平成22年  県民企業常任委員会 - 0721日−01

平成22年  県民企業常任委員会

◎《委員会記録-平成22年第2回定-20100721-000002-県民企業常任委員会》

1 開  会

2 記録署名委員(曽我部・佐々木の両委員)の決定

3 両局合同報告事項(県民局長・企業局長)

  「経理問題に係る追加調査について」

  「県主導第三セクター等の経理処理に関する調査について」

4 報告事項

  「神奈川県青少年保護育成条例の改正素案について」(県民局長)

  「かながわ青少年育成指針の改定の考え方について」(同上)

  「神奈川県立国際言語文化アカデミア条例(仮称)の素案について」(同上)

  「指定管理者の応募状況等について」(同上)

  「県立青少年施設の今後のあり方の方針について」(同上)

「県民局所管施設におけるネーミングライツパートナー制度の導入について」(同上)

「ボランタリー団体等と県との協働の推進に関する条例に係る取組状況等について」(同上)

  「財団法人神奈川フィルハーモニー管弦楽団の現状と県の支援について」(同上)

  「箱根地区小水源浄水処理改善事業計画について」(企業局長)

5 日程第1を議題

6 提案説明(県民局長)

7 経営状況説明

  「公益財団法人神奈川芸術文化財団」(県民局長)

  「(財)神奈川県企業庁サービス協会」(企業局長)

 (午後零時6分 休憩  午後1時12分 再開)

8 日程第1について質疑(両局所管事項及び報告事項も併せて)

 

内田委員

 先ほど当局から不適正経理に係る追加調査について御報告いただきましたけれども、不適正経理問題については県議会でも調査特別委員会を開催し、先日の本会議におきましても、我が会派の小川議員からも厳しい指摘があったと思います。調査特別委員会は10回にわたり開催され、かなりのところを調査してきたつもりなんですけれども、まだまだ全部のうみを出し切っていないというところでありまして、本日におきましても、御報告では県主導第三セクター等についても調査すべきということに対して、その調査結果というものが報告されたと思います。

 そこで企業庁と企業庁サービス協会の不適正経理、特に特異性が高くて事故につながりやすい差し替えについて何点かお伺いいたしたいと思います。

 厚木の水道営業所において御報告がござましたけれども、結構な金額ですよね。大きい金額ですが、具体的な差し替えの内容について詳細をお聞かせ願いたいと思います。

財務課長

 厚木営業所における差し替えの内容でございますけれども、平成20年度におきましてプロジェクターを購入するに当たりまして、企業庁では10万円以上の物品を買う場合には、工具器具及び備品という予算を使って買うということになっておりますけれども、この予算計上額がなかったために消耗品という形で2点、プロジェクターともう1点は棚、マジック扉という棚なんですが、扉が内側に入ってしまって見えなくなるというものなんですが、そちらの2点を差し替えで購入したというものでございます。

内田委員

 プロジェクターは大体8万円くらいの金額だと思いますけれども、また、マジック扉がよく分からないのですが、そういったものがなぜ必要だったのかということと、そして今回、何で今ごろになって判明したのかということをお伺いしたいと思います。

財務課長

 まず、今回のプロジェクターでございますけれども、こちらの購入金額というのが198,000余円でございました。企業庁では、10万円以上のものは先ほど申し上げた工具器具及び備品という費目で買わねばならないというものでございます。一般会計では備品購入費というのがございますけれども、企業庁会計の方では工具器具及び備品ということで整理をさせていただいております。

 これは、固定資産として整理する上では10万円以上ということになってございますので、そのような費目ということで整理をさせていただいております。

 もう一つ、マジック扉でございますけれども、プロジェクターを先ほど198,000余円と言いましたけれども、プロジェクターとマジック扉を購入するとして、2件の執行で19万というのを執行いたしました。それはプロジェクターが9万9,000円、そしてマジック扉として9万8,000余円ということで両方合わせまして約198,000円の執行をしたというものでございます。

 なぜ今回の調査で判明したかというところでございますが、今までの調査につきましては、一般会計の備品は2万円以上だったと思うんですけれども、企業庁では2万円以上10万円以下までを消耗備品ということで整理してございまして、こちらの調査を第1回の調査では調査をさせていただきました。

 ただし、今回は議会からもすべての費目について調査すべきということをいただきましたので、我々といたしましても消耗備品だけでなく工具器具及び備品ということで10万円以上のものについても再度調査をさせていただきました。その中でこちらの購入があったということが営業所から報告がございましたので、調べた結果、確かにそういうものになっていたというところで判明したところでございます。

内田委員

 結局この厚木水道営業所においてプロジェクターが会議などで必要だったから購入したということでしょうし、その金額的にも10万円以上のものをどうするかとか、そういった細かいことがまだやっとこれからどうするかという新たな課題になるわけですけれども、今後、厚木水道営業所に対してはどのように指導して、こういったものを買うときの計上の仕方とか、もともとそういう予算枠がなければまた同じようなことが起こりかねないと思われるんですけれども、その辺はどう考えていらっしゃるか、改めてお伺いします。

財務課長

 確かに予算は、年度の後ろの方に行けばそれぞれの金額が少なくなってまいります。

 つきましては、来年度予算を組むに当たりましては、こういった備品類のものにつきましては、予算を編成していく上で少し金額を増やしてまいりたいなと思っておりますし、かつ年度途中でそういったことをお金が足らなくなったときにどうするか、流用という方法がございますので、それはきちんと本庁に金額を上げていただいて、足りないところはまずは他の営業所の中からお金を集めましてその営業所に配分する。それでも足りない場合は企業庁全体として流用をかけて、必要なものは営業所に配ってまいりたいと、こういうふうに思っております。

内田委員

 結局、差し替えは全庁的な問題であり、その辺の流用などについてもこれから県庁が対策としてしっかり執行していくわけだと思いますので、しっかり周知をお願いします。

 次に、神奈川県企業庁サービス協会の差し替えについて詳細をお伺いしたいと思います。

企業庁総務課長

 企業庁が指導、監督いたします企業庁サービス協会で、今回、不適正な経理処理が行われていたことが判明いたしました。指導、監督が不十分になり、申し訳ないと思っております。おわび申し上げます。

 お尋ねの件ですが、今回の調査で判明いたしました差し替えでございますが、企業庁サービス協会では、平成21年度の末にリース期間が満了するパソコンの更新に当たりまして、リースを変えて計15台のパソコンを購入することといたしました。購入に当たりまして、業者見積もりでは購入対象パソコンが1台10万円以上、具体的には1台127,500円ということでございまして、本来ならば固定資産取得費、県で言いますと備品購入費に当たりますが、そのような科目で支出すべきところを固定資産取得費の予算が不足しておりましたので、消耗品で購入可能な1台10万円未満、具体的には先ほど申し上げました127,500円のものを9万9,750円で購入した形にいたしまして、本来は127,500円の15台ですので1912,500円というふうになりますが、それを1台9万9,750円という形にいたしましたので1496,250円と。その差額分の416,250円につきましては、実際には購入をいたしませんでしたUSBメモリや用紙類、このようなものを買った形で差し替えを行ったものでございます。

内田委員

 不適正購入に対してこの1件ということになるのでしょうか、確認です。

企業庁総務課長

 今回の調査は、県の調査要領に基づきまして、当初、サービス協会で過去3年分の書類調査を実施いたしました。その後、企業庁が立入調査を実施いたしましたが、その結果1件、先ほどの差し替えが判明いたしました。

 そこで、調査を取りまとめる県庁改革課との調整の上、さらに過去2年間の経理処理状況をサービス協会と企業庁と合同で調査をいたしました。その際に、書類調査のほか差し替えに関係いたしました業者から取引データを取り寄せて法人が所有します支払関係書類との突合の調査、このような調査を行いました。

 また、さらにサービス協会が日常的に事務用品を取り寄せしている地元の業者がございます。その業者とは取引回数の多いことから、そこからも取引データを入手して、この人が所有する関係書類と突合する調査を実施いたしました。その調査の結果、今回の差し替え以外に不適正な経営処理はございませんでした。

磯貝委員

 厚木水道営業所のプロジェクターの関係なんですけれども、厚木では毎年工事をやっているわけですね。工事検査用にプロジェクターが必要となったとありますね。じゃあ、今まで工事検査は何で検査していたんですか。今までも工事しているわけですから、検査しているわけですね。ここで必要になったということは、どういう事情があったのですか。

財務課長

 今までも、工事を発注した後にいろいろな検査を数人でやる場合にプロジェクターを使用して会議をなさっていたと聞いております。そのときのプロジェクターですけれども、それは行政センターからプロジェクターをお借りして行っていたんですが、工事件数が多くなって、毎度毎度お借りするのは行政センターからちょっと勘弁してくださいというお話があって、じゃあ効率的にやはりこのまま工事を続けていくためには、技師の人数も減っておりますし、効率的に業務を進めなければならないという中では、数人一遍に同じ画面を見て意見を述べ合うのがよろしいということでプロジェクターを買ってほしいと業務課から言われましたので、それじゃあ買いましょうということになったのですが、予算がなかったものですから、消耗品から執行2件を合わせて一つのプロジェクターを買ってしまったと、そういうものでございます。

磯貝委員

 今までセンターから借りていてやっていたんだけれども、工事件数も多くなったし、独自のものを持とうということで、消耗品で備品を買ってしまったということですね。

財務課長

 そのとおりでございます。

内田委員

 先ほどサービス協会の御説明がございましたけれども、やはり再発防止策というのが一番、特に、来年同じようなことがあったら本当にこれは非難の元になり得るわけですから、再発防止策というのを実際どのように立てているのかということをお伺いしたいと思います。

企業庁総務課長

 今回の調査に先立ちまして、5月に第三セクター代表者会議という会議が開催されました。企業庁サービス協会といたしましては、その会議を受けまして、経理処理に関し、適正な事務処理を徹底するよう協会職員に通知はしておりました。しかしながら、調査の結果、不適正な経理が判明したということを重く受けとめまして、チェック体制の強化を図っております。

