(小島委員長) 内田委員。

 

(内田委員) 自民党の内田です。よろしくお願いいたします。

 先般の報道によりますと、2009年1月からことしの6月までの5年半で、危険ドラッグが原因と見られる症状で緊急搬送された者は4,469人に上ることが、総務省消防庁の全国緊急調査で判明しました。2009年には30人、2012年には1,785人、2013年には1,346人と搬送者は急増している状況であり、危険ドラッグに依存してしまった者も全国的にふえ、また、使用者による交通事故も多発して犠牲者が出たりしていることなど、これは大変ゆゆしき問題であります。

 危険ドラッグを使用して救急搬送された人を都道府県別で見ると、東京が1,130人、次に大阪府の536人、そして次に本県の512人です。この人数は参考値とはいえ、搬送された人数なので、実際に危険ドラッグを使用している者はもっと多いはずです。そのような現状の中、本県の危険ドラッグ対策を進める必要があるので、今回、補正予算で計上されている危険ドラッグ緊急対策推進費を中心に伺ってまいります。

 まず、確認の意味で、今回の補正予算の目的についてお伺いいたします。

(小島委員長) 薬務課長。

(廣武薬務課長) お答えをいたします。

 危険ドラッグを使用した者が意識障害による救急搬送や交通事故等を引き起こす事例が急増していることを受けまして、危険ドラッグなど薬物の乱用から県民の健康と安全を守るため、普及啓発の充実とともに高精度検査機器を整備し、検査体制を強化することを目的としたものでございます。

 以上でございます。

 

(小島委員長) 内田委員。

 

(内田委員) また、今回予算の計上が当初予算ではなく補正予算になった経緯、そして理由をお伺いいたします。

(小島委員長) 薬務課長。

(廣武薬務課長) お答えをいたします。

 県では危険ドラッグ対策として、これまでも県警察や地方厚生局麻薬取締部と連携を図り、販売店への指導、取り締まりを強化するなどの取り組みを進めてきました。

 国も危険ドラッグ対策として、現行薬事法の運用の中で、指定薬物の指定、迅速化を打ち出すなど、取り組みを強化しているところでございます。

 しかしながら、危険ドラッグによる事件、事故が著しく増加しており、本県内でも広がりが危惧される状況にあることから、より迅速に対応できるよう、条例の制定に取り組むこととしました。

 以上でございます。

 

(小島委員長) 内田委員。

 

(内田委員) 今ご答弁いただきましたように、県としてもさまざまな危険ドラッグへの対策、取り組みをしていると認識しておりますが、改めてこれまでどのような対策を取り組んできたのかお伺いいたします。

(小島委員長) 薬務課長。

(廣武薬務課長) お答えいたします。

 県では、これまでも県警察や地方厚生局麻薬取締部と連携を図り、危険ドラッグの販売店への指導、取り締まりを強化するなどの取り組みを進めてきました。また、普及啓発活動につきましては、県内のさまざまなところで街頭キャンペーンを展開し、各種広報媒体やツイッターを活用した情報発信を行い、さらに教育委員会と連携を図り、薬物乱用防止教室等を公立中学校、高校等で開催してきました。

 このほか薬物乱用者への対応策といたしまして、薬物依存の専門病院でございます、せりがや病院での治療や家族教室の開催のほか、精神保健福祉センターが相談員の質向上のための研修などを実施してございます。

 以上でございます。

 

(小島委員長) 内田委員。

 

(内田委員) キャンペーンや広報に力を入れているとのことですが、それでは、ここで警察本部での取り組みについて伺ってまいりたいと思いますが、危険ドラッグの最近の取り締まり状況についてどうなっているのかお伺いいたします。

(小島委員長) 警察薬物銃器対策課長。

(加藤警察薬物銃器対策課長)   お答えします。

 平成25年中の危険ドラッグに関する取り締まり状況は、合計で14件、16人を検挙しております。適用罪名は覚せい剤取締法違反1件、1人、麻薬及び向精神薬取締法違反13件、15人で、それぞれ押収した危険ドラッグから麻薬や覚せい剤の成分が検出されたものです。

 平成26年は9月末現在で16件、19人を検挙しております。適用罪名は麻薬及び向精神薬取締法違反5件、5人、薬事法違反11件、14人であります。本年4月の薬事法一部改正によりまして、指定薬物の所持、使用、購入、譲り渡しが処罰の対象になりまして、単純所持違反での6件、6人の数を含んだものであります。

