねて周知していきたいと考えております。

 毎年3月に、公立、私立の学校の担当者に対する奨学金の説明会を実施しますが、この説明会でこの基金も絡めて、奨学金の制度について十分な理解をしていただくよう、重ねて御説明をする予定となっております。また、私立学校につきましては、県民部と連携しまして、私学協会等に直接出向いて、各学校を通じての周知を依頼しまして、返還意識の向上を図るようお願いをしていきたいと考えております。

内田委員

 本会議で竹内議員の質問のときに、答弁としては、奨学金の貸付月額の選択制を導入するという御答弁があったと思いますが、その目的と、それからなぜそれをした方がいいのかということを確認させていただきたいと思います。

高校教育課長

 御案内のとおり、高等学校奨学金は、高校を御卒業後に返還をお願いしているものでございまして、返還が開始となる方が、所得が高い方というのは、ほとんどいらっしゃらないわけで、家計に余裕がない方がかなりいらっしゃるということでございます。奨学金は、貸付期間の最大4倍の期間、3年間借りれば12年間かけて、無利子で返還していただくことになるわけですけども、特に私立学校の場合、3年間で貸した総額が144万でございますので、12年かけて返しても年間12万円、毎月払いでも月1万円の返還となっているところでございます。その方の収入状況によっては、かなりの御負担になるとお感じになっている方もいらっしゃるという事実もございます。神奈川県の奨学金は、日本育英会から平成17年度に移管された、育英会の単価が国公立で総額1万8,000円、私立で月額3万円に、県単部分を上乗せしまして2万円、4万円となっておりますけれども、今回、導入します選択制につきましては、奨学金を借りやすく、返しやすく、少しでもしていきたいというためのもので、貸付月額を、国公立、私立とも、日本育英会のときの単価、1万8,000円と3万円、あるいは現在の2万円、4万円、これを選択していただくことで、返還のときの御自分のことをお考えいただき、選択していただくというふうに考えております。もし、少額の貸付月額をより多くの方が選択していただければ、採用の人数も今までよりは増えるという利点もあるかと考えております。

 限られた予算を有効に活用して、より多くの生徒に対する貸付けが可能になればというふうに考えているところでございます。

内田委員

 今回、ここに書いてあるように、2種類ずつの貸付月額の選択制ということですが、今後、こういった貸付月額の選択幅を更に広げたりとか、金額をもうちょっと安くしたりとか、そういったことも検討しているのかお伺いします。

高校教育課長

 4月以降の選択の状況をまずしっかりと見極めた上で、生徒、保護者及び学校関係者から御意見をお伺いして、どういうニーズがあるかということを把握していきたいと考えております。選択幅を今後広げるかどうかということにつきましても、他県あるいは他の制度の状況等を十分に調査いたしまして、より良い制度にするために前向きに取り組んでいきたいと考えているところでございます。

内田委員

 授業料無償化になっても、教育費の負担は大きいですので、こういった奨学金の役割も是非、これからのお子さんのためにも、そして親御さんのためにも、借りやすくて返しやすい、そうした制度を目指して頑張っていただきたいと思います。

 もう一つは、現政権の事業仕分けによって、全国学力・学習状況調査、これはしっ皆調査から30%程度の抽出によって、全国学力・学習状況調査の全員対象の調査から、それだけ抽出した調査になったんですけれども、この件について幾つかお伺いしたいと思います。

 まず、平成22年度の全国学力・学習状況調査は、先ほど申し上げたように、全員対象のしっ皆調査から抽出調査に変わるということでしたら、その具体的な実施方法について、実際どのように変わるのか再確認させていただきたいと思います。

子ども教育支援課長

 全国学力・学習状況調査につきましては、これまで3年間は、お話のとおり全国の小学校6年生、中学校3年生の全員を対象としたしっ皆調査として実施されてまいりました。その結果、文部科学省では、全国あるいは各都道府県、市町村などの信頼性の高いデータが蓄積され、調査結果を踏まえた、検証、改善が進められたとしまして、平成22年度からは調査方法を、しっ皆調査から抽出調査へ切り替えることとしたところでございます。また、抽出調査の対象校から外れた学校であっても、設置者が希望すれば、国から同一の問題の提供を受け、調査できるように、希望利用方式も併せて行うこととなりました。