 具体的には、2人の職員が事務処理を徹底してチェックした上で決裁に回すというような、当たり前といえば当たり前なんですが、1人の職員ではなくてその周りにいる職員がチェックをした上で決裁のルートに回していくというようなことを徹底すると。また、継続的な研修を行いまして、不適正経理の再発防止を図りたいというふうに思ってございます。

内田委員

 結局、監督責任があるのは県、知事、そして皆さんそれぞれだと思いますけれども、結局、こういう第三セクターの方にも周知だけではないですね、徹底した指導が必要になってくるんですけれども、その辺の監督、指導を行う立場の県としては、今後、どのように考えていくのか。全体的なことなんですけれども、不適正経理処理問題に関して二度とこういうことが起こらないようにしていくために、また来年、同じようなことで我々もまたいろいろやらなくてはいけないのかなと思うと、本当に先が思いやられますので、ここでしっかりとその考えを伺いたいと思います。

企業庁総務課長

 企業庁といたしましては、県が作成いたしました39項目の不適正な経理処理に対する再発防止策、これを協会にもう既にお示しをしております。それをお示ししながら適正な経理処理を指導してまいりますが、今後とも所管団体の適正で健全な法人運営に向けまして、指導、監督をより一層徹底していきたいというふうに考えてございます。

内田委員

 要望させていただきますけれども、やはり第三セクターについても今のようにしっかり丁寧に指導、監督をしていただき、また全庁的な問題ですので、やはり県のやり方もちゃんとそのままきっちり隅々まで行き渡るように、決してこの企業庁から、そして県民局から同じような問題が出ないようにしっかり取り組んでいただきたいと思います。

 次なんですが、企業庁の事業は、主に電気事業や水道事業ということだと思いますが、本当に神奈川県のライフラインをつかさどっていると言っても過言ではないと思いますけれども、最近の災害では、豪雨、それからかなりの土砂崩れなどがありまして、この6月、7月もどしゃ降りでいろいろなところで被害が大きかったと思うんですね。その中で、やっぱり水道施設の一部に泥水が混じってしまって断水になってしまった地域も、最近あったと報道で聞いておりますけれども、やはり地震対策はもちろんのこと、こういった災害対策も併せてしっかりやっていかなくてはいけないのが特に水道事業、それから電気事業だと思うんですけれども、ちょっとライフラインが止まってしまったときに、復旧作業がどのくらいかかるのかというのが想定できないというところもあると思うんですね。例えば老朽管、要するに老朽した配水管もどこまで県の範ちゅうでしっかり直っているのか、また、老朽化していることによってぜい弱になっていますよね、配管自体が。どこで亀裂が入っているかも分からないし、そのときになってみなければ想定ができないのかなと思うんですね、網の目のように配置されていると思いますので。そういったことを、県にどれぐらいあって、ちょっと地震対策について特にお伺いしていきたいと思うんです。県営水道の地震対策、災害対策ですね。

 まず、今、申されましたけれども、ライフラインということで、県営水道の地震対策に対する基本的な県の考え方を改めてお伺いしたいと思います。

計画課長

 お尋ねの基本的な考え方でございますけれども、まず、1点目といたしまして、地震などが発生しても被害を受けにくい強い施設にすることや、万が一、被害を受けた場合でも断水などの影響が最小限に抑えられるようバックアップのある施設を整備することなど、ハード面の対策が必要でございます。

 このために、水道施設の耐震補強や耐震性の高い水道管、いわゆる耐震継手管と申しておりますけれども、この耐震継手管に敷設替えをすること、また、複数の浄水場や隣接する水道事業者との間で被災時に水を融通するための連絡管を敷設するなど施設整備を実施しております。

 次に、受けた被害を一日でも早く復旧できますよう、応急復旧用の材料などの備蓄、それから応急復旧を行う工事業者との災害協定などを締結して万一に備えておるところでございます。

 また、応急復旧ができるまでの間に行う応急給水につきましては、県の地域防災計画では市町の役割とされておりますが、県営水道といたしましてもできる限り支援ができますよう、災害用指定配水池での飲料水の確保でありますとか、他の水道事業者等との相互応援協定を締結するなど万全を期しているところでございます。

内田委員

 やはり復旧作業にかかわる準備態勢、これはしないよりはやっぱりしっかり備蓄するなり、想定できる中でしっかりやっていかなくてはならないと思われますけれども、企業庁では、そういった災害とか地震に強い水道づくりを目指していると承知しておりますし、経営計画の柱にもなっていると思いますけれども、例えば大地震、いつ起こるか分かりませんけれども、被害を受けにくいような水道というのは、例えば管の厚みをかなりしっかりしたもので作って壊れないようにするなどいろいろなことが考えられるし、その継ぎ目がぜい弱にならないような形で初めから作るとか、あるいは老朽化したものをしっかり取り替えると、そういった日々の準備態勢がこういった大きな災害のときにそのまま現れてくると思うんですね、強いか弱いかということで。そういったときに、災害に強い水道管や水道施設を守るためには、県として今、どのような対策を講じているのか。また、講じようとしているのか、今後のことも考えて、そうした点についてお伺いします。

計画課長

 まず、浄水場や配水池、それから主要な管路など基幹的な施設の耐震化対策がございます。

 これまでも県営水道では、発生の切迫性が指摘されております東海地震、これは給水区域内で震度5弱から6弱ぐらいの地震でございますけれども、この地震を想定した耐震診断を実施しまして、必要な補強等はほぼ完了しているところでございます。

 また、基幹管路以外の管路につきましては、順次、耐震性の高い水道管、先ほど申しました耐震継手管と申します管でございますけれども、これは阪神・淡路大震災でも全く被害がなかったということでございますけれども、この耐震継手管を経営計画がスタートした平成18年度から給水区域全体で採用しているところでございます。

 これからということでございますけれども、平成20年3月に厚生労働省の省令、これは水道施設の技術的基準を定める省令というものがございまして、これが改正をされました。浄水場や主要配水池等の基幹施設については、当該地域で想定される最大規模の地震、県営水道の給水区域では南関東地震ということになりますけれども、これは東海地震に比べまして非常に大きな地震でございまして、震度6弱から7と言われておりますけれども、このより大きな地震への対応が求められたということでございまして、平成21年度、昨年度からこの地震に対応した耐震診断に着手したところでございます。

内田委員

 着々と地下の水道施設についてもしっかり必要な手立てができてきているとは思えるんですけれども、新潟の中越地震、それから阪神・淡路大震災という大きな地震がありましたので、神奈川県は広いですし、細部まで行き渡っているかというと、震度5程度の地震のための対策という耐震化については完了したとはいえ、やっぱり細かいところは、まだまだだと私は見ているんですけれども、周りの水道管とかは、それは個人の持ち物になるのかもしれないですし、その辺、すみ分けとかもあると思うんですけれども、その辺の細かなところ、ちょっとわき道に入ったような、うちの周りもそうなんですけれども、そういったところはどのようなすみ分けというか、ちょっと分からないのでお伺いしたいと思います。

計画課長

 委員お尋ねのように、先ほど申しましたとおり、基幹の管路については、基本的には東海地震を対象とした耐震診断、補強は済んでいるということでございます。

 細かい一般の御家庭の周りに敷き詰められております配水管、口径が10センチとか15センチとか20センチとか非常に細い管のレベルですと、まだまだ耐震管への入れ替えが済んでいないということでございます。

 耐震化率という率で申しますと、県営水道平成21年度末で14%という低い数字でございますけれども、いろいろな事業をする中で優先度を考えて、こういった管路についても耐震化を推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。

内田委員

 私も2年ぐらい前に、水道が止まっちゃったんですよ。それでどうしてなのかなと思ったら、今、事務所を借りているところなんですけれども、なかなかどこが原因か分からなかったんですけれども、周りの敷地を掘ってもらったらすごい老朽化していて、壊れていたために止まっちゃったんですけれども、結局それは自分で払ってくださいということになりましたし、そんなことで水道が止まっちゃったんですね。本当の話なんですけれども。そこは私が引っ越して1年ぐらいのところだったので、直しましたけれども、やはり神奈川県の中にもわき道に入ったところとか敷地の近くとか、自分の敷地の周りの配水管は、やっぱり住民の人自体も分かっていないというか、私みたいに止まってから初めてえっと思う。調べてもらってもすぐ分からなくて、掘ってもらってやっと分かったんですね。そういうこともあるので、大きな地震が来たときに、個人の家で止まる可能性が高い。そういったときには、やはり飲料水が確保できないと、この間の豪雨の被害を受けたところみたいに水をもらいに行かなくてはいけなくなると思うんですが、そういった被災者に水が行き渡るようにするためには、具体的にどれを考えていて、実際、その被災者に生活用水が行き渡るにはどのように考えているのか、対応をお伺いしたいと思います。

計画課長

 いざ大規模な地震が発生しまして水道施設が被害を受けた際にも、生命の維持に欠かせない飲料水を確保するという観点で、県営水道では39箇所の配水池を災害用指定配水池と指定しまして、飲料水を確保することとしております。

 これらの配水池には地震計が設置されておりまして、250ガル、これはあくまでも参考ですけれども、おおむね震度6弱程度以上の地震を感知しますと、配水池の流出管に設置されております緊急遮断弁という弁が閉じまして、いろいろ条件はございますけれども、自動的に飲料水を確保する仕組みとなっております。確保される水量は、39箇所の配水池合計で約33万立方メートルでございます。これは給水人口1人当たりに換算しますと、1人当たり約120リッターとなりまして、災害時に必要な水量と言われておりますおおむね1週間程度の水が確保されるということになっております。

 次に、確保された飲料水をどのようにして被災した方々にお届けするかということでございますけれども、県営水道は、被害を受けた水道施設、これを一刻も早く復旧するために全力を傾けるということにしておりまして、応急給水は市町の役割となります。そうは言いましても、市町の職員だけで即座に応急給水の体制を整えることは困難だということが想定されますので、平成16年、新潟県中越地震が起きましたけれども、これを契機に企業庁と各市町と協定を結びました。12市6町すべての市町と協定を結びまして、応急給水の応援が必要とされる場合は、企業庁も市町の要請を受けまして、全国の水道事業者が加盟しておりますが()日本水道協会というのがございます。このフレームを使いまして、給水タンク車や作業に従事する職員などの支援を要請するということで、可能な限り応急給水が円滑に進められるよう市町への支援あるいは連携を図っていくということでございます。