 以上であります。

 

(小島委員長) 内田委員。

 

(内田委員) 了解いたしました。

 先日、販売店舗への立ち入りなどの報道がありましたけれども、ここ最近の立ち入り検査や検挙事例についてお伺いしたいと思います。

(小島委員長) 警察薬物銃器対策課長。

(加藤警察薬物銃器対策課長)  お答えいたします。

 県警では、厚生労働省の麻薬取締部、県の薬務課と連携いたしまして、危険ドラッグ販売店への立ち入りや取り締まりなどを行っております。先ほど、先般報道がありましたとおり、先月中旬、3機関合同で県内の危険ドラッグ販売店への立ち入りを行ったところ、麻薬取締部において当該店舗に対して、薬事法に定める検査命令及び検査終了までの販売禁止命令を発出したところであります。

 また、先月下旬には、中区内の危険ドラッグ販売店の店長ら2人を、無許可で医薬品に該当する指定薬物を販売したとして、薬事法違反で検挙しております。

 これらの対策により、ことしに入りまして川崎区内での危険ドラッグ販売店6店舗を閉店に追い込むなどの成果を上げているところです。今後も関係機関と連携いたしまして、危険ドラッグ販売店に対する指導、警告や取り締まりを強化し、危険ドラッグの撲滅に向けた対策を強力に推進してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

(小島委員長) 内田委員。

 

(内田委員) 取り締まり状況は承知いたしました。

 また、そのほかに警察本部として、どのような危険ドラッグ対策を実際取り組んでいるのかお伺いいたします。

(小島委員長) 警察薬物銃器対策課長。

(加藤警察薬物銃器対策課長)  お答えいたします。

 県警として、取り締まりのほかに危険ドラッグを初め薬物に関し、さまざまな広報、啓発活動を行っております。代表的なものといたしましては、地域や企業、学校などに警察職員を派遣して行う街頭キャンペーンや、薬物乱用防止講演などが挙げられます。

 本年は8月末までに延べ約500団体、約112,000人を対象に、危険ドラッグなどの有害性、危険性、違法性などを訴えてまいりました。また、これらのキャンペーンで訴えてきた内容を県警のホームページにも掲載し、より多くの方に危険ドラッグを初めとする規制薬物等の危険性を理解していただくよう努めております。

 以上でございます。

 

(小島委員長) 内田委員。

 

(内田委員) 警察本部におかれましては、取り組みを強化していることで、これからも頑張っていただきたい、そう思っております。

 また、危険ドラッグを興味本位で友人や、また周りの環境によって、そのきっかけについては人によってさまざまであると思うんですけれども、危険ドラッグを使用して依存症になって引き返せなくなって常用する者もいることが、この危険ドラッグの恐ろしさであります。若いうちからこのことをしっかり教育していくことが強く求められると思いますので、はまったら引き返さない、そのくらいの気持ちを教育現場でしっかりと生徒たちに指導することが大切であると思います。

 こうした薬物乱用防止対策、若年層の中学、そして高校における教育が有効でありますけれども、学校の現場ではどのような取り組みがされて、またどういった反応なのか、教育委員会にお伺いいたします。

(小島委員長) 保健体育課長。

(田中保健体育課長) お答えします。

 薬物乱用防止につきましては、学習指導要領に基づきまして、小・中・高校生の各発達段階に応じて、保健体育の授業で学習しております。また、授業以外でも特別活動の中で、専門の医師や薬剤師などによる薬物乱用防止教室、年1回以上開催するよう、県内の全公立学校に指導しておりまして、その実施率は高校で100%、中学で96.4%となっております。

 生徒からは、1回くらいなら平気だと思っていたが、1回使用しただけで人生が壊れてしまうんだと思った、また、薬物乱用が予想以上に危険だということがよくわかったなどの反応がございまして、薬物の危険性を伝えることができたと考えております。

 以上でございます。

 

(小島委員長) 内田委員。

 

(内田委員) 教育の現場、そして保健福祉局でも協力して頑張っていただきたい、そう思っております。

 危険ドラッグが蔓延してしまった原因の一つに、インターネットでの販売、これが挙げられると思います。これらへの対策や取組状況についてお伺いしたいと思います。

(小島委員長) 薬務課長。

(廣武薬務課長) 先ほどは委員から、当初予算ではなく補正予算になった理由、経緯ということでお尋ねをいただきましたが、そのご答弁できなかったので、ここで改めまして答弁させていただきます。

