《委員会記録-平成25年第3回定-20131004-000002-社会問題対策特別委員会》

 

内田委員

 私の方からは、地域の見守り活動についてと、高齢者のための多様な住まいについて、大きく分けてこの二つについて伺いたいと思います。

 まず、地域の見守り活動についてなんですけれども、これに関しましては、昨年の6月定例会の本会議で、質問させていただき、LPガス協会との協定の締結ということがありました。また今年も、6月の本会議で、その後どうなったかという問いかけに対しまして、知事から26事業者に増えたと、積極的な活動を検討されているという答弁がありました。

 そこで、今回、本委員会で、いま一度この地域の見守り活動について、この意義を改めて確認の意味で伺いたいと思います。

地域福祉課長

 活動の意義でございますが、委員お話しのとおり、地域の見守り活動は、既に多くの市町村で、自治会、民生委員などが主体となって、個別訪問、声掛けなどの取組が進められていたんですが、中には、行政や地域との関わりを避ける方々もいらっしゃり、御家庭の状況を十分把握できないケースがあるなど、限界がございました。そのため、昨年5月に、お話しのとおり、神奈川県LPガス協会に地域の見守り活動をお願いする協定を締結したのを皮切りに、県域全体を事業活動の対象として、新聞や食材の配達など、日々の暮らしに密接に関連し、御家庭を訪問する機会のある事業者、団体との間で順次締結をしてまいりまして、お話しのとおり、現在、事業者、団体数、登録事業者は26ほど、この間、例えば大和市が大和郵便局と県と同様の協定を結ぶなど、各市町村におきましても、個々の事業者に見守り活動をお願いする事例も増えております。

 そこで、県が包括的に協定を締結する意義でございますが、市町村域を越えて、事業を展開する事業者にとりましては、事業への周知徹底が図りやすく、見守り活動が、効果的、効率的に行うことができる、こういうことがあるというふうに事業者の方からも言われております。

 

内田委員

 民生委員だけでは、どうしても行き渡らない。民生委員のなり手がなかなかいないという課題もこれからどんどん出てくると思います。そのような中で、そうした民間事業者さんの協力あってこそ、様々な発見がされて、命を取りとめる方も多く出てきていると思います。孤立死や孤独死という問題が非常に大きな社会問題となっており、正にこの特別委員会で行う議論なんですけれども、行政の適切な支援につなげることが、まず一番大切であって、締結した事業者や団体が、具体的にいろいろ回っているうちに、例えばガスメーターの針が動いていないとか、いろいろあると思うんですね。具体的には、どのようにして発見に至るのか、お伺いしたいと思います。

地域福祉課長

 活動の具体的な内容でございますけれども、まず協定を締結する際に交わす協定書に明記しております。内容を御紹介しますと、活動の目的は、県及び事業者が連携し、孤立死、孤独死等のおそれがある世帯を行政の適正な支援につなげ、孤立死、孤独死等の発生を未然に防止すること、こういうことを掲げております。

 取組の内容といたしまして、事業者は、業務を遂行する中で、新聞や郵便物が何日分もたまっている、同じ洗濯物が干したままである、昼間なのに何日も雨戸が閉まっているなど、外から見てその御家庭の様子がいつもと違うなというふうに感じまして、さらに生命の危険が予見される場合には、県があらかじめ指定した市町村の連絡先に状況を通報するということになっています。

 ただし、緊急の対応を要する場合は、所管の警察署や消防署に直接状況を通報し、併せてその状況を市町村の連絡先に報告する、こうしたことを協定書の方に盛り込んでおりまして、この内容につきまして各従業員の方々へ周知していただくようお願いしているところでございます。

 

内田委員

 やはり私ども議員ですと、近場を回る日もあるんですよね。そういったときに、いろんな住宅があって、ただ、新聞屋さんにしても、牛乳屋さんにしても、本来の仕事というものがあってその中でやっていただくということですから、やはり県として感謝の意を表していかなきゃいけないと思うんですね。

 今までに、この1年か2年かで、この活動がされてきていると思うんですけれども、どのような報告がどれぐらいの件数寄せられたのか確認させてください。

地域福祉課長

 活動の実績ということでございますけれども、昨年の締結以来、本年9月30日現在の数字で申し上げますと、事業者、団体からは計62件の報告がありました。内容の内訳でございますけれども、救急搬送し、人命救助につながった、こうした事例が10件、旅行中、入院中など、その不在理由を確認したといういう案件が23件、残念ながら亡くなっていた、これが18件で、その他でございますが、訪問時ではないんですが、業務で移動中にたまたまそういった事故に遭った人を発見して、すぐ消防に通報した、こうした事例も11件となっています。