内田委員

 結局、給水はできるだろうという想定なんですけれども、しかし、自然災害というのはどの程度の被害を被るか、我々にも最終的には想定できないと思うし、突発的なこともいろいろ起こり得るので、やはりふだんから地震とか災害対策に関しては、県民の皆様に、例えば子供の大きくなったおうちにはお風呂に水を張っておくこととか、危ないお子さんがいるおうちとかそういうのはちょっと気を付けなければいけませんけれども、そういったトイレでさえもこの間困っていましたから、やはりそういったこともふだんから周知しておいて、いざというときのために水を張っておきましょうとか、そういった本当に細かいことなんですけれども、対応が必要だと思うんですね。

 あと大規模地震の発生に備えていざ地震が起こった場合の体制づくりと、それから県営水道の地震災害対策について、今後、どのような考えで先々取り組んでいくのかということ。もしかしたら10年以内に大規模地震が起こるかもしれない、起こらないかもしれません。その辺をちょっと念頭に置いてお聞かせ願いたいと思います。

計画課長

 まず、どのような体制を組んでいくかということからお話をさせていただきたいと思います。

 企業庁では、大規模な災害が発生した際には、神奈川県災害対策本部の下部組織として、本庁に企業庁災害対策本部を設置しまして、断水の情報ですとか主要管路の被害状況を集約するなど県災害対策本部との情報公開や緊密な連携をとることになっております。

 また、寒川浄水場に水道現地対策本部を設置しまして、水道水の相互融通機能の利用や応急復旧への対応など、水道営業所や浄水場などへ具体的な指示命令を下すことになっております。

 また、水道営業所の浄水場におきましても、それぞれが対策本部を設置しまして、必要な資機材等の調達や工事業者との連携など一日も早い復旧に取り組むことにしております。

 また、復旧工事業者につきましても、被災時にいち早く駆けつけてくれる、あるいは水道施設に精通している地元の水道工事業協同組合、それから土木工事業者の協会などとあらかじめ災害協定を締結しております。このほかにも、先ほど言いました日本水道協会を通じて、全国の事業体からも応援が受けられる仕組みも構築されているところでございます。

 今後、どのような形で地震対策に取り組んでいくかということでございますけれども、いざ災害が発生した場合には、県民の生命を維持する上で最も重要なライフラインというふうに考えておりまして、平成18年度から10箇年の経営計画におきまして、災害や事故に強い水道づくりを重点的に取り組む施策として位置付けて事業をしていくことでございます。

 しかしながら、近年の需要の急激な落ち込みなどから、財政的にも非常に厳しい状況でございます。しかしながら、効率的な工事執行に努めて耐震化率の向上などの目標達成を目指して着実に事業を進めてまいりますとともに、平成21年度から着手した先ほど言いました南関東地震に対応した主要施設の耐震化など、対策についても積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、今後も引き続きこのような対策に着実に取り組んで災害に強いライフラインとして安全で良質な水の安定的な供給に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

内田委員

 災害地震対策を受けていろいろ取り組んでいるということで、少し老朽管対策のことについて触れていきたいと思うんですけれども、先ほども申し上げましたけれども、たしか県営水道というのは80年か分かりませんけれども大体そのくらいの歴史があって、本当に古いものだと何十年かたっているものもあり得るんだと思うんですけれども、その中で、老朽管更新事業、今、計画的に行っていらっしゃると思いますけれども、この事業について伺いたいと思います。

 まず、県営水道では、どのような水道管を老朽管として考えているのか。何年たったものが老朽管なのか。そうでないものはそうでないのかということをちょっと教えていただいてよろしいでしょうか。

水道施設課長

 県営水道は昭和8年に創設になりまして、委員お話しのとおり、間もなく77年、もうすぐ80年たちます。その間、9次にわたる拡張事業を実施してきまして、現在、総排水管、御家庭の近くの本管と言われる部分ですが、そこまでで8,900キロ超の配水管がございます。そうしたことから、老朽管の対策が重要であると考えております。

 これらの管のうち、老朽管として県営水道が考えておりますのは、昭和46年以前に敷設された管でございまして、これは鋳鉄管と言われるものでして、衝撃などに弱い、現在使っていない管種でございますけれども、昭和46年ごろまで使っておりました鋳鉄管、それと同時期までに敷設をいたしました鋼管、これを老朽管というふうに指定をしてございます。

内田委員

 今、老朽管は昭和46年以前ということでしたけれども、では、神奈川県において老朽管は、どのぐらいあるのかちょっと分からないのでお伺いしたいと思います。

水道施設課長

 県営計画策定の基準年、平成16年度末ということでやりました。口径75ミリメートル以上の管、これが8,900キロのうちの1,600キロほど、これが老朽管ということでございまして、全管路に占める割合は約22%ということでございます。

内田委員

 22%という数字が少し少ないか多いか難しい問題ですけれども、やはり老朽管というのはやっぱり老朽管なので、やはり今進めている事業、更新事業ですか、進めていっていただきたいと思うんですけれども、進ちょく状況、最近、平成になってからどのような感じで進んできているのかをお伺いしたいと思います。

水道施設課長

 事業開始の平成18年以降、144キロメートルほど更新をいたしました。事業開始当時、老朽管の割合は22%でございましたけれども、平成21年度末19.5%まで改善をしたという状況でございます。

内田委員

 この19.5%、だんだんそれが減ってきて15%とか3%、最終的にはなくなればいいなと思っているんですけれども、今後の見込みと、当面の目標として老朽管もすぐ換えなければいけない優先順位があると思うんですけれども、基準というのは何なのか、それをお伺いします。

水道施設課長

 目標としておりますのは、平成27年までの神奈川県水道の経営計画の中では1,600キロのうちの383キロを交換しようと思っています。その383キロを選定した基準でございますけれども、赤水の可能性がある管路あるいは強度的に弱い管路、さらには地震等の被害の影響、危険度、こういったものを勘案して383キロを選定いたしました。赤水に関しましては、内面にライニングがされていない、今の管というのは、管の内面にライニングをされておりましてさびないようになってございますけれども、当時の管は金属がむき出しでございました。それから地震に対する危険性ということで言えば、液状化の地域かどうか、あるいは土壌の腐食性の高い地域かどうか、あるいは国勢調査で指定されます人口の集中地域は、被害があったときの影響力が大変大きくなりますので、そういう地域かどうか。あるいは東海地震の地震防災対策地域に指定されている地域であるかどうか、こういったものを点数化いたしまして、点数の高い順から並べまして383キロというものを選定いたしました。

内田委員

 結局その383キロを選定したということですけれども、ちょっと分からないのは、1キロ当たりなのか、383キロでもいいのですが、大体その経費というんですか、老朽管を直すには、私が想像するにはかなりのばく大な費用がかかるんではないかと思うんですけれども、一体どのぐらいかかるんでしょうか。

水道施設課長

 これは口径によって大分変わってくるのでございますけれども、一律にならして大まかな数字で恐縮ですけれども1メートル当たり8万円から9万円、口径が大きくなりますとそれもずっと大きくなってくるということでございます。したがいまして、1,600キロすべてということでございますと、1メートル当たり10万円とおおざっぱに計算しますと1,600億という金額になると思います。

内田委員

 結局1,600億円ということになりますよね、全部やったとして。ということは、やはり1年ずつどんどん更新して何とか追い付いていくしかないかなと、財政上の問題というのがかなり大きいと思われますけれども、そういった財政上の課題もある中で老朽管更新の取組についてどのように、しっかり何%か目標の数値があるのか、そういうのは分からないんですけれども、その辺をちょっとお伺いしたいと思います。

水道施設課長

 1,600キロのうちの383キロを経営計画期間の平成27年度までに解消するということでございますけれども、1,600から383キロを除いた管路と申しますのは、材質的にはダクタイル鋳鉄管と申しまして、従来の鋳物に比べると強度的にはるかに強い。ただ、地震の際、ものすごい力がかかりますと引き抜けるということがございます。したがいまして、阪神・淡路大震災ですとか非常に大きな地震ですと被害がないということではないんですけれども、通常の震度5強とかというものではそれほど被害がない、ほとんどないだろうというふうに思っております。

 したがいまして、383キロをまず優先、まずこれを終わらす。次に1,600キロを終わらすということで事業を進めてまいりたいと思います。

 まだ老朽管の中には、大きい口径のものがたくさん残っておりますので、これらを徐々に手掛けながら383キロを確実に更新し、それが終わった段階で次の残りの管路というふうに進めてまいりたいというふうに考えてございます。大きい管路となりますと、技術的ないろいろな課題もございますけれども、大口径を使っている相互融通化整備事業というような事業も県水でやっておりますので、そういう技術的基盤を活用しながら着実に次の世代に引き継げる施設として更新をしっかり進めてまいりたいと考えております。

内田委員

 老朽化の更新についての要望なんですけれども、水道が止まるということは、それはちょっとこの現代の社会の中で、本当に驚くべきことであって、それが地震や災害で個人の家なのか集団のおうちか分かりませんけれども、止まった場合に、やはり連絡が来るのは水道局とかそういうところに殺到してくる可能性というのは高いわけであり、地震のときは特に水が止まった場合は非常に対応が困難な場所もあると思うんですね。山岳地帯がありますから、そういったことを考え合わせて老朽管の更新というのもしっかり進めていくしかほかに方法はないだろうと考えられますので、是非とも計画的に、財政が大変な中ですけれども、ライフラインということで優先して取り組んでいただきたいと思います。

