平成23年  商工労働常任委員会 - 1011日−01

平成23年  商工労働常任委員会

◎《委員会記録-平成23年第3回定-20111011-000007-商工労働常任委員会》

1 開  会

2 記録署名委員(藤代・中谷の両委員)の決定

3 日程第1を議題

4 同上質疑(所管事項も併せて)

 

内田委員

 私の方から、第9次神奈川県職業能力開発計画について一つ確認をしたいので、御質問いたします。

 これから5年間、この第9次開発計画の実行に移されると思いますが、本当にこれからの5年間というのは非常に大切だと思うので、現状認識を踏まえた上での、今後の方向性に合致した計画の遂行というのが非常に急務であります。幾つか柱がこの中に載っていますけれども、職業訓練の推進、それから非正規労働者に対するセーフティネットとしての能力開発については、特に私は重要だと考えております。

 そこで、各県でも第9次職業能力開発計画が進められておりますけれども、先日、特区申請されましたが、県の推し進めるかながわスマートエネルギー構想をはじめとする環境分野に関して、どういったところに反映されようとしているのか、また具体的にはどのように施策を展開していく手はずというものが準備されているのか、ちょっと詳しくもし現段階で何か行っていることがあれば、お伺いしたいと思います。

産業人材課長

 環境分野の人材育成については、実施目標3の企業ニーズに応じた人材育成の推進の()、成長が見込まれる分野等における人材育成の推進に位置付けておりまして、今後取組を進めていくこととしております。

 具体的には、今年度からにはなりますけれども、職業技術校で直接実施する訓練コースでの人材育成として、既存の建築設計コースのカリキュラムを見直しまして、省エネルギーや太陽光発電等の環境関連の設備に関する知識、技術の訓練内容を盛り込んでおります。

 また、専修学校等の民間教育訓練機関ですとか、NPO等に委託して実施する委託関連というのがございますけれども、こちらでも今年度から新たに太陽光発電設備設置関係の訓練を実施しておりまして、民間教育訓練機関等と連携して環境人材の育成に取り組んでおります。今後もこうした施設内の訓練で見直せるところは見直して、また委託訓練などを活用して環境人材の育成に取り組んでまいりたいと考えております。

内田委員

 是非頑張っていただきたいと思います。

 また、特に介護・福祉、医療関係に関しましては、今後も多くの人材が必要であると思います。職業能力開発に関しても、各医療施設や介護施設、それから関係する機関の団体、大企業との連携が更に重要になってくると思いますけれども、庁内でも部局横断的な取組が必要となってくると考えられます。職業能力開発計画では、介護・福祉、医療関係の人材育成に関してどのように力を入れていこうと考えられているのか、また、部局横断的にはどのように計画を進めていこうと考えているのかお伺いいたします。

産業人材課長

 介護・福祉、医療関係の人材育成についてですけれども、まずその医療人材の育成については、この人口の高齢化が進んでいる中で、やはり成長が見込まれる分野というふうに考えてはおりますが、ただこの医師ですとか看護師等の人材育成というのは、大学や専門学校等の学校教育において進めて、実施されているものでして、学校教育との重複を避けるという職業能力開発促進法の考え方に沿って、医師や看護師といった医療人材の育成については、この計画の中では盛り込んでおりません。

 そして、介護・福祉関係の人材育成についてですが、実施目標3の企業ニーズに応じた人材育成の推進の中で位置付けて人材育成に取り組んでまいります。現在、職業技術校では、介護・福祉人材の育成について、東部総合職業技術校と小田原高等職業技術校において、訓練期間6箇月のケアワーカーコースというのを実施しております。そして、専門学校等の民間教育訓練機関を活用して委託訓練として、平成23年度は介護ヘルパー2級養成科等16コースの訓練を予定しております。このように、職業技術校での訓練の実施と、民間教育訓練機関の活用による委託訓練の実施により、今後も介護福祉人材の育成に取り組んでまいります。

 そして、部局横断的な計画の推進についてですが、これは保健福祉局が所管する神奈川県福祉・介護人材の確保定着に係る検討会というものがございまして、こちらで部局横断的に取組を推進しているところです。このため、当課としましては、保健福祉局と連携をして全県での介護・福祉人材の育成状況を把握し、そうした状況を踏まえて計画における介護・福祉人材の育成の取組を進めてまいります。