 まず、補正予算になった理由でございますけれども、これまで危険ドラッグ対策につきましては、覚せい剤ですとか大麻等の薬物乱用防止対策の一環といたしまして、薬物乱用防止対策推進費の中で取り組んでまいりました。しかし、本年6月以降、危険ドラッグによる事件、事故が相次ぎまして、本県内でも広がりが危惧される状況となりましたことから、危険ドラッグに対する早急な対応を図るため、直近の今議会に補正予算を提案することといたしました。

 続きまして、インターネットの関係について答弁をさせていただきます。

 インターネット販売は固定店舗の形態をとっていないものが多く、営業者は見せかけの所在地や連絡先を簡単に変更でき、取り締まりに苦慮する場面が少なくございません。このため近隣自治体はもとより、国とも連携を図り対応をしているところでございます。

 県内に所在する営業者には、メールですとか電話で連絡をとりまして、固定店舗と同様に販売自粛などを要請してございます。また、不適切な販売サイトには指導を行いまして、是正されない場合は、当該サイトの削除要請をインターネット接続業者等に求めるということを国に要請するという取り組みを行ってございます。

 以上でございます。

 

(小島委員長) 内田委員。

 

(内田委員) ここまで主に現在までの取り組みなどを確認してまいりましたけれども、今回の補正予算での事業、そして取り組みについてお伺いいたします。

(小島委員長) 薬務課長。

(廣武薬務課長) お答えをいたします。

 今回の補正予算の事業、取り組みといたしましては、まず普及啓発の充実ということでございまして、危険ドラッグの危険性等を解説するDVD動画や、そのダイジェスト版を作成し、活用を図ろうとするものでございます。

 次に、危険ドラッグの検査をこれまでよりも迅速に実施できる高精度検査機器の整備を図りまして、危険ドラッグの検査の拡充を図るというものでございます。検査の拡充により、危険ドラッグの販売店への指導、取り締まりの強化が図れるものというふうに考えてございます。

 以上でございます。

 

(小島委員長) 内田委員。

 

(内田委員) 危険ドラッグ対策の課題として違反物質の検査、そして特定が追いつかずイタチごっことなる状況を漏れ聞いております。今回の補正予算で検体数が拡充され、高精度検査機器が投入されるなど、いろいろ取り組みを強化していますけれども、この高精度検査機器、これはどの程度迅速に検査が実施されることになるのか、改めてお伺いいたします。

(小島委員長) 薬務課長。

(廣武薬務課長) お答えをいたします。

 新たな検査機器では、現在に比べておよそ3分の2程度に短縮化が図れるというふうに見込んでございます。

 以上でございます。

 

(小島委員長) 内田委員。

 

(内田委員) 先ほど申し上げました総務省の調査で、緊急搬送者が多い東京都や大阪府においては、既に条例が制定されて規制に取り組んでいます。

 さて、本県では条例制定の取り組みは目下のところ進めているとのことであると承知しておりますけれども、本県の危険ドラッグ対策の条例制定のスケジュールをどのように考えているのか、ここで生活衛生部長にお伺いいたします。

(小島委員長) 生活衛生部長。

(甲斐生活衛生部長) お答えします。

 条例制定のスケジュールでございますが、この議会でいただいたご意見を踏まえまして、条例案を早急にまとめてまいります。この条例案の規制には罰則規定を伴うことから、横浜地方検察庁との事前協議が必要となります。そこで、速やかに事前協議を行い、終了後、直近の議会に条例案の提案をさせていただきたいと考えています。

 以上でございます。

 

(小島委員長) 内田委員。

 

(内田委員) わかりました。

 先日、我が会派の代表質問に対し、知事から危険ドラッグの撲滅に向け、徹底的な対応を図っていきたいというご答弁をいただきまして、我が会派からは、日本一厳しい条例の制定について強く要望したところであります。

 そこで、改めて危険ドラッグの撲滅に向け、神奈川らしい条例制定についてどのように取り組んでいくのか、最後に知事の決意をお伺いいたします。

(小島委員長) 黒岩知事。

(黒岩知事) それでは、お答えします。

 危険ドラッグに対しましては、これまでも啓発活動や販売店に対する指導、取り締まりを強力に進め、その結果、この2年ほどの間に県内の販売店舗は30店舗から12店舗に大幅に減少いたしました。