 次に、大腸菌というかクリプトスポリジウムという原虫ですか、ほ乳類の消化管に寄生する原虫で感染すると腹痛を伴うということで、結構これにかかると大変だなと思われるのですが、塩素消毒では除去できないから、出始めは膜ろ過処理ですか、それから紫外線処理に変更したという報告を受けた次第ですけれども、昨今、おいしい水に関してはどこの地域も積極的に取り組んでいる動きだと思っております。とにかく赤さびというのはもちろんもってのほかで、こういった菌が混入していないとか消毒臭、においができるだけ抑えられているとか飲んでもおいしく感じられる水というのを配給していくことも目指していかなくてはならないと思われますので、まず、おいしいと感じるかどうか、それは個人のし好の問題もあるしいろいろな主観的な部分もあると思いますけれども、県の判断基準というのは、何かそのおいしい水に関しては判断の基準みたいなものができているんでしょうか。

浄水課長

 おいしい水が一つの目安なのでございますけれども、旧厚生省が設置しましたおいしい水研究会というものがございまして、そこから7項目のおいしい水の要件が報告されております。

 このうち、水の味をおいしくする項目といたしましては、硬度、遊離炭酸や水温などの4項目、それから水の味を損なう項目としましては、臭気や残留塩素などの3項目がございます。

内田委員

 この神奈川県の広域水道のおいしい水というのは、ちょっと調べましたらマグネシウムの量とかカルシウムの量が真ん中辺にあって、フランスのボルヴィックとかに比べるとまたちょっと違う位置に位置しているというのが基準を調べていて分かったんですけれども、もう少し詳しく水質がどのような評価があるのかお伺いしておきたいと思います。

浄水課長

 県営水道の水なんですけれども、おいしい水の7項目のうち、遊離炭酸、これがやや少なくなっております。それから残留塩素、これがやや多くなっております。ほかの5項目につきましては要件を満たしておりますので、おおむねおいしい水と考えております。

 ただ、残留塩素濃度は、おいしい水の要件では1リットル当たり0.4ミリグラム以下というふうにされておりますけれども、県営水道の給水区域では約9割がこの値を超えているというような現状でございます。

内田委員

 そこで今、残留塩素濃度、これに関してはほかの水よりもちょっと高目ということでお伺いしましたけれども、何で残留塩素濃度が我が県は少し高目なのか、県民の関心も高いと思いますので、その辺何か対策をとっているのか、それともしようがないから、大腸菌とかいろいろなのがありますから、それは安全性を考える上でしようがないのか、その辺のことが分からないのでお伺いしたいと思います。

浄水課長

 まず、高い原因ということなんですけれども、県営水道、12市6町に給水しております広域水道でございます。ということでございますので、浄水場から距離が非常に遠いところまで給水しなければならないという、そういう状況でございます。そうしますと、浄水場から送水する残留塩素濃度を下げてしまいますと、水道法で定められた1リットル当たり0.1ミリグラム以上、これが給水栓から出なければいけないと定められておりますけれども、これを下回る区域が出るおそれがありますので、なかなか今まで下げられなかったという状況でございます。

 ただ、とは申しましても0.4ミリ以下のエリアを拡大しなければいけないということでございまして、平成18年度から20年度にかけまして県内90箇所に自動水質測定装置、これで自動的に水質、要するに残留塩素等を観測できるようにいたしました。このデータに基づきまして、浄水場から末端の給水栓の間でどこに追加で塩素消毒設備を設置することによって浄水場から送り出す残留塩素を下げられるか、そのような検証をしながら計画的に、今、追加塩素消毒設備の設置を行っているところでございます。

内田委員

 とりあえず塩素を入れていろいろな菌を殺すんだと思いますけれども、結局その役割というのは特にどういうものにあるのかというのをここで改めて確認させていただきたい。

浄水課長

 いろいろな病原菌、そういうものを殺すというのがまず最大の目的でございます。塩素を入れますと、あとは有機物の分解ですとかそういうものにも役立っておりまして、浄水場では一番最初に塩素を入れてそのような処理をいたします。ただ、それが有機物の分解ですとか菌を殺してその後どんどん塩素が失われてしまいますので、浄水場から送り出す前に再度また塩素を注入して送水をしているというのが今の浄水方法でございます。

内田委員

 多分大体そういうことだと思ったんですけれども、プールなんかも塩素を使いますよね。これは今の現代科学においてはこの塩素を入れる方法が一番であるのか、それとも先ほど塩素をやってから膜ろ過処理とかその先には紫外線処理、いろいろ新しい方法が出てきているのではないかなと私は想定できるんですけれども、まだそこまで行っていないんでしょうか。

浄水課長

 膜ろ過も浄水処理の一つです。大規模な浄水場での急速ろ過ですとか昔からある緩速ろ過、これも浄水処理の一つなんですけれども、浄水処理をしてきれいにはなるんですけれども、その水が御家庭の蛇口から出るまでに何らかの汚染をされる危険がある。これを保つためには残留塩素、これが蛇口で0.1ミリグラム、これが確保されていないということはどこかで何かの都合で菌が侵入したときにそれを滅菌する、消毒する効果がないということで非常に危険というような考え方に至りますので、水道法では蛇口から1リットル当たり0.1ミリグラムの残留塩素が出なければならないと、このように定めているわけでございまして、浄水した段階ではきれいになっても、最後まで安全性を確保するためにはどうしても塩素は必要だと考えております。

内田委員

 塩素はやっぱりにおうと思うんですね。でも、県営ですから安全性というのは第一だと思うんです。そこの部分で非常に難しいのかなと思います。今、何か新しいものは考えられないということなんでしょうか。塩素以外のもので消毒をするということは、まだそこまで技術的に行っていないということでしょうか。

浄水課長

 水道法の定めで、末端の給水栓で塩素が出なければいけないというふうに定まっているのと、それとこれは実験データというかそういうもので国立保健医療科学院で行った実験の結果でも、やはり日本の水に対して今の段階で塩素処理をやめるのは非常に危険であると、そのような報告データも出ております。

内田委員

 ところで、ちょっと変な質問かもしれないですけれども、塩素というのは、微量であれば人間の体に特に影響はないと思われますけれども、プールなんかにも使っていますから。でも、実際問題、すごく濃い濃度の場合、それは水道から出ることはあり得ないと思いますけれども、そういうのは人間の体にはどんな影響があるのか御存じでしょうか。

浄水課長

 残留塩素の濃度が高くなりますと、カルキ臭や消毒副生成物であります発がん性物質のトリハロメタンの問題が大きくなります。ただ、WHOの報告によりますと、1リットル当たり5ミリグラムまでの残留塩素は健康には影響ないということで報告を受けております。

内田委員

 追加塩素消毒設備というのが設置されていると思いますけれども、それについてはどの程度、残留塩素濃度の低減化を図っていこうと考えておられるのでしょうか。

浄水課長

 平成18年1月に策定いたしました神奈川県営水道の経営計画、この中で1項目であります安全でおいしい水づくりの中で、浄水場から送り出す残留塩素濃度、これを10%低減しておいしい水の要件であります1リットル当たり残留塩素濃度0.4ミリグラム以下の区域を拡大することを目標としております。

 具体に言いますと、平成13年から17年の5年間の平均値に比べて10%低減するという目標値を掲げまして、寒川浄水場で1リットル当たり0.71ミリグラム、谷ケ原浄水場で1リットル当たり0.75ミリグラム以下を目標値として取り組んでいるところでございます。

内田委員

 今、ここにもありますけれども、ペットボトルの神奈川の水というのは、直接浄水場で作っている水ということでよろしいんですか。

浄水課長

 神奈川の水は、神奈川県営水道鳥屋浄水場という宮ケ瀬湖のすぐ横に浄水場があるんですけれども、早戸川の伏流水、河川の下にパイプを流してそこからとった水、それをその浄水場で浄水しまして、浄水した後、おいしさを感じてもらうために塩素を脱塩しまして抜きまして、それでボトリングしているものでございます。

内田委員

 これは脱塩してあるということで、だからおいしさが増しているということだと思うんですけれども、これ評価自体はどうなのかということと、多分災害のときに配られるんだろうと私は思っているんですけれども、そのために備蓄してあるのか、それとも100円程度でたしか売っているとは思いますが、どのくらいの人が買っているのかとか、売っている場所とか、そういったことをお伺いします。

経営課長

 ペットボトルの神奈川の水でございますけれども、こちらは県営水道のおいしさを皆様に認識していただくため、理解していただくためにつくっておりまして、一般の方にもおいしいと言っていただいております。

 販売は、県庁の地下の売店ですとかシルクセンター内のかながわ屋、またJAの寒川ですとか何箇所かですね。あと水道営業所の都合18箇所で1本基本的に100円ですけれども、まとめて買ってくださるときには箱単位の価格はそれからまた割り引いてございます。

 販売の状況でございます。昨年度は1万2,000本ほどお買い上げいただいております。

内田委員

 そのおいしい水が1万2,000本売れたということだと思うんですけれども、これははじめの一歩かなと私は思っておりますが、これを今後、展開していくとか、企業庁として考えていることは何かあるんでしょうか。発展性があるものなのかどうか。

経営課長

 先ほど御説明いたしましたとおり、基本的にこのペットボトルの水、県営水道のおいしさを県民の方に理解していただくためにお作りしておりまして、大々的に商業ベースでお売りするということは、在庫の管理ですとかまた急な大規模な受注に対応できるような形になってございませんので、その辺は今までどおり、基本的には広報用ということで、その中で特に欲しいと言ってくださる方にはお分けするような形で進めてまいりたいと考えております。

内田委員

 広報用ということは、これ以上は広げるつもりはないと県で考えているのでしょうか。

経営課長

 1回の製造で8万4,000本、かつ委託で製作をお願いしている関係上、急にお作りすることがなかなか難しいということもございますし、また、先ほど申し上げたように大規模に売っていくためには在庫の管理、流通経路の確保、販路というようなこともございますので、販売という点では現時点の、特にお水がおいしいとおっしゃってくださる方にお分けするような形で、基本はやはり広報用ということで進めさせていただきたいと考えております。