 まず、抽出調査でございますが、文部科学省は、全国で約30%程度の抽出率で学校単位に無作為の抽出を行い、抽出対象候補校を決定いたしました。抽出率や抽出される学校数につきましては、都道府県ごとに違いがございますが、都道府県別の比較が可能な、統計上信頼できるデータの精度を確保するという観点から、抽出する学校を設定したとのことでございます。

 一方、希望利用方式につきましては、希望する学校には同一の問題が提供されるものの、採点などについては、学校の設置者が自らの費用負担で行うこととなり、調査結果も学校の設置者が管理する方式となりました。

内田委員

 今、御説明いただいたように、抽出調査はいろいろ言われておりますけれども、全国で30%程度の抽出ということで、神奈川県では、何校、抽出されたのか、校種別でやっぱり選んだと思いますけれども、いろんな生徒さんを抱えていますから、抽出方法とか、また抽出率、抽出調査の対象候補の学校の選定、このことについてお伺いしたいと思います。

子ども教育支援課長

 まずはじめに、抽出率でございますが、本県の状況といたしましては、公立小学校の抽出対象校数868というのは、小学校に加えて調査対象となる一部の特別支援学校も含めた数でございますが、868校中170校、抽出率は19.6%、公立中学校の抽出対象校でございますが、これにも一部の特別支援学校が含まれておりますが、421校中133校、抽出率は31.6%、小中合わせた抽出合計でございますが、これは1,289校中303校、抽出率は23.5%でございます。また、どのように選ばれたかということでございますが、抽出調査の対象候補につきましては、文部科学省が学校単位で、学校規模別に無作為に抽出を行っておりまして、都道府県ごとに小規模、中規模、大規模という、学校規模別に抽出学校数を割り当て、無作為抽出を行ったということでございます。

内田委員

 今回、全校のしっ皆調査から、そういった抽出調査に変わることで、調査結果や集計、公表については、どのようになるのでしょうか。

子ども教育支援課長

 しっ皆調査から抽出調査に実施方法が変更されたわけでございますが、文部科学省では、これまでどおり国全体の状況、都道府県ごとの状況について集計をし、各教育委員会と学校に提供するとともに、公表もすることとしております。また、抽出調査の対象となった学校の各児童・生徒の調査結果につきましても、これまで同様、設置者の教育委員会に対して提供されるとともに、抽出された学校に対しても、各児童・生徒に関する調査結果、個人票が提供されることとなっております。一方、希望利用方式の調査結果の集計につきましては、結果の公表などを含めた取扱いについては、設置者の教育委員会がその責任を持って判断するという形となっております。

内田委員

 抽出対象校以外は、希望によって希望利用方式になるそうですけれども、県としては、そのことをどのように考えていますか。

子ども教育支援課長

 県教育委員会といたしましては、抽出校以外の希望利用方式の参加につきましては、各市町村教育委員会がそれぞれの地域の実情に応じて判断するものと考えております。具体的には、参加する学校の採点等に係る費用が各自治体の負担となること、また、県内で独自に学力調査を実施している教育委員会もあること、さらには、各市町村教育委員会には平成19年からの3年間のしっ皆調査による詳細なデータの蓄積がございますので、今後の改善については、これまでの結果を活用することでも十分可能であると、こういったことから、それぞれの実情において各教育委員会が判断すべきものと考えております。

内田委員

 今までの3年間の調査結果があるから、今後もしっ皆からそういうふうに抽出になったとしても、あと何年かはそれを見れば、おのずと何となく結果が分かるということだと思うんですが、その後の3年後がまた問題になってくると思うんですけれども、そうした今回の政権交代後の事業仕分けによって、しっ皆調査から抽出調査になってしまった。そして、ここにパンフレットがありますけれども、4月20日調査実施、結局ばたばたと来ているわけですけれども、当神奈川県としては、学校や教育委員会にどのように影響が浮上すると考えられるのか、その辺のところを聞きたいと思います。