 このうち救急搬送し、県民の大切な命を救った活動10件のうち9件につきましては、その功績は非常に大であるとして、先日、知事より感謝状を贈呈させていただいたところでございます。

 その対象となった活動の内容を一部御紹介させていただきますが、80代の一人暮らしの男性で、新聞が数日分たまり始め、昼間に訪問しても応答がないため、親族と民生委員に連絡し、一緒に室内に入ったところ、本人が倒れていたので救急搬送した。

 もう一つは、68歳の一人暮らしの男性で、食材を届けたところ応答がない。電話をしたところ、何を言っているのか聞き取れず、異変を感じたため再度訪問した。その際、大きな物音がしたので、玄関をあけたところ、本人が倒れていたので消防署に通報し、救急搬送した。こういったもので、いずれも現在は、元気に過ごされていると伺っております。

 また、先ほど御報告した旅行中、入院中など不在理由を確認した、あるいは残念ながら既に亡くなっていたという報告事例につきましても、活動に真摯に取り組んでいただいた結果であり、この活動は県民にとって大変心強いものになっていると、私どもも思っておりますので、しかるべき時期を捉えまして、こうして継続して活動していただいたこと自体に今後、感謝の意を表していきたいなと思っております。

 

内田委員

 先日、新聞にも載りましたが、知事が事業者に対してと、個人にも2人、感謝状を贈呈されたということで、非常に喜ばしいことなんですけれども、こうした報告事例がない事業所に関しては、またこれからいろいろ御協力願うわけですけれども、どう評価されているんでしょうか。

地域福祉課長

 ただいま答弁申し上げましたように、残念ながらこうした人命救助にはつながらなかったけれども、亡くなっている事実を発見したとか、日頃から気にかけている意味で、新聞がたまり始めていてどうかなというのは、県民にとっては、安全な暮らしをしていく上で、非常に心強い取組だと考えております。逆にそうしたものを今、協定の締結期間というのは3年間としておりますけれども、更に今後も継続して活動していただきたいという思いを込めまして、おおむねその3年間を区切りに、表彰をさせていただければなというふうに考えています。

 

内田委員

 分かりました。6月の定例会での知事の答弁によると、こうした業者の方々に強い使命感を持って取り組んでいただいたおかげでありということで、この活動が、それぞれの高齢者、特に孤独死を防止するためにも、大変心強いものであると思うんですね。まだまだこれから広げていっていただきたいと思うんですけれども、今後どのように拡充していくのか、どのような団体に締結を働き掛けるのかその辺のところをお伺いしたいと思います。

地域福祉課長

 今後の協定締結の拡充の方向でございますけれども、この協定の目的は、市町村や自治会などの取組だけでは限界のある地域見守り活動を、民間事業者等の協力を得て、これを県域全体に広げることで、孤立死、孤独死を少しでも防止し、県民が安心して暮らせる地域づくりを進めていくことにございます。

 また、県域全体で事業活動を展開する事業者にとっても、従業員に指示が徹底でき、効果的に見守り活動を行えるというメリットもございます。こうしたことから、県が協定を締結する事業者、団体につきましては、日々の暮らしに密接に関連する事業者であって、かつ県域全体で顧客など特定の個人宅を訪問する事業者、こうした事業者を対象としておりまして、これまでも、LPガス協会、新聞販売組合、生活協同組合、乳製品の販売会社などと協定を締結してまいりました。

 これに該当する業種といたしましては、電気、ガス、水道などのライフライン事業、それから宅配事業や郵便事業、信用金庫、農協などの金融業などが考えられます。一部既に働き掛けている事業者もございますけれども、この見守り活動が県民にとってより心強いものになるよう、引き続きこうした事業者を中心に、協定の締結を働き掛けてまいりたい、こういうふうに考えています。

 

内田委員

 ちょっと空き家なのかな、どうなのかなという、そういうおうちも結構あるんですね。空き家が多いというのは事実なんですけれども、雑草が生えていて、新聞がたまっていると、こちらもすごく不安になるんですね。みんなで協力し合っていく土壌を築くことも必要だと思うので、一般の県民向けにそういった何かマニュアル的なものも、今後、必要になってくるのかなと思います。あともう一つは、常任委員会の方で、特区のことをやっています。それで、さがみロボット産業特区の方でも、医療、介護のセンサーなど、高齢者の孤独死防止のための機器を開発していくということも今後増えていくと思われるんですよね。今現在では、狛江市など、センサーを活用する市町村もあるわけです。神奈川県は、まだそこまでいかないんですけれども、県のホームページにそういった機器の紹介がされております。今後、高齢者世帯が増え続ける中で、単に紹介にとどまることなく、県民に対して事業者と連携、協力しながらこれらの機器の有効性をアピールすべきではないかと思うんですけれども、そのところのお考えを伺いたいと思います。