内田委員

 ちょっと広い質問になって申し訳なかったんですけれども、今、世界的に水ビジネスというのは皆さんも御存じだと思いますけれども、これは本当に世界の潮流でありまして、今までは石油のための戦争が起こりましたが、これから起こり得るだろう戦争は水だと言われています。

 東京都は、今、水ビジネスに参入してきていますね。東京都の水道事業はかなり上を行っているけれども、ただし、公共性のものですからその辺で議会の承認が必要ですし、しかしながら、参入して積極的に頑張っているということなんですね。大阪も頑張っております。だから東京と大阪はそういうふうに新しい水ビジネスに向けて民間企業、これと公共の自治体が一緒になることは結構大変難しいんですけれども、ただし、日本では水道事業というのは公共がやっていますから、なかなか中小や民間企業だけでやるというのは難しいということで、東京都とか大阪は新しい世界に向けての水ビジネスを展開していて、例えばベトナムのホーチミンなんかはとても水が足りないですから、そういうところに日本の技術を持っていく、そういったことを考えていて、実際問題、そこまで行って東京都の副知事もそういった事業に取り組んでそれを一生懸命アピールもしているし、何とか自治体から離れた企業体にして水ビジネスを展開していこうという、そういう時代に入ってきているわけです。

 ところが一方、神奈川県においては、もしかしたら東京都、多摩水道といろいろありますけれども、東京都よりも自然に恵まれているのではないかなと私は思うんですが、ペットボトルの神奈川の水は作っている、しかしながら、そういった世界の潮流に向けた水ビジネスに関してはそこまで考えがないのか、もともとそれだけの許容量がないのか、それとも評価がまだそこまで至っていないのかちょっと分からないんですけれども、こういう水ビジネスに関しては何か話合いとかそういうのは、企業庁の水道関係の皆さんで話し合ったことはないんでしょうか、お伺いします。

浄水課長

 水ビジネスに関してなんですけれども、ビジネスにはやはりリスクがつきものでございまして、海外におきましては国ごとにリスクが大きく異なってまいります。為替変動や経済破たん、最悪の場合には政府の崩壊、テロですとかいろいろな問題が考えられます。このようなリスクを回避するノウハウ、これが非常に難しいと考えております。現実としては、今、企業庁でそういうリスクを回避するノウハウはないと考えておりますけれども、まず東京、それからつい最近、横浜も行いましたけれども、こういうところが自ら出資して株式会社をつくりまして、この株式会社を活用した形態で水ビジネスに参入すると公表しており、さらに海外展開も視野に入れてやっているんですけれども、現地ニーズ、それから事業のリスク、この辺りをまず把握する、今、その調査段階だということで伺っております。間違いなくリスクを回避した方策も含めて慎重に調査を進めていかないと非常に問題になる事業だなというふうに企業庁としては考えておりますけれども、現状としましては、国におきまして総務省が主体になりまして、水ビジネスの海外展開につきまして幅広く整理するとともに必要な支援策の検討を行っていると、国の段階でそういう段階でございます。その検討状況も注視しながら、水ビジネスに関します検討、これにつきましては今年度5月から着手したところでございます。

内田委員

 まず、神奈川県知事がエコを命題として見ていて、エコカーとかクリーンエネルギーの創出でいろいろ頑張っていらっしゃるんですよね。やはり水というものもイコールクリーンエネルギーになり得るものですし、水自体が本当に資源の一つだと思うので、東京都のみならず神奈川県においても、いろいろな意味で考えると水道事業として発達していると思いますから、その技術を海外に移植するように、そのノウハウを移植することによって水ビジネスに参入できる可能性がなきにしもあらずと私は考えているんですけれども、まだまだちょっと時期尚早だというのが今御答弁にございましたが、やはりしかし、総務省がそういうふうに打ち出してきているのであれば、その考えをよく周りを見ながら、抜きんでる必要は今のところはないと思いますけれども、神奈川県の名水だと、そういう自負を持てるようにしっかり塩素濃度を含めて安全性を高くするとか、そういったことを進めていって、企業庁ではやはり水ビジネスのことも少しは念頭に置きながら、自治体ですから税金で賄っていますから、リスクが高いのは十分承知しているんですけれども、そうやって東京都とか大阪が一つずつ進めてきている中で、やはり少し考えていくべきではないかと。私はせっかく自然に恵まれた神奈川県ですし、森もたくさんありますし、これから環境エコを打ち出している知事とか皆様にとってはいい話だと思いますので、是非とも前向きに考えていただきたいと要望します。

 もう一つなんですけれども、電気事業では地震対策とか災害対策というのは何かなさっているのでしょうか、お伺いいたします。

発電課長

 電気事業の災害対策でございますけれども、実際に地震が発生したときの対応でございますけれども、企業庁の災害対策計画に基づいて対応することになっております。具体的には、気象庁発表の発電所の所在の市町村が震度4以上の地震が発生した場合、地震後のチェックリストに基づきまして設備の臨時巡視とか点検を実施いたします。その巡視点検で被災が確認された場合は、二次災害の防止対策を行うとともに、復旧につきましては関係機関と協議をしながら迅速に進めることとしております。

内田委員

 次に、かながわ森の町内会事業というのが、紙を買ってもらうみたいな、間伐支援費として賄われるという話ですけれども、この事業についての内容と、今後どのように取り組んでいくのかちょっとお伺いします。

発電課長

 かながわ森の町内会の内容でございますけれども、近年、地球温暖化に対する環境対策が世界的な課題となっている中で、二酸化炭素の吸収面として森林の持つ役割がクローズアップされております。かながわ森の町内会事業は、環境貢献の活動に賛同する企業などが間伐費用の一部を負担していただくことで、健全な森林の育成に貢献しようという取組でございます。

 具体的には、県内の企業などがパンフレットなどを作成する際に、その印刷費の一部を、間伐支援費を含んだ間伐に寄与する紙を使用していただきまして、その全額を間伐の促進に充てることで、本県森林の健全な育成に貢献するものでございます。

 この森の町内会事業は、平成17年から環境NPOオフィス町内会が取り組んでいる仕組みを活用しておりまして、県の電気事業と環境NPOとの共同事業として実施しております。

内田委員

 最後に、この事業は、結局エコ、クリーンエネルギーの創出を通じた環境への貢献という考え方だと思いますけれども、今後、そういった分野が非常にかなめになってくると思いますので、確実に貢献ということなので努めていただくということで、あとは県庁の組織で実際紙を使っているのかそういうことも分かっていなかったんですけれども、やっぱり実際、県庁でも使っているんですか。それとも印刷業者だけに買ってもらうようにしているのか、ちょっとその辺分からなかったので、再度お伺いします。

発電課長

 まず、企業庁の中の取組でございますけれども、企業庁としましてもサポーター企業の一員として既に間伐に寄与する紙を使用してパンフレットを作成してございます。具体的には、7月時点で3種類のパンフレットを作成してございます。県庁への他部局への働き掛けでございますけれども、この紙は本県のグリーン購入基準に該当する環境への負荷の少ない製品でございますので、他部局における印刷物等につきましても、そういう目的に応じましてこの紙を使用するよう推進しております。

 政策会議等で様々な機会で周知するとともに、今後は次年度の予算編成時に合わせて個別説明などの働き掛けを行うことにしております。

 そのほか県内の各自治体につきましても、発電所などがあります市町村を中心にこの取組を周知するとともに、個別説明なども行うようにしております。

内田委員

 この件、要望で終わらせたいと思いますけれども、紙は安ければいろいろ企業も応対してついてこれると思いますので、どのように広めていくかというのが重要だと思いますので、その辺のところをしっかり御尽力いただきたいと思って終わりにします。

 それでは、県民局の質問に移らせていただきたいと思います。

 先週ですけれども、私は、本会議で知事に神奈川の芸術振興と魅力のことについてということで、特に神奈川芸術劇場と文化芸術振興について、それからいろいろなホームページやインターネット、そういったものを駆使して情報発信していくという意味ではいかがかということと観光施策との連携、有機的な取組について、質問をさせていただき、そういった意気込みとかそれから芸術発信については御答弁をいただいたところでございますので、まずそういった神奈川県の文化芸術振興について若干触れさせていただきたいと思います。

 まず、近代文学館について、神奈川県は非常にいい文学者が出身をしたところでございますし、作品も多く残っているということで、文学にも神奈川県としては力を入れていただきたいと思いますけれども、今回、指定管理者の指定議案として提出されている神奈川近代文学館、これが外部評価委員会の方で神奈川文学振興会が一番適格だということを評価されたということで、今までの経緯もあるでしょうし、それだけ外部評価が高かったということは、この文学振興会が今までいろいろな活動をされていたから適格と認められたんだと思いますけれども、どのような議論を経て適格とされたのかというところをお伺いしたいと思います。

文化課長

 5月5日に外部評価委員会が開催されまして、外部の有識者の方5人の委員によりまして評価されたところでございますが、サービスの向上と管理経費の節減、それから団体の業務遂行能力と大きくは三つの項目につきまして協議が行われました。

 各項目を議論していただく中で、例えば貴重な資料が厳正に保管されているですとかあるいは時代のニーズに合った企画を立てている、こういった評価をされまして、資料の収集整理、保存ですとか展覧会の開催、それから管理経費の削減努力、専門性を有する人材による管理体制など県が求める水準を満たしているということで、指定管理者として文学振興会は的確であるとの御判断を外部評価委員会からいただいているところでございます。

内田委員

 文学というと、非常に学芸員の方の知識もかなり必要だと思うんですね。その評価委員会の中で特にポイントとしたところ、それはどこでしょうか。

文化課長

 例えば、本県文化芸術の拠点の一つといたしまして、資料の収集、保存、公開の基本方針を示して、さらにこれらを活用した展覧会を具体的に提案していくと、こうした施設の設置目的に沿った適切な管理運営が見込めることが一つにございます。

 また、資料の収集、整理、保存につきまして人的ネットワーク、文学者の方々の人的ネットワークを活用した寄贈を中心とした収集ということで貴重な資料を収集できるということ、それから現在、増加してきておりますデジタルデータの原稿の保存の方法、こういった研究など文学の創作環境の変化への対応が提案書において示されているということもポイントとされました。