内田委員

 特に介護士さんが足らない状況でございます。是非保健福祉局と連携をとってより人材の育成に努めていただきたいと思います。

 次に、子育てなどで休職していたそういった看護師や介護士の方もそうかと思いますけれども、職場復帰を願う女性の職業能力開発や職業訓練を拡大していく必要があるというふうに考えます。本県におきましては、専門学校や各種学校と人材育成を強化しているということは承知しておりますけれども、最近の傾向として、女性の職場復帰に関して支援する県の取組強化については、何か特段目立った方策があるのか、現状をお伺いしたいと思います。また、今後に関してどのように考えているのか、県当局のお考えをお伺いしたいと思います。

産業人材課長

 職業技術校の訓練では、女性ということで特化した訓練というのは実施しておりませんけれども、工業技術、建築技術、社会サービスの訓練28コース、そして民間教育の機関を活用した委託訓練として、医療事務ですとかIT関係、営業等といった多彩な訓練を充実することで、女性の再就職を支援しております。最近の取組としては、やはり女性の中でも就職はやはり非常に難しいという母子家庭の母に配慮した委託訓練として、本格的な訓練を受ける前に、1箇月の期間でパソコン実務ですとか、これから働いていく上での心構えですとか、そういったところも含めて就職準備をするコースを新たに今年度から実施しております。今後も、職業実施校の施設内での訓練と併せて委託訓練を活用して、多彩な訓練を実施していくことで、母子家庭の母等女性の教育訓練機会の提供に努めてまいりたいと考えております。

労政福祉課長

 また、県では再就職のための教育訓練機会と併せまして、女性の就業継続の支援も行っているところでございます。やはり一旦離職した女性の方は、なかなか再就職がしにくいという現状もございますし、また職場に育児休業制度などがありましてもなかなか利用しにくい、こういったような状況もございます。こうした状況を踏まえまして、働きやすい職場環境づくりを促進するために、シンポジウムですとかあるいはセミナーなどを実施して、啓発事業を行っておるところでございます。

 さらに、働きやすい職場環境の促進というのは、企業の生産性の向上、そしてまた優秀な人材の確保にもつながりますことから、特に中小企業を対象として、専門家をアドバイザーとして派遣しまして、個々の中小企業に適した働きやすい職場環境づくりの仕組みづくりに向けた助言、こういったようなことも行っておるところでございます。

 また、あわせて生産性向上のための働き方に必要な取組でありますとか、あるいはそれに関わる国の支援、こういったようなことをまとめたガイドブックなども作成して、企業の皆様方に活用いただいているというところでございます。

 今後もますます女性の人材活用の必要性ということは高まってまいるというふうに考えておりますので、こうした働きやすい職場環境づくりを進めまして、女性の就業継続支援をより一層進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

内田委員

 半分は女性ですので、やはりそのニーズが高まっていると思います。是非再就職がしやすい環境づくりを県の方で取組を進めていただきたいと思います。

 次に、今後求められる人材に関しての表がございましたけれども、建築建設分野のこれは監督者などが危機的な状況になってくるという見慣れないものが載っておりましたけれども、こういった今後不足してくるであろう人材の確保に関して、職業能力開発計画の中では、職業訓練の役割と機能強化に関し、訓練内容も含め、社会や企業のニーズに鑑みて、職業能力開発に関する就職のマニュアル、カリキュラムの見直しを、先ほど速やかにはやっていくとは御答弁ございましたけれども、そういった見直し、カリキュラムやスケジュール、いろいろなものがありますけれども、見直しを図られるべきであると考えます。より柔軟な対応が求められると思いますけれども、その辺はどのようにそれぞれ対応していこうと考えているのか、また具体な方策があれば伺いたいと思います。

産業人材課長

 まずはじめに、建築建設現場の監督者等というお話がございましたが、この建築建設分野の監督者とそのリーダー的な立場に立つマネジャーのような立場については、幅広い専門的知識と経験やリーダーとしての資質を兼ね備えているということが必要ですので、技術校の職業訓練というよりは、企業の中で育てていくことが必要なのかというふうに考えております。

 こうした企業内での人材育成については、建築建設分野を含め、県では事業主や団体が従業員のために実施している認定職業訓練というものがありまして、この認定職業訓練に対する補助を行っております。そして、監督者とかマネジャーといった以外の技術者、技能者、あるいは人材不足分野、同じ調査の中では機械、電気技術者ですとか金属加工、溶接従事者、あと設計従事者などが不足分野として挙げられておりますが、こうした技術、技能者の訓練については、技術校で実施しております。技術校で実施する訓練については、修了生の就職先企業ですとか在職者訓練を利用していただいている企業などの集まりで、各校で職業能力開発推進協議会というのがございまして、約850社の企業さんに参加いただいております。こうした企業さんから御意見を伺ったり、あと求人開拓推進員や在職者訓練コーディネーターという職員がおりまして、こうした者が企業の現場に出向きまして、いろいろな御意見をお伺いしまして、ニーズを把握しまして、必要に応じて柔軟に訓練内容を見直していきたいというふうに考えております。