 しかしながら、ことしに入り全国的にこの乱用者自身の死亡事案、また吸引後に車を運転し、通行人を死傷させる事件が頻発しまして、本県への広がりが危惧されているところであります。

 そこで、危険ドラッグに対しまして実効性のある抑止策を進めるために条例を制定することといたしまして、今議会に(仮称)神奈川県薬物乱用防止に関する条例素案をお示ししたところであります。この条例素案の特徴ですけれども、人の身体に使用された場合に危害のある薬物を県として独自に指定し、その製造、販売、所持や使用などの行為を規制すること。違反行為に対しては、罰則規定を設けるとともに、警察職員にもこれら薬物を扱う場所への立ち入り調査等の権限を行使できるようにすること。さらに乱用により重大な健康被害が生じた、あるいは生じるおそれがある場合、含有成分を特定しなくても、製品の販売禁止等の措置を勧告できるようにすることなどを盛り込んでおります。

 なお、罰則は他の都府県の条例と比較しまして、最も厳しいものとしたいと考えております。

 このように、日本一厳しい条例を制定しまして、徹底した対応を図ることによりまして、危険ドラッグの撲滅を目指してまいります。

 答弁は以上です。

 

(小島委員長) 内田委員。

 

(内田委員) 知事におかれましては、ご答弁ありがとうございました。

 ぜひとも県においても警察本部を初め、各部局横断的な取り組み強化、そして神奈川らしい日本一厳しい条例制定に向けて取り組んでいただくよう要望いたします。

 もう一つ、大きな課題なんですけれども、自殺対策についてお伺いいたします。

 本県の自殺で亡くなられた方の状況を見てみますと、2011年の1,852人から2013年には1,558人と約300人減少しているものの、同年に交通事故で亡くなられた方の168人の約9.3倍ということになっています。依然として自殺者は多いと考えられます。

 そのような本県の状況を踏まえ、今回の補正予算、地域自殺対策強化モデル事業費を含めて、自殺対策全般についてお伺いいたしたいと思います。

 まず、本県における自殺者の傾向についてお伺いいたします。

(小島委員長) 保健予防課長。

(河鍋保健予防課長) 本県の自殺者数は平成19年から5年連続1,800人台でしたが、平成24年は1,644人、25年は1,558名と、この2年間は減少に転じてございます。統計から見た傾向でございますが、まず男女別ではまず7割が男性、約3割が女性、この傾向は毎年同じような状況です。また、年代別では近年、若者の自殺が他の年代に比べて減少していないという状況にございます。さらに原因・動機別では平成25年は健康問題による自殺が一番多く、次いで家庭問題、経済生活問題といった順になってございますが、経済生活問題を原因とする自殺は近年減少の幅が大きくなってございまして、平成24年と25年を比較しますと、家庭問題と経済生活問題の順位が逆転するというような傾向になってございます。

 以上でございます。

 

(小島委員長) 内田委員。

 

(内田委員) 傾向はわかりました。

 それでは、今回の補正予算の目的と事業内容について伺います。

(小島委員長) 保健予防課長。

(河鍋保健予防課長) まず、自殺者全体は減少傾向なのに、先ほど申し上げましたが、若年層の自殺は他の年代に比べて減少していない状況にございます。具体的に申しますと、平成20年の10代から30代の自殺者441名でございましたが、25年の自殺者は474名と、逆にふえている状況でございます。また、自殺の場所を見ると、鉄道線路における自殺についても減少していないということがわかりました。

 こうしたことから、若年者対策として、メンタルヘルスに関する情報提供や相談窓口の紹介を行うとともに、鉄道における自殺対策として、青色照明を設置する鉄道事業者に対して助成することとし、9月補正予算としてご審議いただくものでございます。

 以上でございます。

 

(小島委員長) 内田委員。

 

(内田委員) 県では、以前からゲートキーパー養成研修などのさまざまな自殺対策を行っていることは承知しております。これまでどのような取り組みを長い間してきたのか、改めてお伺いいたします。

(小島委員長) 保健予防課長。

(河鍋保健予防課長) 県では平成23年に策定いたしました、かながわ自殺総合対策指針、これに基づきまして10個の重点施策ということで実施してございます。

 重点施策の一つは、先ほど委員お話ありました人材養成ということで、ゲートキーパー養成研修、これがこの人材養成に該当いたします。こうした人材養成以外では、キャンペーンや講演会等の普及啓発や電話相談、学校、職場などさまざまな場面における心の健康づくりの推進、自殺と密接な関係のあるうつ病対策の推進、さまざまな悩みを抱えた人に対してワンストップで相談を受ける包括相談会などの社会的取り組み、さらには自殺未遂者の支援、自死遺族の支援など、さまざまな取り組みを行っているところでございます。