 また、展覧会におきましては、幅広い人たちを対象とした提案となっているとともに、児童文学関連の展覧会の定例開催ですとかジャンルを超えた独自の企画展など県民の皆様が広く文学に親しむ機会を提供するものとなった提案となっておりました。

 また、近代文学館の施設内にとどまらない企画といたしまして、県内の図書館ですとかあるいは高等学校でのパネル文学展の展示など文学に触れる機会が少ない県民の方々が広く文学に親しむ機会を提供すること、こういった点がポイントでございます。

内田委員

 評価されたということで、神奈川文学振興会が一番ということでしたけれども、結局そこのイベントとか企画とかそういうものがとても生きてくると思うんです。それといろいろ寄贈されたものを、書物をどうしていくかとか、また、これからはインターネット、さきにも申し上げましたけれども、そういうものを使って若い読者をつかんでいくとか、若い方だけでなくていろいろ興味のある方を増やしていくということで、私、昔、夏目漱石さんとかあと大佛次郎さんの企画展をやっていたときに興味があったから行ったんですけれども、やはりそういった打ち出す力というのが文学振興会にもこれから必要とされていく。今までもやっていると思いますけれども、現在、活字離れが非常に進んできておりますので、こういった中でしっかり活字離れを防いでいかなくてはならないと思うんですけれども、まず、文学振興会を指定管理者の候補としたこと、なぜそうなったのかと、そういう機能が高かったというのもありますけれども、そういう企画力とかいろいろあると思うので、そういったこととあと活字離れを防ぐためにはどうしていくのか、その辺をお伺いします。

文化課長

 今回、近代文学館の指定管理者選定におきましては、昨年来、議論を進めさせていただいて議会にも御報告してまいってございます。近代文学館は、文学の専門家の皆さんで運営されるのが一番いいだろうということで始まっておりますし、また、先ほど申し上げましたが資料の収集、保存のためには文学者とのネットワークが必要であると。こういうことから文学振興会が近代文学館の運営に最も適するだろうということで、原則は公募でございますけれども文学振興会への1者指定ということで御説明をさせていただいたところでございます。

 また、活字離れへの対応につきましては、文学振興会におきましては平成17年に文字・活字文化振興法が施行されたことを受けまして、青少年をはじめ広く県民の皆様に文字、活字文化の流行を再認識していただくための事業といたしまして、文字・活字文化振興事業を平成20年度から指定管理業務に含めて近代文学館において実施しております。

 この事業では、子供を対象として児童文学にかかわりのある映画鑑賞会ですとか紙芝居、それから絵本の読み聞かせ、こうしたことを実施して子供たちの興味をつなぎ止めたり、あるいは文字・活字文化振興法で定めました文字・活字文化の日である1027日などに、これは近代文学館の観覧料金を無料にしたりと、あるいは収蔵庫の貴重ないろいろな資料をお見せする見学会、こういったものを実施しております。

 また、文字・活字文化に親しんでいただくための講演会や朗読会などを近代文学館の施設内だけにとどまらず県内各地で実施するなど、読書文化の振興と若年層の活字離れ、文字離れの抑止を図るための取組を行っているところでございます。

内田委員

 やはり神奈川近代文学館、神奈川と付く、それから文学と付く、こういった施設、本当に少ないと思うんです。ないというかここだけという感じなので、ここの専門的な文学者とのネットワーク、それからやっぱりこれは文学に本当に通じている人が集まっている振興会だと思うんです。だからやっぱり育てていかなくてはいけないし、またより良くしていかなくてはならないと思うので、私はしっかり本当にこの近代文学館、神奈川の中でもすばらしいと言えるような文学館を是非目指していただきたいと強く願っております。

 次に、やはりちょっと専門というか神奈川芸術劇場、これこの間の7月10日にしゅん工したということで、本当にあと残すところわずか半年、1月のオープンに向けて着々と進んでいるところだと思いますし、あと8月5日にしゅん工式があると思うんですけれども、委員会資料に、不動産取得議案に関して芸術劇場の保留床取得費の考え方というか、保留床取得について載っていましたけれども、この考え方について、私はどういうふうに経緯があって取得したのかというか、その辺の考え方をお伺いしたいと思います。

文化課長

 芸術劇場が建設されました場所は山下町の県有地でございました。その県有地の利活用を図るということで市街地再開発事業という方式をとるということになりまして、芸術劇場につきましては、独立行政法人都市再生機構を施行者とする市街地再開発事業で建設を行ったということでございます。そしてこの市街地再開発事業の場合は、それが終了した後の資産の総額から再開発前の資産の総額を差し引いたものをお支払いすることによって芸術劇場の権利を取得すると、こういう仕組みになっております。これが保留床でございます。

 具体的には、再開発後における資産が神奈川芸術劇場の建設費と市街地再開発事業に係る経費等によりまして、その総額が1576,900余万円でございまして、一方、再開発前における資産としては山下町県有地の土地と建物が1231,700余万円でございましたので、その差額の345,200余万円が神奈川芸術劇場の保留床の取得費という計算になっているわけでございます。

内田委員

 神奈川芸術劇場は、NHK横浜とともにコラボレートしていきながら活性化していくんだということなんですけれども、実際問題、これはちょっとお伺いしたかもしれませんが、NHKの横浜放送局がそこにありますけれども、あちらに移った場合に、隣になるわけですから、劇場の放送もされるわけですけれども、実際問題、どのようにコラボレートしていこうかという話合いはどの程度まで行われているのか。また、その話合いというのは、どなたが行っているのかお伺いしたいと思います。

文化課長

 合築を生かした芸術劇場とNHK横浜放送局とのコラボレートした取組ということでございますけれども、共用スペースを活用したにぎわいの創出といった面でNHK横浜放送局と共同した取組を行っていきたいと考えております。合築施設でございますので、常にNHK横浜放送局さんとは担当段階から私と副局長の方と頻繁に連絡をとり合って進めております。

 具体的にそのにぎわいの創出については、いろいろ相談しているところなんですけれども、建物の1階には芸術劇場とNHK横浜放送局の共用のスペースがございますので、開放感があふれるアトリウム、吹き抜けがございます。ここでイベントの際の客席としても利用できる大階段がございますので、オープンした後はこの空間を利用いたしまして、NHK横浜放送局と連携、協力して多くの人が集うイベントを開催してにぎわいを創出してまいりたいと考えてございます。

 今、具体的に考えておりますのは、来年のゴールデンウイークでございますけれども、芸術劇場のスタジオ、芸術劇場にはホールと大、中、小のスタジオがございますけれども、そのスタジオを終日開放いたしまして、県民の皆様に気軽に劇場に楽しんでいただくイベントの開催ですとか、あるいはホールでのバックステージツアー、ふだんは見られない楽屋ですとか衣装部屋、そういったところを御案内するということを内容とするオープンシアターを開催するということを考えております。その際にも、アトリウムにおきましてNHK横浜放送局と連携したイベントを開催する予定としております。

 また、その他の取組といたしまして、アトリウムにはNHK横浜放送局が約210インチ、これは縦2.6メートル、横4.6メートルの大型ディスプレイを設置されておりますが、ここで様々な情報やコンテンツを放映することとしております。先ほど委員おっしゃられたようなコンテンツの一つといたしまして、芸術劇場の公演情報も放映していただけるということをお話ししてございます。

内田委員

 私は、横浜じゃなくて渋谷のNHKで働いていたんですけれども、やはり隣にNHKホールとそれからもう一つ、ちょっと小規模なホールがありまして、そこで実際、演目をやってそれを撮影してそれをテレビで放送してきているわけなんですが、やっぱり内容とかが最終的に大事になってくるので、もしも文化課長さんやそちらの担当者の方で足りないときは是非私も手伝わせていただきたいと要望いたします。

 結局、一体運営をしていくということなんですけれども、今、メリットについてもお聞かせいただきましたけれども、さらに今、こういう時代が変わりつつありまして、そういった舞台の芸術とかいろいろありますよね、音楽にしろ何にしろ、そういうものとメディアの融合、それからネット、このネットも今ほとんどメディアイコールネットですね、そのままつなげることは可能ですから。そういったことがこの1年で非常に進んでくると思われるんですね。その辺についてそのメリットをどのように生かしていこうとしているのかお伺いします。

文化課長

 特にNHKというのは全国的な非常に幅広いネットワークを持たれておりますので、神奈川芸術劇場の公演作品が何らかの形でそういう全国ネットに載って全国の皆様に紹介されるということも期待できますし、あるいは芸術劇場は神奈川芸術文化財団が指定管理者として運営をしておりますけれども、今回、芸術劇場オープンに先立ちまして専用ホームページも設けております。そこからいろいろな公演情報を発信するということもやってまいりますので、そういったインターネットですとか最新の技術あるいはメディア、こういったものをフルに活用させていただいて日本の皆さんに神奈川から芸術を、演劇、ミュージカル、ダンス、そういったあらゆるものを発信できたらいいなというふうに考えておりますし、また、芸術監督は世界的に活躍しておられますので、日本だけにとどまらず、神奈川でのそういった作品が世界でも上映されることを期待しているものでございます。

内田委員

 続きまして、県立音楽堂、私もたまたま最近行ってみたんですけれども、耐震工事をしたということでトイレなんかがきれいになったと思うんですけれども、築55年という古いホールですが、特に音響的には評価があるということなんですけれども、結局、耐震工事以外の改修点とそれからどんなことに注意して運営しているのかというのをお伺いしたいと思います。

文化課長

 まず、耐震工事以外の改善点でございますが、委員おっしゃいましたように、トイレの常設、特に女子トイレで混雑が激しかったので、32基あったものを37基ということで五つ増やしております。

 そのほかトイレ自体の改修ですとか楽屋のトイレの改修、それからホワイエの空調機の更新、それから冷水機の設置などを行いまして、アメニティの向上を図っております。

 また、古いホールですので注意が必要でございますので、これはエレベーターですとかエスカレーターがないということで、あるいはホール内の低い照度、そういう施設面での制約がございますけれども、きめ細かいサービスやトラブルに対してすばやい対応など、主に人的な対応によって気持ちよく安全に利用できるよう配慮しているところでございます。