内田委員

 やはり先日もありましたけれども、こういった建築建設現場の監督者等というのは、やはりスキル、能力がないといけないということで、やはり企業の中で育成するというお話、よく理解できました。神奈川県の特徴としては、エネルギー産業の参入とかいろいろこれから進められ、やはりこの分野でも人材が足らなくなってくると思いますので、職業能力の開発の方でも是非頑張っていただきたいと思います。

 それでは、最後に、今の社会背景を考えますと、長期失業者、それから学卒未就職者、また余儀なくニートになっている方々など、その数は非常に多いと思われます。8月末に厚生労働省が発表した昨年非正規社員の割合は、全国ですけれども、38.7%ということでしたが、年収なども200万に満たないぐらいの方が結構増えてきているというのが現状であり、若い方であっても将来の暮らしや生活設計が見えてこないというような、心配な方々も非常に多く存在していると、私は認識させていただいております。

 本県の今後の5年、10年の雇用施策、経済政策、放射能対策、そして昨今の円高の影響などの現状や、これまで続いているそういった社会背景を踏まえて、また人材のニーズを的確に捉えて、この第9次神奈川県能力開発計画は計画だけに終わらずに、常に前進、発展し続けて、より雇用環境や能力開発に直接的に反映されなければならないと思います。この第9次神奈川県職業能力開発計画が今後5年間にわたって現実的な雇用の創出や職業能力開発につながるよう、私も、自民党としても期待したいと思いますし、最後に、商工労働局長に雇用対策を含め、今後の意気込みをここでお伺いしたいと思います。

商工労働局長

 委員からお話しございましたように、今、世界の経済というのは大変速く動いているというふうに思います。なおかつ、グローバル化が進みまして、国内でやっていればいいという状況ではなくなって、世界が一つの競争の場というような認識をしております。特に委員がおっしゃったとおり、この5年ぐらいというのは、大変重要な時期かなというふうに思っております。

 そういった中で、神奈川県の産業がしっかり将来にわたって活躍していく、そのためには、やはり他にない高付加価値な、製造業に限らないんですけれども、そういったものを作り出していく、製品を作り出していく、商品を作り出していくというのが必要だと思います。これまで県内の産業というのは、常に日本の先端、それは世界の先端になるわけですが、それを支えてきた、それも県内の産業というのは中小企業が支えてきたという側面がございます。ですから、今後ともそういった面で高付加価値型製品を生み出せるような中小企業、その根幹は何かというと、技術力を持った従業員、こういった方々は、しっかり育てていかなければいけないと思います。

 まず、雇用の面でいいますと、今いろいろ若者が就職できないと、いろいろ言いますけれども、意外と力のある中小企業さんで、ちょっと雇いたいんだけれども、なかなか来ないんだよというような声が大きくあります。ですから、私どもは、先ほど言ったいろいろな産業面を強くするという意味もありますけれども、雇用の面からもそういった中小企業さんにできるだけ若者、それから失業されている方、それをつなぐようないろいろな面接会だとか様々な手段を講じて、しかしその辺は県が地域の実情に応じてやるべき部分でしょうから、それをやっていきたいというふうに思います。

 また、そういった力のある従業員でないといけませんから、そういった面では職業技術校の訓練につきましては、やはり企業ニーズに応じたものにしていかなければいけないと。それもやはり5年というスパンで考えれば、ニーズが変化してくると思うんですね。それをしっかり見て、5年間の計画ではありますが、初めつくったからそれで行くんだよではなくて、常に現場を見ながらリニューアル、あるいは場合によっては、計画変更の途中でも、そういう議論をしていくというようなスタンスで、しっかりと人材、雇用、職業能力開発の面でもしっかり行って、県内産業を将来にわたって発展できるような形で進めてまいりたいというふうに思っております。

内田委員

 局長に御答弁いただきましたけれども、県当局として、計画を着実に遂行していってほしい、そしてまた職業能力の場の対応やニーズに合った施策を柔軟に速やかに打ち出し、より雇用の創出につながるように努力していただきたいと思います。

 

6 日程第1について採決

7 審査結果報告書の案文委員長一任

8 意見書案等の提案確認

  提案なし

9 閉  会