子ども教育支援課長

 まず、教育委員会への影響でございますが、実施方法が変更になったことによりまして、学校を設置する市町村教育委員会では、抽出校による調査への協力や、あるいは希望利用の有無を判断するに当たって、今まで以上に主体的な判断が求められているということがございます。特に、希望利用方式につきましては、独自の参加を伴うものであったために、影響が少なからずあったと聞いております。次に、学校への影響という点につきましては、抽出校の場合は、実施に伴う授業時間の確保や円滑な実施について対応が求められますが、これまでどおり学校に対して、児童・生徒に関する調査結果や個人票が提供されますので、これまでの調査結果と併せて経年変化を把握するなど、学校として活用することができます。

 一方、希望利用方式を選択した市町村の設置する学校におきましては、学校が採点や集計を行うことも想定されるために、教員に新たな負担が生じることも考えられると、こういった状況でございます。

内田委員

 こんなことで、希望利用していくというふうに決めた教育委員会は、本県ではどのくらいあるのかということと、また、どのように扱っていくかというのを伺いたいと思います。

子ども教育支援課長

 本県では、県内14の市町村教育委員会が、希望利用方式により調査を実施することとしております。抽出調査に関しては、今までどおり4月の第3火曜日、4月20日に実施することになりますが、希望利用方式につきましては、設置者の判断で実施期日を決められるので、様々な活用の仕方が可能となっています。例えば、今言いましたように、抽出調査と同じ日に実施して、これまでどおり全校の結果を得ることとしている自治体がございますし、あとは、授業の中で教材として扱うことを決めた自治体など、様々な活用の仕方が行われると聞いております。

内田委員

 4月20日に調査される抽出調査で、しっかり結果を得るとは思いますが、希望調査の場合は、そうやって臨機応変に扱いは違うんだと思うので、必ずしもそれは効率的な学校の調査結果ということになるのかななんて思いますけれども、全部合わせてしまうとまた誤差が生じますから、今後、抽出調査になった全国学力・学習状況調査の結果については、県としてどのように活用していくつもりであるのか、確認したいと思います。

子ども教育支援課長

 本県におきましては、平成19年度の第1回の調査結果を踏まえまして、思考力や表現力育成のための指導方法の改善や、学習習慣の確立などに取り組むために、かながわ学びづくり推進事業というものを立ち上げております。その事業の一環として、大学教授などの学識経験者や、市町村教育委員会の指導主事、校長など、外部からの参画を得て、かながわ学力向上支援連絡協議会というものを設置しておりまして、第2回以降の調査結果についても分析や考察を通して、今後の改善すべき点について検証し、県内に発信をしているところでございますが、抽出調査となりましても、これまでどおりこの連絡協議会において調査結果を丁寧に分析して、各市町村教育委員会や校長会、各学校等へ提供するとともに、過去3年間のしっ皆調査の詳細なデータも併せて活用して、市町村教育委員会とも連携を図りながら、引き続き指導方法の改善に取り組んでいきたいと考えているところでございます。

内田委員

 先ほど、抽出割合で30%をちょっと下回っているということでございます。神奈川県は、各市町村いろいろありますし、地域性もあると思いますが、実際問題このような抽出で、各市町村の状況というものも広く、学力調査はちゃんと把握できるんでしょうか。

子ども教育支援課長

 平成22年度の抽出調査につきましては、各市町村教育委員会の協力によりまして、すべての候補校が抽出調査に協力することとなりましたので、県内の公立小中学校1,289校のうち303校の抽出校、抽出率にして23.5%となっておりまして、基本的には統計上信頼できるデータを確保できるとものと思っております。したがいまして、県全体の傾向としては把握できるものと考えております。ただし、それぞれの市町村における状況につきましては、市町村によって抽出された学校数や抽出率も異なりますし、また抽出されていない市町村もありますので、そういった意味では、県として平成22年度だけの各市町村の状況を詳細に把握するということは、難しい状況にあるというふうに考えております。しかしながら、先ほど申しましたとおり3年間、しっ皆調査を実施して得られた結果につきましては、年度ごとに大きな変化が見られなかった部分もありますので、私どもとしましては、これまでの蓄積したデータを十分活用しながら、個別の市町村における取組状況に注視しながら、全般的な学力向上に向けた取組を進めたいと考えているところでございます。