内田委員

 県立音楽堂と県民ホールが今ありますね。今度、神奈川芸術劇場ができますけれども、三つのすみ分けとそれから連携と県のいろいろ考え方はあると思いますけれども、そこを伺いたいと思います。

文化課長

 まず、音楽堂と県民ホールの連携につきましては、企画面では共通の指定管理者である神奈川芸術文化財団の下で総合的に事業の企画を行うとともに、自主事業の公演実施に当たりましては、公演日が重ならないように事前調整を行っております。分野が重複する場合におきましても、例えば県民ホールのグランドオペラに対しまして音楽堂では室内オペラを行いましたり、あるいはオーケストラでは音楽堂での古典を中心とした演奏会に対して、県民ホールではコーラス付きの大型の管弦楽作品による演奏会を実施するなど差別化を図っております。このことによりまして、県民の皆様が総合的に多様なジャンルや規模の文化芸術に触れることができるよう相乗効果による充実した鑑賞機会を提供するところでございます。

 また、音楽堂及び県民ホールをメイン会場といたしまして、国内外のすぐれた舞台芸術公演を提供いたします神奈川国際芸術フェスティバル、これにつきましては、それぞれのホールの特性を生かした事業で構成いたしまして、多彩な催しとなるよう工夫しております。さらに、広告、宣伝面でも新聞、雑誌広告を共同で行うなど連携して取り組んでおります。

 また今度、神奈川芸術劇場がオープンいたしますので、当然連携していくことにはなりますが、音楽と舞台芸術ということでジャンルは異なりますけれども、例えば神奈川国際芸術フェスティバルは、芸術劇場を組んだ連携事業になると考えられますし、広告、宣伝面でも連携して取り組めるというふうに考えております。

内田委員

 神奈川の芸術文化振興を考えたときに、こういった県立音楽堂、それから神奈川芸術劇場が今度できます。それから今まであった県民ホールという大きい施設、それからそのほかに先ほど質問しました近代文学館、それからほかにはアートホールとか藤野芸術の家とか、アートに関する県民のための施設も多うございますが、今度またゆっくりその辺を掘り下げて質問させていただきたいと思います。

 次は、青少年保護育成条例の改正についてお伺いしたいと思います。

 先ほど、当局より御報告いただきましたけれども、今、現行の編成の条例の構成から改正後、少し細かく章が分かれて、特に社会環境の整備関係、それから健全育成阻害行為の制限関係、またインターネット環境の整備、それから関係者の協力関係など、現行だった2章の青少年育成を阻害するおそれのある行為の制限が少し細かくなったということで、我々も十分承知しております。この辺りについてお伺いしていきたいと思います。

 まずは、青少年保護育成条例だから当たり前といえば当たり前なんですけれども、青少年指導員、この方々というのは、もともと地域に根ざして様々な青少年のための指導員としてボランティア的要素が強く、非常にあいまいではありますけれどもなくてはならない存在でして、嶋村委員長も議員になる前から一生懸命務められていることは私も承知しております。

 そこで確認なんですけれども、青少年指導員がたくさん出てきて、これは結構大変な役割だと思いますけれども、その辺の考え方を改めてお伺いしたいと思います。

青少年課長

 青少年指導員につきましては、現在、神奈川県青少年指導員要綱に基づきまして、市町村長または市町村教育長から推薦のあった方を知事が委嘱しているという状況でございます。そこで、今、平成22年5月末現在、県内で5,264人の方が活動していらっしゃいます。

 活動内容でございますが、本当に様々で体験活動あるいは非行防止活動、地域づくりですとかあるいは様々な調査、こういったことに活動していただいて、特に県の場合にもカラオケとかネットカフェの営業実態調査、そういった非常に青少年の健全育成にとって大変な御貢献をいただいているというふうに考えています。

 こうした中で、私どもといたしましては、こうした青少年の健全育成に当たって、正に中心的な役割を担っていただいているものと考えておりまして、今回の改正に当たりまして、その方々の位置付けとかあるいは担っていただきたい役割、こういうものをきちんと定めることでより活動しやすい環境を整えさせていただきたい、こういう考え方でいるところでございます。

内田委員

 青少年指導員の役割というのを明確に今までこういうふうに書かれていたことがあるのかということと、今回、改めてこういう条例ができたから青少年指導員にスポットが当たって、結構やることが多いと思うんですけれども、たとえば調査要請なんですけれども、県警で言うと補導員がいらっしゃいますよね。その辺のすみ分けみたいなのがあるのかとか、また連携とか、青少年指導員の方は5,000人以上もいらっしゃいますので、その方たちへの周知とか、行き渡るかどうかということが不安なんですけれども、その辺の考え方というかこれからの進め方をお伺いしたいと思います。

青少年課長

 確かにおっしゃられるとおり、指導員さんにつきましては、先ほど申し上げましたように、私どもの要綱だけで決めさせていただいている。今までそういった活動内容ですとかお立場等の根拠がなかったということで、繰り返しになりますが、改めて条例で位置付けをさせていただいて、その根拠をはっきりさせていこうということが一つございます。

 それと今回、例えば知事に調査等を要請という役割を担っていただくことについてでございますけれども、これにつきまして、私ども実は今でも青少年指導員の方をはじめ様々なお立場の方に、例えば具体的にはカラオケボックスとかインターネットカフェとか書店とか、いろいろなところでパトロールとかあるいは調査をしていただいてございます。

 今回、調査要請の規定を新たに設けるということでございます。実は、これ指導員さんの一部の方から、やはりそういったところ、いろいろなところの見回りをしたときに、あそこ何かおかしいことをやっているよとか、あるいはあそこちょっと変じゃないのといったようなことを見掛けることが結構多い。そうした場合に、きちんと青少年課の方で立入指導なりそういったようなことができるような、そういう仕組みをつくってほしいというようなお話がございまして、そうしたことに基づきまして、今まではお願いをするばかりでございましたけれども、今度は指導員さんからもそういった要請を頂くことで双方向の関係をつくり上げていこうということで設けようとしているものでございます。

 また、あともう一つ、青少年指導員等は調査要請できるということでございますが、今、先生からお話がありましたように、例えば警察署長さんが委嘱されております少年補導員の方あるいは環境浄化推進員といった方も市町村で委嘱をされてございます。私どもこうした方々にも当然今重要な役割を果たしていただいているという実態がございますので、そうした方々についてもということで大変恐縮ですが、一緒の役割を担っていただけるように例えば規則等でそういうことを定めさせていただくということで、引き続き同じ役割を担っていただきたいというふうに考えているところでございます。

内田委員

 ですから、青少年指導員の方は5,264人いらっしゃるということで、この条例が決まるよということを全員に知らせていかなくてはいけないし、どういう役割をしてほしいのか明確にやっぱりお願いしていかないといけないし、人によって意識も違うと思うんですね。

 そこで川崎とか横浜では、青少年指導員協議会みたいなのがあると思うんですけれども、そういったところへの働き掛けとか、今後、どうしていくのかということを確認させていただきたいと思います。

青少年課長

 正に今、御指摘いただきましたように、こういった役割を担っていただきたい、条例に位置付けさせていただきましたということだけでは全く意味がない話でございまして、そうしたことをきちんと丁寧に指導員の方々にお伝えしていくということが一番大事なことだというふうに思っております。

 そのために、各市町村あるいは横浜、川崎市等ですと各区にそうした指導員さんの連絡協議会がございまして、私どもも一応束ね役として事務局を担っている部分がございます。そうした意味で、そうした協議会、一つ一つの協議会さんを通じて改めてこういった条例改正の暁には、中身としてこういう部分を指導員さんにお願いしたいんですというようなことをきちんと整理をいたしましてお知らせをさせていただく。あるいは毎年、秋口に指導員さんの全県の大会とかもございますので、そうしたときにきちんとその内容についてお伝えをしてまいりたいというふうに考えてございます。

内田委員

 これからどれだけ指導員の方のモチベーションを高めていけるかということが非常に重要だと思いますし、保護者の方、それから学校関係者、それから警察、こういった連携が非常に大切ですし、青少年指導員さんとの関係をどう構築していくか、見えないところがまだあるわけですよ。何かぼやけているというか、その辺をちょっとしっかり取り組んでまたこの青少年指導員に対してはお聞きしたいと思いますが、オの青少年の立ち直り支援についてなんですけれども、これは犯罪を犯した少年というよりも、日常例えば非行、軽い非行というか、非行が見られる少年に対して立ち直りを支援するということでよろしいんでしょうか。

青少年課長

 非行等のある青少年、正にいわゆる刑法犯の重大な犯罪を犯したというよりは、むしろ例えば深夜はいかいですとかあるいはたばこ、飲酒といったようなことで補導等をされた、そういった少年についての立ち直り支援、こういったことに私ども行政だけではなくもちろん警察、教育こういったところも連携して取り組んでいきたいということで定めさせていただきたいものでございます。

内田委員

 また、この今回の条例のことに関しては、インターネット全般に関しての環境整備についてですか、これが非常に大きく、今までは携帯電話やインターネットの青少年に悪影響を及ぼすであろうというものが多かったです。今も多いですけれども、それをフィルタリングすることによって防げる。しかしながら、フィルタリングを行うには携帯の電話会社、今、大手は三、四社ありますけれども、そういったところとの非常に細かい取決めというかそこら辺がかなり重要になってくると思いますが、本当にこの青少年インターネット環境整備法で定められたフィルタリングとは、具体的にはどこまで青少年を防護できるのかということをお伺いしたいと思います。

青少年課長

 いわゆる携帯電話のフィルタリングでございますけれども、青少年インターネット環境整備法では、有害な情報に触れないようにするためということで、このフィルタリングが大変有効だということで、これが主な方法として定めたところでございます。