高齢社会課長

 ただいま委員から御紹介いただきました県のホームページでございますが、湯沸かしポットやガスの利用状況あるいは人感センサーなどを活用して、暮らしの中で一人暮らしの高齢者などの見守りを行い、又は遠隔地に離れている御家族の方に、携帯電話等によって安否確認の情報などを送信する、こうしたシステムなどの実用例を紹介しているようなものでございます。

 こうしたセンサーなどの機器を活用した見守り活動については、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、大変有効な手段であると私も認識してございます。

 県では、こうした機器を取り扱う事業者を確認した場合には、連絡をとりまして、県のホームページへの掲載の希望の有無をまず確認させていただいております。その中で、御了解を頂いた事業者について掲載させていただいておりまして、本年度に入りましても、新たに2事業者の事例を加えさせていただきました。

 こうした機器の一部は、御案内のように、福祉機器展であるとかロボット展とか、そういったところにも御紹介されているのも事実でございます。今後は、県が主催する介護ロボットの展示説明会、こういった場においても、事業者と連携、協力をとりながら、多くの県民の方々に、周知、普及が図られるよう、私どもとしても取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

 

内田委員

 間単に要望申し上げますが、東京オリンピックの際には全国で約500万世帯が単身の高齢者になるので、どうしてもみんなに関係することなんですね。ですから、あらゆることが少しずつでも進捗し充実していくよう、また民間の方々に対しても、感謝の心を忘れずに協力願うということで、県としてもお願いしたいと思います。

 もう一つ、高齢者の多様な住まいということで、持ち家を持った方はいいんですが、80%以上が持ち家を持っているということですが、そうではない借家の高齢者の方が本当に劇的に増えているということで、私は、住宅問題は一番の社会問題だと思うぐらいに危機感を持っております。年金生活者にとっては、家賃負担というのは非常に大きなものであり、また借りるときもそう簡単に借りられないといったような日本の古くからの伝統みたいなものがまだまだ変わらないでいて、また東京都内やこの辺も地価が高いので、サービス付高齢者住宅なんかも、月30万円とか下手したら50万円くらいかかるそうなんですね。

 そういった中で、杉並区のように、他県の伊豆の方にそういった高齢者のための施設を造るなど、住宅問題そのものも今後一層厳しさを増していくだろうと思いまして、私も本当に何とかしなくちゃいけないのではないかと思っているんですけれども、本県における高齢者の住まいにはどのようなものがあるか、その辺のところをお聞きしたいと思います。

高齢施設課長

 高齢者の住まいについては、それぞれの居住ニーズですとか、あるいは介護の必要性などによって幅広く様々な種類がございます。まず、介護が必要ということであれば、特別養護老人ホームあるいは介護付き有料老人ホームなどの施設や認知症対応のグループホーム、こういったものが挙げられます。この他、高齢者に対応した住宅としては、シルバーハウジングですとかサービス付きの高齢者向け住宅、こういったものが挙げられております。

 

内田委員

 ここのところ、例えば新聞で住宅問題に関する記事が結構増えてきたという感があるんですね。例えば、これは住宅というより認知症施設ですけれども、会計検査院が、施設の利用率が50%未満で、43億円の補助の無駄といった件や、あるいは、入居者補助について、資産が夫婦で2,000万円ある場合は、補助を制限していくといった政府の考えなど、これからこの10年いろんなことが変わりつつある。

 その中で、今、介護が必要な人と、必要でない高齢者の住まいの、大きくこの二つに分けて考えることができると思うんですけれども、介護が必要な高齢者のための入所施設は、本当に分かりにくいんですね、まず、その施設には、どんなのがあるのか。そして、実際に入所しようと思ったら、費用の問題は非常に大きな問題なので、費用の問題、それから施設の整備状況、これらについてそれぞれ教えていただきたいと思います。

高齢施設課長

 まず、介護が必要な方の施設について御説明いたします。

 要介護高齢者が住まいとして利用できる介護保険適用の施設としては、特別養護老人ホームがございまして、これは社会福祉法人が運営しております。特別養護老人ホームでかかる費用につきましては、介護保険の施設介護サービス費の1割負担分、それから居住費、食費などが自己負担となります。金額については、要介護度や入所者の所得あるいは居室の形態などによって異なりますけれども、例えば要介護度4で年収が80万円から210万円の方の場合、ユニット型の個室ですと月に8万3,000円程度、それから多床室といいまして、一つの部屋に何人か入る、ここでございますと月に約5万3,000円程度となります。これ以外に個人で使う日用品費などがかかる場合もございます。