 以上でございます。

 

(小島委員長) 内田委員。

 

(内田委員) 最近、女子学生が2人でともに飛び降りたりとかした、自殺したニュースの報道などもありましたけれども、児童・生徒にも命の大切さというものを教育していく必要があると思います。

 そこで、教育委員会のほうにお伺いいたします。

 県教育委員会では、自殺対策についてどのように取り組んでいるのか、改めてお伺いいたします。

(小島委員長) 学校支援課長。

(飯塚学校支援課長) お答えいたします。

 県教育委員会では、自殺予防の取り組みといたしまして、命を大切にする心を育てる、いのちの授業を学校運営の重点課題に位置づけまして、その推進に努めております。

 また、自殺予防の観点から、スクールカウンセラーの学校配置の充実を図るとともに、生徒や保護者が相談しやすい環境づくりとして、総合教育センターに臨床心理士など、専門の相談員を置きまして、24時間対応のいじめ110番を開設しているところでございます。

 以上でございます。

 

(小島委員長) 内田委員。

 

(内田委員) 特に県立高校の現場では、具体的にどのような対策を実施しているのかお伺いいたします。

(小島委員長) 高校教育指導課長。

(折笠高校教育指導課長) 県立高校においては、全ての高校で各授業や特別活動など、さまざまな場面において、いのちの授業を実践しており、昨年度は県立高校全体で1,668件の取り組みを実施いたしました。

 いのちの授業を受けた生徒からは、命を軽く扱ってはいけない、自分が多くの人から愛されて産まれてきたことを実感したといった感想が聞かれました。生徒たちはこうした、いのちの授業を通し自己肯定感を強め、命を大切にする心を育んでおります。

 また、地域のフリースクールや医療機関と連携して、高校生の心のサポートをし、自殺を予防するための地域連携による高校生の心サポート事業や、学校生活のさまざまな機会に教員と異なる立場で生徒の声を聞くスクールメンター活用事業を行っております。

 以上でございます。

 

(小島委員長) 内田委員。

 

(内田委員) わかりました。

 また、自殺というと、過去には中高年の男性の自殺者が多かった時期がありましたけれども、現在の傾向をお伺いいたします。

(小島委員長) 保健予防課長。

(河鍋保健予防課長) 平成10年に自殺者が急増いたしました。このときには50代を筆頭として40代から60代の中高年の男性の自殺者が大きく増加しました。現在も40代から60代の男性の自殺者数は全体の半数以上を占めてございます。

 しかしながら、若年者の自殺が他の年代と比べて減少していないのに対しまして、中高年の男性の自殺は自殺者全体と同様、この二、三年減少傾向になってございます。

 以上でございます。

 

(小島委員長) 内田委員。

 

(内田委員) わかりました。

 中高年の男性に対する自殺対策としては、職場におけるメンタルヘルス対策が大変重要と考えますが、県としての取り組みをお伺いいたします。

(小島委員長) 労政福祉課長。

(坂本労政福祉課長) 県ではメンタルヘルスに関する労働者等の悩みに個別に対応するため、毎週1回、かながわ労働センターにおきまして、働く人のメンタルヘルス相談を実施しています。

 また、企業の管理監督者などを対象に、メンタルヘルス対策の進め方や取組事例等を記載したリーフレット等を作成、配布するとともに、講演会などを開催し、企業の理解促進にも取り組んでいます。

 さらに県内の中小企業の事業所や中小企業団体にメンタルヘルス対策の専門家を無料で派遣するなど、中小企業への支援にも努めているところでございます。

 

(小島委員長) 内田委員。

 

(内田委員) ありがとうございました。

 今回の補正予算で提案されている地域自殺対策強化モデル事業費について、青色照明はなぜ鉄道施設に設置しているのかを改めてお伺いすることと、また実際には駅のどういったところに設置されているのか、あわせてお伺いいたします。