 具体的なフィルタリングの仕組みでございますけれども、ちょっと細かいお話になりますが、あらかじめ営業所等で契約をしてフィルタリングを設定しますということで、それが契約時に整いますと、その認識番号というのを登録されることになります。一方、インターネットの世界では様々な情報が発信されているわけでございますけれども、仮にフィルタリングを設定した認識番号を持った携帯電話から有害なサイトにアクセスしたいというふうな、そういうアクセスをしたとしましても、接続業務を担うプロバイダーの方でこのフィルタリングのかかった携帯電話という認識がもちろんございますので、この認識番号で判別をして接続を行えないようにするということがフィルタリングの基本的な仕組みでございます。

 こうした形で有害なサイトへの接続を遮断するということ、これにつきましては、青少年が有害な情報にアクセスを基本的にできないようにするということで効果的な仕組みということで、青少年インターネット環境整備法の方でも促進することが定められているものでございます。

国吉委員

 1点、2点、短く確認をさせていただきたいんですが、さっきのエとオですね。(5)のところですが、保護者がということで、保護者が主語になっているわけですけれども、青少年指導員等へ相談、助言を受けるように努めると、持って回ったような言い方になっているんですけれども、役割が大きくなっていくと、見えるようにしていくと、条例ではっきり分かるようにするのは大事なことなんですけれども、要綱上の青少年指導員だけで立場上は不明確、そして非常に動きにくい、権限があるのかないのか分からない。ほとんど権限がない。こうした中で、非常に汗水たらして活動している青少年指導員の立場ですね。こうしたことに対して保護者が相談に乗ってくださいよと、受けるよう努めるということで、保護者を保護する。保護者の立場を明確にするということで、それは青少年を保護育成するということの立場のまた保護者の方の支援をすると、それはそれでいいわけなんですけれども、青少年指導員の位置付けが要綱上の位置付けになっているということは変わらない。

 こうしたことの中で、もしトラブルがあったとした場合の身分保障だとか、あるいは様々なそうした大きな問題が生じたときにどうなっていくのかというふうなこともありますね。非常にセクシャルハラスメントなんか、いろいろなこともありますね。いろいろな刑事上に近いようなこともあります。ここにまた学校、警察署、これは協議しているのかどうか。つまり学校教育法に基づく学校、あるいはまた一つの警察という活動に対して、そういう機関の協力体制がなければできないと思うんですよね。そうした一つの協議があって、9月ですか、そういう条例を提案したいと、そういう日程になっていますかね、青少年保護育成条例の抜本改正について。あと2箇月しかないわけですけれども、そうした準備が順調に進んでいるのか、問題点がないのかどうか、かなり大きな問題かなという感じがするんですね。学校側ということになると、いわゆるクローズと、そういうふうな社会というような面もある。警察も手一杯だよと、こんなこと立ち入れないよと、こういったことも出てくる。量的な問題、質的な問題、こんなようなことについて協議がよくなされているのかどうか。

 それからもう一つは、オのところで、青少年の立ち直り支援というんですけれども、例えば保護更生というんですか、つまり法務省の管轄の保護司あるいは更生保護婦人会、こうした関係の活動もありますね。こうしたことについて、いわゆる国と地方との関係と神奈川県との関係についてもかなり十分練っていないと大変なことになる。展開するのはいいんだけれども、条例を示すのはいいんだけれども、実際の運用面で問題がないのかどうか、どこまでできるのか。いわゆる1号観察、2号観察、いろいろなことを含めて地域まで入ってくる。子供たちやいろいろな方がいるわけですよね。そういったことについても取り扱わなきゃいけない、青少年指導員の守備範囲は何だと、こういったようなことも含めて、それのところが十分なされているのかどうかちょっとよく分からない。ちょっとアバウトかなという感じもするので、先ほどの説明だけでは。ちょっとその辺伺いたいと思います。

青少年課長

 青少年指導員さんの役割につきましては、例えば先ほどのような調査をしていただくというのは、この辺は非常に分かりやすいというかそういう権限の部分のお話だと思います。

 ただ、今、委員から御指摘いただきましたように、例えば立ち直り支援とかあるいは保護者からの相談ですとか、そういった部分につきましては、確かに物事、ケースによっては非常にナーバスなというかデリケートな問題に踏み込んでいく、かかわるという部分もございます。そういったことにつきまして、本当に十分に指導員の皆さん方との整理ができているのかという部分につきましては、私どもの方でもまだ完璧というふうには思ってございません。今後、指導員の方々のお話をお伺いする機会とか一緒にこの仕組みをつくっていく、そういったようなことで御協力をいただく機会も非常に多く私ども持っておりますので、まず皆さん方にそういった部分についてお話をお伺いして、それで実際の皆さん方に御迷惑にならないような、そういった仕組みづくりといったようなものをこれからつくり上げていきたいというふうに考えてございます。

 それからあともう1点、いわゆる警察、それから教育機関との関係でございます。県警本部とそれから教育委員会と、私どもが間に入りまして、昨年から何度か意見交換会と申しますか、この条例でじゃあ一体どういうことを具体的に進めていくのかという、そういった話合いをさせていただいてございます。

 その中で、やはり私ども具体的にイメージしてございますのが、警察本部が今進めております少年サポートチームという活動がございます。これは非行等に陥った少年につきまして家庭、学校、警察、こういったところが連携して立ち直り支援のために取り組むと、こういう仕組みでございます。これが既に県警本部の方でもそういったような取組をしているというものでございます。

 それからあともう一つ、これはちょっとデリケートなお話になりますが、いわゆる学校警察連携制度という制度がございまして、当然非行に陥った青少年について警察本部の方に、具体的にどこのだれがというようなことをお知らせする中で立ち直り支援をしていくという仕組みもございます。

 これにつきましては、その現場の教育委員会さんでいろいろなお考えもあって、なかなかこの取組が進まないというようなこともあるというふうに警察本部、また教育委員会の方からも伺ってございます。私どもとしましては、こうした問題、すぐに具体的に実現は進んでいくというようなものではないと思っておりますが、できるだけ教育委員会それから警察本部さんと一緒に現場の教育委員会、市町村の教育委員会さんにいろいろお話をさせていただくとか、いろいろな工夫をしながらできるだけそういう取組が進められていくように三者で協力して働き掛けをしていきたいというふうに考えております。

国吉委員

 よくその辺のところは調整ということが大事だと思うんですね。権限、そして権限に基づく業務執行、活動していくということですね。公務員じゃないですけれども、仕事をしていく。その場合のやはり関係機関との調整、そういったことというのは非常に重要なことになると思うのでね。相変わらず根拠も何もなく体育指導員とも違う。これはスポーツ振興課の体育指導員ですよね。青少年指導員というのは非常に身分がはっきりしていないし、本当に弱い立場に置かれていると、そうでなくても言われているわけですよ。そういうふうなことについて、役割を拡大するのはいいんだけれども、やはりきちっとした権限がどこまで及ぶのか、関係機関との調整が上手にいくのかどうか、そのところは十分調査の上で進めていただかないと、条例に書くだけではなく問題が起きないようにしていただきたいということです。

内田委員

 私も国吉委員と全く同じ考えであります。先ほどもちょっと同じようなことをお伺いしましたけれども、やはり明確ではないですね。これからの1年、半年にかかっている、その辺が肝心ですので、しっかりその辺を整理して明確にしていかなければ何とも不明りょうという印象が否めませんのでお願いいたします。

 さっきフィルタリングのことについてお伺いしましたけれども、ちょっと1点なんですが、フィルタリングで課題というものが持ち上がってきていると思うんですけれども、そこら辺は課題ありますよね。どんどん新しい言葉が出てきていますからね、イタチごっこであるとか、それに対応していくノウハウを早く対処しなくてはいけないとか、そういったことについてお伺いしたいと思います。

青少年課長

 フィルタリングにつきましては、先ほども御説明いたしましたように、ネット環境整備法でフィルタリングは原則義務化ということにされた。これは法律でそうなっているという状況がまずございます。

 ただ、ネット環境整備法のフィルタリングの規定が、保護者が、青少年が利用する場合にフィルタリングを使わないよというふうに申し出た場合には、携帯電話事業者に申し出ればフィルタリングを解除できるという規定になってございます。このため、保護者の方が青少年の発達段階に応じてフィルタリングを解除するということであればよろしいんですけれども、中には余りそういうこともよく御存じないで安易にお子さんからせがまれてフィルタリングを解除してしまうというケースも中にはかなりあるのではないかというふうに考えてございます。

 私どもといたしましては、この問題、一義的には保護者の方がお子さんとお話合いをしていただいて、それで決めていただくべきものというふうには考えてございます。ただ、なかなかフィルタリングの設定率も向上しないというような状況でございます中で、また、さらにお子さんたちが、出会い系サイトで児童買春等の被害に遭うということが後を絶たない部分がございますので、この際、やはり保護者と事業者双方にフィルタリングの設定を義務付ける規定をこの条例で設けさせていただき、そしてフィルタリングの一層の促進を図りたいというふうに考えているところでございます。

内田委員

 それでは、最後に要望だけ申し上げたいと思います。

 今のフィルタリングにしても、やはりいろいろなネット環境も今どんどん進んできておりますが、逆に今度、犯罪に巻き込まれる可能性というのも非常に高くなっておりまして、若い女性が特にひどいことになってしまって、大変なことになってしまってと、事件にまで発展してしまう、そういったことも本当に日常茶飯事でありますので、やはりこの青少年保護育成条例に関しては、そういった危険度の高い分野も多々ありますから、例えばそこにある性風俗店等の勧誘業務等への従事、罰金がありますけれども、そういったことも店舗によってなかなかイタチごっこ、新手の営業を編み出してきますから、その辺は県警察との連携も非常に大切になってくると思うんですけれども、やはり先ほど申し上げた青少年指導員が気が付いたときにそれをどこに連絡すればいいのか、窓口、そういったこともまだはっきりしていませんよね。だからそういったところもちゃんと踏まえてしっかり進めていっていただきたいと強く要望いたしまして質疑を終わります。

 

他委員、質疑続く