内田委員

 結局、今回しっ皆から抽出調査になったわけですけれども、今後、今までの調査結果のデータがあるからこそ、少ない抽出も何とか、今後、数年間は何とかなると思うんですけれども、やはり心配な市町村も出てくると思うんですよね。そういったときに、県としてどういうふうに対応していくかというのは、多分、新たに少しずつ課題になってくると思われますけれども、最後に、私は常々、基礎学力、読み書き、計算ですね、小学校のうちからしっかりとそういったものを、それから中学にかけて学力、これの向上が非常に大切だと考えておりまして、県教育委員会としては、学びづくり推進事業を実施していると聞いておりますけれども、具体的な成果や、今後そういった、今日質問しました全国学力・学習状況調査の結果等を踏まえまして、今後の方向性についてお伺いしたいと思います。

子ども教育支援課長

 本県の児童・生徒が確かな学力を身に付けていくためには、国や県の各種調査の結果をしっかり活用するとともに、教える側の教員が、何といっても自らの指導方法を振り返って、改善していくことが極めて重要だというふうに考えております。

 委員お話しの、かながわ学びづくり推進事業でございますが、これにつきましては、各市町村における学力向上に向けた取組を支援するために、平成20年度から立ち上げた事業でございまして、今年度は、三浦市、大和市、平塚市、中井町、箱根町、清川村の県内6市町村において、思考力や表現力を育成するための研究に取り組んでいただいております。2年目を迎えている事業でございますが、当該市町村の各小中学校に学識経験者や本県の指導主事を派遣して、実際に授業を見て、指導、助言を行うなど、県教育委員会がより直接的に学校にかかわれる事業となっております。研究を推進している学校では、それまでの講義型の授業風景が一変して、子供たちが前に出て、自分の考えをしっかりと説明したり、あるいは保護者が研究に加わったことで、共通理解が図られて、家庭学習が充実したといった成果が報告されております。今後は、こうした取組の成果を発信、普及するとともに、市町村教育委員会とも連携して、県内の児童・生徒の学力向上に一層努めていきたいと考えているところでございます。

内田委員

 はい、分かりました。この件に関しては、例えば事業仕分けによっていろいろなものが削られたわけですね。全部のしっ皆調査から30%程度の抽出になったということ、それ自体いいのかどうか、これから教育ということはとても、育てるということにつながるわけですけれども、教育ビジョンありきで、しっかりこういった事業仕分けも本当はやるべきだったんではないかなと思いますし、例えば調べてみると、新潟県議会では、そんな抽出調査はしないでくれと、しっ皆から抽出に変更する方針に対して、そういった概算要求の大幅縮減ということに対して、そういった議決をされて、発議されているわけですね。そういったことで、これが一概にいいかどうか、私も疑問でありますし、県としても今後の行方を見ていっていただきたいと思うんですけれども、こういった教育の現場の者が責められること自体、憂慮、ちょっと考えなければいけないなと思いますし、教育ビジョンというものを、国もそうなんですけれども、県としてもしっかり先へ向かって考えていかなくてはならないんじゃないかと思いますので、今までためてあったデータをしっかり活用することもそうなんですけれども、やはり市町村の調査結果についても、それぞれ地域性があって、ばらばらだと思うんですよね。そういったことも踏まえながら、この全国学力・学習状況調査というものは、しっかりと検討していっていただきたいし、またこの方針についていろいろ課題が上がったときに、それをまとめて、やはり国の方に言っていくといった態度も今後、必要になってくるんじゃないかと思われますので、その辺のところをしっかりと見極めていただき、調査していただきたいと思います。

 

11 次回開催日(3月3日)の通告
12 閉  会