 県内の整備状況といたしましては、平成25年4月1日現在で、350施設、ベッド数が3万245床となっております。

 次に、民間事業者が運営できるものといたしましては、有料老人ホームがございまして、これは、健康な方が入居できる住宅型というものと、介護が必要な方が入居する介護付きの有料老人ホームもございます。

 費用につきましては、施設介護サービス費の1割負担分、それから家賃相当額、食費、管理費その他の運営費、こういったものを徴収することができまして、月額の利用料といたしましては、平均で約15万円から30万円程度となってございます。

 なお、入居時の家賃相当額の前払い分がとれることになっているんですけれども、これは、施設の規模とか居室の広さなどによってかなり大きな差がございまして、全くとらない0円から、場合によっては2,000万円以上というものも中にはございます。

 平成25年4月1日現在の介護付き有料老人ホームの事業所数は、県内で415事業所、定員は3万140名となってございます。

 この他認知症の方を対象としたグループホームというのがございまして、これは、定員5名から9名を一つのユニットといたしまして、利用者が共同生活を行うような住居となってございます。費用につきましては、介護サービス費の1割負担分、それから家賃、食材料費、あと光熱費や管理費、日用品費、こういったもので月額の利用料は大体17万円から18万円程度となってございます。この他に、敷金等、前払い金というのを別に徴収する場合がございます。平成25年4月1日現在の事業所数でございますけれども、県内で、651事業所、定員は1万635人となってございます。

 以上、費用について御紹介いたしましたけれども、これは、施設によって幅がございますので、あくまで一つの目安ということで御理解いただければと思います。

 

内田委員

 このことに関しては、本当に何時間あっても足りないぐらいなので、とにかく介護が必要な人の入所施設は、拡充していただきたいと思います。

 次に、資料に、高齢者向けの住宅の記載がありますが、まずシルバーハウジングの住宅の家賃、入居状況、整備状況、そして現状と課題ということに関して伺いたいと思います。

住宅計画課長

 シルバーハウジングは、住宅施策と福祉施策の連携によりまして、バリアフリー住宅において、生活援助員による生活支援サービスの提供を行う高齢者向けの公的賃貸住宅です。本県においては、県と県内7市が公営住宅事業で整備しております。

 お尋ねの家賃ですが、公営住宅は入居者の収入に応じた家賃となっておりまして、実態を調査したところ、おおむね1万円台から4万円台まで幅があります。この家賃の他、生活援助員のサービス費用が発生いたします。この費用は、生活支援サービスを提供する市に支払いますけれども、市によって負担額が異なります。例えば、入居者の所得状況に応じて負担額を決めている川崎市、一律定額となっている横浜市、そして入居者負担を求めていない藤沢市などです。

 入居条件につきましては、公営住宅は、低所得者向けなので、収入基準以下である必要があります。年齢制限は、生活支援サービスを行う市によって異なります。

 整備状況でございますけれども、平成25年3月末時点で、県と横浜市、川崎市など七つの市の合計で、227団地、6,017戸となっております。

 課題ですが、これは、福祉サービスと住宅の施策が一体でないといけないので、例えば県営住宅の場合だと、住宅サイドとしてこういうことが必要であるといっても、地元の市でそれを受けてもらわないと、なかなかうまくいかないということで、やはり市町村がやった方が、うまくいくのかなというのが課題なのかなと思っております。

 

内田委員

 それでは、もう一つ、そのシルバーハウジングとともに、最近、超高齢者の方々が本当に増えてきまして、いろいろ法制上も去年の10月、高齢者の居住の安定確保に対する法律等の改正というものがありましたよね。高齢者円滑入居賃貸住宅、高円賃、それから高齢者向け有料賃貸住宅といった制度が廃止になって、サービス付き高齢者向け住宅に一本化されたということで、これは、目新しくもあるんですが、今、乱立している状況だということを少し漏れ聞いているんですけれども、このサービス付き高齢者向け住宅、あくまでも住居なのでしょうけれども、その家賃や入居状況、県での状況を詳しく伺いたいと思います。

住宅計画課長

 サービス付き高齢者向け住宅は、委員御指摘のように、平成2310月施行のいわゆる高齢者住まい法の改正によって制度化されたものです。バリアフリー化された賃貸住宅で、見守りと、それから生活相談のサービスが提供されます。家賃ですけれども、共益費込みの平均額で約12万円、その他見守りサービスが約3万円となっておりまして、合計15万円ぐらいになります。この他に食事サービスを利用されますと、月額の費用総額というのは平均で約20万円となります。