(小島委員長) 保健予防課長。

(河鍋保健予防課長) 青色照明につきましては、以前はその効果は証明されておりませんでしたが、平成24年に東京大学の研究成果としまして、首都圏における鉄道会社のデータを用いた統計分析によりまして、駅ホームにおける青色照明設置後の鉄道自殺者数は、平均して約84%下がると、こういう研究発表がございましたので、自殺抑止効果があるものと考えて設置しているところでございます。

 駅で青色照明を設置する場所でございますが、乗客が乗りおりするホームになります。中でも電車のスピードが減速していないホーム先端の進入地点、もしくは階段の裏側など物陰になって人の目が届きづらい場所に設置してございます。

 以上でございます。

 

(小島委員長) 内田委員。

 

(内田委員) その青色照明の県内の鉄道での設置状況についてお伺いいたします。

(小島委員長) 保健予防課長。

(河鍋保健予防課長) 県内の設置状況でございますが、まず県の補助で設置した青色照明というものがございます。それから、横浜市が以前補助で設置した青色照明、それから鉄道事業者が単独で設置した青色照明がありまして、合わせて駅ホームに現在35カ所、踏切に37カ所、合計72カ所に設置してございます。

 以上でございます。

 

(小島委員長) 内田委員。

 

(内田委員) わかりました。

 9月補正では若年者向けの対策も行うとのことですが、その内容について伺います。

(小島委員長) 保健予防課長。

(河鍋保健予防課長) まず、若年者の多くが利用しているスマートフォンや携帯電話から手軽にアクセスできて、自身のストレスチェックができるサイトを開設し、ストレスチェックの結果、悩みを抱えている若年者が相談機関につながることを促す相談システムを持つホームページを構築しようとしてございます。

 また、就職活動中の学生や既に仕事についている若者に、労働関係の情報や相談窓口の周知を図るため、パワハラ対策、ブラック企業対策のリーフレットを作成し、労働センター等において普及啓発を図る予定としてございます。

 以上でございます。

 

(小島委員長) 内田委員。

 

(内田委員) 若年者の自殺がふえているということで、これも対応していかなくてはならないと思いますけれども、最後に、今後の自殺対策の取り組みに向けた決意を知事にお伺いいたしたいと思います。

(小島委員長) 黒岩知事。

(黒岩知事) それでは、お答えいたします。

 いのち輝く神奈川を実現したいと言っている私にとってみれば、この自殺者対策というものは非常にやっぱり重要な課題だなというふうに認識しております。我が国では平成10年に自殺者数が前年の2万4,000人から急増して3万2,000人を超えました。以来、毎年3万人を超える自殺者数で推移してまいりました。国を挙げて自殺対策に取り組んだ結果、平成24年以降ようやく減少に転じているところであります。

 自殺に至る原因はさまざまありますけれども、その背景には健康問題、生活苦、過労、地域や人とのつながりの希薄化など、幾つもの社会的な要因が複雑に関係をしていまして、自殺は社会的に追い込まれた末の死とも言えるわけであります。

 本県の自殺者数も全国とほぼ同様の傾向にありました。そのためにこの社会的に追い込まれないようにするということが、やはり大事だなといったことで、これまで心の電話相談、フリーダイヤル化などの相談支援でありますとか、身近な人の不調に気づいて相談に乗るゲートキーパーの養成でありますとか、教育現場における、いのちの授業、さまざまな取り組みを行ってきたところであります。

 その結果、本県でも平成24年以降、自殺者は減少傾向にあります。しかし、今もなお1日当たり約4人の大切な命が失われているという深刻な状況にありますから、自殺対策は引き続き取り組むべき重要な課題であると認識しております。

 そこで、これまでの取り組みに加えまして、自分でストレスチェックができるサイトの開設、それから相談窓口の周知、駅や踏切への青色照明の設置など、9月補正予算に計上しまして、自殺に傾いている人に直接届く対策を充実してまいりたいと考えております。

 今後は、県と市町村、弁護士会などの民間団体が連携しまして、一人一人に寄り添うきめ細かな対策に取り組むことで、自殺者の一層の減少につなげてまいりたい、そう考えております。

 答弁は以上です。

 

(小島委員長) 内田委員。

 

(内田委員) 私の質問は以上です。

(小島委員長) 時間の計測をとめてください。

 質疑の途中ではありますが、時間の関係上、この際、一たん休憩したいと思いますが、ご異議はございませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

(小島委員長) それでは、休憩いたします。

 なお、再開は午後1時5分といたしましたので、よろしくお願いいたします。

      (休  憩 午後 0時07分)いりたいというふうに考えてございま