 この住宅に入居できる方は、60歳以上の方で、しかし60歳未満の方でも、要介護あるいは要支援認定を受けている方あるいはその入居者の配偶者等は同居することが可能です。これにつきましては、先ほど資料にもありましたけれども、平成24年末現在で4,990戸の登録が行われている状況です。

 サービス付き高齢者向け住宅の課題は、今後まだ出てくるのかなというふうに思っていますけれども、基本的に、民間事業者が行っており、国庫補助がついたり、あるいは税制の優遇があるので、我々の計画よりもかなり進んでいるというのが事実です。これについてどう考えるのかということが、これからの課題のひとつと考えています。

 また、住宅事情の中で、特に寄宿舎や昔の社宅などがなくなってきて、そういった住宅を逆にこういうサービス付き高齢者向け住宅に転換しようとする、こういうストックの活用みたいなものがあるんですけれども、そのときに、例えば面積の基準やバリアフリーの基準などハードの部分でどうしてもクリアできないようなものもあります。ストックをうまくこういったものに活用していただいて、今、トータルで月額20万円と言いましたけれども、もう少し低廉な金額で供給していただけないかなということなどが、今、捉えている現状の課題だと思っております。

 

内田委員

 今、シルバーハウジングと、それからサービス付き高齢者向け住宅について、るるお伺いしたんですけれども、それぞれ課題が見えてくると思うんですね。サービス付き高齢者向け住宅というのも、やっぱりこれからのもので、貧困ビジネスとかそういうものに結び付いていて、例えば無理に入れて生活保護費をとってしまうような悪徳事業者というのもはびこっている事態、県内はまだ分かりませんけれども、そういったことに関しても、社会問題として見ていく必要があると私は思うんですね。

 サービス付き高齢者向け住宅、今、月額二、三十万円という、多分そのくらいのレベルだと思うんですけれども、中間層の方が多い中で、もう少し低廉にしていく必要があると思います。

 また、女性は、結構長寿ですから、平均年齢が今86、7歳とかで、男性の平成年齢が七十何歳ということで、10歳ぐらい開きがあるんですね。そうすると、やっぱり一人暮らしの女性の高齢者もかなり増えてきて、子供も、今、少ないですから、子供が近くにいない人もかなり増えてくると思うんです。そうしたときに、住宅の問題というのは非常に厳しい。そして、この間、本会議でも出ていましたけれども、借りるときの安心など、高齢者の居住の安定確保を大きく捉えて、どのように取り組んでいこうと考えているのか、最後にお尋ねします。

住宅計画課長

 今後、急速に高齢化が進んでいくという中で、委員御指摘のとおり、高齢単身者の居住の安定というのは非常に大事な課題だと思っております。そのため、今まで答弁したシルバーハウジングだとか、それからサービス付き高齢者向け住宅の適切な供給を引き続きやっていかないといけないというふうに思っております。

 それと、非常に大きな課題としては、民間の借家に住む、あるいは民間の借家に住もうとしている方への対応というのが課題になってくるのかなというふうに思っておりまして、私ども、新しい制度として、安心賃貸住宅というのをやっております。これは、どちらかというと、オーナーから断られてしまう方に対して、そこを何とか断らないようにしてほしいという登録制度でして、協力していただく不動産屋、不動産店を登録して、我々がPRをして、こういった物件もありますというのをいろいろなところに広報しているものです。

 今、空き家の話もありましたけれども、神奈川県内に43万戸の空き家があって、そのうち26万戸が民間借家ですので、こういったものを活用していくというのは非常に重要な課題で、ただそういうものに、高齢の単身者の方がお住まいになるとは限らない。そうすると、今、持ち家に住んでいる人たちが、その持ち家が要らなくなった場合に、借家に移り住んでもらうと、こういう住み替えのサイクルといった仕組みが非常に重要だと考えています。

 ただ、今後そういったものをどういう形で政策的に後押しをすればいいのかというのは、まだ検討中でして、今後の大きな課題であると考えております。

 

内田委員

 高齢者の居住の安定確保に向けて、今後10年、県は、特に頑張っていかなきゃならないなと私も感じているところです。横浜市は、坂が非常に多くて、坂や階段などが理由で空き家になっている場合もあると思います。遺産相続など別の問題がある場合もありますが、何か良いアイデアがないかなといつも思っています。今後10年を見据えて、高齢者の多様な住まいについて更にいろいろ検討していってほしいなと思います。